複雑・ファジー小説

月下のクリムゾン
日時: 2015/10/15 20:19
名前: 砂切長谷川 ◆M6R0eWkIpk (ID: NFbvEd0b)

「人なんて、何しても殺せる」




初めまして、砂切長谷川と申します。シャギリハセガワ、ショッキリハセガワ、お好きな方でお呼び下さい。
以前は平仮名三文字、大大小、という調子の名で活動しておりました。

こちらもまた片手間更新となります、更にリメイク作品ですがお付き合い頂けたら幸いで御座います。
尚、本作には齢15歳以下の方にはお勧めできない描写がございますので、閲覧の際は十分にお気を付け下さい。本作を読まれた事で気分を害されても、こちらは一切責任を負いません。

また、以前とはかなり設定が変わっております。ご注意ください。




第零話 「……それ、私が一番知りたいんだけど」 >>2

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Re: 月下のクリムゾン ( No.1 )
日時: 2015/10/14 00:52
名前: アーリア ◆IYbi.dCFgs (ID: UQ9rgOft)

おぉ…!懐かしいタイトルが…

こんにちは、リメイク前の方で読者してた人です。前のHNを忘れてしまったので、現在使用中のHNでコメントさせていただきましたが、コメントよかったでしょうか?すごく好きな作品だったのでタイトル見た瞬間に思わずコメントに来てしまいました。内容が大きく変わるそうですが、今作もとても楽しみです。
コメントが長すぎるのもあれなのでこれにて

応援してます!それではっ

Re: 月下のクリムゾン ( No.2 )
日時: 2015/10/15 20:24
名前: 砂切長谷川 ◆M6R0eWkIpk (ID: NFbvEd0b)

第零話 「……それ、私が一番知りたいんだけど」




 私は自他共に認めるゲーマーである。それに加え、名前なんてとてもお教えできる筈も無い世界に身を浸しきったオタクでもある。MMORPGからFPSまで手を出した。だが、好きになるゲームの大半がアクション系のものか、或いは銃をぶっ放す爽快FPS。育成ゲームとかシュミレーションゲームはお呼びじゃないので、帰って、どうぞ、という脳筋っぷりもあわせて紹介しておこう。
 私、という一人称から透けて見える通りに女ではあるが、こんな女子力が欠落した趣味だ。ネット上ですら男に間違われる始末で少々悲しい。けれど、そんな有様であったとして、夢小説サイトなどでよく見る"生物学的には女"という痛々しい自己紹介はしない。しないったらしない。
 こんな私を良く知っているのだから、私の発言に対する友人の反応も納得できるのだけれど。

「変な夢を見たぁ? アンタのことだし、どうせゲーム関連の夢でしょ」
「あたってる。だけどねえ愛美さん。決め付けて物事を聞くのはどうかと思うんですよ」
「ええー、だって、趣味と生きがいがゲームでゲームが出来ないなら死ぬって言ってる工藤ちゃんが、それ以外に興味持つなんて信じらんないんですぅ」
「……そっか」

 愛美から改めて聞かされた自分のゲーム狂っぷりに思わず溜息が出た。自分のことながらまったくもって狂人じみている。親に幾度「ゲームに費やす情熱を勉強に注いだら間違いなく東大に行けるのに」、と嘆かれたことか。

「で? どんなゲームの夢なの。変な夢ってことは、クリアリング(※1)ミスでもした? それともAI殲滅(※2)でフラト(※3)取り損ねた?」
「いやあ、銃じゃなかったんだよね。何か、刀振り回して乙女ゲーしてた」
「は?」
「私の武器はなんかキレーな刀でさ、それを使って化け物をぶち殺していく傍ら、私を庇って足手まとい扱いしやがった文系イケメン、私を気に掛けてくれる俺様イケメンが鬱陶しすぎて殺したり、……そんな乙女ゲームだった」

 愛美の顔がゆっくりと歪んでいく。気持ちは分かるぞ。

「……その乙女ゲーム、クソゲーとして名を馳せそうだね」
「私もそう思う。……更に可笑しいのは此処からなんだけど、私が使ってた刀……あー、何だっけ、……そうそう、童子切。それから、 文系イケメンと俺様イケメンの名前。これを検索したら、所謂"二次創作小説"がヒットしたんだ」
「……ごめん待って、よく理解が出来ない。二次創作小説ってことは、元になったゲームがあるってことでしょ?なのにその三つで検索して、二次創作小説が出てくるの」
「ヒント、クロスオーバー(※4)」
「節子それヒントちゃう答えや」

 がっくりと項垂れる愛美の背を叩きながら、私は片手に持っていたスマホを操作して、URLを開く。正直ブクマしたくもないくらいには好みの文体じゃなかったけど、話すためにブクマした。
 重たいスマホに苛立ちながらタイトルが表示されるのを待ち、その間に復活したらしい愛美の鼻先に画面を突きつける。

「これ、"月下のクリムゾン"っていうタイトルなんだけど。乙女ゲームと、和風ファンタジーアクションゲームのクロスオーバーらしいんだよね。正直、作者のオリキャラ主人公マンセーが透けて見えて萎えた」
「ああ、アンタ、読むなら嫌われ(※5)だもんねえ。主人公が不幸になるのが楽しいんだっけ?」
「そう。なのにこれ、只管力でゴリ押すだけでつまらないし、尚且つ文章が稚拙すぎ」
「うーん、セリフの先頭に名前、文章の中に顔文字、スラッシュ……こんな感じ?」
「思いつく限りの詰め合わせ」
「うわあ」

 露骨に眉をしかめた愛美はそれでも可愛くて、顔面格差というものをはっきりと実感する。自分の顔に対するコンプレックスがあるから、対面して話すのは苦手だ。
 そんな事を考えて真顔になっていると、愛美が視線をふらつかせて、それから小首を傾げて私を見る。

「でもさ、何でそんな、アンタが見たこともない小説を、夢の中で見たわけ?」
「……それ、私が一番知りたいんだけど」
「だよねえー」

 突っ伏した愛美が、その巨乳の下敷きにしていた原稿を引っ張りだし、未だ下書きのそれへ新たに線を書き加えていく。
 漫研でもないのに、愛美の「一緒に帰りたい」という我儘を聞いて待つことになった為、愛美が原稿を終わらせない限り帰ることは出来ない。

「ほら、息抜き終了。きりきり描いた描いた!」
「うわーん、もううちの子描くの疲れたー! 二次に走りたいよー!」
「ほらほら、がんばれがんばれ! 終わったらスイパラ付き合ってやるから!」
「ううー、がんばる……」

 泣き言と共に鉛筆を滑らせ始めた愛美のつむじを確認してから、私はスマホの画面に目を向ける。
 そのクソ小説の表示されたブラウザを閉じて、アプリを開く。
 帰る途中で、面白そうだった和風ファンタジーアクションゲームの方を買おう、と思いながら。





※1 クリアリング
敵が隠れている、出てくるかもしれない場所を確認していく作業のこと。
「その場所を見る」だけで「そこは敵がいない」という安全な場所を広げられる。

※2 AI殲滅
FPSゲーム内での戦場、「殲滅戦」から派生するもの。
通常プレイヤー対プレイヤーで行われる殲滅戦の相手を、プレイヤー対AIで行う。

※3 フラト
フラグトップの略。
その試合中もっともスコアが高い人のこと。

※4 クロスオーバー
ある作品の登場人物が、その作品の設定を保ったまま別の作品に登場すること。
「異なる作品のキャラクター同士が出会い、一時的に行動を共にする」という形式の作品を指すことが多い。

※5 嫌われ
此処では夢小説に端を発し、流行したものの意味で使用している。
悲劇のヒロイン的演出であり、作品内で誰かが嫌われている・いじめられているという「設定があること」を示唆する意味で用いられている。

Re: 月下のクリムゾン ( No.3 )
日時: 2015/10/15 20:21
名前: 砂切長谷川 ◆M6R0eWkIpk (ID: NFbvEd0b)

>>1 アーリアさん

初めまして、と言おうと思いましたが初めましてでは無いご様子なので……お久しぶりです?
リメイク前の作品を読んでいただいていたようで光栄です。コメント、ありがとうございます。
文体どころか設定すら変わってしまう有り様ですが、今回もお読みくだされば幸いです。

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