複雑・ファジー小説

芸能界浄化睦軍
日時: 2015/12/29 01:57
名前: 梶原明生  

芸能界浄化の宣言
一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化陸軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。
以上

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Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.105 )
日時: 2018/02/21 00:24
名前: 梶原明生  

…一方、佐藤梓はと言うと、芸能界浄化陸軍病院の集中治療室で生死の境は脱したものの、依然と意識不明のまま。幕張は許可のもと、外出許可が出て毎日勤務時間外は病院に通い、佐藤の手を握って話しかけていた。「はい、コーヒー。あんまり根詰めてるとあんたもやられるよ。」そう声をかけたのは白衣姿の清水玲奈曹長だった。「あ、ありがとうございます。でも、一分一秒でも長くそばにいたいんです。」「大丈夫。その気持ちはきっと彼女に伝わってる。それに私達最高の医療スタッフがついてんだよ。安心しなって。」幕張は微笑みながら、視線を佐藤に移した。瞼が微かに動いたような。…翌日は休暇をもらっていた長谷川は、神原を連れて大津駅に来ていた。「うわーっここが輝の生まれたところ。」「うん。正確には膳所だけど。」二人はその膳所駅に向かい、滋賀銀行側の道路をひたすら歩いた。「懐かしい。2年前と変わってないや。あ、ここが俺んち。」指差した先にはこじんまりとした一軒家が佇んでいた。緊張する神原。やがて家に入り、リビングから駆けつけた母が出迎えた。「まぁ、輝。立派になって…こちらのお嬢さんはまさか…」「は、初めまして。ひ、輝さんと交際してます神原美紀と申します。」「まぁ、こんな可愛いお嬢さんをうちの息子が射止めてしもうて。ほんま隅に置けんわなぁ。」「いえ、そんな…」意を決した長谷川は母に告げる。「母ちゃん、聞いてくれ。早過ぎるかもしれないが、俺、美紀と来年結婚する。」「へ…」あまりの発言に固まってしまう寛子。その後くつろいでいる間もなく、翌日には鹿児島に向かった。途中サインを求められたりしたが、快く受け入れつつ、鹿児島中央駅に到着。観覧車を見上げていると神原の父親が車で出迎えた。「こ、これは、お久しぶりですお父さん。」「んだもしたん、せからしかよ。いらんこつ言わんで、もて、乗れ。」言葉は分からないが、とにかく彼のSUVに乗る長谷川。一路天文館近くの神原の生家へと向かった。そこには母と美紀の弟がいた。弟は騒ぐ。「うーは、姉ちゃんかごっま帰ってきた。わっぜわっぜたまがっ。」「キャー、宗雄、まっこと会いたかった。」二人は飛び跳ねて再会を喜んだ。しばらく互いに落ち着いてから、長谷川は切り出した。「お約束の件ですが、その、あの、当初の予定をですね、は、早まりまして、その、結婚をですね…」「知ってるよ。来年結婚式を挙げたいんだろ。」「げっ、何故それを…」…続く。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.106 )
日時: 2018/02/21 19:23
名前: 梶原明生  

…突然の意外な発言に、目を皿にして驚く長谷川。「固く口止めされてたんだが、こうして来たんだし、もういいだろう。君の上官だったか、藤高曹長て人が昨日行き違いで訪ねてきてな。色々事情を説明してくれたよ。大変だったそうじゃないか輝君。いつ死んでもおかしくない世界で頑張ったってな。そこをくぐり抜けて美紀のいる芸能界を必死に守ってくれた。その話に感動してな。おまけに土下座まで…部下の不徳は上官の不徳と言われたもんで、さすがにやめてくれと頼んだよ。…あんたいい上官を持ったよ。だからわかった。少し早過ぎるが、結婚を認めよう。」「あ、ありがとうございます。」長谷川は深々と頭を下げた。「そうか、藤高曹長がそこまでしてくれてたなんて。」「藤高さんに感謝しないと。」「うん。」長谷川、神原は互いに見つめ合って頷いた。その頃、芸能界浄化陸軍基地についていた藤高曹長は、正門前でくしゃみしていた。「ハクション。長谷川が噂してんのか。」「ひひっ、藤高曹長殿。」後ろから声をかけたのはあの記者だった。「し、週刊朝企の内野。…何の用だ。」「ひひっ。いやね、お詫びしておこうと思いましてね。完全に私の負けですよ。少しあなた方の活動の意味をわかったような気がします。ただし、記事は書きますがね、良きライバルとして。それではまた。ごきげんよう。」「何だあいつ。謝罪が謝罪になってねぇし。…ふっ、まぁいいか。」微笑みながら通行証を出す藤高。PX横の休憩室に行くと氷川はじめ、いつものメンバーが揃っている。「よぉ、藤高。根回しご苦労様。」「根回しとか言うなよ。あくまで熱意を伝えに行ったまでだ。」「なるほど。お前さんらしい意見だな。」氷川の言い回しを見ながら橘が不思議そうに聞く。「そう言えば木下伍長から聞いたんですが、氷川曹長にとって藤高曹長は命の恩人なんだそうですね。何があったんです。それ以前は犬猿の仲だったとか。」「ああ、その話か。話せば長くなるが、うちの女房がストーカー被害にあっててな。非番だった藤高がたまたま駅にいた女房を刃物持ったストーカーから救ってくれたのさ。以来、何だか打ち解けてな。で、今に至るわけさ。」「そんなことがあったんですか。」 関心する橘。「いけない。約束忘れてた。すまんが話は後だ。」そそくさと出て行く藤高。芸能界浄化陸軍の宣言が書かれたステンレス額がある壁の前で、ドレスアップした辛島麻里と落ち合った。「ごめん、待たせた。」…続く。


Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.107 )
日時: 2018/02/21 20:08
名前: 梶原明生  

…「ううん。いいの。」「どうした…」藤高は麻里の視線を追った。芸能界浄化の宣言が書かれたプレートを見上げていたのだ。「復唱してみるか。」「はい。」

芸能界浄化の宣言

一つ、芸能界は芸能人搾取があってはならない。

一つ、芸能界は情報提供に速やかに応じなければならない。

一つ、芸能界は、悪質な秘密を抱えてはならない。

一つ、芸能界は正当な浄化行動に逆らってはならない。

一つ、芸能界は清浄、且つ国民の模範とならねばならない。

芸能界が不浄且つ不純な行動行為表現を行った場合、芸能界浄化睦軍は武装武力をもって浄化執行する権利を有する。

「あれ…」麻里が何かに気づいた。「これ陸軍が睦軍になってる。何で。」藤高が答える。「んっ、何故かって。睦っちゃんの睦をどうしても入れたいという願いがこもっているのさ。俺と石神大佐の哀願の賜物さ。勿論、陸軍と呼んでもいい。」「そうだったんだ。」互いに待ち受けにした、かつての上原実優さんのお姿を見つめる。「必ず二人で種子島にお墓参りに行こう。」「はい。」やがて二人はタクシーに乗り、夕方の街へと繰り出していった。一年後。相変わらずピクセルグリーン迷彩服に89式小銃折曲銃床で閉所戦闘訓練に明けくれる長谷川、藤高の姿があった。「明日は結婚式だろ長谷川。美紀ちゃん来てるぞ。」「大丈夫っす。」そんな時、赤色灯が回って緊急放送が流れる。「訓練中止っ。出動準備に入れ。」「了解。」藤高曹長の怒号で一斉に駆け出す隊員達。「美紀。」「うん、構わず行って。」「ありがとう。」長谷川は心置きなく芸能界浄化睦軍部隊員として走り出した。そこに救いを求める芸能人がいるかぎり。…


Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.108 )
日時: 2018/02/27 16:44
名前: 梶原明生  

エピローグ

芸能事務所に銃を持って立てこもる事件は芸能の牙、通称GKメンバーの残党が引き起こしていた。出動した芸能界浄化睦軍部隊の面々は、長谷川、藤高を始めいつもの隊員達が来ていた。警視庁SITとの管轄争いは相変わらずだが、今回は痺れを切らし、すんなり芸能界浄化睦軍部隊突入を許可してくれた。MP−7の盾隊と89式小銃の攻撃隊が順次突入して制圧。無事枕営業されようとしていた女性芸能人を保護した。苅田無き今でも戦いは終わらない。こうして無事、翌日の結婚式を挙げることが出来た。盛大な前代未聞の結婚式に、世間は論争に明け暮れたし、結婚資金の問題もあったがそれは解消した。彼女の歌声には不思議な能力が備わっていて、神原美紀の歌が大ヒットしたからだ。おかげで印税は高く入った。藤高利行、麻里夫妻が見守る中、ウェディングドレスの美紀と輝は熱いキスを交わす。石神大佐、藤岡中佐、倉持中尉、小脇大尉、氷川准尉、木下軍曹、梅崎軍曹、幕張上等兵、橘上等兵、そして、清水玲奈曹長の姿もあった。それぞれ一階級昇進したにも関わらず、藤高、清水は昇進を拒んだ。より現場に近い階級でありたいがために。麻里はと言うと…上等兵止まりで寿退官。現在妊娠20周目を迎えて藤高と新婚生活中11人は産むと豪語。そして美紀と輝の新婚旅行先はと言うと。…鹿児島種子島であった。青い海、暖かい風、そして上原実優さんの生まれ故郷。二人は更なる愛を誓うのであった。
いかがだったでしょうか。二年の長きに渡り執筆いたしましたが、読んでくださった方、応援してくださった方々には感謝感激の至りです。不足した部分は多々あるものの、精一杯執筆したつもりです。実はこのあと、清水玲奈曹長率いる女性部隊を描いた「芸能界浄化睦軍WGF」を考えてます。(立ち消えの可能性も)そちらも良かったら見てください。清き芸能界あれ。 梶原明生より。

Re: 芸能界浄化睦軍 ( No.109 )
日時: 2018/04/10 21:31
名前: 梶原明生  

非日常。それは日常を生きる者のオアシス。しかしそのために日常的安全を怠っていいのか芸能界。ある者は後頭部骨折。またある者は足指を骨折。ステージ演出のためとは言え、安全あってのアイドル。芸能界浄化部隊が出動したい気分だ。

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