複雑・ファジー小説

マゾヒスティックな彼女。
日時: 2016/05/01 09:59
名前: 猫夜又 (ID: dDPEYPay)


春織つばき。
胸元までの絹糸のようにさらさらの黒髪に、白く華奢な体。深い藍色の大きな瞳に愛らしげな顔立ち。頭脳明晰、容姿端麗、捨て犬を拾うところを見た等性格も良い。

撫川凛音。
襟首までの長めの黒髪に、女子顔負けな整った顔立ち。小柄で色白、空色の綺麗な瞳。銀色の眼鏡がよく似合う。才色兼備でなんでもこなす。

そんな二人の放課後の秘密。


___「踏んでくださいッ、凛音様ッ!」
___「気持ち悪い。ほんとゴミクズだね。」


サディスティックな彼と、マゾヒスティックな彼女の噺。


***

attention
本作品は異常性癖者が多く出てきます。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
荒らし、中傷などは基本的に無視させていただきます。
アドバイスなどは歓迎です。
ちなみにそっち方面中心ではないです、一応恋愛行きです、本当です。


***

Page:1



Re: マゾヒスティックな彼女。 ( No.1 )
日時: 2016/05/01 14:02
名前: 猫夜又 (ID: dDPEYPay)



 ふー、と一つ、溜息を吐いた。軽く背伸びして、体を解す。
 今丁度、とある乙女ゲームが終わったところ。名前は伏せるが、まあ端的に言うとマゾのために作られたゲームといっても過言ではない、攻略キャラが全員サドなのだ。そう、私はマゾなのだ。
 ただ私は、学校では容姿端麗、頭脳明晰、品行方正な『春織つばき』なのだ。だから、学校では本性は晒さないと決めていたが___

「凛音さまぁ……」

 この上なく私は緩みきった顔であろう。にへにへとしながら、あの冷たい目線を思い出す。彼も私と同じ憧れの的、みたいな人だが、彼も私と同じ表裏がある。そして偶々見たのだ、告白されて、相手を振った時の、相手が泣きながら去って行った時の最高にサドっぽい笑みを! あのキリッとした蔑みの目! ドストライクで私の好みだ。
 言ってみたい。「私はドMで人に蔑まれるのが好きなゴミクズです」と言ってしまいたい。そして蔑まれたい。

「でも今の現状を維持したい……。」

 今の現状。みんなの憧れの的である『春織つばき』でいたいのだ。まあ嫌われるよかマシ、というのもあるし、この立ち位置だと私の性癖が赤裸々になることはあんまりないからだ。

「ああーーっ!! もう! 考えても仕方ないし、今日は寝るか。」

 思考放棄し、自室の水玉模様の布団にダイブする。
 割とすぐに眠気はやってきて、私は眠りについた。


***


「あ、はるりん、おはよお!」

後ろから抱きつかれ、柔らかい感触が背中に当たる。私はそこまでないので羨ましい。
そのまま頬ずりをされ、身動きができなくなる。実は私は、蔑まれることが好きな分、人からの好意などにとことん弱い。

「なっちゃん、ご、ごめんね!」

と、言うと共に、その場から逃げる。なっちゃんこと加賀美夏佳はつまらなさそうにぷく、と頬を膨らませていた。

一階の階段を走り抜け、二階と三階の間の踊り場まで来た。
その時であった。



「なんで、私を無視すんのよ!!」

ソプラノの甲高い声。クラスメイトの山崎妃芽だとすぐにわかった。
声がしたのは、三階の空き教室。告白する場所として有名だ。
もしや、と思い慌てて三階の空き教室まで行く。
息が整え、ドア越しに耳を澄ます。

「……山崎さん。僕は……」

予想通り、山崎と喋っていたのは凛音様だった。
山崎さんは前々から凛音様に近づく女子を排除したり、自分は凛音の彼女だ! と言ったり。心底凛音様に惚れていて、そして凛音様が非常に鬱陶しげにしていた人だ。

「いいから、さっさと答えなさいよ!!」

うーん、聞いている私ですらイラってきた。
その時。

「あのさあ、一々うるさいんだよね。
まずその高い声。金属こすり合わせたみたいな不協和音。勝手に人の教室彷徨きやがって、自称彼女とか。無様なのは君だけど、僕だって迷惑かかるんだよ。別に君が誰かさんをいじめようがどうでもいいけどそれだけで馬鹿みたいに『凛音、邪魔はいないわよ!』って……あはは、ほんと脳みそ腐ってるんじゃない、ゴミ。」

威烈な口撃。その対象は私ではないのだが____今最高に私は興奮している。
だめだ、この人しかいない。

ガラガラッ! と派手にけたたましい音を立てて、ドアが開かれ、山崎さんが飛び出した。さっ、と綺麗に避けたせいか、その場から逃げたい一心で、か。はたまた両方か。山崎さんは私に気づくことなく走って行った。

そして____凛音様と目があった。

私の脳はフル回転し_____

「さっきの全部録音してます。ばら撒かれたくなかったら____私を蔑んでください!!!!」

馬鹿みたいな台詞。でも、彼は眼鏡を外すと悪魔のように微笑んで、ちょっと、放課後話そうか、と言った。

Page:1



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大7000文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。