複雑・ファジー小説

『受拳戦争』
日時: 2017/12/04 23:41
名前: 四季彩

彩都さんと四季の合作です。

合作といっても、企画や世界観・キャラクターの名前や原形、プロットなどは、彩都さんです。
四季はキャラクターの口調を考えたくらいだけのもので、執筆係です。

よろしくお願いします。

スレ立て 2017.11.19
投稿開始 2017.11.20

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Re: 『受拳戦争』 ( No.5 )
日時: 2017/12/11 18:56
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

第一章 新武っ器の春

 突如体育館の床が開く。
 三殊たち3年1組は、底の見えない闇へと落下してしまった――。

 しかし、一番最初に半天が、床の異変に気づいた。
 彼はあらゆる物事に鋭い。だから、彼が他の生徒たちより先に床の違和感に気がついたのも、当然といえば当然のことなのである。

 半天は落ちないように割れた床を両手で挟む。そしてゆっくりと下へ降りる。みんなは彼に続いて、怪我しないよう気をつけつつゆっくり降りた。
 体育館の下には大きなクッションがあり、落ちても誰も怪我をしないような工夫が施されていた。走り高跳びで棒を越えた先に置いてあるような、そこそこ大きく衝撃をしっかりと吸収してくれる、質の良いクッションだった。
 もしここが『文武学園』でなかったならば、みんなでのんびりお昼寝タイムをできそうである。

 少し落ち着いてから辺りを見回す。
 そこは銀色の部屋だった。
 床も壁も天井も、すべて鉄板を張ったような銀色をしている。とても無機質で、どことなくひんやりする。漫画に出てくる研究室のテンプレみたいだと言っても過言ではない。

 そこへ現れたのは白衣を身にまとった男性数人だった。
 三殊たちは白衣の男性たちに「身長、体重を測る」と言われる。

「随分大規模な身体測定ですね……」

 戸惑ったように独り言を漏らしたのは四六時中 灯。
 クラスメイトの怪我や病気を誰よりも心配するのが彼女だ。とても心優しく人を大切にする性格である。
 しかし彼女の出自は謎に満ちている。本人があまりに語らないものだから、「実は暗殺稼業の血筋だ」とかいう不自然な噂が流れているくらいだ。

 それから3年1組の生徒たちは、まず男女に分かれた。そして、服を脱ぎ、下着姿になって、順番に身長体重を測ってもらうのだった。

Re: 『受拳戦争』 ( No.6 )
日時: 2017/12/18 15:32
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

 やがて全員の身体測定が終わる。白衣の男性たちがとてもテキパキ動くものだから、人数のわりにかかった時間は短かった。

 3年1組は、それから、とある部屋に案内される。
 その部屋には様々な武器が存在していた。銃やナイフなどが壁にかけてある。文字通り、『武器庫』のようだった。この時代には似合わない、かなり物騒な部屋だ。

 全員が入室すると、壁掛けテレビから伊良部の声が聞こえてきた。

「武器を取れ」

 三殊を含む生徒たちは、衝撃を隠せなかった。
 いきなり武器なんて――。

「自分の力で武器を取れ、自分の力で攻略しろ、自分の力で受験を勝ち取れ、自分の力で他を蹴落とせ、自分の力で進め、自分の力でクリアしろ。それが君達がこの『文武学園』に入る条件です」

 伊良部の発言を受けて、愕然とする3年1組の生徒たち。
 目の前にいきなり大量の武器を出されただけでもかなりの衝撃だ。なのに、それに加えて伊良部のこのような発言。
 誰もが暫し言葉を失った。室内が静まり返る。

 そんな中、暴力で有名な釈迦医師多々良が、静かにボクシンググローブを手に取った。
 唯一動いた彼は、三殊たちに言い放つ。

「俺達は何だ?この『文武学園』に入学しようとした奴らばっかだろ?分からない分野もその分野が得意な奴に教えてもらっただろ!だから!『協力すれば出来る』だろ!?」

 多々良の言葉はまっとうだった。言葉遣いや態度は乱暴でも、彼は間違った人間ではない。

「俺達は一人じゃないだろ!皆で一つのクラスだろうが!?此処で協力して、伊良部の野郎の顔面をぶん殴ってやろうぜ!俺達は運命共同体、そうだろ!?『皆でこの学園に挑む』んだろ!?だったら運命共同体だ!」

 『皆で攻略する』、という多々良の発言を受け、他の生徒たちも「確かに……」と思う。
 3年1組の30人。その全員が、今はもう、一つのチームのメンバーだ。

「いいね!やってやろうじゃん!」

 威勢よく賛同の声を上げたのは、王城琢磨。
 ボーイッシュな外見でよく男子と間違われる女子生徒だ。

 それを皮切りに、色々な武器を手にしていく3年1組のメンバーたち。
 最後は三殊。あまり気が進まない三殊だったが、渋々小型の拳銃を手にした。

 こうして武器を手に入れた三殊たちは、いつ戦いが勃発してもいいように武器を準備し、扉の奥へと向かうのだった――。

Re: 『受拳戦争』 ( No.7 )
日時: 2017/12/25 20:59
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

クラス 武器

安芸井 春夏冬(あきい あきなし) 男 所有武器 メモ帳とペン

牛阪 牛歩(うしさか ぎゅうほ) 15歳 男 所有武器 ヘルメット

皇崗 黄銅(おうおか おうどう) 15歳 男 所有武器 タクト(長さ30cm程度)

王城 琢磨(おうじょう たくま) 15歳 女 所有武器 日本刀(長さ80cm程度)

大江戸 芳野(おおえど よしの) 所有武器 スパナ

隠岐 翡翠(おき ひすい) 女 所有武器 果物ナイフ(長さ10cm程度)

教 鏡花(おしえ きょうか) 15歳 女 所有武器 魔法の本(ただし鏡花でしか読めないので、他の人は見てもちんぷんかんぷん)

音張坂 環視(おとはりざか かんし) 15歳 男 所有武器 何でもお見透視(みとうし)メガネ

時雨野 芳隆(しぐれの よしたか) 15歳 男 所有武器 ハンマー

釈迦医師 多々良(しゃかいし たたら) 15歳 男 所有武器 ボクシンググローブ(赤色)

白神 神黒(しらかみ かみくろ) 15歳 女 新体操用のリボン(長さ3m)

四六時中 灯(しろくじちゅう あかり) 15歳 女 所有武器 クナイ

袖槻 半天(そでつき はんてん) 男 15歳 所有武器 バネ付きシューズ

空井 飛翔(そらい ひしょう) 15歳 男 所有武器 サッカーボール

田井中 鈍器(たいなか どんき) 15歳 男 所有武器 包帯(包帯を手に巻いて、テーピングしている)

多美浪 小坂(たみなみ こさか) 15歳 女 所有武器 筆

筒岡 陸羽(つつおか りくう) 15歳 男 所有武器 ブースター付きの靴(第二章前に履き替える)

土居 十六(どい いざよい) 15歳 女 所有武器 鞭(長さ3m程度)

呶呶 土豪(どど どごう) 15歳 男 所有武器 メリケンサック

呑道 枯淡(どんどう こたん) 男 15歳 所有武器 鉤爪

奈緒 三殊(なお みこと) 15歳 男 所有武器 拳銃(六発入り)

冷褪 麗(ひやさめ うらら) 女 15歳 所有武器 針(長さ3cm程度)

不二 海斗(ふじ かいと) 15歳 男 所有武器 とんかち

藤原 芳香(ふじわら の よしか) 15歳 女 所有武器 自分自身なので、所有せず

宝永 永保(ほうえい えいほ) 15歳 男 所有武器 虫眼鏡

真実坂 事実(まみさか ことみ) 女 15歳 所有武器 フライパン(直径20cm程度)

冥 魔宵(めい まよい) 15歳 女 所有武器 杖(長さ20cm程度)

目盛 秤(めもり はかり) 15歳 女 所有武器 『他人を煽る方法』(本)

桃井 花園(ももい はなぞの) 15歳 女 所有武器 出刃包丁(長さ15cm程度)

芳澤 蜂窩(よしざわ ほうか) 15歳 女 所有武器 ハンドクリーム

Re: 『受拳戦争』 ( No.8 )
日時: 2018/01/01 17:26
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

第二章 五月の五月蝿い五月雨の体育教師

 武器を手に取った三殊たちは、サングラスをかけた白服の人間に、次の部屋へと案内された。
 彼らの胸のうちに「これからどうなるのだろう」という不安は当然ある。いきなり武器を取らせるような学園だ、どんな物騒なことが待ち受けているものか。
 しかし、もう迷うことはない。たじろぐこともない。

 今はただ、前へ進むのみ。

 白服に案内され着いたのは、アトラクションの部屋だった。
 そこでは既に、3年1組以外の受験者たちがアトラクションに挑んでいた。血だらけで、だ。
 足場が出たり引っ込んだりするような、一見単純そうなアトラクション。しかし下は真っ暗闇だ。転落すれば命はないに違いない。

「……うっ!」

 慣れない血の匂いに、半天は吐きそうになる。しかし、鼻を強く押さえて匂いを防ぎ、何とか吐き気を掻き消す。

「おぉ!来たかっ!」

 ちょうどその時、威勢のいい男性の声が聞こえてくる。三殊たちは声の方へ視線を向けた。

「よっ!」

 声の主の男性は、片手を上げた。
 肌は健康的な褐色で、白い髪をスポーツ刈りにしている。身にまとっているのは、ありがちな赤いジャージ。
 いかにも熱血教師といった風貌である。

「俺の名前は、網田 張熱!熱血体育教師だ!よろしくなっ!」

 がっちりした体つきとハキハキした声が印象的である。
 それに加え、赤いジャージがピチピチなところも、なんとなく面白い雰囲気を漂わせている。もっとも、本人はいたって真面目なのだろうが。
 そんな張熱は、なぜかガッツポーズをして、快活な声で命じる。

「お前らには今から、このアトラクションに挑んでもらう!」

 三殊たちは、張熱が何を言うのがじっと聞く。

「このアトラクションをクラス全員でクリアしろ」

 それが、熱血体育教師・網田 張熱からの、単純明快な指示だった。

Re: 『受拳戦争』 ( No.9 )
日時: 2018/01/06 22:10
名前: 四季 ◆7ago4vfbe2

「なんだ、簡単じゃん!それじゃ、あたしが一番乗りっ!」

 微塵も迷いも感じさせない声ではっきり言ったのは琢磨。
 彼女は言い終えると、躊躇いなく駆け出した。男子のような短い髪を風に揺らしながら。

「よし!半天、行くぞ!」
「このくらいならボクでも楽勝ですっ!これも全て将来のためですから!」

 琢磨の次にアトラクションへ向かっていったのは、枯淡と半天。二人はなんだかんだでいつも一緒である。大小コンビと言えそうだ。

「ちょっと、みんな軽く考えすぎじゃ」
「冷褪さん、大丈夫。一緒に乗り越えましょう」
「灯ちゃん……そうだよね。励ましてくれてありがとう」
「冷褪さんが元気になってくれて嬉しいです」

 裁縫上手の麗と謎の多い灯。彼女らが二人で話しているのは珍しい光景だ。しかも、大人しい灯が、麗を励ましている。

 それからも、3年1組のメンバーは、次々アトラクションへ挑んでいった。そして、次々とクリアしていく。三殊も渋々ながら挑戦し、一度二度の小さな危機はあったものの、わりと簡単にクリアした。
 そして、三殊を含む3年1組のメンバーは、部屋にある全てのアトラクションを攻略した。怪我人もなく、全員無事だった。
 そして、案内されるままに次の部屋へと向かう。

 実は三殊達のクラスには『運動や体を動かす事が苦手な者がいなかった』のだ。これはかなり大きかった。だから、身体能力が必要となるアトラクションの数々を、案外簡単に攻略できたのである。
 一人でも運動音痴の者がいれば、ここまですんなりとクリアすることはできなかったに違いない。

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