複雑・ファジー小説

スプラッシュメモリー
日時: 2019/03/26 22:13
名前: 天ぷらうどん ◆hb6qoUVYpQ

プロローグ
>>1

月藤高等学校新聞部
>>2 >>3

自失
>>4 >>5 >>6

ハッピーバレンタイン!
>>7 >>8







短編。軽い気持ちで読んでください。
毎週火曜日更新。

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Re: スプラッシュメモリー ( No.5 )
日時: 2019/03/12 20:39
名前: 天ぷらうどん ◆EF4y/q4eOk

「やった!」

 朝。教室へ続く渡り廊下を歩く、あかりは声を振り絞ってガッツポーズをする。

 二月十二日。原稿は完成した。

 あの後必死に頼み込み、転校生の恋愛エピソードのインタビューを取り付けた後、原稿に起こし、心理テストやら何やら恋愛に関係する情報を集め余白を埋めた。後は美里を満足させ、何とか終わらせることが出来た。

 寝ずに取り組んだせいで、体全体に気怠さは残るが気分は何とも清々しい。

「おはようございます、先輩」

 後ろを向くと、小谷がいつも通り仏頂面で突っ立っていた

「おう! 小谷おはよう!」

 あかりはバシバシと小谷の背中を叩くと、英介は鬱陶しそうに顔を蹙めた。

「うざいんでやめてください」

 ごめんごめんとあかりはケラケラ笑う。英介は素っ気なく自分の背中をさすった。

「いやー気持ちいいわ」

 あかりは伸びをすると、英介は指で眼鏡を押さえた。

「ま、予定通りできて良かったですね」

「あああああああああ!」

 何だ、今の? あかりは奇妙な叫び声に訳も分からず身構えた。横を見ると、英介も目を見開いている。同じように歩いていた生徒達も騒然としている。

「職員室あたりから聞こえましたね」

 こいつどんな聴力してんだ。事務的にそう告げた英介に引いてしまう。

「行ってみましょうか」

 さっさと先を歩く英介にあかりはつられて足が動いた。

 職員室前には掲示板がある。そこには学校からのお知らせや我が新聞部の新聞など、比較的自由に色々なものが掲示されている。時折、学校からの重要なお知らせも先取りして伝えてくれるため、前を通る時はあかりもチェックする時が多い。その掲示板に人だかりができていた。

 あかりは中心に見知った顔をみつけて声をかける。

「部長!」

 あかりは人を掻き分けて駆け寄った。

「あ……あかり」

 いつもの堂々とした美里はいざ知らず、生気が抜けたようにげっそりしていた。

「やはり、部長でしたか」

 英介がそう言うと、あかりは心配して美里の肩をそっと支えた。

「部長、何があったんですか」

「何が、何がって、それは……」

 美里はブツブツと話すと、暗い表情がゆらりと揺らぎ、一瞬にして鬼のような面持ちに変わった。

「この学校ぶっ潰してやる!」

「はぁ!?」

 あかりが驚くや否や美里は職員室に殴り込もうとしていた。あかりは咄嗟に美里を羽交い締めにする。

「ちょっと! やめてください、部長」

 掲示板の前に集まっていた群衆が美里を見てわー、きゃー、と悲鳴をあげる。

「うるせぇ! 校長出せ、校長! 絶対に許さねぇ!」

 美里が足まで上げ暴れ始めた。あかりは必死に美里を抑えつけようとする。いよいよまずいとあかりが思い始めた時、職員室のドアが開いた。

「こら! 廊下で騒ぐな。ん……九条、またお前か」 

 生徒指導の寺川先生が頭を抱えると、美里はぴたっと動きを止める。あかりは、ほっと胸を撫で下ろした。

 寺川先生は集まった生徒達に教室に行くように促す。それぞれ不服そうな顔ではけていった。

「全く、九条、お前はまた反省文を書きたいのか。お前らも親分をしっかり見張ってなさい」

 いや、親分じゃないし。あかりは微妙な気持ちになった。

Re: スプラッシュメモリー ( No.6 )
日時: 2019/03/19 21:06
名前: 天ぷらうどん ◆EF4y/q4eOk

「なるほど、これのせいですか」

 英介が掲示板を覗き込んで言った。あかりは、美里の暴挙を止めなかった英介に、今更ムッとした。

「ちょっと、見てないで手伝ってよ」

「バレンタイン禁止ってどういうこと!」

 再び力を取り戻してきた美里に引っ張られながら、あかりは耳を疑った。今、美里は何て言った。

「そのまんまの意味だ。お前らには悪いが我慢してくれ」

 何だそれは。去年まで普通に生徒同士で行われていた行事ではなかったか。あかりは戸惑いを覚えた。

 寺川先生はおもむろにガシガシと角刈りの頭を掻く。

「いや、中庭の池で事故がここ最近、立て続けに三件もあってな」

 苦々しく言う寺川先生に、英介がゆっくりと近寄ってきた。

「中庭の池といえば、うちの恋愛スポットで有名ですよね。そこで告白すれば成功するとかいう、あの馬鹿らしい迷信」

 あかりは毒を吐く英介をきっと睨んだ。成功率はともかく、ロマンチックで良いじゃないか。

「うん。何やらそこに行く奴らが足を滑らせて池に落ちたとか、落ちそうになったとか。今日朝早くとうとう溺れて怪我をした奴が現れてな」

 どんな告白の仕方してんだか、と寺川先生は額に手を当てる。

「なるほど。バレンタインで必然的に中庭の池に集まる生徒が増え、また多くの生徒が事故に遭う可能性があるからバレンタイン自体を禁止してしまえ、ということですか。少々横暴な気もしますが」

 落ち着きを払った英介の言葉に、寺川先生が大きく溜息つく。

「仕方ないだろう、どうせ中庭を立ち入り禁止だけしてもお前ら勝手に入っていっちゃうんだから。まぁ、そういうことで。今日から中庭立ち入り禁止、明日の朝から校門でチョコレート持ってないかチェックするから。よろしくな」

 ニッコリと笑った寺川先生はそのままピシャリ、と職員室のドアを閉め、鍵をかけた。美里は勢いよくドアにしがみつき、激しくノックをした。

「開けなさいよ!」

 あかりは美里が哀れになり、英介に助けを求めた。

「ねぇ、ちょっとあんまりじゃない。中庭立ち入り禁止だけでいいじゃん。バレンタインを禁止にするなんて」

「毎年バレンタインの告白で人気の場所ですし、無断で入られていちいち注意する方が面倒臭いんでしょう。最悪の事態も避けられますし。まぁ、別に校内でやらなきゃいい話です」

 その発言に反応した美里が髪を振り乱しながら、英介に詰め寄る。

「学校の中庭じゃなきゃ意味がない!」

 廊下中に響いた声は吸い込まれ、美里の荒い息遣いだけ残った。

「意味がない。意味がないのよぉ」

 か細い声で美里はそう言うと、ふらふらと職員室から離れていく。

「部長、可哀想」

 去っていく美里の背中を見ながら、あかりも悲しい気持ちになった。美里も来たるバレンタインのために、一生懸命計画していたのかもしれない。

「何が意味ないんですか、訳が分からないですね」

 英介がポツリ、と呟いた。

Re: スプラッシュメモリー ( No.7 )
日時: 2019/03/26 22:12
名前: 天ぷらうどん ◆EF4y/q4eOk

「あーあ。バレンタインだってのに、チョコレートもらえないって最悪だ」

 良輔は項垂れ、机に突っ伏した。
 
 バレンタイン当日。朝の教室にいる生徒達は、どこかそわそわしているようだった。学校では禁止されてしまったものの、好きな人に放課後遊ぶ約束をとりつけたなど、色めいた声が聞こえる。

 司はどこか違和感を抱えていた。差し迫った大会のことが頭に過ぎるせいか、周りのテンションと自分がどうも違うように感じていた。

「内田君いますか?」

 心許なさを感じていたところ、違うクラスの女子生徒が教室を訪ねてきた。内田という名字は、自分以外このクラスにはいない。良輔と顔を見合わせ、恐る恐る立ち上がった。

「あの、俺ですが」

 司は遠慮がちに手を挙げる。女子生徒はパッと顔が明るくなる。

「あ、良かった。あの、ちょっと来てくれない?」

 女子生徒は微笑むが、司は怪しさしか感じなかった。そんなところを良輔が背中を叩いて、囃し立てる。

「おい、絶対、告白だって。行けって」

 司は悩んだが、良輔についてきてもらうことを条件に、女子生徒について行くことにした。

 良輔にはヘタレてると笑われたが、用件がよく分からないから自分では対応しきれないかもしれない。これが正しいと司は思う。

 途中までついて行った時、立ち入り禁止のロープが繋がれている、中庭の手前付近で女子生徒は突然、振り返った。

「じゃあ私はここまで。ごゆっくり〜」

 女子生徒は笑いながら、いそいそと退散していく。司は何だろうと困っていると、入れ違いにとある女子生徒が近づいてきた。

「え!」

 良輔が驚きの声をあげる。やって来た女子生徒は、黒髪のショートカットで目鼻立ちがはっきりしていている人だった。

 この人は一体誰だ。司は身長が低い、小動物のような女の子をじっと見つめる。

「転校生じゃん!」

 良輔が舞い上がった。司は良輔がなぜ喜んでいるのか分からず、首を捻る。

「あの、中庭行きませんか」

 俯く女子生徒はそう言った。だが、確か中庭は。

「立ち入り禁止だろう」

 司が咎めると、女子生徒は体を縮こませてしまった。

「おい、司」

 良輔に叱られた。だが、これは自分のせいなのだろうか。司は混乱した。

「お願いがあるの」

 顔を赤らめた女子生徒は小さな声で言う。

「私と、相撲をしてください!」 


 転校生だという少女はとても小柄だった。一生一度の願いのように何度も頭を下げられてしまい、司は困り果ててついに中庭で相撲を取るようになってしまった。年頃の少女と体を密着させ、体をぶつけ合うというのは己の欲望との戦いであった。

 ふん、えいと可愛らしく四股を踏み顔をくしゃくしゃにさせて、枝で描いた円から出そうとする少女は妙にいやらしい。

 司は生唾を飲む。距離を取った少女は力任せにぶつかってくる。この少女、小柄なのにどこにそのような力があるのかとても強い。

 司は再度少女の腕を掴もうとするとヌルっと滑った。おや、と思うとツンと生臭い臭いが鼻を掠める。

 どこか懐かしい匂いだった。確か、小学生の頃、泣き虫だったあの頃。

「待て! この野郎」

「部長、やめてください」

 変な声が聞こえてきたと思えば、袋包を持った女が飛びかかってきた。司は咄嗟に少女を庇うと、間違って少女を押し倒してしまった。

 何の臭いだっただろうか。少女から臭う懐かしい臭いに想いを馳せて、司の意識は遠のいていった。


Re: スプラッシュメモリー ( No.8 )
日時: 2019/03/28 10:28
名前: 天ぷらうどん ◆EF4y/q4eOk

個人的にはモヤモヤするんで言いたいことがあるならSNSより掲示板でちゃんと書いて欲しかったりします

申し訳ございません、更新を停止いたします

短い間でしたが今までありがとうございました

Re: スプラッシュメモリー ( No.9 )
日時: 2019/03/28 12:01
名前: 天ぷらうどん ◆EF4y/q4eOk

未熟なのは分かります
下手なのは分かります
批判は受け付けないということではありません
でもSNSって晒しに使われることだってあるということを理解して欲しいです
SNSの力は全世界で絶大です

何がしたかったのか知りたいです
拡散させて、いいねさせるんですが
深く考えてないならそれでいいです

影響力のある人が少ない狭い世界だから嫌な気持ちになったんだと思います
Twitterと同等くらいのサイトだったら何も感じなかったと思います

だったら利用するなはごもっともです
こちらは一応このサイトに愛着はありました

長々とすみませんでした
私の神経質が爆発したと思っていただいて結構です
誰も落ち度はありません
皆さんも気持ち良く切削琢磨して小説を書いてくださることを切に願います
失礼しました

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