複雑・ファジー小説

オレをパパと呼ぶな
日時: 2019/03/11 23:49
名前: ジャギー

「パパ、だっこ」
「オレをパパと呼ぶんじゃない!」


世界規模の迷子(大人)が子供の母親探しを手伝う旅。

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Re: オレをパパと呼ぶな ( No.1 )
日時: 2019/03/14 00:19
名前: ジャギー

____これはどうすれば。

「ねえね、足いたくないの?」
「え、あの」
「血でてるよ、診てもらわなくていいの?」

買い物客で賑わう昼のマーケット。
その道のど真ん中で、果物を地面に盛大にぶちまけた少女と、それに絡む幼い子供という謎の図が出来上がっていた。
子供の容姿は、この国では珍しいプラチナブロンドの髪、日を知らないような白い肌に、透んだ青い瞳といったもので。もしや、外国の子供か。
そう思うくらい、この子は見るからに異質であった。

それに幼い見た目に反して、口が達者。
子供の追及は止まらない。

「黒いのがいたくしてるんだよ!取ってもらおうよ」
「いやその、無理、です...」
「なんで?ほっといたら、きっと酷くなるよ」

正論だ、確かにそうだけど。
通りすがりの買い物客が、何事だと二人を見て足を止める。
ただでさえ人が多いのに、人の流れが悪くなって、だんだん渋滞し始めてしまった。
それに気がつくと、アリスは今、自分が仕事中であることに気づく。
やばい、早くお店に戻らなくちゃ。
なんでなんでとしつこく聞いてくる子供を放っておいて、かなり広い範囲で転がった果物を急いで籠に戻す。しかし一部は、通行人に踏み潰されてしまい、もう商品として出せないものもあった。

ああ、これは怒られるな。確実に。
憂鬱な気持ちで最後の果物を拾おうとした____その時だった。

手の甲を果物と一緒に、思いっきり、手加減なしで踏みつけられた。

驚きと激痛に、呻き声が喉に詰まる。
誰だ、と思って上をに顔を向けると、あたかもそれを予想していたかのように唾を吐きかけられた。
義母だった。

「帰りが遅いと思ったら、うちの商品台無しにして!!よくやってくれたわね!奴隷風情がっ!」

気持ち任せの怒鳴り声は、子供に恐怖心を与えたようで、視界の端で小さな体がビクッと揺れた。
しかし義母はアリスしか見ていないようで、容赦なく彼女の髪を掴んだ。ブチブチと何本か抜ける音がする。

「アリス!何か言うことがあるでしょう!!謝罪もでいきないの!?」
「ご、ごめんなさ」
「何て?聞こえないわ」

ヒソヒソ。ふいに、周りの声が耳に入る。義母の声のボリュームが落ちたおかげで、それはそれはよく聞こえた。
足枷...奴隷だったのね。
あら本当。かわいそうに。
嫌だわ、汚らわしい。


ああ、うるさい___


「おばさん、いじめはだめだよ。め!」

勇気を振り絞ったような、わずかに震えた幼い声が、喧騒を制した。









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