複雑・ファジー小説

白線お流れ〜迷想奮闘記〜
日時: 2019/08/18 00:04
名前: 梶原明生  

清純な田舎の女子高生の物語。優秀な開業医を父に持ち、何不自由なく一人っ子の箱入り娘として生まれた。長野県松本市内の優等校に通い、将来に迷っている三年生。…じゃなくて……………………同市内の底辺校に通い、ドラッグストア薬剤師兼レジ係りの父を持ち、精肉工場のパート勤めの母を持つ高校三年生、八倉園美のお話し。7人兄弟の三番目、次女として生まれて毎日醜い兄弟ゲンカを繰り返し、外面は一人っ子の清楚な女子高生を演じて回りを辟易させる。そんな彼女がある日、父が借りてきた「白線流し」というTVドラマDVDをたまたま視てしまってからが大変。回りを巻き込んで主人公、七倉園子になりきろうとドタバタ騒ぎを展開する。しかし意外な結末が待ち受けていた。ハートフル?青春コメディが幕を開ける。

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Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.66 )
日時: 2020/01/14 20:58
名前: 梶原明生  

…今度はワイン業者のバンでなく、自家用の日産Xトレイルで斉藤と共に空港駐車場に来ていた。そうとも知らず対面している叶と園美。「2、3日したらまた帰ってくるから。」「そこは北海道の天文台に就職するでしょう。」「ああ、そうだっけ。」「でも、…会えなくなるよりこっちの現実がいい。」二人して赤面する。「まぁ、ドラマみたいに僕は、背だけ180越えだけど。ワイルドではない青っ白い痩せノッポだもんな。いまいち絵にならなかったけど。」「ううん、そんなことない。私にとっては最高のイケメンだよ。」「園美ちゃん。」二人は生まれて初めて互いにキスを交わした。「行ってらっしゃい。」「行ってきます。」幸子は思わず相島の手を握りしめる。…やがて松本空港の公園を「白線流しBGM」で歩いていく園美。「もう一時間以上同じシーンやってるぞ。いつまで待たせるんだ。」痺れを切らした武史が車の窓から叫ぶ。石に躓く園美。「もう、盛り上がってる時に。わかった。」相変わらずふてくされて車に乗り込む。行き先は勿論、西山高校。「小澤先生、卒業生の八倉が来てますが。」「そ〜ら来た。…いえ、別にこっちの事で。すぐ行きます。」何故「そら来た」と言ったかはこの後わかる。「あら、お久しぶりね八倉さん。今ね、例の事件のせいで暫くできなかった残務整理してるのよ。今年は春休み返上よね〜。」「あ、すみませんお邪魔して。」「いいのいいの、最終回の最後のシーンでしょ。ビシッと決めないと。」「え…もしかして先生。」「聞いたわよ、飯塚さん達から。んもう水臭い。担任なんだから白線流し真似て高校生活送りたいなら協力したのに。…かく言う私もね。実は教師を目指したの白線流しのドラマ見たからなのよ。丁度受験生時代でね、悩み多き18歳末期に、どストライクなドラマだったのよ。すっかり忘れかけてたわ。」「先生…」屋上ではないが、教室の窓で佇み語り合う二人。その小澤の意外な話に感動する。「すみません。こんなことなら。」「謝らなくてもいいのよ。お陰で若き頃の自分を思い出せた。寧ろ感謝してるのよ。…それで、将来は決まった。」「はい。私、皆と皆さんと出会ってわかったんです。憧れるだけが全てじゃない。憧れるその先にある自分自身のオリジナルストーリーを人は生きていくんだと。だから、人々の夢をサポートできる仕事に就きたいなって思ってます。」「素晴らしいわ。八倉さんならできる。私そんな気がしてきたわ。」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.67 )
日時: 2020/01/18 19:00
名前: 梶原明生

・・・「ありがとうございます。」園美はほくそ笑みながら長野の山々を見つめた。「先生、それじゃあまた。」「うん、また遊びにおいで。あなたの母校なんだから。」「はい。失礼します。」踵を返して正門を後にする園美。「あんたたち・・・」「へへーん。」義郎をはじめとする兄弟皆が出迎えていた。貞治、香子、乙美までいる。「姉ちゃん、白泉流しの青春物語卒業おめでとう。」香子が前に出る。「私もお姉ちゃんくらいになったら白線流しみたいな青春送るって決めた。」「私も。」乙美が飛んではしゃぐ。「あんた達・・・ありがとう。でも、・・・」「設定なら、この後で例の橋を一人で歩く・・・でしょ。」「うん・・・でもいいや。皆で歩こう。たまには兄弟揃って歩いてみようよ。」「お姉ちゃん。うん。」こうして園美は例の橋を歩いていくわけだが、一ついいことを実感していた。「やっぱり持つべきは兄弟かな。少子化なんてふっとばしたいな。」「お姉ちゃん、名言でたね。」香子が笑う。武豊が影で停めてある日産xトレイルに乗りながら五島とそんな兄弟を見ていた。五島が呟く。「これにて任務完了。お兄ちゃんもだ。行ってこい八倉家長男。」「はい。」ドアを開けて離れて園美達と合流する。「お兄ちゃん・・・そうだ、聞きたいことあるんだけど、五島さんたちは一体どこの誰なの。」「そうだな。しいて言えば、カシオペア座からの使者・・・かな。」「カシオペア・・・」妙に納得する園美であった。「五子おばあちゃんとこ行こうか。」武豊の提案で決まった。「うん、行く行く。あそこに・・・白線を壁に飾ってもらえることになったし。」満面の笑みで羽ばたける澄み渡った青空を仰ぎながら次の一歩を踏み出す園美であった。・・・・・了 次回「後書きと白線流しに愛を込めて」に続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.68 )
日時: 2020/01/20 15:26
名前: 梶原明生

「後書きと、白線流しに愛を込めて」                ついに長きに渡る「白線お流れ」が幕をおろしました。書きたいことは山ほどあるものの、先ずは園美が憧れたドラマ、「白線流し」との出会いを語る必要があるかも知れませんね。・・・未だ自分が10代だったころ。青春真っ盛りにその情報源として当時は雑誌が主流でした。特に中高生や大学生に至るまでの青少年向け雑誌が「ダンク」と呼ばれるものでした。ダンクシュートのダンクと青少年向けを意味する「男区」をかけたタイトルだったそうです。それを毎月購入してバイト仲間と意見交換みたいなことをしていたのが懐かしく感じられます。しかし・・・購入開始わずか1年で廃刊。自分にとって狭義で言えば当時は今で言う、Googleやシリのような存在だったものが消えたわけですから、ショックでした。しばらくしてからバイト先の織田裕二似の先輩に「ダンクがダメなら代わりになるボム買いよ。」と勧められて購入しはじめました。ところが・・・3か月目に違和感が。そう、ご存知の方もいると思いますが、それは「女性アイドル専門誌」だったのです。先輩の手前「買いません」とは言えず、その後3年間買い続けたわけです。とは言え、それがまさかあのアイドルとの出会いになるとは・・・それが「酒井美紀さん」でした。初登場時まだ13歳。一目ぼれとはまさにこれでした。以後、当時他にリボンやCocoや中山美穂に宮沢りえと、他に可愛いとされるアイドルはいくらでもいたのに、彼女だけに夢中になってました。それから数年後。語るまでもないあの名作「白線流し」が始まったわけです。当時ビデオも何回見たことか・・・七倉園子もそうですが、自分の境遇に照らし合わせて見たりしていてまさに当時の自分が「八倉園美」そのものでした。他の小説を見るとわかりますが、基本自分は「アクション好き」なわけで、異例中の異例だったと言えるでしょう。しかも、白線流しが行われている岐阜県飛騨は母フレコの元恋人の出身地でもありました。・・・続く

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.69 )
日時: 2020/01/21 16:23
名前: 梶原明生

・・・殊更書くほどのことでもと言われるかも知れませんが、当時の自分には深い縁を感じるにたりるほどの衝撃でした。まして、作中の今井雅之さんの話でもそうですが、まさか白線流しに出演していたとは意外でした。五島良太の気持ちはまさにかつて彼のファンだった自分への憧憬にも似た気持ちをあらわしています。ドラマ白線流しの方は初回終了後三部作ほど続編が放送されました。やはり酒井さんの魅力もさることながら、このドラマがいかに多くのファンに支持されているかが窺えます。もし、この後書きを読んで興味を持たれたならば、一度ネットなり、DVDなりでドラマを見てください。そこにはあなたの知らなかった世界が広がるかも知れませんよ。しかしくれぐれも八倉園美みたいにはならないように。少々行き過ぎですから。笑 さて、最後になりましたが、憧れることはいいことです。でも、その先にいる自分は自分しかいないと言うことを忘れないでください。あなたという人はこの世に一人しかいないのだから。・・・・余談ですが、自分も「H・T・S・Sに生きる」の小説の通り生きている一人です 汗。  梶原明生より。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.70 )
日時: 2020/01/24 16:21
名前: 梶原明生

追伸・・・センター試験はもう終わったんでしょうか?つい先日行われたとニュースを聞き、まさに今タイムリーな小説だなと、我ながら自負してしまいました。もうすぐ卒業シーズン。今高校生活最後の時期を過ごされてる方々。もし良ければこの小説を読んでいただければ幸いです。どの進路に進もうとも社会の荒波は避けがたいですが、どうか憧れと希望は忘れずに。そしてもし最悪でも、「生きていれば勝ち組」だと思ってください。世の中成功者が勝ち組ではないんです。生きていることこそが勝ち組なんです。それでも生きてさえいればいつかやさしさに巡り合える・・・ですよ。全てのこれから新しい、春の門出に向かう人々へエールを送ります。       梶原明生より。

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