複雑・ファジー小説

白線お流れ〜迷想奮闘記〜
日時: 2019/08/18 00:04
名前: 梶原明生 (ID: VlfYshYD)  

清純な田舎の女子高生の物語。優秀な開業医を父に持ち、何不自由なく一人っ子の箱入り娘として生まれた。長野県松本市内の優等校に通い、将来に迷っている三年生。…じゃなくて……………………同市内の底辺校に通い、ドラッグストア薬剤師兼レジ係りの父を持ち、精肉工場のパート勤めの母を持つ高校三年生、八倉園美のお話し。7人兄弟の三番目、次女として生まれて毎日醜い兄弟ゲンカを繰り返し、外面は一人っ子の清楚な女子高生を演じて回りを辟易させる。そんな彼女がある日、父が借りてきた「白線流し」というTVドラマDVDをたまたま視てしまってからが大変。回りを巻き込んで主人公、七倉園子になりきろうとドタバタ騒ぎを展開する。しかし意外な結末が待ち受けていた。ハートフル?青春コメディが幕を開ける。

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Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.1 )
日時: 2019/08/21 19:02
名前: 梶原明生 (ID: 0Q45BTb3)  

登場人物紹介。…八倉園美。白線流し七倉園子に異常に憧れる女子高生。…飯塚まき。(まっちゃん)園美の中学からの親友。…立嶋夏。少しお嬢様系の園美の友達。…長田雅治。優等生なイケメン。…磯山慎二。お調子者だがキレやすいクラスメート。…小河叶。新設通信高校生。長身で無口。…甘利佳乃。叶の幼なじみ。恋愛感情0。…小河幸子。叶の母。シングルマザー。…小澤美子。園美達の担任。園美に一字違いを非難される。…八倉美和子。園美の母。…八倉武史。園美の父。…八倉香。園美の祖母。…武豊。八倉家の長男で自衛官。…真澄。長女でコンビニ店員。…義郎。次男で中二。…貞治。三男で小学5年生。…香子。三女で小学3年生。…乙美。四女で5歳。…五島良太。謎の男…他。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.2 )
日時: 2019/08/21 19:55
名前: 梶原明生 (ID: JnkKI7QF)  

「序章〜迷想女子」………………………夏の青空は澄み渡り、ラプンツェル姫のコスプレは園美の心を晴れやかにした。「ねぇ園美。いい加減帰ろーよ。」まっちゃんは付き合わされてウンザリだったが、どこか見捨てられないハブれないところがあり、中学時代から見捨てられなかった。所謂「痛い少女」なのである。しかし最近ようやく気づき始めた園美。「そだね。帰ろーか。暑いし熱中症手前だしね。」高校三年生でようやく気づいたかと上機嫌になるまっちゃんこと飯塚まき。某市内のコスプレイベントを早々撤収した。「じゃあフリンライダー。塔の上で会いましょう。」「はいはいラプンツェル。」半分気だるく別れるフリンライダーコスプレのまっちゃん。園美はラプンツェルに似つかわしくない、築50年の和風建築の我が家に帰った。「はーっ。何故私の家はお城じゃないの。…て年でもないよね。」独り言を言っていたら、お婆ちゃんの香が出迎えた。「あら〜っキレイね。お姫様じゃない。園美は美人さんだから引き立つわねーっ。」苦笑いしながらもお婆ちゃんに言われて嬉しくない様子。意気消沈しながら部屋に…と言えるほど部屋はない。即席のカーテンで仕切るのが精一杯な二階。「お、変な女がおめかししてるぜ。」「うるさい。覗くなよ。」「誰が覗くかブス。」「何ーっ。」二階で出迎えたのは弟の貞治。先ほどとは似つかわしくない短パンにTシャツ姿になった。「お婆ちゃん、お母さんは…」「さぁ、もうすぐ帰ると思うけど…」リビングでテレビを見ていたお婆ちゃんに聞いた時、ふと見慣れないレンタルDVDがテーブルに置かれているのを見た。「お婆ちゃん、これ何。」「ああ、それかい。武史が借りてきたから私がつい見たんだよ。」「ふ〜ん。私見ていい。」「ああいいよ。お父さんには言っとくから。」最近では映画配信もネットで多く、一頃昔みたいに店舗型レンタルDVD店も少なくなってきたが、未だに店舗で借りる派もいる。武史もその一人だった。「白線流し…なにそれ。」園美も知らないテレビドラマだった。暇つぶしに自前のDVDプレイヤーで再生してみる。しかしそれが飛んでもない騒ぎを引き起こす元になろうとは思いにも寄らなかった。「な、な、何て素敵なお話なの。しかも七倉園子。私そっくりじゃない。」兄弟四人が一斉に転んだ。「どこがーっ。」「何ーっ。」中学生の弟、義郎も交えて大喧嘩が始まる。リビングで茶を啜りながら呟くお婆ちゃん。「まぁ、元気ね〜。」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.3 )
日時: 2019/08/22 00:34
名前: 梶原明生 (ID: W4UXi0G0)  

…「元気ね〜じゃないですよお義母さん。止めてくださいよ。」買い物袋沢山下げて園美の母、美和子が帰ってきた。「あら、子供は元気なくらいがいいじゃない。」「もう…」話しても無駄とわかって買い物袋を投げ置いて階段を上がる。「こらーっ」「ヤベっ母ちゃんだ。」雷が落ちるのはいわずもがな。「このカーテン誰が治すのえっ、誰が治すの。貞治、座りなさい。」「だって姉ちゃんが…」「うるさいっ喧嘩両成敗だ。お小遣い減らすよ。」「え〜やだよ〜っ。」そんな弟とのやりとりに乙美が泣き出す。「あー悪かった。あんたまだ5歳だもんね。第一園美、あんたここで一番上の子でしょ。18にもなって何考えてるの。」ここで気だるく言い訳が出ると踏んだが、意外なフライングパンチが飛んできた。「お母さん、ごめんなさい。私が悪いんです。だから、ぶつなら私だけにして下さい。」キョトンとなる美和子。「あんた、頭どっかで打ったの…」園美の頭を撫で始めるが、義郎が首を横に振る。「母ちゃん、いつもの病気だよ。…」「ああ〜っ。」やっと納得した。翌日は月曜日。夏休みまで後一週間もない登校。園美が通っている高校は西山高校。それまでお下げだった髪を白い髪留めでポニーテールに変えていた。正門手前で合流したクラスメートの立嶋夏はその姿に驚いた。「お、おはよう。何、気分変えたいとかそっち系なの。」「おはようなっちゃん。なっちゃんは馬渕英里可だね。」「はぁ…」不思議がる立嶋夏。「おはよう…て髪どうしたのよ。」「どうして。いつもしてるじゃない。さぁ行きましょう京野ことみさん。」「はぁ…あ、なっちゃんまた病気始まったよ。取り合わない方が…」「ほら二人とも、遅刻するよ。」思いっきりバッグを両手で持ってV字型に絞るポーズを見せた。「おえ〜っ」級友とは言えその変わりぶりに吐き気すら覚えた。確かによく世間で言う「ブス」の範疇に入る顔ではないが。あからさまやられると辟易する。「先ずはミスチルのコンサートだ。よし。」気合い入れてる時にホームルームで担任の小澤美子が「進路調査書」を配る。「え〜これミスチルのコンサートの後に配られるのにっ。」つい大声を上げて回りを見回す。「八倉さん、ミスチルがどうかしたんですか。」「いえ、その、…夏休み終わって二学期からこれを…」「他校では知りませんが、ここでは今配るんです。」「そんな。七倉園子が進路に悩むのは夏休みの後。んでミスチルのコンサート言って長瀬智也と」…続く。

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.4 )
日時: 2019/08/22 01:24
名前: 梶原明生 (ID: wh1ndSCQ)  

…「ちょっと、そのちゃん何言ってんの。」隣席の夏が心配そうに覗き込む。小澤が切り込む。「TOKIOの長瀬智也やミスチルに会いに行くなんて、まさか東京で良からぬ遊びを覚えるつもりじゃないでしょうね。」フォローに入る夏。「ああ違うんです。最近、はまってるアーティストでして。いい曲だなーなんて。」「そう。それならいいけど。実は私もね、昔夢中になっててね。…」先生の長話が始まる。しかし何とかごまかせた。昼休みに問いただす、夏にまき。「どうしたのよ。ビックリするじゃない。」「そうだよ、小澤っち怒らせたら内申に響くって。」机にコンパスで穴を掘り始める園美。「ちょっとやめなよ園美。」「まっちゃん、星座って知ってる。」「それが何よ。」「宇宙って、広いんだよ。」顔を見合わせる夏とまき。「ダメだな…。」溜め息突く二人。「よぉ、ミスチルがどうしたって。」クラスメート一のお調子者磯山慎二が来た。「ああ、…」「ああって何だよ八倉。」「中村竜だ。」「はぁ、中村竜ってジャニーズか何かか。」「ううん、それから…」斜め前の席で読書に勤しんでる眼鏡少年を指差した。「彼は柏原崇だ。」「だから八倉、誰だよそれ。」「ううん何でもない。」しかし彼女の中で勝手に妄想が膨らんでいった。やがて夏休みに入り、毎年恒例の夏祭りやイベントに一切お金を使わずにただひたすら待った。そう、ミスチルのコンサートのために…補修の登校日に夏とまきに相談する。「ねぇ、8月末にミスチルのコンサートが八王子であるんだけど行かない。」「は、八王子っ…」「一生のお願い。行こうミスチルに…」「私あいみょんのコンサートがいい。」「まっちゃんに賛成。」「え〜っ…」理想が音を立てて崩れ去る。そして節制に節制を重ね、遂に8月某日。ミスチルのチケット片手に八王子まで行くことになった。父武史に拝み倒して許してもらったからだ。本当は「開業医を目指せ。」という父武史への無茶ぶりを言わないという約束と引き換えだったが。かくして駅に向かったわけだが…「なっちゃん、まっちゃん。どうして…」何と、夏とまきがリュック下げてやって来ていた。「チケットが取れなくてね。ミスチルは取れたから。…嘘、あんた一人行かせられないでしょ。親友なんだし。」「私も。そのちゃんに貸しがあるしね。まっちゃんが行くなら私もって。」抱きつく園美。「良かった。本当は心細かったんだよ。持つべきは親友だ。」と言いつつも心は次に移行していた。…

Re: 白線お流れ〜迷想奮闘記〜 ( No.5 )
日時: 2019/08/25 13:30
名前: 梶原明生 (ID: q6woXfHh)  

…「ウシシシッ…これでなっちゃんを演劇鑑賞に行かせればいい。そしてギリギリ終電に乗る。そこに長身のイケメンが乗り込んできて…イヒヒヒ…」勝手な妄想が園美を支配していた。「まっちゃん、そのちゃんが笑ってる…」「うん、昔からの付き合いだからわかる。この笑みは不吉な予兆。いざとなったらなっちゃん、アレやろ。」「うん、アレ。」「ザっ…」対面で特急の座席に座ってる夏とまきがいきなり立ち上がり、手の甲を前にして拳を突き上げる。「他人のフリッ。」「ん、どうしたの二人共。」気付いた園美が不思議がる。「え、…何でもない何でもない。」ニッコリ笑顔で答える二人。やがて八王子駅に特急が着くと、ミスチルコンサートに向かうのだが。「ねぇなっちゃん。演劇チケッ…」「始まるまで歯科大のキャンパス見て来ていいかな。」「はぁーっ。」夏が意外なフックパンチをお見舞いしてくる。「いや、なっちゃんは演劇…」「とにかく公演時間には間に合わせるから。じゃあね。」既に走りはじめていた夏。「ちょっと…ああ計画が崩れてくう〜。」頭を抱え込む園美「どうしたの。」「何でもない。行こう。」切り替えが早いのか立ち直りが早いのか。颯爽と歩き始める園美。よく知らない曲ばかりだったが、大いに盛り上がってミスチルコンサートは無事終わった。夏とも合流し、いよいよメインイベント。特急列車で母親に会いに来たイケメン青年が、園美と同じ列車に乗り込んで松本市に帰ること。「イケメン、イケメン。」独り言のように呟く。「おお、いた。」偶然の一致ほど恐ろしいものはない。何と、隣の自由席車両に母親に見送られる青年がいるではないか。しかも長身でイケメンと来てる。「ハァーーーっ。」両手を組んで感激する園美。「う、…」好き好き光線を送る気味悪い女に顔をひきつらせながら列車に乗るイケメン小河叶。「もう照れちゃって。ウフ」「ザっ他人のフリ」夏とまきは無視して指定席目指した。やがて園美も指定席に座るが、まきは別として夏がいつもの「他人のフリ」とは違う雰囲気なのに気付いた。「どう、したの…なっちゃん。」「ん、何でもない。」「そう…」何でもなくはなかった。彼女は歯科医師の父を持つ次女だった。高校受験時代に遡る。「お前は本当頭が悪いな。お兄さんやお姉さんを見習いなさい。お姉さんは歯科大に合格したと言うのに、お前は志望校二つにも落ちた上、二流の学校にも落ちた。滑り止めにも落ちるなんて最低だ。」…続く。

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