複雑・ファジー小説

迷い込んだ。異世界へ
日時: 2019/10/20 15:34
名前: 水音(みおと)

  無知な少女の物語。
 大切なモノを助ける為。
 彼女は自ら迷い込んだ。

ーー否、もしかしたら自分自身の為かもしれない。

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Re: 迷い込んだ。異世界へ ( No.7 )
日時: 2019/10/29 20:18
名前: 水音(みおと)

「コー君!えへへ、おまたせ♪」
「いや、そんなに待ってねーから大丈夫。」

頬を赤く染めたアヤメは照れながら微笑んだ。
まるで恋する乙女のように。

「そういえば、コーは卒業出来るのか?」

うちの魔法学校は8年制で卒業試験がある。
因みに合格できなかったら、留年ではなく
1年からやり直し。

「あー、無理だった。やり直しだなぁ。」

死んだ魚の目をしながらコーは頭をかいた。

「んー、難しかったよねぇ。でも私もなんだよ。
一緒にこれからも頑張ろう?」
「ふ。もちろん。よろしくな!」

悔しいのか、嬉しいのか分からない
表情でアヤメは笑った。

そして、二人の間に強い絆が生まれた。
..................気がした。

「......言っとくけど、成績悪いんだからな?お前ら。」

「お前が頭良いだけだろう、レイ!」

頭が良い訳ではない。なぜか元から知っていたようだったのだ。
そういえば、今日も変な夢見たなぁ。
変だけど、懐かしいような夢。

Re: 迷い込んだ。異世界へ ( No.8 )
日時: 2020/03/26 02:53
名前: 水音(みおと)

そんな冬の日から数ヶ月。

「レイ君。卒業おめでたです〜!」

卒業式の日だ。
桜もまだつぼみのこの季節。

まだまだ肌寒い。

「レイ。おめでとう。」
「あ、有り難う。そっちは勉強頑張れ!」

コーは筆記が出来なく、アヤメは実技ができない。

「あ、あはは。一応頑張るよ。才能無いだけなんだけど。」
「おう。頑張るわ!......お前これからどうすんの?」

アヤメは目を逸らした。
コーはこれからは才能は伸び、苦手は克服するだろう。
だってこんなにも、前向きなのだから。

「ああ、えーと。アヤメの母さんと話してな。
............家を出ることにしたよ。」
「「ええぇ?!」」

「えーっと。アヤメの家で働いて恩返しも考えたんだけど。
母さんがそんなの要らないって。だから、外で働いたりして。
お金稼いでくる。また帰ってくるから。

それまで、この町の人達守ってくれるか?」


僕がなぜかいた町。小さく、人も少ない。
だが、とっても優しいのだ。

「......そんなの、あなたが。
レイ君が、レイ君しか守れないよ?
だって。レイ君がこのsんぐっ。!?」
「アヤメ。それ以上は。ダメだ。
お前はこの町の神童だ。お前以上に強い奴はいない。
それでも、俺らに守れって言うのか?」

深刻な顔をした二人。
まるで僕はが離れたら不都合があるかのように。


「......ああ。それでも。この町にいた時から思ってたんだ。

この世界はどんなに広いんだろうって。」

僕は目を細めた。

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Re: 迷い込んだ。異世界へ ( No.9 )
日時: 2020/03/26 02:51
名前: 水音(みおと)

「はえー、もう行くんだ?」
「!」

桜が綺麗に咲いた今日この頃。
僕はこの町を去ろうとしていた。

驚き僕はすぐさま振り返った。
其所には苦いような笑顔をしたアヤメが立っていた。

「ちょっと冷たいんじゃあないかなぁ〜?」
「あ、アヤメ?」

アヤメは目を細め後ろを見た。
コーが小さく見えてアヤメはもう一度
こちらを見た。

「レイ君のこと、あたし達結構応援してる
方だと思うよ?信用......出来ないかな?
できればして欲しいなぁ、なんて......!」

「ホントそれ。この町のこと勝手に俺らに
任せておいてさ!よっと。
冷たいよなぁ!」
「それさっきあたしが言ったんだけど?」

コーとアヤメは嬉しそうな顔をした。
コーは以心伝心だな!なんて言いながら笑いあった。


と思ったのもつかの間。

二人は口角を下げた。

「行っておいで。もう貴方はあたしに必要ない。
心配しないでよ。幼なじみとはいっても
この町ではかなり頼りになる方なんだからね!」

アヤメは僕に向かって手を振って笑った。

「たまにで良いから戻って来いよ。
そん時は俺とまた手合わせしようぜ!
絶対、腕鈍らせんなよ!」

コーは腕を組んで満足そうに笑った。


.................。

....................................。


「いってきます。」

瞳に温かい何かが込み上げて来る気がした。

桜が満開になったこの季節。
僕は育てて貰ったという恩があるこの町を。

大切なこの町を去ったのである。


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Re: 迷い込んだ。異世界へ ( No.10 )
日時: 2020/03/25 05:25
名前: 水音(みおと)


桜の道を進む。
緑の匂い。
水が打ち付ける音。

「大分、町から離れたな」

僕は振り返る。

少し顔を下に向けると賑やかになってきた町が見えた。
笑い声が聞こえて来る気がした。

前を向く。
歩かねば、僕がこの世に
生まれてきた意味を探すため。



あの子との約束をはたすため。



.............あれ?

あの子って?誰のこと?


........今は考えなくてもいいか。

きっと何かの勘違い。脳のバグ。
勘なんてそんなもの。

分からなくて良いことも、
知らなくて良いこともあるのだから。

『れい?』

ズキズキ

頭に釘を打たれたような痛みが走る。


大丈夫?
なぁに?
え。
んふふ、どうしたの急に。
あ、怪我してたでしょ?今日。
んー、どこも痛くないよ?
いいから、見せて。
だいじょぶだってぇ。
......そう、みたいだね。だって.........。
怪我の治りまた早く為っちゃってさ。


大丈夫。まだ大丈夫。
今は貴方は要らないから。

そっか。

必要になったら、また思い出してね。
また会おう。


痛みが引いていく。
何だったの、あれ。

まぁいいか。行こう。
僕はまだ歩かなきゃ。

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Re: 迷い込んだ。異世界へ ( No.11 )
日時: 2020/03/26 02:48
名前: 水音(みおと)

「おおぉ............!」

レイは生まれてはじめて海を見た。

何処までも続く青き地。
鼻につく気持ち悪くも儚い匂い。
ザアァと寄っては返る波。

この街は広い。
海があり、そのせいか賑わっている朝市。

街の人々は揃って笑顔だ。

「お姉さん、一人旅ですか?」

初対面の男性に話しかけられた。
黒い髪が目にかかるほど長く、
ディープブルーの瞳をもっている。

眼鏡をかけており真面目そうに見える。

「え。はい。ひとり、です。」

レイは動揺して言葉が滑らかに出てこなかった。

なにせ今まで狭い町で暮らして来たため、
初対面なんて無いに等しかったからだ。

もし初対面があったなら新しい命が生まれた時だけだ。

男性は口角を上げ右手を顎の下にもっていった。

「そうですか。でしたら僕が観光案内致します。
お茶でもどうでしょうか?」

街を案内して欲しいとは思った。
が、さすがに怪しいのではとも思った。

レイが迷っていると、男性の後ろに近づく
桔梗色の瞳を持つ女性が現れた。

「先生何をしていらっしゃるんですか。
先生の助手であるあたしが怒られるのでさっさとしてください。」

その女性は早口で尚且つ真顔で言った。

「すみません。迷惑をおかけしました。
それでは失礼致します。」

ペコリと礼儀正しく頭を下げ先生と呼ばれる男性の
首根っこを掴みズルズルと引きずって行った。

男性はギャーギャー喚きながら楽しそうに笑っていた。

「んへぇ、疲れた。」

ダメだな。このくらい話すだけで心が張りつめて
無駄に体力を消費してしまう。


午後に少しだけギルドとか行ってみようかな。
とも考えてはいたのだが、この僕のコミュ障には不向きのようだ。

ソロでモンスターとか賞金首とかを狩って
コツコツ貯めてかきゃいけないなとレイは思った。

「ぐぎゅるうぅるぅ」


............。


.......................。


腹を満たしてからにしよう。うん。

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