複雑・ファジー小説

花嫁フォース〜白銀の角隠し
日時: 2019/10/28 19:16
名前: 梶原明生 (ID: 0Q45BTb3)  

北海道の極寒の地に突如、「ロキア王国軍」が亜空間から現れた。半分の道内が占拠されてしまい、現地は戦々恐々とした大地に。ロキア王国軍の軍事力は現自衛隊とほぼ互角の科学力を持ちながらも、その姿は中世ヨーロッパを彷彿とさせる佇まいで、動物兵まで率いるチグハグぶり。一進一退の膠着状態の中、こんな状況でも結婚式を挙げようと誓った予備自衛官補の主人公「月菜灯」は、ロキア王国軍に親戚一同を殺された。が、しかし…白無垢の和式花嫁衣装を見た瞬間から、ロキア王国軍の兵隊の手足が不自由になり、狂い始めた。婚約者であり遠縁の親戚、月菜英を連れ去られた灯は、応戦に来た特殊作戦群の持つドイツ製アサルトライフル「G36C」を手に入れてロキア王国軍を蹴散らした。その功績とデータから急遽、中央即応連隊司令部は白無垢迷彩の日本式花嫁衣装を纏った女性特殊部隊「花嫁フォース」(HF)を立ち上げる。同じく結婚式に偶然花婿をロキア王国に捕られた者同士が一同に集まり、ロキア王国軍の拠点を目指すのだが。途中、奴隷として働かされていた「エルフ娘」達を解放し、彼女達も取り込んでロキア王国軍に立ち向かう。白銀世界に白無垢角隠しが戦場を舞う。異色のファンタジー系ミリタリーアクションが遂に幕を上げる。

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Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.10 )
日時: 2019/11/30 19:17
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)  

…その頃、ハドリア隊長率いる「白狼隊」は戦果報告のためにアルカーデ王の宮殿に招かれていた。「白狼と銘打つお前達が逃げ帰るとは何事か。」「陛下、申し訳ございません。やはりあの白い奇妙な服には我々とて調子を狂わされます。」ハドリア隊長が跪いて弁明する。アリーサ姫が助け船をだす。「お父様。あのルスキィ少佐ですら掠った程度なのですよ。無理もないことですわ。」チラリとルスキィを見るアリーサ。ポービー伍長が歯軋りして見る。「もう良い下がれ。」「ははっ。ロキア王国に栄光あれ。」立ち去る白狼隊だったが通路の途中でアリーサがルスキィに声をかける。「よろしいかしら少佐。」「はい。」それを見たポービー伍長は消えた部屋に向かうが、ハドリア伯父が肩を掴む。「よせ、懲罰を受けたいか。」「し、しかし。相手は姫ですよ。」「あの二人はいいんだ。」「どうして。伯父上は為さぬ恋路を見逃せと…」「仕方ない。お前にも教えておこう。ルスキィはな、アルカーデと俺が教学生時代お忍び遊びに付き合わされた時にナンパした町娘にはらませた御落胤なんだ。」「ま、ま、まさかそんな。」驚愕するポービー。「甥っ子のお前にその気があるのはお前の母である妹から聞いていた。ルスキィに惚れるのはわかるが叶わぬ恋だぞ。紛いなりにもお前は軍人の子息だということを忘れるな。」「は、はい…」かみ殺すような顔でハドリアについていくポービー。それを盗み聞きしていたのはカール郷であった。「やはりな。使える。…私が王となるためのネタとして。」ニヤリと笑うカールであった。同時期に中即連本部にて会議が開かれていた。「エルフ達の証言でわかったことがある。やはり花婿達が拉致されているのは富良野の収容所だ。そこにはほかの日本人の捕虜がたくさんいるとの情報だ、すぐに奪還作戦に移る。」…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.11 )
日時: 2019/12/03 21:28
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)

…その夜、灯達は宿舎で明日の準備に追われていた。赤沢が顔を出す。「すまんな待機中。実はこの三人のエルフ娘が作戦に参加したいと申し出て聞かんのだ。」そこには彼の後ろに立っている、かつて灯達が助けたエルフ娘がいた。「しかしこの三人、なかなかの能力の持ち主でな。」言った先から一人のエルフ娘が前に出た。「私はナーシャと申します。記憶力には自信あります。」「凄い、日本語もうわかるの。」灯が驚く。「はい、先ほども申しました通り記憶力は抜群です。日本語はもう大半を勉強しました。」次にいきなりドア枠に背中を預け、妖艶に語るエルフ。「あら〜、私なんか人の心が読めるのよ。まひるちゃんだったかしら。私はロマーノよ、よろしく。スイーツ食べたいでしょ〜。」「ほえ〜本物だ。」まひるが驚く。「わ、私は…今日は石川君が私に色目使ってきたみたい。」「わ〜っダメダメっ。」遠い机に開きっ放しになった日記帳を読み始めたのだ。「私の視力は千里眼並み。私の名はスターシャ。」そこで赤沢が入り込む。「と言うわけだ。お互いの親睦を深めるためにも今夜はこいつらを頼むぞ。」「了解しました。」5人一斉に敬礼する。「これスマホって言うの。」「この耳は本物よ。尖ったロバみたいな耳でしょ。」「ほえ〜本物だ。」まひるの天真爛漫がエルフと意気投合するきっかけになった。時間は05:00時になった。UH−60ヘリに分乗し、富良野付近の侵入地点に向かった。そしてここからが冒頭の話になるのだった。「灯、泣かないで。私以前、王国学問大会に出場した時にこの居城の構造記憶してある。ここは傀儡部屋。真の監禁部屋は居城の左奥にある。」ナーシャが肩を掴んで叫んだ。「わかった。行こう。」銃撃戦を繰り広げて監禁部屋に近づいた。怜華がパソコンを使って暗証キーを無効化する。「いいよ灯ちゃん。」「英。」ドアを開けて入ろうとしたところ、石川が衣紋を掴んで引っ張る。「早まるな。見ろ。」何とドア枠に仕掛け線があった。原始的で、手榴弾のピンにピアノ線をくくりつけて張ってあった。「危なかった。一歩間違えたら全員死んでたな。」石川は万能ナイフのニッパーで線を切った。「ごめん。」落ち着いた灯は真奈美と銃を構えて左右を確認しながら突入した。「英。」「修一郎。」服はボロボロで鎖の手錠に繋がれた二人と数人の日本人がいた。「え、何で花嫁衣装…」朦朧としながらも捕虜の日本人は誰もが口にして不思議がった。…次回「戦いの果てに」に続く

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.12 )
日時: 2019/12/07 00:42
名前: 梶原明生 (ID: 99wOCoyc)  

「戦いの果てに」……………………………………宰相として誰が相応しいか。カールはそれだけを考えて自衛隊のミサイルに破壊された離宮でアルカーデ王の背中に突進した。「き、貴様、血迷ったかカールっ。」「いいえ血迷いなどではありません。私はこの時を待った。血みどろと屈辱の日々に耐えてあなたの参謀にまで上り詰めた。全てはこの時のため。我が母ナスターがあなたを呼びかけどれだけ苦しんで死んでいったか…」「か、仇討ちかカール。」「いいえ、違います。ただあなたはロキア王国の宰相として相応しくないだけですよ。」「ウグ…」突き刺した短剣を再び深く刺した。「はっ、お父様。」アリーサ姫が入ったが既に息絶えていた父アルカーデ王。「おいたわしや。このカールがアルカーデ王の遺言を賜りました。ロキア王国宰相にして国王の座を私に譲ると。」「そんなお父様が…」「だまりなさいアリーサ王女。ロキア王国軍の全権を握るカール国王なるぞ。これより全軍を挙げて核ミサイルを憎き日本東京に撃ち込む。アルカーデ王は核だけは嫌っておられた。しかし、やつら猿共にこれ以上屈辱を味わわされるわけにはいかん。発射準備。」「はっ。」配下の者は全員従った。一方灯達HFは英や修一郎達を無事救出し、味方のヘリを待つだけになった。怜華がパソコンを弄る。「ヤバいよこれ。」「怜怜どうしたの。」まひるが不思議がる。「ウィルス仕込んでやつらの情報盗んでたけど…アルカーデ王が逝去されてカール国王が就任。東京に向けて核ミサイル発射命令が出たって。日本自衛隊が殺したとか流してるよ。」「嘘でしょ大変。」灯が驚愕する。「何とかならんのか、クソ。」地衣三尉が悪態つく。それを壁際で隠れて聞いていたルスキィ少佐。アナトー大尉がせがむ。「どうした。ルスキィ、何故撃たん。」「奴らの言語を学ばなかったか。聞いたろアルカーデ王の事。父上がかような遺言等残すか。…カールが図ったのだ。おのれーカール。」ポービー曹長が突っかかる。「し、しかし。憎き日本人を目の前にして引き下がるおつもりですか。」そうしている間に怜華がビンゴな提案をしてきた。「奴らのネットワーク信号は把握済み。後は核ミサイル発射コードに僕のウィルスを仕込めば…」「発射はできない。」「御名答。」その時だった。「我々もその作戦支援しよう。」流暢な日本語を叫びながらルスキィ少佐は小銃の被筒を掴んで手を挙げて現れた。「ダメ、撃つなっ撃たないでくれ。」…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.13 )
日時: 2019/12/07 01:33
名前: 梶原明生 (ID: wh1ndSCQ)  

…英、修一郎が立ちはだかる。「彼は唯一拷問に反対してくれて、何かと監視兵の目を盗んでは差し入れしてくれた。」構えていた貞村一佐もさすがに命令する。「銃を降ろせ。相手は構えていない無防備だろうが。」灯が叫ぶ。「ルスキィ少佐でしょ。白狼隊の。」「何故俺の名前を…」「座学でさんざん教えられたから。それより何故敵に協力する気になったの。」「謀反を働いた逆賊が現れたからだ。宰相にして参謀長だったカールだ。奴が我が父アルカーデ王を殺害したからだ。」「その根拠は…」「今までが根拠だ。核ミサイルがあるのにしなかったろ。いつでもできたはずだ。貴様らなら知っていよう。核不使用宣言を。アルカーデ王は例え殺害されて国王が代わっても宣言は撤回しないとも確約したんだ。それなのにいきなりカールに撤回宣言だ。ありえない。」赤沢三佐が貞村一佐に耳打ちする。「どう思います。」「筋は通ってる。間違いない。それに…」ロマーノを見やると彼女も頷いていた。「彼女のお墨付きだ。よしわかったルスキィ少佐とやら。貴君に免じて共同作戦と行こう。」「忝ない。それでは我々とだけ和平締結だ。」こうして彼等の案内で離宮のメインサーバーに忍び込んだ。「ハロー、サーバーちゃん。永久に核ミサイルは撃てないよん。」怜華の仕掛けたウィルスが作用し、カウントダウンしても撃てないし、砲撃もできない。まひると二人でハイタッチした。「図ったなルスキィ。反逆者として死刑は免れまい。」アリーサのこめかみに拳銃を当ててドアを開け放って入ってきたのはカールだった。配下は銃口を灯達に向ける。「戯けっ。逆賊の反逆者は貴様の方ではないか。父アルカーデ王を手にかけたな。」「だから何だ。もはや誰も信じないぞそんな戯れ言。さぁ、武器を捨てて大人しくHFを引き渡せ。さもないとお前の可愛い妹君の命はない。」貞村が早川に目配せする。そして英へ。彼は閃き、早川の背中にあるスタングレネードを静かに取った。「ここは眩しくて騒がしいな。」貞村が叫んで灯達は耳と目を塞ぎながらルスキィ達の前に立ちはだかった。英がスタングレネードを放り出す。「ドカン」と爆発して閃光音響を撒き散らす。銃声が響き渡って光がなくなると、カール達が倒れていた。拳銃を構えるルスキィ少佐。「何故に裏切った。」「ハァハァ、殺せ。俺こそが相応しいからだ。」「哀れよ…」一発の銃声が鳴り響いた。「日本の花嫁フォース…とか言ったな。敵とは申せお主らには…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.14 )
日時: 2019/12/07 02:08
名前: 梶原明生 (ID: 97SCsTUE)  

…借りができた。いずれ自衛隊や日本とは決着をつける。だがお主らは恩人だ。ヘリをこの離宮の最上階せり出しフロアに呼べ。脱出させてやる。」「わかった。御厚意感謝する。」貞村一佐がルスキィ少佐と握手する。「惜しい男だ。日本人なら特殊作戦群に是非招きたいよ。…さぁ、最上階に移動だ急げ。」貞村一佐の命令で全員がせり出しフロアにやってきた。「チヌークか。」灯が呟きながら双翼の大型ヘリコプター、チヌークを仰ぎ見た。「急げ急げっ時間がないぞっ早く乗れ。」赤沢三佐が叫び声上げてヘリの轟音に対抗した。「全員乗ったな。行ってくれ。」機付長に合図を出す貞村一佐。煙を上げるロキア王国軍の居城を小さくなるまで見つめる灯であった。「終わったね…」それから数日後。ロキア王国軍は和平交渉に移り、北海道全土から撤退した。しかも置き土産のように、北方四島もドサクサに紛れてあの国から撤退する際、避難したあの国の人々がいないのをいいことに、日本に返したことにして、事実上、北方四島は日本に返還される事態になった。時は過ぎ、結婚式を行う灯と英。真奈美と修一郎。親戚はいないが、まひる、怜華、冴子が同席していた。早川は涙を拭い、立ち去る。「もう、花嫁衣装で戦わなくていいのね。」「ああ。その代わり、二人で人生の戦場を戦っていこう。」「英…はい。慎んでお受けします。」花嫁フォース、束の間の戦士だった。あの見目麗しく、しめやかな白い衣装こそが日本を守った戦女神だったのかも知れない。お二人、お幸せに。…了…… K、F。結婚おめでとう。この場を借りてお祝い申し上げます。この作品をお二人の門出に送る。梶原明生より。

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