複雑・ファジー小説

花嫁フォース〜白銀の角隠し
日時: 2019/10/28 19:16
名前: 梶原明生  

北海道の極寒の地に突如、「ロキア王国軍」が亜空間から現れた。半分の道内が占拠されてしまい、現地は戦々恐々とした大地に。ロキア王国軍の軍事力は現自衛隊とほぼ互角の科学力を持ちながらも、その姿は中世ヨーロッパを彷彿とさせる佇まいで、動物兵まで率いるチグハグぶり。一進一退の膠着状態の中、こんな状況でも結婚式を挙げようと誓った予備自衛官補の主人公「月菜灯」は、ロキア王国軍に親戚一同を殺された。が、しかし…白無垢の和式花嫁衣装を見た瞬間から、ロキア王国軍の兵隊の手足が不自由になり、狂い始めた。婚約者であり遠縁の親戚、月菜英を連れ去られた灯は、応戦に来た特殊作戦群の持つドイツ製アサルトライフル「G36C」を手に入れてロキア王国軍を蹴散らした。その功績とデータから急遽、中央即応連隊司令部は白無垢迷彩の日本式花嫁衣装を纏った女性特殊部隊「花嫁フォース」(HF)を立ち上げる。同じく結婚式に偶然花婿をロキア王国に捕られた者同士が一同に集まり、ロキア王国軍の拠点を目指すのだが。途中、奴隷として働かされていた「エルフ娘」達を解放し、彼女達も取り込んでロキア王国軍に立ち向かう。白銀世界に白無垢角隠しが戦場を舞う。異色のファンタジー系ミリタリーアクションが遂に幕を上げる。

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Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.5 )
日時: 2019/11/11 18:26
名前: 梶原明生  

…貞村一佐に臨時で白無垢花嫁衣装を身に纏う「花嫁フォース」の創隊と隊長就任を命令した。「地衣三尉、どうだった。」体格がデカいがだいぶデブ寄りの地衣に赤沢が聞く。「てんでダメっす。臨時で白迷彩服をつなぎ合わせて花嫁衣装にして角隠しまでそっくりにして出撃したってのに散々撃ってきますよ。うちの隊員二名が幸いにも命に別状ない重傷負いました。やはり彼女達と白無垢花嫁衣装が効き目抜群のようです。」「そうか。ご苦労だった。」「ちなみにですが普通科の連中嫌がりましたよ。白無垢花嫁衣装なんて着れるかってね。」「まるで湾岸戦争時代のSASみたいだな。」「と、言うと。…」「その昔イラクの砂漠地帯を駆け抜けるには、砂漠色よりピンク色の方が見えにくいってんでSAS特殊部隊はランドローバージープを真っピンクに染めたらしいんだ。しかし一般隊員は誰一人乗らず、SASは平気で乗りこなした。おかげで作戦はどれも成功した。軍人魂剥き出し過ぎると時として作戦の大局を見られなくなる一例だな。ま、俺ならピンク色の車に乗りたくない気持ちもわかるが。ハハハッ」苦笑いする二人。「赤沢、花嫁フォースのメンバーはリストアップしたか。」貞村一佐が天幕に入ってきた。「はい、ただ…」「ただ、なんだ。」「月菜と皆藤以外の三名は少々曲者揃いでして。」「なにが曲者だ。お前達だってかなりの曲者だろ。」「ハハハッ御冗談を。言われました通り、花嫁衣装着付けに心得があって、それぞれ必要な才能のエキスパートを選抜いたしました。先ずは朝倉怜華、17才。電子技術とハッキングの名手。」「まて、未成年か。」「やむを得ず。続きまして日田まひる、18歳。車両とヘリマニアでして、修理整備は天才的。UH−60ヘリを無断で駆って女友達を救出。ロキア兵を巧みな操縦テクニックで撃退。少年院行きか自衛隊か選ばせました。ラストは霧島冴子、22歳。舩坂陸将からの推薦なんですが…」「どうした。」「いや、今一つ出自がわからんのです。」「まさか愛人じゃあるまい。」「まさか…しかし偵察潜入はピカイチ。以上が花嫁フォースのメンバーになります。」「わかった。明日から付け焼き刃訓練だが、頼んだぞ赤沢。」「了解しました貞村一佐。」かくして翌日、灯をはじめとするメンバーが集められた。赤沢が挨拶を始める。「君達に集まってもらったのは他でもない。花嫁フォースを編成し、ロキア王国軍を撃退し、かつ、和平交渉に持ち込むためだ。…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.6 )
日時: 2019/11/14 18:19
名前: 梶原明生  

…一週間の集中訓練の後、作戦に参加してもらうからそのつもりで。この中で自衛隊経験者は月菜、皆藤のみ。したがって彼女達を隊長、副隊長とし、他三名は付き従うように。それから月菜、皆藤。三人を任せるぞ。」「了解しました。」早速訓練開始。64式小銃手に持っての持久走に始まり、匍匐前進、壁越え、丸太渡り、ロープ登り、鉄棒懸垂など、基本中の基本を染み込ませた。唯一遅れを取り、反抗的なのは日田と朝倉である。特に朝倉は予想通り。「くそっ、僕はこんな肉体労働バカのやるバカバカしい運動が嫌いなんだ。何で天才的な私がこんな底辺共の訓練必要なんだ。」月菜が一喝する。「何言ってんの。いざという時動けなくなったらどうするの。実戦では頭ばかりでは生き残れないのよ。」「ち…」舌打ちして壁を越える朝倉。この他実弾射撃訓練などを経て、いよいよ一週間を乗り越えることが出来た。赤坂三佐が下達する。「早速だが、最初の任務だ。今現在、富良野にロキア王国軍の前線基地が築かれている。今や富良野は白銀の世界だ。奴らが本部を置きたがるのも無理はない。そこでだ。手薄となっている富良野から真西に位置するB地点に潜入し、陽動作戦を行う。ちなみにこのB地点の収容所に月菜、皆藤の婚約者がいる可能性が高い。したがって任務は二つある。先ずは陽動作戦。そして捕虜救出。作戦実行時間は明日の午前07:00。…大丈夫だ。貞村一佐や地衣三尉も同行する。必ずうまくいくさ。では解散。」それぞれの思いを胸に、花嫁フォースの面々は宿舎に向かった。翌日05:00時。まだ明けない宿舎で戦闘準備は始まっていた。「掛け下つけて、長襦袢着る。襟合わせして、胸元整えて、伊達巻きを巻く。衣紋は首後ろやや抜き加減に。両手の中指で掛け下の襟付けを持ち、背中の中心に沿わせ、そのまま肩に乗せる。背中中心の襟の形を整えて襟止めで止める。長襦袢の襟付けに掛け下の襟付けをしっかり沿わせ、長襦袢と掛け下の振りを合わす。裾を広げて両襟先を持ち、足首から腰にかけて締め、両腰骨に収める。下前、上前を同じ力で引き合い、腰紐は真横に引く。紐先を二絡げにして結ぶ。…」皆藤が口に出しながら朝倉の着付けをしていく。他三人も同じようにしていた。「いよいよね。」「気を引き締めてこう。」無口だった霧島につられて全員が頷いた。地衣の運転するトラックに搭乗し、一路B地点へ。「待ってて英。必ず助け出すから。」G36C小銃を握り締める灯。…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.7 )
日時: 2019/11/19 16:58
名前: 梶原明生  

…やがてB地点に到着した。「う〜、ヒートテック着てても寒いね。」まひるが愚痴を零す。「B地点て、結局ここ夕張じゃない。」「知ってんの。」「うん、英と何度かデートで来たもん。」灯の呟きに真奈美が問いかけた。怜華が自前のパソコンを操作する。「ビンゴ。これでやつらの監視システムはハッキングできた。侵入できるよ。」「フフ、やるな朝倉。」貞村一佐はニヤケながら先へ進む。「ううっ」補給基地の歩哨を次々片付けていく貞村達。「うへ〜っ、さすが特特ちゃん(特殊作戦群)私達いらないんじゃない。」まひるが関心する。「爆薬セット。5分以内。」怜華が囁いたその時、本隊に侵入が気づかれた。「いかん、今すぐ捕虜収容所に向かわないと。」「私達の後ろに。」貞村一佐達に灯が叫ぶ。案の定、ロキア兵は彼女たちを撃てないでいる。「二時の方向。」真奈美が叫ぶと灯が小銃を構えて発砲。貞村達をカバーした。収容所に侵入すると、そこには英達はいないで、ロキア王国軍側の女性達が何故か閉じ込められていた。「これって、エルフ娘。」「え、エルフ…」冴子が無口な口を開いた。「ここには我々の探している自国民の捕虜はいない。撤収するぞ。」「待ってください。彼女たちを連れて行きます。」「バカなっ、無理だ。しかも敵国人だぞ。」貞村一佐に食ってかかる灯。「見て下さい足枷。自国民にこんなことしますか。彼女たちは慰安婦です。ロキア王国ならやりかねません。最悪救助したことはプロバガンダにも使えます。私達が円陣を組んで歩けば大丈夫です。」すこし考えてから貞村は決断した。「わかった。すぐに出るぞ急げ。」早速作戦は開始された。撃ってくるロキア兵を尻目に退却する花嫁フォース。「違うっ…」G−36C小銃で狙い撃つも、全く当たらず撃ち返してくる凄腕が現れた。ロキア兵が叫ぶ。「白狼隊、ルスキィ少佐。」ロキア王国軍でも精鋭中の精鋭「白狼隊」がやってきたのだ。その中でも金髪ロングのツンデレイケメン、ルスキィ少佐はエースとして恐れられていた。 「少佐を煩わせるまでもありません。猿以下の糞日本人など私とポービー曹長だけで…」アレク中尉がほくそ笑むが拒否する。「余計な真似はするな。」「ちっ…」聞こえないよう舌打ちするアレク。「やはりダメか。噂通りだな。」威風あるハドリア隊長が呟く。「させるか。」ルスキィ少佐は前に出る。彼のαγ44小銃弾が灯の頬を掠める。「嘘っ。」そんな時、89式小銃を手にした少年が…続く。

Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.8 )
日時: 2019/11/21 19:19
名前: 梶原明生  

…現れてルスキィ少佐に向けて発砲する。「おのれ日本人の分際でこの私の顔に傷を入れるとは…」「ハーッ、ルスキィ少佐のお美しいお顔に。許さんっ。」ポービー曹長がまえへ出て乱射するが当たらない。「何、たかが猿の日本人のクセに。」言った矢先に少年は銃火を避けて、物凄い形相で突撃してくる。ポービー曹長が撃たれて倒れる。「よせ、誰かは知らんが死にたいのかっ。」赤沢三佐が少年を引き止めた。「うるせーっ家族殺されたんだ。ぶっ殺してやる。」「いいから我々と来るんだ。」地衣三尉と共に 羽交い締めにして連れ帰った。トラックに10人のエルフも乗せて。「坊主、名前は。出身は、」貞村一佐がトラック内で聞く。「坊主って誰だよ。俺は坊主じゃねー。早川飛呂丸だ。もう19だよ。」「それは失礼。てっきり高校生かと思った。だがいい腕だった。」…続く。


Re: 花嫁フォース〜白銀の角隠し ( No.9 )
日時: 2019/11/25 19:32
名前: 梶原明生  

…貞村一佐が意外なことを言い出す。「早川、とか言ったな。お前、特殊作戦群に入隊しないか。」「はぁ、何を仰いますか。」赤沢三佐が驚愕する。「いや、その姿からして敵地で三週間以上潜伏してたんだろ。」「そうだけど。それがどうした。」「早川、つまり激戦区にあってお前は潜伏して生き延びた。それも一つの特殊能力だし、特殊作戦群はなにも戦闘のエキスパートばかりの集団ではない。類い希な能力を認められて入隊しているものもある。どうだ、入隊しないか。敵討ちにもなるしな。」全員を見回す早川。ふと灯に目が止まった。「な、なんだよ。何であんただけ泣いてるんだよ。」「あ、ごめん。つい…」真奈美がフォローする。「無理もないのよ。彼女もあなたと同じで両親を目の前で。」「え…」それを聞いて早川の表情が変わる。「女の涙には弱いか。…わかったオッサン。入隊でも何でもしてやるよ。富良野と夕張は庭みたいなもんだしな。」「バカ、貞村一佐だ。入隊するなら口に気をつけろ。」「ちっ、うぜー。」反抗的な態度でそっぽをむく。しかし灯に対しては特別な感情を抱いていたのだ。やがて前線基地に到着し、戦果会議後エルフ娘達の尋問を始めた。「私の名はスターシャ。シャル村を焼け出されてロキア調達隊に捕まり、今日慰安婦にされるところでした。」「僕の名はナーシャ。ポム村から調達隊に拉致されてスターシャと同じ日にこちらへ。慰安婦なんかいやだ。勉強がしたい。」「私はロマーノ。ねぇ聞いて聞いて日本の兵隊さん。娼館にいきなり調達隊の連中が押しかけてさ。私達を慰安婦にするって1ヶ月前からこっちに来させられたの。しかも報酬なしですって。私はこの体一つで生きてきたのにさ。ってねぇ、聞いてる。」気だるそうに聞き返すロマーノ。…続く。

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