複雑・ファジー小説

三人家族【一話完結】
日時: 2020/05/22 21:04
名前: ニノマエ
参照: http://ninomae.tt

私は海の近い公園にピクニックとして遊びに行きました
真夏日の昼間は日差しが強く、日焼け止めを体に塗りまくっていました。それでも日差しをさけたかった私たちは屋根のあるベンチに座りました。
テーブルの代わりになるものはありませんでしたが、持ってきたお弁当を膝の上にのせて友達と話していました
さきほども言った通りここは海がとても近く、穴場として昼間はカップルがとても多いです、そんな事を考え彼氏が欲しいと思いながらもお弁当を食べていると
「何かあの人達おかしくない?」
不意に友達が言いました
この公園は二段階構成になっており、海と同じ高さの場所にある公園とそれよりかなり高い場所にある崖の方の公園に分かれていました。
父、母、息子、の三人家族は、崖の方の公園で手をつなぎながら海がある方を見ていました。
本当に変な家族です。話しかけに行こうか迷いましたがその不気味さ故にやめておくことにしました。幽霊かと思ったりしたのですが、自分以外の友達も見えているので幽霊ではないでしょう。急にどうでもよくなり、目をそらそうとした瞬間・・なんと家族三人が歩き出したのです。

その方向は”海”。

そう、その家族は一家心中をしようとしていたのです。それを見たとき、私は既に走り出していました。ザク、ザク、ザクと三人家族はどんどん崖の方に近づいていきます
(まずい、もう間に合わない!)
そう私が諦めかけた瞬間、三人家族の一番右で手をつないでいる男の子が、海の方から隣の父の方へと視線を変えました。そして
「パパ、もう僕は大丈夫だよ?」
父、母、は五歳くらいの息子の方を見て瞬きせずに泣いています。その顔は驚きと悲しみ、悔しさが混じっています。
父が重い口を開き
「どう..して?」
涙でぐしゃぐしゃです。もう何を言っているのかわからないくらい
「パパ、ありがとね、でももう充分だよ。だからさ、」
男の子は泣くのを我慢しながら言いました
「死なないで..」
父がそれを聞き、泣きながら我が子を抱きしめます。男の子も何かが吹っ切れてしまったように泣き出してしまいました。
「ごめん..本当にごめん...守ってやることができなくて..親として何も与えることも、してあげる事も出来なかった..」
それを聞き男の子は
「ううん、いっぱい与えてもらったし、いっぱい守ってもらえたよ。本当に僕は幸せだったんだ..だからもう..充分なんだよ?」
家族みんなは泣いており、もう飛び降りることはないでしょう。男の子は、それから父の手を抜けるように消えてしまいました。
そこに残ったのは、男の子の大好きだった人形でした。

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