複雑・ファジー小説

凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー
日時: 2020/05/29 16:20
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

あらすじ・・・陸上自衛官の父を持つ鳥影年光は、父に反発して就職先は工場勤務にした。そこで知り合ったサバイバルゲームを趣味とする同僚に触発されて、のめり込むことに。やがて時はすぎて、年光は自分の父を理解しはじめ、「カエルの子はカエル」だなと悟りはじめる。そんな時、千葉県に元自衛官や元警察官で創設した会社「提中訓練研究社」の存在を知り。仕事を辞めてその会社の危機管理と戦闘訓練コースである「特級コース」を取得し、二年後に卒業して社長等に激励をうけた。しかし、社会に出れば誰も関心がなく、危機管理アドバイザーとしてどこも雇ってくれずに貯金も底を突き、やむなく派遣会社に登録してまた工場勤務で仕事をすることとなった。何とか研修期間3か月を乗り切ったある夜勤の日、ある異変が起こりはじめる。会社の金を使い込み、あまつさえ傭兵を雇って国外逃亡を図ったロシア人前社長が、本社工場に仕返しを企んでいたのだった。金でまたもや雇った傭兵を使って。

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Re: 凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー ( No.16 )
日時: 2020/07/04 21:13
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

「激闘」                                               ガシャンと大きな音がさっきから聞こえる気がした。いや、夢ではない。そう願っていても厳しい現実はすぐそこまで迫っている。「野口班長、応答願います。そちらはどうですか。」「さっきから叩く音が聞こえる。大勢いそうだ。どうぞ。」「こっちもですよ。大勢でシャッターを壊そうとしてる。どうぞ。」「いっそ撃とうかどうぞ。」「いや、向こうが壊すまでこちらから撃たないように伝えて下さい。銃弾で穴が開けば、尚更奴等の思う壺。壊しやすくなる。一分一秒でも時間が稼げれば今はいいです。ですがもし破ってきたら・・・容赦なく撃って下さい。」「わかった。交信おわり。」野口は無線を一旦切った。彼等はすでに傭兵側の無線を置いて、鳥影達が取ってきた事務所の無線を使用している。警備員用なので、スイッチマイク付きのイヤホンが付属していた。鳥影達には好都合で、お互いこれでリアルタイムで戦況報告ができる。早速動きがあった。ショットガンとサブマシンガンを合わせた銃撃が始まった。「隠れろ、頭を低く。」ABS樹脂原材料袋の掩蔽にしゃがみ込む鳥影達。まさにハチの巣とはこのことだろう。シャッターも防弾まではしてくれない。やがて突入用ハンマーで叩き割られてシャッターに風穴が開いた。十分人ひとり入れるペースの。「撃てーっ」鳥影の号令とともに、一斉射撃が始まった。「怯むな。相手は素人だ。」班長らしき男が叫ぶも、コルトライフルの猛攻撃に、後退をよぎなくされた。「張隊長、無理だ。敵の弾幕が激しすぎる。」「馬鹿野郎。お前らそれでも傭兵か。素人前にして尻尾巻いてでも見ろ、俺が撃ち殺してやる。」やむなく前進する部下達。鳥影はSCARを構えて、ひとり、またひとりと射殺していく。一人が匍匐姿勢をとって掩蔽までつくと、鳥影と鉢合わせ。とっさに敵のコルトライフルの被筒を掴み、ホルスターからシグ226拳銃を抜いて、首元に向けて撃った。「パンパンパン」小高い発砲音がして、傭兵を絶命させた。・・・続く。

Re: 凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー ( No.17 )
日時: 2020/07/12 15:28
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「一旦引き上げろ。」無線で部下達に通達する張。李が話しかける。「敵も素人ながらやりますね。我々含め70名はいたのに、今や35名弱。半数をやるとは・・・」「関心してる場合じゃないぞ。奴等に死人どころか怪我人も出てないのは深刻だ。向こうが弾薬尽きるまでと考えてたが、このままだとまだまだ弾薬は尽きそうにない。おい、派遣社員の身元調査まだ終わらんのか。」イライラしながらパソコン担当に聞く張。「それが・・・かなり詳しく検索しましたが、それらしい人物は見当たりません。」「そんなはずはないだろ。もう一度調べなおせ。」「わかりました。」再びパソコン画面に戻る男。その頃、鳥影達二階組は歓喜に沸いていた。「ヤッター、俺達が撃退した。」「やつら尻尾巻いて逃げやがった。どんなもんだい。」しかし鳥影はちがった。「喜ぶのはまだ早いですよ。今のは小手調べ。今の戦いで敵さんも相当データを得たはず。今度の第二波攻撃はもっと戦いが厳しくなるかも。今のうち守備を強固にし、点検整備して次の戦いに備えないと。」この言葉でより気持ちを引き締める面々。無線のスイッチを押す鳥影「野口班長、そちらはどうです。どうぞ。」「心配ない。タンが少し手の甲に擦り傷負ったくらいだ。問題ない。どうぞ。」「それは良かった。しかし喜ぶのは早いですよ。」「第二波に備えよ。だろ。鳥影隊長ならそう言うと思った。心配ない、今整備点検を開始したところだ。どうぞ。」「ありがたい。さすがは野口班長。提中訓練社だったら即採用されてますよ。どうぞ。」「ふふ、お世辞はその辺でいいよ。交信おわり。」思わずほくそ笑む鳥影。一方、張達も作戦会議を開いていた。「二階には何がある。」李が答える。「事務所以外は会議室が三つ、保管庫一つ。社長室に食堂くらいですね。」「俺が150人以上守るとして一か所にそれだけの人数を集めておくなら食堂だろうな。会議室は150名入らない上に階段側に近い。となると恐らくはこの二つの通路をバリケードで守備を固めてるわけか。確か外の非常階段は二階の食堂にもあるよな。俺としたことが気が付かなかったぜ。よーし、次は陽動作戦だ。非常階段に部隊を待機させ、お前ら傭兵が真正面からド派手に弾幕を張る。その隙に非常階段側から一気に俺の精鋭が食堂に突入だ。見てろ、今に吠え面かかせてやるぜ。」彼は不敵な笑みをこぼしたが、食堂で作戦会議をしている鳥影達も同じことを考えていた。「多分今度はここも陽動作戦で襲いに来るでしょう。野口班長とタンは廊下側を俺と鈴木君とで非常階段側を見張ります。いいですね。」「了解」一斉に配置に就いた。その頃、ベラルーシの豪邸で秘書を前にして3台のパソコン画面に向かうアントンの姿があった。「あの、社長。持ち株を全て下降株に一気に投資なさるのは本当ですか。下降株ですよ。そんなことをなされたら大損ではないですか。」「フフフ。大丈夫だよ君。今にミラクルが起きるから。ミラクルはやってくるものではない。自分で作り、勝ち取るものだよ。」「は、はぁ・・・」首を傾げる秘書。一体彼は何を企んでいるのか。・・・続く。

Re: 凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー ( No.18 )
日時: 2020/07/19 17:22
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「フフフ、日本は銃に疎い国だ。私の従兄弟が経営する防弾設備事業の会社がSCCH工業を通じて進出するはずが、必要ないと役員会が一蹴しやがった。・・・今に見てろ。従兄弟の会社は日本で引っ張りだこになる。」不敵に笑うアントン。その頃、張達の襲撃が始まっていた。「ダダダダダッ」コルトライフルの連発が始まる。野口やタンは二つの廊下に分かれて指示していた。「撃ち返せっ。」野口班長の声で一斉射撃する。一方それを合図に非常階段を上がる張の息の掛かった傭兵達。「やっぱり来たか。」窓の淵のラインに沿わせるように顔を横にして外を覗いてる鳥影。こうすることにより、頭をまともに出して覗くよりも発見されにくく、撃たれる面積を減らせる。「俺をジョンマクレーンとかふざけた名前付けやがったな。なら同じようにしてやるよ。」非常階段ドアの両脇に座り込んで、銃口だけ腕越しで背中に向ける鳥影と鈴木。鳥影は耳を澄ました。万が一を考えて、テーブルを何層も倒して掩蔽にした場所に佐藤以下140名近くの社員を移動させていた。ブーツのカツンと言う音と槓桿の音が聞こえた。既に非情となっていた鳥影は、躊躇することなくSCARの引き金を絞った。「ダダダダダダッ」「グワーッ」「ギャーッ」断末魔の叫びで3人ほどが餌食となった。「クソ、たかが日本人のクセに・・・」後続の傭兵がサプレッサー付きコルトライフルを撃ってくる。即座に場所を移動する鳥影達。テーブルを5層以上重ねた掩蔽に隠れた。ドアを蹴破る傭兵だったが、SCARの銃弾に撃たれて階段から外へ真っ逆様に転落していく。「来るなら来い。ここからは一歩も通さん。」鳥影が弾倉交換しながら呟く。「張隊長、やっぱり手榴弾使わせてくれ。これじゃ踏み込めない。」「ダメだと言ったろう。銃で何とかしろ。それでも俺と同じ元ロシア空挺軍の兵士か、情けない。」「チッ・・・」思わず舌打ちする傭兵。しかし、腕時計を見ると安堵した。「でも、もうすぐ時間ですぜ。どうします。」「おお、もうそんな時間か、早いな。仕方ない、仕切り直しだ。死体やゴミを片付けたら一旦こっちに戻ってこい。」「了解。」傭兵達は退却した。「襲ってきませんね。どうしたんでしょうか。」鈴木が不思議がる。「答えはあれだ。」「あ・・・」徐に立ち上がる鳥影。窓の外を指差す。明々とライトを照らすトラックが1台通った。「24:00を過ぎた。2回目のトラック回送だからな。息を潜めたいんだろ。」「それで・・・でももう12:00なんですね。後6時間くらいか。」「警察か、井上専務に連絡できればな。この地獄から抜け出せるんだが。できれば福岡県警第一機動隊SATに来てほしい。」空を仰ぐように祈る鳥影。まだ戦いの夜明けとはならないようだ。・・・続く。

Re: 凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー ( No.19 )
日時: 2020/08/01 18:42
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・24:25時全てのトラック搬入搬出が完了し、走り去っていった。「あーあ。あのトラックに乗れたら・・・」鈴木がつい口に漏らす。「わからないでもないが無理だ。もうその手は使えない。無線が通じるか、戦い抜くかだ。」無言になる鈴木。「それより第三波に備えよう。」鳥影は早速動き出した。一方、張はかつての仲間であったロシア空挺軍以来からの兵士の亡骸を前に祈っていた。カッと目を見開いたかと思いきや、立ち上がって二階を睨みつける。「よくも仲間を・・・よーし、お前たちのメッセージは伝わった。その気なら容赦はしない。徹底的にぶち殺してやる。」無線機を握りしめ、スイッチを入れた。「ジョンマクレーン。とうとう私の部下を殺したね。ここからは容赦しない。命乞いしたって許さない。全員皆殺しだ。」そう言って無線を切った。そしてある提案をネット係に聞かせた。「おい、本人達じゃなくて、親を探れ。そこから何やら掘り出し物がみつかるかもな。」「なるほど、では早速。」ネット担当は指を鳴らした。鳥影達はと言えば、襲撃に備えて守りを強固にしていた。「こちら鳥影。皆さん、弾薬も残り半分となりました。ここからは弾は節約して、よく狙って撃ってください。後5時間弱の辛抱だ。勿論それまでに無線が通じればこっちのものだ。」「了解。」全員一斉に答えた。井上専務の邸宅ではリクライニングチェアで音楽を聴いてウトウト寝入っている彼の姿があった。ノックがある。「お父さん、さっきからへんな音が聞こえて眠れないんだけど。」娘が部屋に乗り込んできた。ビックリして飛び起きる井上。「な、何だ騒がしい。折角寝入るところだったのに。」「何だじゃないよ。あれ・・・これ無線機。」「何っ・・・」目もすっかり冴えて飛び起きた。「井上だ。災害か・・・」「い、井上専務・・・」喉を嗄らしていた佐藤は思わず安堵感に我を忘れた。山下が揺さぶる。「ヤッター・・・てそれどころじゃない。早く佐藤さん。」「いけない、つい。井上専務、大変です。け、警察呼んでください。」「佐藤君、警察って・・・何でこんな時間に君が。」「と、とにかく・・・」「ダダダダダダッ」銃声が鳴り響いた第三波の戦闘がはじまったのだ。「ぶ、武装した・・・マシンガン持ったテロリストが工場社員を殺して・・・」「わかった落ち着け佐藤君。今すぐ110番するから。」事態を重く見た井上専務は掻い摘んで通報した。山中で狙撃と機関銃担当している4人の張配下が、赤色灯に気付いた。「張隊長、マズい。事態レッド。どういうわけか警察のパトカーが数台敷地近くに来てる。」「何だと。・・・皆、事態レッド、繰り返す事態レッドだ。もうこうなったら隠れても無駄だ。ガソリンを撒け。」恐れていた事態が鳥影達に襲い掛かろうとしていた。・・・続く。





Re: 凄瀕凄憎工場 サバイバルディフェンダー ( No.20 )
日時: 2020/08/09 20:55
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・張の部下が叫ぶ。「通信担当が捉えた警察無線では、我々の一部始終が伝わり、警察官が踏み込まない代わりに、福岡県警第一機動隊のSATが出動したらしいです。益々不味いですよ隊長。おまけに対テロ協定を結んでる陸自レンジャー部隊にも連絡網が回っているそうです。」「畜生。もう昔の日本ではないものな。自衛隊まで出されたら勝ち目はない。」「どうします。このままではとても朝8時まで持ちませんし、他の社員は出勤しませんよ。皆殺し計画は無理です。」「ならここの150名の生き残りだけでも殺して逃亡するしかない。アントン爺にはそれで金を出させる。とにかくガソリンを撒いたら火を付けろ。」「了解。」李が部下と共にガソリン缶を二階に運ぶ。「この臭いは・・・いかん、ガソリンだ。点けさせるな。」無線で叫ぶ鳥影。走って食堂を出てタンと合流する。彼と交互警戒しながら事務所前まできたのだが、撒いたガソリンに今まさに火を点けようとしていた。「させるかっ。」鳥影はSCARを発砲した。タンもコルトライフルで応戦する。6人ほど傭兵を始末した。「タン、消火器持ってきて。効くかわからんが、薬剤を散布して引火しずらくしてからシャッターを閉める。ここのシャッターは閉めたくなかったがやむおえん。無駄だとしてもSATが来るまでの時間稼ぎにはなる。それまで俺がここを死守する。」「はい。」SCARを構えながら叫ぶ鳥影。かくして消火器がばらまかれ、その後シャッターを下したのだが・・・「隊長・・ゲホゲホゲホ・・・駄目だ防ぎきれなかった。こちは火を・・・点けゲホゲホッ・・・」「何ですって。」タンと共に反対側の廊下に急ぐ二人。煙は立ち込め、酷い有様に。「ゲホゲホ、消火器、あっりったけ・・・持ってきて。ペットボトルマスク、早く皆、して・・・頭は低く」大声で指示して社員150名の命を守ろうと必死だった。岡の上の張の部下が無線連絡を受けていた。「了解しました。もう俺達もばれてるんですね。すぐに撤収します。」狙撃犯4人が慌てて片付けはじめるが・・・「銃を捨てろ、手を挙げろ」陸自迷彩服の隊員が89式小銃で構えている。「クソ・・・」抵抗するため機関銃を向けた瞬間、89式小銃の餌食となった。「20班、抵抗したためテロリスト4名を射殺。」バラクラバで顔を覆った隊員が無線で通達していた。・・・続く。

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