複雑・ファジー小説

Re: 君を、撃ちます。 ( No.37 )

日時: 2013/08/30 21:45
名前: 柚子 ◆Q0umhKZMOQ


「あれ? 椿木ちゃんに、××くんじゃないか。久しぶりだね!」

 聞いたことのある声が、僕と「椿木」の背後から聞こえた。僕にとっては一番聞きたくない、無意味な音声。「椿木」は振り返り、小さく会釈をした。僕は、まっすぐ前を見つめたまま立ち呆ける。「その人」を見る気にはならなかった。僕が始めて不快な感情を抱いた「谷俣さん」。
 「彼」はそんなことをお構いなさそうだ。それを見てまた、僕の心はひどく深いな味を生み出す。どろりと液体として流れ落ちていくような、ふわりと気体として鼻腔を刺激するような。そんな感じで、「谷俣さん」に感づかれるのではないかと少しだけ気にするけれど、「彼」は気にしていないみたいだ。

「二人で売店? いいねー! 青春してるじゃないか、××くん!」

 苦笑いで返す僕と「椿木」には目もくれないで、話を続ける。

「そういえば、今日新しい子の担当になったんだよ! 名前が社木伊吹くんっていうんだ。××くんの親戚か誰かかなって思ったんだけど、どうやら違うみたいでさあ。椿木ちゃん、何か知らない? 勿論、××くんも何か知ってたら教えてよ。今後のカウンセリングのために。よろしく!」

 驚いた表情を隠せなかったのは、僕だけでは、無かったと思う。

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