二次創作小説(映像)※倉庫ログ

ギンタマ
日時: 2018/03/28 22:47
名前: らなやなら (ID: X2arTSSH)

[苦労人]

人の上に立つ者は人の下に立つ者の
気持ちも知れとはよく言えたもんだ

「お妙さ〜ん!!」

頼りない上司。

そのケツは誰が拭くのか

「おりょうちゃ〜ん!」

これ以上怒らせないでくれ

どうしよもない上司の姿。

そのツケは結局自分たちが払わされる

「勘弁してくださいよー
陸奥さんも。土方さんも」

「いつも困ってるんですよ」

いつも困っている。。。?
こっちだって困っている

どこにもぶつけようがない
不満だらけの気持ちを

あの真っ黒な空に投げ捨ててみる

そして空は自分たちを嘲笑うかの如く
何粒もの冷たい雫を落としてきた

今日は雨だ。

「すまなかったな今日は」

片手に傘をさしながら

謝る理由もないのに謝らされてる
自分が憎かった。上司が憎かった


「おぅ!陸奥。今日も来てくれたんか
わざわざ ごくろうじゃきのぅ」

「というか毎回毎回来なくてもいいのに
おまんそんなに 暇なんか?」

一発殴り飛ばしてやりたい気分だった

デリカシーというものがないのかこの男には。

「もうこりごりぜよ。
わしは江戸にもう少し用がある
おまんは先に船に帰っちょれ」



「すまんなトシ。今日も来させてしまって」

すまねぇって思ってるなら
最初からやらないでくれ

上司の背をいつまでも背負わさられる
俺の気持ちも考えてくれ

「俺はタバコ買って帰るから
近藤さん先に帰っててくれ」


上司のいなくなった江戸の雰囲気
一瞬にしてどよめきがなくなった

よく"煙草を買いたい"なんて
"江戸に用がある"なんて嘘をつけたものだ

タバコなんて屯所前のコンビニで買える
用なんて上司の分まで済ましている


ただアホな上司と目を合わせたくない
今日はそんな気分だったからだ

空に煙を蒸す。俺は空に笑われてる

ベンチ腰を掛ける。見るあてもないまま

「「ハァ〜......」」

溜息を出すと幸せが逃げるとはよく言うが

溜息が出てる時点でもうとっくに
幸せなんてもんは逃げてるんじゃないのか?

2人の吐息が空で重なった
お互いの姿を見つめ合う

「アンタも大変だな」

先に話しかけて来たのは鬼の副長だった

「あぁ。お互い世話の焼く上司を持った」

「タバコ一本吸わねーか?
「すまない。」

いつもなら断ってるところだが
今日は雨に打たれて吸ってみたい

そんな気分だった

「陸奥さん。あんたはどうして
あいつに。坂本についていった?」

土方が問うてきた。

答えに戸惑った。

それは自分が一番今見失っている
答えだからだろう。

なんのためにカミソリ副官でいる?
なんのためにあいつの背を背負っている

わしはなんのために....


「俺は近藤さんに拾われた身なんだ」

「わしもそうじゃ。坂本には
死に際のところを拾われた身」

しかしいざ理由を聞かれると
答えなんて出ないもんなんだ

なにか惹かれるものがあったのか

それすらも今は忘れかけている

あんな奴のどこに惹かれて
自分はついていったのだろうか

「わからないものじゃな」

「あぁ......」

陸奥がそういうと
鬼の副長は優しく頷いた

似ている境遇の相手に親近感を覚えたのか
二人の距離は少しずつ縮まっていく

いつの間にか上司の
愚痴大会になっていた

「で、俺はやめとけって言ってんのに
あの人はやめねーんだよ」

「感情の押し付けというのか
わしのとこの上司もそうじゃが
そういうのは互いに困るものじゃよな」

上司の嫌なところばかり浮かぶが
愚痴り相手がいると嫌な気分にはならない

愚痴はその後どんどん盛り上がった

する途中で土方が言った

「でもやっぱ俺らの大将は
あの人じゃねぇと務まらねぇんだよな」

・・・一瞬沈黙が続いた

「将軍でも幕府でもなく
貴様らの大将は近藤勲じゃなければ
ならないというわけか」

陸奥も心の奥底では気づいていた

もしも仮にわしが快援隊の艦長を
務めたとしても
それで快援隊はまとまるのか?

もしも仮に俺が局長を務めたとしても
隊士たちはまとまらなくなってしまう
特に総悟は。。。

真選組には"近藤勲"が必要で
快援隊には"坂本辰馬"が必要だ

どれだけ足掻こうが
それは事実にすぎなかった

そして自分たちはその大将の
足元にも及ばないこと

それを理解していた

だからこそ快援隊を真選組を
側で支えるために

自分らは縁の下の力持ちに
ならなければいけない

それぐらいわかっていた[続]

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