二次創作小説(新・総合)

覚醒・ドルピック島【三日目】 ( No.106 )
日時: 2016/12/31 23:22
名前: トクマ

 意識が戻る前の話である。

 暗い。トクマの目の前は周囲が暗闇に包まれており、身体に少しばかりの抵抗があり、動きづらい。

 どうするか考えていると、後ろに違和感を感じて振り向き、全身が黒い人形が自分の首に両手で触れようと伸ばし――

 ――横からの攻撃に蹴り飛ばされた。

 黒い人形を蹴り飛ばしたのは幼い少年だった。

トクマ『お前は……誰だ?』
少年?『君が持っている斧に宿っているものさ』

 その言葉にトクマは警戒心を露にし、少年の頭を掴んで拳を握り、いつでも殴れる準備をする。

少年?『待った待った! 君の身体を乗っ取りに来たんじゃない! むしろ逆! 力を与えに来たんだ!』
トクマ『……与えに?』

 その言葉にトクマは怪訝な表情を見せ、少年は説明を始める。

少年?『……アレは呪いの塊のようなモノだ……今の君はスマートボムの爆発により気絶してて、あの二人に呪いをかけられて仮死状態になっている。目を覚まそうにもアレが邪魔して目覚めない……一応、仮初めの悪夢で誤魔化してるけど長くは続かない……』

 少年の説明にトクマは少しだけ納得した表情になる。自分はアドリエンヌとメリザンドに特攻をしかけて気絶し、気絶した自分に呪いをかけられたなら合点がつく。となると、目を覚ますにはあの黒い人形を倒さなければいけない。

少年?『そうなれば、君は永遠と目覚めない……どうする? 今なら、力を貸してあげるけど?』
トクマ『……』

 少年の言葉にトクマは黒い人形を見る。目も口もなく、まるで影がそのまま動いている感じだ。Mr.ゲーム&ウォッチを初めて見たことを思い出す。

 不意に、黒い人形が――

トクマ『……オレ一人じゃ無理だな……』

 トクマの言葉に少年は手を伸ばし、トクマがその手を握ると自分自身に力が溢れてくる。

少年?『後は君自身の手で目の前のアレを――』

 少年の言葉が終わる前にトクマは黒い人形に近づき、そのまま――

『……ヴぉ……』

 ――抱きしめた。

???『――……なにをやってるんだい』

 予想もしない行動に少年は眉をひそめる。

トクマ『……こいつさ……寂しそうな感じがしたんだよ』

 ――その姿が、昔の自分に重なった。

 トクマは黒い人形の様子が昔の自分に見え、どこか他人事のように思えなかった。

トクマ『……何度手を伸ばそうと、何度抗おうと、何度願おうと受け入れて貰えなかった時があってさ……伸ばしてくれたと思ったらオレを絶望に突き落とそうとしてて……それがわかってしまった時……周りの色が薄くなったんだ……心や感情を捨てて、周りに嘘ついて、ムカつくヤツをバカにして、やっと復讐を成し遂げたのに満たされなかった……気付けば美味しかったご飯の味がわからなくなって、周りの色が灰色になって、笑い方も泣き方も忘れて……何もかもどうでもよくなったんだ……』

 今でも、自分の記憶に、身体に、心に刻み込まれている。周りが蔑み、否定し、罵られた十年間。家族にも手を伸ばしてもらえなかった毎日。いつしかその全てが憎いと思い、目には目を、歯には歯を、悪意には悪意で返す一日。

 そして、復讐を終えた自分を待っていたのは、平和ではなく全てを捨てた事によって得た“空白”だった。

 自分の様子に気付かない周りを道端の小石を見るような眼で眺め、無意味に、無駄に、無関心に過ごした。心から笑いもせず、泣きもせず、怒りもしない自分を変だと思わないままその先を見つめた。

 “復讐者”から“復讐”を無くしたら、何も残らない。

トクマ『……でもさ……そんな時に……あの人に出会ったんだ……出会い頭に笑われて……バカにして……怒って口喧嘩して……そして……手を、伸ばしてくれた』

 ――『プルゥハハハハハ!! なんだよその顔は! パグだってまだおもしろい顔できるぞ! 薄っぺらい笑顔だなプギャー! ようつべで投稿したら人気とれるぞ! もう一回わらいってぇ!? ちょ、木の実投げんな! 大地の恵みを無駄にすんな! 今度は石拾って足目掛けて投げんな! オレを怒らせたらどうなるかおも嘘ですごめんなさい。イガグリだけはやめアーーッ!!』

 ……思い出せば、あの人とのファーストコンタクトは最悪だった。だが、あの人がオレを笑わなかったら、オレは一生自分を変える事さえできなかったかもしれない。

トクマ『あの人は、失った味を……無くなった色を……忘れた感情を……壊れた心を……全部、全部、拾ってくれた……』

 ……あの出会いから、あの人はオレに声をかけて話してくれた。語る言葉に最初のオレは無関心だったが、知らない間に耳を傾けてたらしく、気付けばオレはあの人の話に対して喜び、怒り、哀しみ、楽しんでいたという。無くしたモノが元に戻るような感覚だった事を今でも忘れない。

 ――『お前が求めてたのは誰かに受け入れて欲しかったんじゃない……自分の考えを越えて欲しかったんだろ……何回も手を伸ばした? 何回も願った? それでも否定される? 諦めんな! だったらそいつらの手を無理矢理掴んで眼を見て言え! 『こっちを見ろ! テメェらが否定しようが拒絶しようがオレは逃げも隠れもしない! 文句があるならぶつかって来やがれ!!』……その気持ちを忘れずに何回も立ち向かったら、変われるかもな』

トクマ『……コイツを否定するってことはさ……オレを虐めてたヤツらと同じになっちまうんだよ……そしたら、オレはまっすぐに歩けない……恩人であるあの人にも顔向けできねぇ』

 その言葉を最後にトクマがあの人と会うことはなかった。礼を言えなかったトクマは後悔したが、立ち止まらなかった。彼が拾ってくれたモノを二度となくさないように抱きつつトクマは前に進む。

トクマ『だから、オレはコイツを受け入れる……――』

 もう一度あの人に会って、自分の歩んできた物語を語るために進む。過去の自分を越える為に歩く。

トクマ『――……一緒に行こう』

 それが、復讐者アヴェンジャー

 恩讐の彼方へと挑む為に歩みを止めない人物である。

『……ヴぉ……オ……オォおオぉぉぉ……おおおぉオオォおぉぉぉ……!!』

 差し出された手を黒い人形はどこか嬉しそうに泣きながらその手を握る。まるで、やっと誉めてもらえた事に感激する子供のように思え、トクマは苦笑する。

少年?『……わからない……理解、できない! その呪いを消サナい限り、君は、お前は永エんに目覚めな――』

 その事実を受け入れられない少年が大声をあげるが、その少年の後ろから斧を持った全身黄色い布に覆われた白い仮面に頭から両断された。

???『……無粋だぞ。呪い風情が……口出しは余計だ』
呪い『クソぅ、あいツさえ……アいつサえ消えレBA、ヤつは目覚メN@いとイUのにィィィィiiiii1111!!』

 白い仮面の呟きと同時に少年の全身が黒い霧に包まれ、怨嗟の言葉を吐きながら霧散した。

???『……あの男の想いを理解できない時点でそれは未来永劫ない……いや、理解できても無理だな……あれは人だからこそ輝きを持つものである』

 虚空を睨みながら言い、トクマに近付く。その様子を警戒する。

トクマ『……』
???『見事だトクマ。貴様の想いは最初から見させて貰った……見事な恩讐であった……醜く、汚く、往生悪く、それでいて素晴らしかったぞ』

 警戒を緩ませず睨むトクマの隣で黒い人形が突然霧散した。しかし、呪いのように何も残さないで消えず、黒いが優しい印象の光を放つ球体へと変化してトクマの身体の中に入っていった。

トクマ『うぇ!? なんだ!?』
???『そやつは貴様の負の部分である記憶だ……先程の呪いは人体に有毒でな。悪夢に襲われる所を助けてそそのかし、貴様自身の手でそれを壊し、ヤツが記憶として居座り、貴様を内部から腐敗させるのが目的だったのだ……まさしく【自身の過去に殺される】という意味だ』

 戸惑うトクマに白い仮面は説明する。そしてやっとトクマは目の前の人物が敵ではないと理解した。

トクマ『……あんたは……』
???『説明したい所だが時間がない。力を貸すついでに貴様の意識を戻してやるから、さっさと戦ってこい。力の使い方は我が名を呼べば自然と頭の中に浮かぶ』

 尋ねるよりも白い仮面はトクマの意識を戻そうと手を伸ばす。色々言いたかったトクマだが、現状を少なくとも理解していたので一つだけ質問した。

トクマ『ちょ、ちょっと待て! 名前! せめて名前を教えろ!!』
???『……知ってると思ったがわからなかったのか? ならば教えてやろう……“ハスター”それが我が名だ……貴様がその力をどう使うかは見物であるぞ』

 その言葉を最後にトクマの意識は途切れた。その名前を忘れないように覚え――



















































全員「なんでだぁぁぁぁぁ!!」
トクマ「それはこっちのセリフダァァァァァァ!!」

 ――そして、今に至る。

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.107 )
日時: 2016/12/31 23:52
名前: トクマ


 ※カオス注意報が発令しました(笑)


サンドリヨン「……」
ピット「……」
リュカ「……」
カービイ「……」
デデデ「しまったゾイ!! ……一刻も早く純粋組を避難し――」

 黄色のフリフリマッチョマンの登場を純粋組が見てしまった事に気付いてしまったデデデは急いで避難させるように伝えるが、リュカとピットの口が動いた。




























リュカ「か、か……」
ピット「かっこいい」

































ネス「」
ブラピ「」
ギャグカオス組「」
カオスクラッシャー組「」
全員「」

 時が止まった。

 そんな錯覚に陥ったファイター全員が冷や汗を大量に流しながらギギギ、と油を指してない機械のような動きでゆっくりと振り向いて純粋組を見ると、全員が何かカッコいいモノを見たような眼でトクマを見つめていた。

 数十秒間の沈黙が続き、ネスが動いたことで破られた。

ネス「リュカぁぁぁぁ! 本当にゴメン!! 心入れ替えるから! マジメになるからウソだとイッテェェェ!!」
ブラピ「ピット、お前疲れてるんだろ? そうなんだろ? そうだと言ってくれ!!」
ベヨネッタ「悪い冗談よ……二人とも怒らないから……少しだけ話をしましょう……ね?」

メタナイト「カービイ……お前はアレを見てどう思う? まぁ、お前が感じた事だ。私は否定しな――」
カービイ「カッコイイー!」
メタナイト「ギャァァァァァ! キャァァァァァビィィィィが、キャァァァァァビィィィィがグレタァァァァァァ! へ、陛下! キャァビィが! キャァビィがぁぁ!!」
デデデ「お、おおおお落ち着くゾイ! プププランド住人はうろたえないゾイ! 落ち着いてタイムマシンを探すんだゾイィィィ!!」
ガノンドロフ「貴様等は慌てすぎだ! 反抗期を向かえた子供を初めて見た親のリアクションか!!」
リンク「ガノン! この場合はどこに相談すればいいんだ!!」
ガノンドロフ「小僧、貴様もか!!」

 まさに阿鼻叫喚。新手の地獄絵図がそこにはあった。ギャグカオス筆頭のネスとブラピが泣きながらリュカとピットを説得、リュカとピットを優しく言いながらウソだと切に願うベヨネッタ、カリスマブレイクするメタナイトに狼狽えるデデデ大王、混乱するリンクに落ち着かせようと必死のガノンドロフ。

 他の純粋組にも説得はしていた。

アリス「サンドちゃん! 私達がイタズラばっかりやってたからサンドちゃんにストレスが貯まってたなんて知らなかった! これから自粛じしゅくするから、イタズラなんてしないがら"、ぐず、ずびぃ、もどに"、も"どに"も"どっ"でよ"ぉ"ぉ"ぉ"!!」
ピーター「オレ達が悪かった! 悪かったからあの黄色のフリフリマッチョマンをかっこいいなんて言わないでくれぇぇぇぇ!!」

 マジ泣きするアリスに必死に謝罪するピーター。しかし、ピーターの言葉にサンドリヨンは首をかしげる。

サンドリヨン「黄色のフリフリマッチョマン? いえ、私は赤いマフラーと黄色の軍服を着ているトクマさんの事を言っているのですが?」
アリス&ピーター「……ふぇ?」

 サンドリヨンの言葉に呆然し、すぐに黄色のフリフリマッチョマンとなったトクマの方に眼を向けると本人はサイドチェストを決めていた。

 こっち見んな。

ピット「違いますよサンドリヨンさん。トクマさんが前に話してくれた仮面ライダーみたいな姿ですよ」
リュカ「え……忍者みたいな姿じゃないの?」
カービイ「メタみたいな姿だってー!」
ブラピ「……ぁえ?」
ベヨネッタ「全員が違う答えね……」
ネス「でも、嘘をついてるようには見えない」
メタナイト「これは……」

 純粋組の証言と自分達が見ている姿がバラバラであることに気付いた。しかし、目の前にはプリキュアが着てそうな服装をピチピチパツパツで今にも張り裂けそうな勢いのレベルで着ているムキムキマッチョマンがダブル・バイ・セップスのポージングをきめていた。

 ……てか、何でさっきからボディビルダーがするポージングをしてるんだよ!!

マリオ「ハスターの能力だ」

 困惑していたメンバーにマリオが声をかけた。

ファルコン「知ってるのかマリオ」
マリオ「ハスターは外見に関する記述がなく、その正体は見えない力、黄衣を纏った人物、大きなトカゲのような生物とか色々言われているんだ……リュカやピット、カービイ、サンドリヨンが全員違う事を言ってるのはその影響だろう」
当麻「……ハスター……そういやトクマも言ってたけど何者なんだ?」

 とりあえず、純粋組にはマトモな格好に見える事に安堵するメンバーだが、当麻の言葉に頷く。

インデックス「ハスター……クトゥルー神話に登場する神様の一柱で風の属性にたぐいする邪神……“名状しがたきもの”、“邪悪の皇太子”、“星間宇宙の帝王”、“黄衣の王”と呼ばれ……かつては風に関する天候操作と宇宙空間を自在に駆け回る力を持ち、地球上に君臨した形跡から、数少ない【旧支配者グレート・オールド・ワン】と呼ばれてたんだよ」
当麻「じゃあ、そいつがトクマに協力してるのか?」

 インデックスの説明に当麻が質問すると、インデックスは肯定とも否定ともとれない微妙な表情を見せる。

マリオ「……わからない」
ルフル「わからない?」

 インデックスの気持ちをマリオが代弁するとルフレがその答えに首をかしげた。

インデックス「……確かにハスターは他のクトゥルフ神に比べて比較的人が好きで、助力を求める人間のもとにバイアクヘーという生物を送って助けるけど、邪神の一面もあるからわからないんだよ」


マリオ「それに、ハスターはおうし座ヒヤデス星団のアルデバラン周辺「黒いハリ湖」と呼ばれる場所に幽閉されている。アレが本物のハスターならトクマの身体はスライムもどきになっているハズだ……」

 インデックスとマリオの説明にファイター達は息を飲むが、少なくともトクマの意識があることから味方であることは確かだろう。

アドリエンヌ「とにかく、遊びハ終ワリダ! お前タチ、何カサレる前にやれ!!」

 アドリエンヌの指示でミニオンと強化兵はトクマに向かって攻撃する。広範囲による集中砲火が迫るなか――

トクマ「ハスターカーテン!!」
全員「!?」

 ――落ち着いて対処した。トクマが出した障壁に当たるもノーダメージに敵味方含めた全員が驚愕した。

アドリエンヌ「ちょッ……無傷っテ……エエッ!? アレ一番強力な……」

 アドリエンヌがメリザンドに無事だった疑問に困惑するもトクマはゆっくりと動いてポーズをとった。

トクマ「ハスタァァァフラッシュ!!」

 瞬間、トクマの全身が発光した。比喩でもなく、目の前で照明灯よろしく光輝いたのだ。

 それを目の前で受けたミニオンと強化兵が突然震え始め――

ミニオン「あ、あ、あ……うわあああああああああああ」
ミニオン「※◎●▽△∈※▽↓∋※∈▲☆・@:〇?☆:@」
ミニオン「ま、MAド=、窓にィぃいイいィいィぃiiiIII111!!」

 ――発狂と同時に気絶した。

 自分達の理解の範疇を越えたのか、はたまた発光した光に何らかの効果があったのかは不明だが気絶したミニオンと強化兵に青ざめた。

 むしろ、後者であって欲しい。

アドリエンヌ「な……あ……え……?」

 トクマは唖然とするアドリエンヌを尻目にゆっくりとポーズを取り始める。

ルフレ「おい……」
ルフル「ま、まさか……」
杏子&さやか「ちょっ……」

 その様子に嫌な予感を感じた四人が止めるも間に合わず――

トクマ「ハスタースコール!!」
アドリエンヌ「なんだコレぇぇぇえぇぇええぇぇぇえぇぇぇぇ!!」

 トクマの全身から光弾が射出された。

メリザンド「なにがどーなってるか説明しなさい!!」
マック「知らねーよ!!」

 光弾を必死に避けながら説明を求めるメリザンドにマックが両断する。

メリザンド「どうしてアレは武器である斧を使わない!? なんで腹から弾が出る!? そもそも無差別爆撃の必要はあるのか!?」
当麻「だから知らねーよ!!」

 当の本人であるトクマは高笑いしながら無差別爆撃する様子に全員が必死に避けるなかで、トクマはメリザンドの質問に答えた。

トクマ「はっはっは。それはオレが説明しよう……この技は『ハスタースコール』と言って……――





































  ――正式名称は『黄衣王の涙』だ」

 ……ンな事は聞いてねぇっっ!!

 訂正、答える気すらなかった。

トクマ「そして『ハスターカーテン』は体を大きく見せるようにするのがコ……」
アドリエンヌ「果たせヨォっ説明責任ヲ果たシナさイヨォっ」

 ムキッ、と謎の効果音を出しながら説明するトクマにアドリエンヌは地団駄を踏む。ファイターの数人が頭を抱えてたのは余談である。

アドリエンヌ「あーもう!! ミニオンども!!」

 アドリエンヌの言葉とともに、ミニオンと強化兵にさっきより濃い紫色のオーラが溢れ、身体に何かの紋様が浮かび上がる。

アドリエンヌ「リミッター解除!! 禁忌強化呪術式【禁呼児きんこじ】の解放及び使用許可!! 『一番強力』がダメでも『一番危険』がまだ残っテルのよ!!」
メリザンド「私達、亜空軍を……ナメるなぁ!!」

 アドリエンヌとメリザンドが本気を出したことにスマッシュブラザーズとお助けに来た作者達も武器を構える。

 そして、トクマの方に視線を向けると彼は謎の行動を取っていた。

トクマ「」←ミラーボールの下でとりそうなポーズをとっている。

 どこかのディスコのダンスホールでとってそうなポージングをした人物がそこにはいた。むしろ、トクマだった。

アドリエンヌ「?」
メリザンド「?」
ルフレ「?」
マック「?」
全員「?」
当麻「え?」

 首をかしげる敵味方にトクマは突然踊り出した。その躍りにドラム音やギター音が流れ、まるで一つの音楽に対して楽しんでいるように見える。

メリザンド「ドラム音に……ギター音……」
アドリエンヌ「ど、ドコから流れテ……」

 音の出所が気になり辺りを見渡すメリザンドとアドリエンヌ、そしてそれがわかった。








































 トクマが腰につけている斧から音楽が流れていたのだ。

メリザンド&アドリエンヌ「お前は“斧”だろォォォォォォォォォォォ!!」

 思わずシャウトした二人に誰も責めることはなかった。

アイク「……何故踊っているんだ……」
メタナイト「わからない……」

 トクマの奇怪な行動に首をかしげながら音楽を聞いているとリズムよく、テンポよく、弾むように流れる音楽と砂場にも関わらず快活に鳴る靴音に一人、また一人と身体が動き始める。

 タァン、と音がやんで静かになり、トクマはゴゴゴゴとどこか凄みのあるような感覚を出しながら大声で宣言した。

トクマ「かむぉん、えぶりわん!」

 瞬間、世界が震えた。

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.108 )
日時: 2016/12/31 23:34
名前: トクマ

 ……何故ダ……

 アドリエンヌの思考には疑問が満たされていた。サンドリヨンの復讐に来てみれば一人の一般人に振り回されている。

 ……何故……ナゼ……

 そして今もあの男の発言とともに――

 ……ナゼ……踊ってイルンだ!!

 ――敵味方問わずに踊っていた。時に軽快、時に激しく、時に快活に踊る様子にアドリエンヌの中で疑問が溢れかえっていた。

 ……これは間違イなく何かの能力ダ……ちょット楽し、いヤイヤいや違う違ウ!!

 必死に否定して自分のミニオンと強化兵に指示を出す。

アドリエンヌ「貴様ラ何をやっテイル! しっかり――」



































ミニオン「アドリエンヌ様。説得力ナイデス」
アドリエンヌ「アレェ!?」

 気付けば踊っていた。何を言っているのかわからないが事実そうなのだ。

 しかし、自分と同じサンドリヨンの復讐で来たメリザンドもこれに対抗してるハズと思いながら視線をメリザンドの方に向けるとそこには――
































 ――タップダンスをサンドリヨンに見せているメリザンドがいた。

メリザンド「サンドリヨン……貴女には出来そうかしら?」
アドリエンヌ「お前はナニヤッテンダァァァ!!」

 ドヤ顔でサンドリヨンを挑発するメリザンドにアドリブはツッコンだ。アドリエンヌの声にメリザンドは照れながら早口で説明し始めた。

メリザンド「誤解しないで下さいアドリエンヌ……これは不愉快にもダンスではしゃいでいる愚妹の心をへし折る為であって別に目立とうとは考えていません」
アドリエンヌ「それ言ってル時点デ楽しんデルよな!? 目立とうト考えテ『スゲェェェェ!!』今度はナにヨ!?」

 もはや言い訳にしか聞こえないメリザンドの言葉に指摘するアドリエンヌを大声が遮り、視線を向けるとサンドリヨンが踊っていた。

ピーター「スゲェ! 上半身を動かさずに下半身だけ激しく踊ってやがる!」
アリス「どうやってるのそれ!?」
サンドリヨン「アイリッシュダンスと言って、トクマさんの世界にある踊りです。教えてもらったその日から少しずつ練習していました!」

 ただし、上半身を全く動かさずに下半身だけ激しく踊る――アイリッシュダンスを踊っていた。ちなみにだが、作者もイッ○Qを見てチャレンジしたがあまりの難易度にギブアップした。

メリザンド「……」
アドリエンヌ「……め、メリザンド」

 無言でサンドリヨンを見つめるメリザンドにアドリエンヌが声をかけるとメリザンドは武器を召喚して――
































 ――へし折った。

アドリエンヌ「折っタァ!?」

 まさかの行動に驚愕するアドリエンヌを他所にメリザンドは折った武器を捨て、サンドリヨン目掛けて走った。

メリザンド「姉より勝る妹はいないという言葉を教えて差し上げますわ!! 覚悟はよろしくてサンドリヨン!!」
サンドリヨン「真の舞踏会はここから!!」
アドリエンヌ「そレはイイから武器ヲ拾っテ戦いナサいよぉぉぉぉ!!」

 もはや最初の悪役オーラがなくなった瞬間であった。というか、妹の方が凄い事をした事実に悔しくて姉の威厳を見せようとする姉妹になっちゃったよ!?

 そのままダンスバトルを始めるメリザンドとサンドリヨンを見なかった事にして、自分だけでもやろうと前を向いた。

トクマ「……」
アンリ「……」
折紙「……」
トーチ「……」
ドレディア「……」
アドリエンヌ「ッ!?」

 至近距離で見つめる五人に驚くアドリエンヌ。その様子をしばらく見つめた五人が何やらため息をして落胆した様子を見せ始めた。

トクマ「……なんか……残念だな……」
アンリ「……はぁ……」
折紙「……拍子抜けだな」
トーチ「ノリ悪いですね……自分が下手だと知られたくないからですか?」
ドレディア「アァ〜〜〜……ペッ!!」

 ドレディアさんだけ何処のオッサンだよ!! そんなツッコミが聞こえそうだが、プライドの高いアドリエンヌはこの様子にキレ、わなわなと震え――

アドリエンヌ「……ジョウとうヨォ……見てロ! 足腰立たナイぐらい圧勝シテヤルよぉぉぉ!!」
トクマ&折紙&トーチ「チョロいな」
ドレディア「アッアッアッ」
アンリ「……悪い顔だなぁ……」

 ――踊り始めた。その様子にアンリを除く四人は悪どい顔で笑う。

 かたや復讐の為に、かたや護るために戦おうとした両者が一人の行動によって敵味方とわずに踊る。この様子を知らないものが見れば、仲の良いメンバーでのダンス大会に見えるだろう。

トクマ「んじゃ、決めるぜ!! 準備はいいか?」

 トクマの声に全員が頷く。そして――

























全員「フィニッシュ!!」





























 ――終わりが決まった。そこから先はまるで遠足が終わった帰りに話す小学生のように、修学旅行の帰りに雑談する中学生のように和気あいあいと敵味方関係なく話す姿がそこにはあった。

アドリエンヌ「……ふふふ……躍りは終わりのようね……復讐をはたす時間よ……」

 一人を除いて、アドリエンヌが大剣を片手にトクマ、ルフレ、マック、当麻、サンドリヨン、アリス、ドレディアの七人に構え、緊張が走る。

トクマ「アドリエンヌ……その状態で言ってもしまらないぞ」

 ……アドリエンヌの足が生まれたての子ジカよろしく震えていなければの話だが……

アドリエンヌ「うルサい! 黙って聞きナサいこのザコ!!」
トクマ「よーし第二ラウンド始めるから
、しっかりオドロウカー」
アドリエンヌ「ちょ、待ちなサイ! コレ以上はサスがにむ――」

 アドリエンヌの言葉に腹が立ったのか笑っていない眼で踊り始めようとしたらアドリエンヌの身体を紫炎が包み、消えた時にはアドリエンヌの姿がなかった。

アリス「アドリエンヌが消えた!?」
トクマ「おのれ、逃げたか!」
メリザンド「いえ、タブー様に気付かれ、強制退去が始まったようですね……一度しか言いませんからしっかりと聞きなさいサンドリヨン」

 メリザンドが説明し、サンドリヨンへと何かを呟く。

メリザンド「―――――――――」

 とても小さな呟きを終えた後にメリザンドは手を軽く振り、紫炎に包まれて自分も消えていった。

ルフレ「あいつ……なんて言ったんだ?」
アリス「聞き取れなかったね」
サンドリヨン「みなさん、ホテルに戻りましょう」

 メリザンドの言葉に疑問を抱くとサンドリヨンがホテルに戻ることを提案した。

リンク「いいのかサンドリヨン?」
サンドリヨン「はい……トクマさん」

 リンクに返事をして、サンドリヨンはいつの間にか元に戻ったトクマに声をかける。

サンドリヨン「ありがとうございます」
トクマ「……………………………?」

 サンドリヨンの言葉にトクマは首をかしげ、サンドリヨンはそのままホテルへと歩きだした。

トクマ「……何でお礼言ったんだ?」
マック「オレが知るかよ」

 トクマの疑問にマックが答えられずに首をかしげる。サンドリヨンはメリザンドの言葉を思い出しながら、一歩一歩、歩いていく。
























メリザンド『悪くなかったですわ』

















































――――――――――――――――――――――――――――

マリオ「無事、亜空軍を撤退させた事に関して……乾杯!!」
全員「かんぱーい!!」

 その夜、ホテル内ではちょっとした宴会が始まっていた。流石は島一番のホテルであって郷土料理をシェフが存分に振る舞っていた。

トクマ「よっしゃ、飲むぞー!!」
アンリ「トクマさん。あなたはダメですよ。激闘の連続で身体がボロボロなので安静にしてください」
ティンニン「なの。ダメだよ」

 トクマも食べようとしたらアンリとティンニンに両肩を掴まれ、安静を言い渡された。

トクマ「……え……明日から! 明日から安静にするから今回だけ見逃して!!」
アンリ「ダメです! ハスターの負担があるかもしれないので飲まないで安静にしてください!! ドレディアさん、彼を連れていってください」
ドレディア「ディッアー」
トクマ「待って! 本当に待って! せめて、せめて好物のコロッケだけでもぉぉぉぉぉぉ!!」

 悲哀に満ちた声とともにドレディアに引きずられながらトクマは連れて行かれた。

マック「……なんか、外に出ても、いつもの日常と変わんねぇな」
当麻「そうだな……クロノダイルを除けば大して変わんなかったな」
ルフレ「……」
ルキナ「どうしたんですかルフレさん?」

 変わらない賑わいに苦笑しながら料理を味わうマックと当麻、その中でルフレはどこか納得がいかない表情をしていた。

ルフレ「……アイツらはどうやって俺達の居場所がわかったんだ?」
キリト「それはオレも気になったな」

 ルフレの言葉にアスナをつれたキリトも反応する。

キリト「あいつらはプライベートビーチがマリオとピーチの所有地だって事を知らなかった様子だった……調べればすぐにわかる事を何故調べなかったかが気になるな」
トレ子「偶然じゃないんですか?」
ルフル「それはありません。あの二人は戦いの経験があります。情報がどれだけ大切かわかっているはずです……現にあの奇襲で私達のほとんどが動けませんでした」

 謎の部分に首をかしげる七人。近くにいたゼルダも疑問を放つ。

ゼルダ「気になると言えば、あの二人が使っていた転移魔法もですね」
アリス「ゼルちゃん?」

ゼルダ「あの術式をこっそり解析しましたが、ワープしたい場所に魔力をマーキングしないといけないタイプの術式だったんですよ」
マック「となると、あいつらは真夜中にそのビーチにこっそり侵入してマーキングしたんスか?」
リンク「いや、禍禍しい魔力だからすぐに気付かれる……どんな手品を使ったのか気になるが……」

 謎が謎を呼び、さらに首をかしげるファイター。それを余所にサンドリヨンは一つのお皿に料理を乗せていく。

スカーレット「そのご飯はどうしたんだサンドリヨン?」
サンドリヨン「トクマさんに運ぼうと思ってよそいました……彼のお陰で少なくともメリザンドお姉様と少しだけ距離が縮みました」

 スカーレットの質問にサンドリヨンは笑顔で答える。

ミクサ「……大切な……人……なの……?」
サンドリヨン「はい! 新米だった私を鍛えてくださったお二人です! 大姉様とちぃ姉様も大切ですが、私はあの二人も大切なんです! 例え相手にその気がなくても、私にとっては強くしてくれたお二人を嫌いになんてなりません!!」
マリオ「オレもついていく……ハスターについて聞きたいことがあるからな」

 料理を持ってサンドリヨンとマリオは安静してるトクマの部屋へと向かった。































トクマ「うぅ〜うぅ〜ううぅうぅ!!」
ドレディア「……アァ……」

 一方部屋では、トクマは心底悔やんでいた。その様子にドレディアは苦笑する。

トクマ「食いたかったぁ……なぁ……話がしたいからドア閉めてくれるか?」
ドレディア「アッアー」

 ため息を吐いてドレディアに扉を閉めるように言い、扉を閉めた。

トクマ「……さて……――



































     ――テメェは誰だ?」

 扉が閉まった瞬間にトクマは斧を取り出し、ドレディアに刃を向ける。

ドレディア「アァッ!? ディ、ディディア! ディーア!」
トクマ「御託ごたくはいいから本性現せ、下手くそな芝居見せられて怒らないと思うなよ?」

 ドレディアは説得するも、トクマはいつもとは違う鋭い目付きで睨み付ける。しばらくの沈黙が続く。

 そして――


































ドレディア『……いつから気付いていた?』

 ――ドレディアからありえない声が放たれた。

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.109 )
日時: 2016/12/31 23:37
名前: トクマ

ドレディア『教えてくれないか? いつ気付いたのだ?』
トクマ「ピンナパークからの帰りだ」

 先程のドレディアとは思えない威圧感を放つ存在にヒリヒリと肌がしびれる。

ドレディア『参考までにどうやって見抜いたか聞いてもいいか?』
トクマ「参考にもならねぇ……彼女はオレと同じだっただけだ」
ドレディア『……同じ?』

 トクマの答えに目の前の存在は首をかしげる。

トクマ「あの子は人が怖いんだ……その為に周りを恐がらせて、傷付けて、震えてる……それなのにたった数時間で仲良くなるわけ無いだろ。そもそもあの子はお前みたいに嘘を隠せないんだ」

ドレディア『ふむ……見たこともないモノを見てはしゃいでいたこのポケモンの身体を借り、今のスマッシュブラザーズを確認しようと考えたが……そういえばお前はこのポケモンの名を呼んでいなかったな。参考にしておこう』

 トクマの返答に納得の様子を見せる。しかし、奥底が見えない感覚にトクマは平静をよそいながら吐き気を耐える。

トクマ「てか、お前は誰だよ」
ドレディア『紹介が遅れた……私は――』
トクマ「待った!!」

 ドレディアが話そうとするが、その前にトクマが待ったをかける。

ドレディア『……どうした?』
トクマ「まさかだが、その身体から出てくるつもりなのか?」
ドレディア『その通りだが?』
トクマ「それはやめておけ……会話が出来ないぐらいの惨劇が起こる」
ドレディア『……惨劇だと?』

 眉をひそめるドレディア。しかし、目の前の人物がウソを吐いているとは思えず、自身の持つ能力の一つで思考を読み取る。

 そこに映っていたのは、大きな存在感を放つ存在、対峙する目の前の人物、そして――









































 ――対峙している人物の後ろから襲いかかる緑の花姫がいた。

ドレディア『……それは困るな。仕方なくこの姿で話すとしよう』
トクマ「……ありがとう」

 ありえないと思うが、この身体を借りてわかったこのポケモンの異常性に頷くしかなかった。

ドレディア『それでは……仮初めの身体から失礼する……スマッシュブラザーズとの古傷がまだ癒えてなくてな……“禁忌の名を冠する神”“亜空皇帝”タブーだ』

 まさかのビックネームに固まるトクマ。ただ者じゃないと思っていたら亜空軍の大総統が来るとは思えなかった。

タブー『……反応がいいな。それで、貴様の持つ斧についてだが……少しわかったか?』

トクマ「……ハストゥールの鍵。斧だと思っていたら、本当は幽閉されているハスターの精神を武装として召喚、装着する為の鍵だとは思わなかった……大砲モードが赤外線キーだと知った時は複雑だったな……」

 構えてる斧を見つめ、トクマは複雑な表情を浮かべる。

タブー『魔力制圧……本来のハスターは空気中に漂う魔力を操り、天候を意のままに操ったとされる……先の出来事は全て見せてもらった。見事だ』

 タブーの声にトクマは無言だお辞儀をする。

タブー『誰一人傷つけることなく、「戦闘」を破壊した』
トクマ「成り行きです」
タブー『違うな』

 即答。その声にトクマは眼を細めて身構える。

タブー『魔力制圧で圧倒し、実力を見せつけ、同時に何をするかわからない印象を与え……意味不明な無差別攻撃に見せかけて周辺一帯に自身の魔力を浸透、その魔力で全員を自身に同調し、ダンスを強要して戦意喪失させた。細かいことは分からんがあれは完全に計画的だ』

 そこまで読まれていることに照れと同時に背筋から冷や汗が流れる。

タブー『その発想力と手腕は賞賛しよう……だが……「敵」である我が部下を傷ひとつ負わせず生かして返すとは何事だ』

 瞬間、濃厚な殺意が部屋を充満した。

タブー『ハスターの力を使えば貴様に敵対する敵全員に強制的な自害をさせる事だって可能なハズだ』

タブー『「敵として殺す価値もない、返してやるから大人しくしておけ」「オレを本気にさせるな」と。これは【極めて不愉快なメッセージ】だ』

 そこまで聞き、トクマは焦りと緊張が一周まわって冷静になった。

トクマ「……少々誤解があるようだけど……そういうメッセージだとしたらアンタはどう答える?」






















































タブー『本気にさせてやる。殺しあおう』

 ビキッ、タブーの発言にトクマは表情を歪めて復讐者のような醜い顔を見せる。それは『手を出せば貴様を殺す』という意思表示に見える。

 しばらく、お互いの悪意が、殺気が、殺意がぶつかり合う。『譲れば死ぬ』そう思えるような静かな沈黙の冷戦が続いた。

トクマ「……ふふ……」
タブー『……くくっ……』

 しばらくして互いが笑い、部屋の空気が緩和する。

タブー『と……言いたいところだが、私は争いを極力避けたいのだ。我が配下のためには貴様とは「調和ある対立」という路線を取らねばならない』
トクマ「物騒な試し方はやめてくれよ……危うく【本気にする】ところだった」
タブー『ふむ……それはおもしろいな』

 冗談なのか本気なのかわからない二人に沈黙の空気がまた流れ始める。

トクマ「……何を企んで、何を心配してるのか知らないけど……安心しろよタブー……オレは【一般人】だ」

トクマ「この身体は生きるためのもの!!」

トクマ「力など軽々しく振るえねぇよ」

 それは、『人として日常を過ごすが、その日常を邪魔したら一人の人間としてお前を殺す』とタブーは暗喩に聴こえた。

 ハスターの力を使わず、復讐者でもなく、人間としてタブーを殺す。

 それがどれ程愚かで、どれ程無謀で、どれ程滑稽で、どれ程悲惨で、どれ程、どれ程、どれ程不屈なのだろう。

 そう思うタブーは、腹の底から笑いが込み上げてきた。

タブー『くっ……はははははははははははははははははははははははははは、おもしろい!! 貴様を軽視していた事を謝罪しよう! 復讐者として呼ばれ、邪神に選ばれた事だけはある!! さらばだトクマよ!! 運命の交差するその時まで生ぬるい友好と安寧を!!』

 ドレディアの身体から水色の風が巻き起こる。部屋を荒らさずに部屋を走り回る風が窓めがけて出ていき、部屋に声が響く。

トクマ「ああ、お前もあんまり過ぎた悪さするなよ。亜空皇帝タブー」

タブー『ああ、戦場を打ち砕く最強の道化よ!! また会おう。復讐者アヴェンジャートクマ!!』

 窓から水色の風が出ていき、残ったのは涼しげな風が吹く部屋と意識が戻ったトクマだけである。

トクマ「やれやれ……忙しくなりそうだなぁ……」

 夜空に浮かぶ星と月を見ながら、トクマは呟いた。





















































ドレディア「アアァァァ!!」
トクマ「ちょ、ドレディアさんたんま! 仕方ないじゃん! あの空気で騒動を起こすわけにも――」
ドレディア「ディィィィ!」
トクマ「ま、待ってその技は危険だから他のにし――たらすくっ!?」

 なお、意識が戻ったドレディアに超人十字架落としが決まったのは余談である。