二次創作小説(新・総合)

アラジンとガチ泣きと弱音 ( No.222 )
日時: 2017/07/17 19:32
名前: トクマ


 場所が変わり、とある砂漠地方。そこに二つの人影――ロビンとシュネーヴィッツェンが歩いていた。

 いつもの服装とは違い、砂漠の環境に適応できる服装でとある目的地を目指していた。

シュネー「……たく……何で私がこんな……」
ロビン「申し訳ありません林檎の姫君。参考人として必要だったので……」
シュネー「いえ、構いません。文句はあれど、お姉さま方に頼まれた任務はこなしてみせます……そして! ゆくゆくはお姉さまと……!!」

 ロビンが謝るとシュネーは気にしない様子を見せるもサンドリヨンとイチャイチャする妄想にトリップし、その様子をロビンは苦笑いする。

シュネー「ところで、これから会う人物はどんな方なんですか?」
ロビン「一言で例えるなら欲深い人間ですね……自信家で強欲ですが、それを叶える為の努力は惜しまない人物です」
シュネー「……意外ですね。貴方がそんな人物と親交があるなんて……」
ロビン「とある戦いを機に腐れ縁となったので……もうすぐ着きますよ」

 ロビンとの交遊関係に目を点にするとロビンが指を指す。そこにはアジアンを意識したような宮殿が建っていた。

シュネー「こんな宮殿があるなんて……」
ロビン「魔神よ! ロビン・シャーウッドとその付き添いであるシュネーヴィッツェンが来ました! 門を開けて貰えますか?」
???「了解しました〜」

 シュネーが驚いているとロビンが大きな声で言う。すると目の前に藍色の煙が現れ、徐々に煙が人の形となり、青い肌の青年が現れた。

ジェネヴァ「久方ぶりですロビン様。おや? この方が連絡にあったシュネーヴィッツェンですね。初めまして、ランプの魔神ジェネヴァと申します。今後お見知りおきお」
シュネー「あ、はい」

 ランプの魔神と言った青い肌の青年――ジェネヴァの自己紹介に驚いてつい、反射で返事をかえす。

ジェネヴァ「それでは、ご主人様を起こしに行きますのでしばらくお待ちください」

 そう言うとジェネヴァは煙となって消え、ロビンは宮殿の中に入り、シュネーもロビンの後を追って宮殿の中へと歩く。

シュネー「これって白騎士の槍……こっちは蓬莱の玉の枝!? 鬼人の指輪……どれもこれも価値のあるお宝ばかりじゃないですか!!」

 宮殿の中は宝の山と言っても過言じゃなかった。ありとあらゆる価値ある宝にシュネーは呆然する。

ロビン「彼は欲深いが故に数々の宝物をその手で掴み取った人物……その欲望を正義の為に使えばどれ程救うことができるか……」
???「勘違いしてないか? 俺の正義は欲望……救いが欲しけりゃ自身の手で掴みとれって話だ」

 ロビンが説明すると何処からか声が聞こえた。廊下から歩く音が響き、その正体が近付くにつれて現れた。

 全身がアラビアンな服装を纏い、頭にターバンを巻いた褐色の青年にロビンが声をかけた。

ロビン「久しぶりですねジーン……救いを望む者に手を差し伸べる事がそんなにダメですか?」
ジーン「久しぶりだな……相変わらず冗談が通じない程に硬いな。ロビン」

 褐色の青年――ジーンとロビンが不敵に笑いあう姿にシュネーは不気味に感じた。

 ……なんだろ……初対面だけど……どっかで会ったような……?

 それと同時にどこか見覚えのある既視感に疑問を覚えた。そのまま客室へと案内され、お互いが向かいのソファに座る。

ジェネヴァ「それでは、お茶をいれてきますね」
ジーン「……それで、今回は何のようで来たんだ?」

 お茶を準備する為に離れたジェネヴァを一瞥し、ジーンはロビンに質問する。

ロビン「ジーン、力を貸して貰えないでしょうか?」
ジーン「断る」

 即答。まさかの答えに呆然とするシュネーだが、サンドリヨンの為にくいかかった。

シュネー「な!? あな――」
ロビン「貴方はまたですか! ジーン!!」
シュネー「――え?」

 その前にロビンがジーンに対して食ってかかり、またもや謎の既視感が始まる。

ロビン「そんなにも強い力を持っていながら何故、世の為人の為に力を振るわないのですか!」
ジーン「かったるい」
ロビン「そんな一言ですまされると思ってるのですか! そんなんだからゲーム内の貴方は【近日公開!】と言われてたのに氷の姫君に先を越されたのですよ!!」
ジーン「そいつは関係無いだろ!!」
ロビン「いい加減にしなさい! 貴方をそんな風に育てた覚えはありませんよ!!」
ジーン「なに母親口調で言ってんだ!! テメェに育てられた覚えなんざ一ナノもねぇよ!!」

 ロビンの言葉にジーンがツッコミをいれ、ようやく謎の既視感の正体がわかり、シュネーは呆れた表情を見せる。

 なお、ロビンが言った言葉は実話であり、最初はシュネーの次に参戦予定だったが、急きょ深雪乃が参戦してしまった……『入国審査で時間がかかってる』等のネタが流れるもそこから日が流れて今年の4月18日にようやく参戦できたそうだ。なお、情報公開から去年の12月4日で深雪乃が入国したのは2月……つまり2月だったのが4ヶ月経ってにようやく入国したとなる。

 ……あ……なるほど……見たことあると思ったら、あの男とルフレさんのケンカに似ているのか……

ジーン「こっちだって文句があるんだぞ……ブラックダイヤモンドの塊があるから、それを報酬に手伝ったが貰ったのは黒曜石の塊だぞ! 詐欺も良いところだろうが!!」
ロビン「助かった人達の笑顔がブラックダイヤモンドと同等の価値があります」
ジーン「いい話風にまとめんな! こっちは対価が釣り合ってないから言ってるんだ!!」
ロビン「何を言いますか! 小さな子供たちが必死にかき集めたあれを宝物と言わずに何を言うんですか? 貴方の持つ宝物と同等ですよ」
ジーン「その宝物を『我々は笑顔で充分なので、大事にしてください』と言って受け取らなかったバカはどこの誰だ?」
ロビン「バカではありません! 正義です!!」
ジーン「わからねぇよ!!」
ジェネヴァ「お茶でございます」
二人「どうも!!」
シュネー「ありがとうございます」

 マシンガントークのごとく言い合う二人に呆れた表情で見ながらジェネヴァに渡されたお茶を飲む。良い品質の茶葉である事がほのかに香る香りが語っている。

ジーン「ともかく! 今回は何が言われようとも! お前の手助けはしない! 久々に手に入れたお宝ちゃんの手入れがあるからな……用件があるなら早く済ませろ」
ロビン「えぇ、わかっています。ですので、その宝物の詳細を知れば我々は帰ります……りんごの姫君。彼に話してください」
シュネー「は、はい!」

 急に話を振られた事にシュネーは驚きながらも事の顛末をジーンに話した。

ジーン「アナザーキャストねぇ……随分と難儀なヤツらに目を付けられたな」
ロビン「知っているのですか?」
ジーン「一度だけ戦った事がある。海にあるお宝ちゃんを手にいれようとしたら海賊服を着た骸骨と出会って戦闘になった……まぁ、無事に手にいれてそのまま撤退したけどな」

 そう言うジーンの顔は苦虫を噛んだような表情になっており、どうやら手痛い事をされたようだと察する。

シュネー「それで黒いお姉さまが黒い水晶を白いお姉さまのお腹に突き刺し、白いお姉さまは……お姉さまは……」
ジーン「……黒い水晶ねぇ……ブラックオニキスか? 黒曜石か? いずれもお宝ちゃんの気配は――」


シュネー「……お姉さまは自身の象徴でもあるスキルやガラスのブーツ、双剣が発現出来なくなったんです!」
ジーン「…………なに?」

 シュネーの一言にジーンは急に表情を変え、何かを考え始める。

ジーン「……いや……だが……しかし……可能性はある……となると……」

 突然の事に首をかしげるシュネーだったが、ロビンはその様子を見て微笑んでいた。

ジーン「魔神ちゃん。空飛ぶ絨毯の準備を大至急頼む」
ジェネヴァ「了解しました」

 ジェネヴァに伝えるとジーンは側に置いてあった大きなランプを持ってソファから立ち上がる。その表情はさっきより真剣な面持ちである。

ジーン「気が変わった。すぐに行くぞ」
シュネー「え? え!?」
ロビン「行きますよ。林檎の姫君」

 スタスタと早歩きで移動するジーンとロビンに戸惑いながらも追うシュネーはジーンに話しかけた。

シュネー「ちょ、ちょっと待って! 一体どうしたのよ!!」
ジーン「あぁ? 今は説明する時間が惜しい、道中にしてやるから急げ」

 シュネーの言葉を両断し、ジェネヴァが用意した宙を浮いている絨毯へと歩くジーン。

ロビン「貴方が他人にそう言うのは珍しいですね……何か心当たりでも?」
ジーン「あるっちゃあるが……このままじゃヤバイのは確かだ……なんせ……」

 全身が絨毯に乗り、ジーンはロビンの言葉に重い口調で答えた。

ジーン「……サンドリヨンとかいう女性がこの世界から消えるからだ」

 その言葉と同時にシュネーの思考が白く染まった。

アラジンとガチ泣きと弱音 ( No.223 )
日時: 2017/07/17 19:35
名前: トクマ


 とあるファミレスにてトクマとサンドリヨンは何故か――

サンドリヨン「……ひっぐ……うぐ……」
トクマ「……ぐす……聞いてないぞ……」

 ――泣いていた。何故かは知らないが泣いているのだ……まさかジーンの言っていた事が現実になって……

トクマ「あんな事になるなんて……聞いてないぞ……」













トクマ「……あんな……あんな……あんな感動的なラストになるなんて知らなかったぞ!」
サンドリヨン「……本当に……素晴らしい映画でした」

 なんだ映画の感想かよ。

 そう思うとトクマの手元にはその映画のパンフレットがあり、表紙には日の出をバックに体格が山のように大きく、筋肉が膨張して服装がパツパツになったムキムキの男女が互いの背中を合わしている絵が見え――ちょっと待って。本当にどんな映画見たの!? なんでそんな映画で感動したの!?

トクマ「なんだよ『うぬの名は。』なんて……『君の名は。』の登場人物が全員モヒカンや筋肉の世紀末状態にしたパロディかと思ったら、とんでもなく感動する映画だったよ……涙腺を壊しにかかってるよアレは……」
サンドリヨン「最後のシーンは感動でしたね……」

 本当にどんな映画だったんだ……あ、ちなみに作者も『君の名は。』見ましたが感動しました。特にラストスパートは連続で泣きました。

 映画の感想を言い合っていると店員が大きめのパフェを運び、トクマとサンドリヨンのテーブルに置いた。

トクマ「あの、まだ注文してないのですが……」
店員「あちらのお客様からの奢りです」

 そう言われて店員が示す方向に顔を向けるとそこにいたのは……

トクマ「……痴女がいる……!?」

 青い肌の人魚がいたのだが、その姿が問題だった。下半身は人魚特有の魚のようになっているがそこではない。上半身は胸の大事な部分が泡で隠れているだけだった(爆弾発言)。

 ……え!? 本当にいるのあんなの!? 確かに裸族とかオレは見てたけどあそこまで大胆な格好をしているヤツは初めて見たわ!!

 あまりの出来事に固まるトクマ。パフェはありがたいのだが目に毒なので着ている上着を脱ぎ(Tシャツは着ている)、店員に渡すよう頼んだ。

トクマ「……すいません……あちらの青肌の女性の方にパフェを奢って貰った礼として、この上着を渡してくれませんか?」

店員「いえ、そちらの方ではなくて奥の方にいるお客様です」
トクマ「……へ?」

 店員に言われて青い肌の人魚じゃないことに目が点となり、青い肌の人魚がいる奥の方へと示す店員の言う通りに顔を向ける。

マリオ「」(キメ顔サムアップ)
ピーチ「」(キメ顔サムアップ)
トクマ「あんたらかよ!」

 そこにいたのはマリオとピーチ(バカップル一号)がいた。キメ顔でサムアップする様子にトクマは少しだけイラッとした。え!? んじゃ誰だあの青い痴女は!?

サンドリヨン「トクマさん。このパフェ美味しいですよ!」
トクマ「すでに七割食べ尽くしてる!?」

 知らぬ間にサンドリヨンが注文されたパフェを早くも食べきることに驚いていると電話がかかる。マリオとピーチが近くにいる安心からトクマはサンドリヨンに席をはずす事を伝え、店員に青い肌の人魚に上着を渡すように伝えてから電話に出た。

トクマ「もしもし」
リンク『すまないが、今は大丈夫か?』

 どうやら相手はリンクのようだ。

リンク『サンドリヨンはどんな状態だ?』
トクマ「……見た感じ元気になったように見えますが、同時に無理してる感じがあります」
リンク『……やっぱりか……』

 トクマの言葉にリンクは残念そうな声色で肩を落とす。

トクマ「そっちは何か進展ありましたか?」
リンク『いや、ピーチ達が捕まえてくれたアナザーキャスト二人に尋問してるがこれと言った成果はない』

 ……やはり、簡単には喋ってくれないか……

 アシェンプテルの手口が少しでもわかれば良かったが、トクマは少し息をはいた。

リンク『しばらく尋問し――『ヒャッハァァァァァァ!!』……しばらく尋問してみるな』
トクマ「待て待て待て待て、待って、お願いだから待ってくれ」

 すいません。電話から謎の奇声が響いたのですが……予想しなかったことにトクマは動揺する。

トクマ「さっき、ナイトメアの奇声が聞こえたんだがどんな尋問してるんだ?」
リンク『……多くは言えない……だが……せめてこの言葉だけは言おう……』

 トクマの質問にリンクは深くため、しばらく沈黙が続いて口を開いた。

リンク『……一発闘魂』
トクマ「なんて恐ろしいものを飲ませたんだ!!」

 ※詳しくは【マスターハンドのワクワク☆発明品の本編 >>145-148】を見てね。

トクマ「没案として処分されたんじゃなかったのか!!」
リンク『マスターハンドが言うに尋問する相手に飲まして、ハジケた姿を録画してそれをネタに追い詰めるそうだ』
トクマ「えげつねぇ!!」

 リンクの言葉にトクマは全身の毛が逆立つ錯覚を感じた。そしてナイトメアとシャドウアリスに無駄だと思いながら合掌する。

リンク『また新しい事があったら電話する……デート楽しめよ』
トクマ「だからデートじゃ……切りやがった……」

 リンクの言葉に悪態をつきながらもトクマは今までの情報をまとめた。そして、一つの疑問に至る。

トクマ「……アシェンプテルはどうやってサンドリヨンの居場所を奪うんだ……?」

 黒い水晶がアシェンプテルがサンドリヨンから居場所を奪うのはわかっていたが、何を奪えばそうなるかはわからなかった。

ドレディア「ディッアー!」

 頭を悩ますとドレディアの声が聞こえ、ドレディアの後ろからネスとブラックピットもいる。

トクマ「ドレディアさん? ネスにブラピもどうしてここにいるんだ?」
ネス「少しトクマに審査してもらいたくてね」
トクマ「……審査?」

 ネスの言葉に首をかしげるが、手に持っていたそれに気づいて固まる。

トクマ「……おい……その灰色に染まった液体はなんだ?」
ネス「ドリンクバーの飲み物全部混ぜたらこうなった!」
トクマ「……なにやってんだよ」

 ネスの返答に呆れた表情をトクマは見せる。

ブラピ「お前も小さい時にやってなかったのか?」
トクマ「いや、やってたけどさ……何故審査員にオレを選んだんだ?」
ネス「トクマならおもしろいリアクションをしてくれると思ったから!!」
トクマ「ケンカ売ってんのか……ドレディアさんも参加してるのか?」
ブラピ「ああ、デザートを食べる権利をかけて真剣勝負してるんだ!」

 くだらない行動に怒りを通り越して呆れるトクマ。自分も昔やっていたことなので強くは言えず、ネスのいれた飲み物をマジマジと見つめる。

トクマ「あーあー、こんなに混ぜやがって……これじゃあ元の飲み物は何かわからなくなっ――」

 瞬間、最後のピースがハマった。アシェンプテルが何を企んでいたのかがわかり、トクマはゾッとした。

ネス「……トクマ?」
ブラピ「どうした?」
トクマ「……」
ドレディア「……ディ……」

 急に静かになったトクマを心配するネスとブラックピット、ドレディアはそー、とショッキングピンク色のドリンクをトクマに飲ませようと近付く。

トクマ「飲ませようとすんなドレディアさん」
ドレディア「……ヂィ」

 しかし、あともう少しという所で意識が戻ったトクマに阻止されてドレディアは思わず舌打ちする。

トクマ「……悪い。少し確認したいことが出来た……今度アイス奢ってやるよ」
ブラピ「え!? いいのかよ」
ドレディア「ディッアー!」

 トクマの奢る言葉に思わず驚くブラックピットと喜ぶドレディア。

トクマ「あぁ、五百円以内なら何個でもいい……ただしドレディアさん。テメェはダメだ」
ドレディア「ア"ァ"!? ディア! ドレドレディッア!!」
トクマ「やかましい文句を言うな! オレにその怪しげドリンク飲ませようとしただろ! その時点で有罪ギルティだ! お前が暑さでダウンしてる目の前で美味しそうにアイスを食べてやろう……ハーゲンダッツでなぁ!!」
ドレディア「アァァァーーーーッ!? ディァッ! ディァーーーーッ!!」

 まさかのガチ泣きモード。アイスが奢ってくれないだけでショックで泣くドレディアに三人は苦笑する。

ネス「……素直じゃないね」
トクマ「戯言はほどほどにしろよネス」

 ドレディアに聞こえない声量で話しかけるネスに両断するトクマだが、その様子にネスは笑う。

ネス「だって、個数で言えばいいのに値段で制限するってことは最初からドレディアに分けてあげるつもりだったんでしょ?」
トクマ「……ドレディアさんには秘密な……この事知ったらアイツは調子に乗るから」
ネス「フフ……わかったよ」

 超能力で心を読めることに気付いたトクマは申し訳なさそうな表情でネスに言わないように頼む。その様子にネスは少し笑った。

ピーチ「遅いわよ! このおバカドモォォォォォ!!」
三人「ギャアアアア!? 貞子だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 しかし、突如現れたピーチ姫――見た目が貞子に似た姿に悲鳴をあげた。

ピーチ「そんなボケしなくていいわよ! それよりいつまで席はずしてるの! サンドリヨンちゃんが不安になってるわよ! 大だと思われたらどうするのよ!!」
トクマ「それに関しては本当にゴメンだけど、いつ貞子ルックに着替えたんだよ!! その文字は何!!」

 トクマの指摘通りに前回ピーチ姫の前面に書かれた文字は『巨乳』だったが『恋したっていいじゃない。人間だもん』に変わっていた……どこのポエマーだ。

ピーチ「そうだったわ……大変な事になったからこれに着替えてたんだわ」
トクマ「……大変な事?」

 ピーチ姫の言葉に首をかしげるとピーチ姫は真剣な表情で答えた。

ピーチ「闇吉備津がこっちに向かってるわ」

 その言葉にトクマは唾を飲み込んだ。アリスとピーターの決して弱くない二人がボロボロにされた事を思い出す。

ピーチ「あの闇乳首、デートを邪魔するなんて許せないわね……!!」
トクマ「うん。始まりはオレが呼んだけどやめようか……シリアスが殺されるし……あと、誰がデートだ」

 すいません。その呼び名のせいでシリアスになりそうな空気が殺されたんですが……

ピーチ「トクマちゃんはサンドリヨンを連れて何処かに避難してちょうだい! どこか逃げる場所に心当たりはあるかしら?」
トクマ「……今度、近くの海に行こうと計画していた場所なら……」
ピーチ「そこでいいわね。後はよろしく頼むわ……総員、集結!!」
トクマ「ホラ貝!?」

 ブォオオオン、ブォオオオン、とファミレス内に勇ましい音が響き渡り、ピーチ姫の前にいつの間にか人影――同じ格好の恋罵女が現れた。

恋罵女全員「御呼びですか、大将」

 ……なんか組織化してる……

ピーチ「敵はこちらに近付く闇乳首! 総力を持って邪魔をしなさい!」
恋罵女全員「御意! マイロード!」

 ……和洋折衷ていうレベルじゃねぇ……ん……?

 統率のとれた行動にトクマは愕然としていると何かの違和感に気付いた……よく見れば、変なペンギンもどきが混ざっていた。

 ……恋罵女に混じって銀魂のエリザベスみたいなのがいる!? よく見たらゲーセンで会ったペンギンもどきだ!!

ピーチ「安心しなさいトクマちゃん……貞子だろうが花子だろうが伽椰子でも貴方達のデートの邪魔はさせないわ」
トクマ「いや、それは普通に逃げろ……あと誰がデートだ!」
ピーチ「それでは、出陣よ!!」
恋罵女「イエス! 大将!!」
トクマ「話聞けよ! それと呼び方統一しろ!」

 ホラー映画で有名な人物と怪談で有名な少女が来ても大丈夫という言葉に呆れながらも迅速に外へと出ていく恋罵女集団に頭を痛めてるとサンドリヨンがトクマに近付いてきた。

サンドリヨン「トクマさん! あれはなんですか!? 何処からともなく貞子が現れましたよ!」
トクマ「安心しろ。店のキャンペーンだ……なぁ、海に行かねぇか?」
サンドリヨン「……海……ですか?」

 サンドリヨンの言葉にトクマは微笑むが内心は動揺していた。これは避難と同時に自身の予測が確証へと変わる質問でもあったのだ。

 ……頼む……ハズレてくれ……オレの読みが間違いであることを……

サンドリヨン「楽しみです……私――







































 ――海は【初めて】なんです!」


 まだ続くよ! 感想はまだだよ!

アラジンとガチ泣きと弱音 ( No.224 )
日時: 2017/07/17 19:39
名前: トクマ


シュネー「【生命録水晶アライブクリスタル】?」

 高速で移動しながら空を飛ぶ絨毯の上でシュネーがジーンが言う黒い水晶の正体を復唱する。

ジーン「……本来は息を引き取った人の人生を水晶が記録し、映像として残すものだった」
ロビン「簡単に言えば、カメラやビデオカメラの類いですね」
ジーン「そうだな……ある一点を除けば……」

 ロビンの言葉にジーンが頷くもその顔には真剣さがにじみ出ていた。

ジーン「昔、とある夫婦が短い一生を終えた我が子の人生を記録した水晶を見ようとした時に強盗が押し入って来た。あまりの事に驚いた夫婦の夫が咄嗟に手に持っていた水晶を強盗に突き刺して気絶させた……普通なら夫婦の反撃で終わりなんだがそうじゃなかった……」

ジーン「その少年の記録が強盗の記憶を塗りつぶしたんだ」
シュネー「……塗りつぶした?」

 聞き慣れない言葉にシュネーが首をかしげるとジーンは話続けた。

ジーン「捕まった強盗がその夫婦を見る度にお母さん、お父さんと呼び、その夫妻しか知らない出来事を話すようになった……それだけではなく、強盗の記録を塗りつぶした少年の関係者全員がその強盗を少年だと認識していた……その一件を深く危惧した政府は即座にその水晶を凍結という名の破棄を行った」

 その言葉にアシェンプテルの企みがなんなのか理解し、シュネーはゾッとする。つまり、アシェンプテルはその水晶を使って自分がサンドリヨンに成り代わると言うことだ。

ジーン「恐らくだが、そのアシェンプテルはその水晶を利用する事でサンドリヨンの居場所を奪うつもりだろ」
ロビン「なるほど。瓜二つの容姿だからこそできる計画ですね」
シュネー「ま、待ってください! それが本当の話なら、お姉さまはどうなるんですか!!」

 もし、仮にサンドリヨンがアシェンプテルに奪われても生きていればどうなるのか聞くとジーンは暫く沈黙し、重い口を開いた。

ジーン「……誰も知らない。誰もわからない。孤独な人間になるんだ」
シュネー「……そんな……」

 それはつまり、天涯孤独になるという。何よりもツラい事である。その事実にシュネーは自身の胸が締め付けられるような痛みに襲われ、とっさに胸を押さえた。

ロビン「ジーン、急いでください! 何やら胸騒ぎがします!!」
ジーン「あぁ! とばすぜ魔神ちゃん!!」

 ロビンの言葉に空飛ぶ絨毯のスピードが先程より速くなる。

シュネー「……お姉さま……どうかご無事で……」

 シュネーはサンドリヨンの安否を心配し、絨毯は風となる。










 とある海岸。海に反射してキレイな夕日がトクマとサンドリヨンを照らすが、二人の表情は暗いままである。

トクマ「……」
サンドリヨン「……」

 二人の間に沈黙が流れ、重い空気が漂い始める。

サンドリヨン「……いつ……気付いたのですか……」
トクマ「……恥ずかしながら、さっきの発言でだ……全員ドルピック島に行ったから海は見てるはずだからな……最も、ハズレて欲しかったけどな……」
サンドリヨン「……そう……ですか……」

 トクマの言葉にサンドリヨンは少し反応してまた沈黙が始まる。

サンドリヨン「……恐いんです……」

 不意にサンドリヨンが話始めた。

サンドリヨン「……トクマさんは……悪夢って見たことありますか?」

 その言葉にトクマは小さく頷いた。

サンドリヨン「私は何度もあります……自分が守る為に振るった剣の先には、他の誰かを守ろうとした誰かの命があるんです……灰かぶりに入隊した初期はその重さに苦しみ、眠れない夜を何度もしました」

サンドリヨン「過酷な任務を受けると覚悟していましたが、想像以上の重さに何度もうなされました……『もう少し早ければ誰かを救えたんじゃないのか?』『本当に全員救えたのか?』『守ることは出来たのだろうか?』……その想いに何度も潰されそうになりました」

 そこまで言って、トクマはサンドリヨンの言葉を理解した。これは――……

サンドリヨン「だから、貴方が誰も傷付けずに救った事に少しだけ……羨ましいと思ってしまった……」

 ……これは、サンドリヨンの弱音だ……

トクマ「……」
サンドリヨン「私は……強くありません……強くあろうとしているだけです……正しくありません……正しくあろうとしているだけです……」

 そういってサンドリヨンはトクマの胸に顔を埋める。トクマはサンドリヨンに手を伸ばそうとするが、途中で止めた。一瞬、彼女が触れた瞬間に壊れるような錯覚を見てしまった。

サンドリヨン「お願いです……貴方の勇気を……私に……分けてください……」

 彼女の目には年相応の恐怖と不安が渦巻いており、助けを求める声にトクマはただサンドリヨンを見つめた。

サンドリヨン「……怖いです……少しずつ記憶が無くなっていくのが……少しずつ忘れ去られていってるんじゃないのか……私は……私は……」

 その弱音にトクマは少しずつサンドリヨンの頬に手を伸ばして触れ、頬に触れたトクマの手をサンドリヨンは震えながらもその手を触る。

サンドリヨン「……」
トクマ「……」

 お互いの目があい、沈黙が流れる。海鳥の鳴き声も、波の音も、風の音もこの時ばかりは何も聞こえなかった。

トクマ「……サンドリヨン……」



















































 ドス、何かが突き刺さる音が大きく聞こえた。


















サンドリヨン「……え?」
トクマ「……サンドリヨン……?」

 膝から崩れ落ちるサンドリヨンを急いで支えるトクマ。そしてサンドリヨンの後ろを見る。

 なにもない空間から手が現われ、その手には灰色の水晶が握られていた。

 なにもない?

 いや、そこには、小さな穴があった。

 手が通るだけの穴が、そこにあった。

 ズズッ。その穴がゆっくりと広がって行く。

 広がるのと同時に、そこから人が――黒いシンデレラが姿を現した。

 そして、灰色だった水晶が純白に輝き始める。

サンドリヨン「……ト……クマ……さ……ん……」
トクマ「……サンドリヨン!!」

 サンドリヨンの弱々しい言葉にトクマは強く呼び掛ける。その様子を見て黒いシンデレラ――アシェンプテルは不敵に笑った。

アシェンプテル「貴様の時間……確かに頂いた」


 いよいよ佳境に……でもここまで! オマケがあるからもうちょい待っててね。