二次創作小説(新・総合)

エピローグ・A ( No.297 )
日時: 2017/09/27 19:28
名前: トクマ

 お待たせしました!

 今回は先週に終わった大長編『動乱! アナザーキャスト編』の没となってしまった話を上げます。

 ……正直な話で言うと次回の大長編のネタが切れたので、時間の都合とかでお蔵入りとなった話を出すって事です。

 とは言っても、トクマが倒れかけたサンドリヨンに何て言ったのかやお姫様抱っこを三回プッシュアピールした伏線回収もあるので、決して無駄ではないと思えたいなぁ……

 それでは、『エピローグAを書いたけどしっくりこなくて、エピローグBを書いたらそっちの方がしっくりと来たので没となったエピローグA』……

 ……略してエピローグ・A(アナザー)!

 はじまり、はじまり〜〜!!

 ……あ、どっちも悪くないと思った人は最終話の>>289>>290の間で起こった裏話と思ってください。





トクマ「随分と時間がかかったけど、ようやく着いたな」
サンドリヨン「はい。みなさんにも心配をお掛けしたことを謝らなくては……」

 リアカーを引きながら館へと辿り着いたトクマとサンドリヨン。外はすでに暗く、男女二人きりだがリアカーが雰囲気をぶち壊していた。

 館の扉に手をかけ、トクマは開いた。

トクマ「ただいま。遅くなってすま――」
ルフレ「逃げろトクマ!!」
トクマ「――……はぁ?」

 珍しく切羽詰まるルフレの声に疑問を声にあげて前を確認すると……

 シュネー、ロードピス、チェレネントラの三人がトクマに向かって釘バットを降り下ろそうとしていた。

トクマ「ほわぁぁぁぁ!?」

 大乱闘で培った危機管理能力と反射神経で横へ跳んだトクマ。降り下ろした釘バットは地面へと突き刺さり、クモの巣状のヒビを作った。

シュネー「ち、外したか」

 眉間にしわをよせてトクマに舌打ちするシュネー、敵を見るような目で睨むチェレネントラ、ニヤニヤと笑いながら釘バットを肩に担ぐロードピス……すいません。貴女達はどこのレディースですか?

トクマ「テメ、殺す気か! 流石に見過ごせねぇぞ!!」
チェレネントラ「それはこっちの台詞ですわ……」

 トクマの反論にチェレネントラは静かに答える。

チェレネントラ「浅はかでしたわ……まさかサンドリヨンを狙っていたとは……」
シュネー「まったくです……口では興味無さそうにしてたくせに狼の皮を被っていたとは……」
トクマ「いや、なにが……」

 あまりの迫力に萎縮しながら質問するトクマをロードピスが答えた。

ロードピス「何って、お前はサンドリヨンの事が好きなんだろ?」

 沈黙。

 トクマの思考が止まった。しばらくして動きだし、トクマは力の限り叫んだ。

トクマ「……ハァァァァァァァ!?」

 予想だにしない言葉に混乱しながらも整えようとするも、思い出してまた混乱し始める。

 この男、意外に打たれ弱かった。

トクマ「ちょ、ちょっと待って! いつ! いつそうなったのでしょうか!?」
チェレネントラ「いつって、デート開始からここに着くまでの間でしょう。白々しいですわよ」

 まだ混乱しているのか敬語で質問するトクマをチェレネントラは養豚場の豚を見るような蔑んだ目でトクマを見つめながら答えた。

 否定する理由を探すために混乱してる思考をなんとか落ち着かせ、今日の出来事を必死に思い出した。

トクマ「そんな事あるわけ――」

トクマ『早く元気になって、アリス達を安心させろ』
トクマ『本当に迷惑だと思うなら元気になれ……お前の姿を見て安心できるヤツがいるんだ……』

トクマ「……あるわけ――」

トクマ『……本物は来る……オレが知るサンドリヨンは……仲間のピンチには放って置けない性格なんだよ!』
トクマ『頑張れ、サンドリヨン!』

トクマ「……ある、わ、け……」

トクマ『テメェ等の息の根ごと“俺”が奪い尽くすぞ』

トクマ「……」

トクマ『おかえり、サンドリヨン』

 ……めっちゃ心当たりあるゥゥゥゥ!!

 自分の今日一日の行動を思い出すと、第三者が見たら『意識してる』と言われても可笑しくない言葉だらけでトクマは悶絶した。

 その様子にロードピスは笑いながら話しかけてきた。

ロードピス「いや〜それならそうと言ってくれれば、試してやるのによ」
トクマ「試すってなに? 試し斬りって意味か?」
シュネー「……生爪……」
トクマ「お前は拷問しか考えねぇのか!」
チェレネントラ「この魔法の餌食になりたくなければ、3つ数える内にサンドリヨンの良い所を7つ答えなさい……ひと〜つ」

ズドンッ!(チェレネントラの指からバレボールくらいの大きさの火の弾が高速で発射された)

トクマ「2と3わぁぁ!?」
チェレネントラ「淑女レディは1だけ覚えれば充分ですわ」

 いきなり放たれた火の砲弾をギリギリで回避するトクマ。三人中二人が瞳のハイライトを消しており、冗談じゃない事に震えだし、彼の頭には火サスの『テテテテ、テテテ、テーテー!』が流れ始めた。

 ……このままじゃやられる……サンドリヨンヘルプ!

 なんとかサンドリヨンに事情を説明してもらい、殺意に目覚めそうな二人から助けてもらおうと振り向くトクマ。

ピーチ姫「それで、道中に何かなかったかしら? 具体的にはToLOVEるみたいなアクシデントは?」
サンドリヨン「……と……え?」
ゼルダ「お姫様抱っこされた感想は?」
サンドリヨン「……え……え……えっと……」
ベヨネッタ「……」(さりげなく聞き耳をたてながらサンドリヨンの退路を塞いでる)

 ……たかられてる! 恋罵女こいばなハイエナにたかられてる!!

 しかし、猫耳カチューシャを着けたピーチ姫とトラ耳カチューシャを着けたゼルダ、某夢の国のネズミ耳カチューシャを着けたベヨネッタの恋罵女こいばなの亜種――恋罵女ハイエナに甘い出来事がなかったかしつこく聞かれて身動きできないサンドリヨンを見てしまい、固まる。

サンドリヨン「何もありませんでしたよ?」
ピーチ姫「嘘なんて言わなくて良いのよサンドリヨンちゃん。あのヘタレでムッツリーニなトクマちゃんが貴女をお姫様抱っこしたシーンを見てるの……包み隠さず、貴女のワガママボデーにされた事を言ってもいいのよ?」
トクマ「黙れゲセワおばさん。食堂に行ってクリームシチューでも作ってろ」
ピーチ姫「なにそのクレアおばさんの親戚みたいな人物名!?」

 ピーチ姫の言葉に若干キレたトクマの肩をロードピスが掴んで話しかけてきた。

ロードピス「おいおい、サンドリヨンにお姫様抱っこした事やマグスって道化師にケンカ売った度胸はどこいったんだい」
トクマ「だ、だから……いや待て、なんでその事を知ってるんだ?」

 ロードピスの言葉にビビりながら疑問を持つトクマ。そういえば、自分がお姫様抱っこしたことは自分とサンドリヨン、新たな敵のマグスしかいなかった……他には誰もいないハズ……

ロードピス「なんでって、トレ子の隠しカメラから見てたんだが」
トクマ「トレ子ォォォォォォ!!」

 下手人はトレ子。

 荒ぶる気持ちとともにトレ子の名前を叫ぶと、本人がキメ顔で登場した。

トレ子「私は悪くありません。こんな楽しい事を隠し通そうとしたあなた達が悪いDEATH!!」
トクマ「ぶった斬ってやろうカァ!!」

 サムアップするトレ子にムカつき、斧に手をかけて斬りかかろうとするトクマをロードピスは制し、顔を近付けて話しかけた。

ロードピス「まぁまぁ落ち着けよ」
トクマ「落ち着けねぇよ! 命の危機なんだぞ!」
ロードピス「私はお前が可愛い妹のサンドリヨンと付き合おうが反対はしないよ……クズ野郎なら躊躇なくバラバラにするけど、お前はグランマ婆さんが気に入るぐらいの心を持ってるからね」
トクマ「笑顔で恐ろしい事を言いやがったぞ……第一、オレは――」
ロードピス「サンドリヨンの事をそういう風に見えないんだろ?」

 言葉が、止まった。

ロードピス「ただのクズ野郎をフレンドリーに接する程、あいつの目は節穴じゃない……お前がその類いの人間じゃない事はわかってる」

 そう語るロードピスの目にはチェレネントラやシュネーのようにハイライトは消えておらず、家族を思うような真剣な表情にトクマは言葉を失った。

トクマ「……」
ロードピス「お前がサンドリヨンの事を好きになれないのは何かしらの理由があるからだろ? それとも嫌いか?」
トクマ「……一人の人としては好むけど、異性としてはまだ……その……イッテェ!?」

 トクマの答えに軽く息を吐き、ロードピスはトクマの背中を力強く叩いた。

ロードピス「それだけ聞ければ充分。ま、私はお前の事は嫌いじゃないから応援ぐらいはしてやるよ」
トクマ「……だったら、あの二人の誤解を解けよ」
ロードピス「ムリムリ、ああなったら私でも止まらないからね……前に妹達にナンパしてきた男があの二人の手で女になったからね」
トクマ「あまりの恐怖に脳が震えたんだけど」

 止まらない暴走列車コンビにロードピスが肩をすくめると同時にトクマは恐怖で身体を震わせた。

チェレネントラ「ロードピス! 何を話しているのですの!」
ロードピス「頑張れよ……悪い悪い、遺言を聞きたくてついつい話し込んじまったぜ」

 しびれを切らしたチェレネントラに戻っていくロードピス。去り際の言葉にトクマは軽く頭をかいた。

チェレネントラ「覚悟は出来ていますの?」
シュネー「……血抜キ……皮剥ギ……頭部ハ犬ニ……」
ロードピス「どのみちサンドリヨンを迎えたいなら、私達を倒してからって話だよ」

 釘バットを構える三人を見て、斧を構えるトクマ。その目には消えていた覚悟が写し出されていた。

トクマ「……正直な話、絶望しかないんだが……話を聞いてもらうには戦うしかなさ――」
パルテナ「トクマさんトクマさん」
トクマ「――今度はなに!」

 覚悟を決めたトクマをパルテナが遮り、台無しにされて少しだけ怒るトクマだが、パルテナの手には何故かゼ●シィが握られていた。

パルテナ「……いつにしますか?」
トクマ「なにがだ!?」

 パルテナの言葉にツッコミをいれるトクマ。続いて銀色の十字架のアクセサリーと聖書を持った大聖が現れた。

大聖「祝言なら任せよ……」
トクマ「お前は何の神様だよ! 宗派が違うだろ!!」

 大体察してきたトクマだが、覚悟を台無しにされて少しだけ感情的になっている。そこにウエディングドレスが描かれたカードを持ったブラックピットと白無垢が描かれたカードを持ったピットがトクマの前に現れた。

ブラックピット「洋式か和式」
ピット「どっちがいいですか?」
トクマ「どっちも見てぇよ!!」

 トクマは勢いのままに答えた。

 答えて、しまった。

トクマ「……あ」

 そして自身のミスに気付いて顔を青く染める。ギギギ、油の切れた機械のような音が出そうな感じでゆっくりとシュネー達の方を振り向く。

チェレネントラ「……やはり……そこまで考えていたの……」
シュネー「■■■■■■■ッ!!」
ロードピス「アッハッハッハッハ! 腹痛い! 普通、正直に言うかね!!」

 一言で、二体の修羅が誕生していた。

 赤黒く、鬼のようなオーラを放ってトクマを威圧するチェレネントラ。人語を忘れ、某聖杯を求める戦いにて理性をなくしたギリシャの大英雄のように雄叫びをあげるシュネー。そしてトクマの答えにツボが入ったのか爆笑するロードピスがいた。

 ……まだ、助かる見込みはあるはず……!

 正直に言えばゲームオーバーだが、諦め悪く辺りを見渡すトクマ。

 ……なにか、なにかないのかっ!?

 そして、一つの存在に気がついた。

クレイジー「……」

 チェレネントラ顔負けの禍々しいオーラを放つ、白衣を着た銀髪のショートカットの鷹のように鋭い目つきの女性――クレイジーハンド(人間形態)がいた。

トクマ「……」

 その存在を確認したトクマは無駄のない動きで顔をそらし、辺りを見渡す。

 ……目を合わせちゃダメだ……目を合わせちゃダメだ……

 瞬間、ゴキィという鈍い音が誰かに肩を掴まれた感触とともに鳴り響き、痛みで反射的にトクマは後ろを振り向いてしまった。

クレイジー「ツ カ マ エ タ」

 ……自らキタァァァァ!?

 ホラー映画顔負けの恐怖に叫び声を内面に押え、光のない鋭い目に萎縮されながらも、なけなしの勇気を振り絞ってトクマは話しかけた。

トクマ「……あの……その……慈悲をください」
クレイジー「最初で最後のデートに行かせてやったのが私の慈悲だ。私は言ったよな? 『来なければ……解剖バラすぞ』と……」
チェレネントラ「同行させて頂きますわ」
シュネー「■■! ■■■■ッ!」
ロードピス「……どんまい」

 懇願むなしく、トクマはクレイジーハンドに引きずられていき、チェレネントラとシュネーもクレイジーハンドの後をついていく。唯一の良心だったロードピスはトクマに同情の視線を送りながら、二人の後を追った。

サンドリヨン「本当に何もありませんでしたよ?」
ピーチ姫「くぅ、これ以上は無駄かも知れないわね……NL同盟全員に伝えてちょうだい! 私の部屋でマグスのしょうさ――じゃなくてトクマとサンドリヨンの間に何か起こったか調べるわよ!」
ベヨネッタ「……私、眠りたいのだけど」
ゼルダ「まぁまぁ、来てください」

 そして、やっと恋罵女ハイエナのピーチ姫がサンドリヨンに聞き出すことを諦め、自身の部屋で確認する為に移動した。眠そうな目のベヨネッタをゼルダは無理矢理引きずって行き、サンドリヨン一人になった。

サンドリヨン「……」

 帰ってきた居場所である館の天井を見つめ、眩しさに目を細める。

カービィ「サンちゃんおかえりー!」

 後ろから声をかけられ、振り向くとカービィとアシェンプテルがいた。

サンドリヨン「カービィさん! ただいまです……心配をおかけしてすみません」
カービィ「だいじょうぶー!!」
アシェンプテル「無事に来たようだな」
サンドリヨン「アシェ! 貴女も大丈夫でしたか?」

 カービィは和やかに答え、サンドリヨンはアシェンプテルを心配して話しかけた。

アシェンプテル「あぁ……大聖とメロウ、リンが周りに説得してくれた……とはいえ見張り付きだが……」
カービィ「ねぇねぇ、サンちゃん」

 アシェンプテルの返答にホッとするとカービィが話しかけてきた。

カービィ「みんなでトレ子ンのカメラを見てたんだけど、サンちゃんがアーシェンの攻撃で倒れそうになった時に、トックンがサンちゃんになんて言ったのー?」
アシェンプテル「そんな事言ってたのか?」

 カービィの言葉に目を点にするアシェンプテル。倒すことに集中していたとはいえ、サンドリヨンと戦ってる間に起きた知らない事に興味を持ってサンドリヨンを見る。

カービィ「教えて教えてー」
サンドリヨン「ふふ、周りの方には内緒です」
カービィ「うん!」

 カービィの無垢なおねだりにサンドリヨンは微笑みながら、カービィとアシェンプテルに話した。

サンドリヨン「彼は私に『サンドリヨン!!』って言ったのですよ」
カービィ「……それだけ?」
アシェンプテル「他にもなかったのか? 『負けるな』や『倒れるな』ではないのか?」

 ただ、名前を呼ばれただけでボロボロだった状態のまま自分を殴り飛ばしたことに驚きを隠さないアシェンプテル。その様子にサンドリヨンはやさしく答えた。

サンドリヨン「それが不思議なんです……数多の言葉より、たった一つの言葉で、あの時に聞こえた言葉で身体の中からなくなったハズの力が湧き出たのですよ」
カービィ「……ポヨー……」

 ゆっくりと胸に手を当てながら話すサンドリヨンを不思議そうに見るカービィ。アシェンプテルはわからずに首をかしげる。

アシェンプテル「……私にはあまりわからないな」
サンドリヨン「大丈夫ですよアシェ……ここで暮らせば、その意味がわかります」

 アシェンプテルの言葉にサンドリヨンは答えながら天井を見上げる。


















































クレイジー『逃げたぞ! あのおバカ天パー!!』
ロードピス『まさか服で節足動物やトカゲよろしく、足や尾を自ら切り捨てる行動を再現するとはな……』
チェレネントラ『待ちなさい! パンイチ男!!』
シュネー『私が行きます! 息の根ごと止めてきますね!!』
クレイジー『頼んだ! 私はヤツをホルマリン漬けにする準備をしておく!』
トクマ『捕まってたまるかァァァ!!』

 夜なのに騒がしい様子にアシェンプテルはため息をはいた。

アシェンプテル「やれやれ、騒がしい所だな」

 アシェンプテルの言葉に、サンドリヨンは微笑みながら呟いた。

サンドリヨン「ただいま」


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