二次創作小説(新・総合)

ワタボーハザード ( No.325 )
日時: 2017/10/26 20:21
名前: トクマ

 お待たせしました! ワタボーハザードは今回で終わりですが、カオスマシマシでお送り致します!!

 台風に負けないカオスに仕上がりました(笑)



 走る。疾走はしる。

 フォックス、ルフレ、トクマは迫り来るナニカから振りきる為に全力で走る。

 三人の後ろを鬼気迫る表情で追跡するのは――





































恋罵女「キシャァアァァァァ!!」

 裸族や変隊だと思った? 残念、恋罵女こいばなでした。

 安定の貞子スタイルで奇声をあげながら三人を捕まえようとジョンソン走りで彼女達は追跡している。

フォックス「走れ! 止まったら最後、なにされるかわからないぞ!!」
トクマ「先生! ルフレがすでに虫の息になりかけてます!」
ルフレ「……これ以上……ボケるな……」

 追い付かれないように走るも体力がないルフレに限界が近付き、その様子を見てトクマは足を止めた。

トクマ「しょうがねぇ、あの妖怪どもの動きを止めるか!」
フォックス「そんなことできるのか!」
トクマ「ピーチ姫さんやゼルダさん、ベヨネッタならヤバかったけどこの程度なら簡単に止めれるぜ!」

 そう言ってトクマは懐から十数枚の写真を取り出し、迫り来る恋罵女に向けてばらまいた。

トクマ「必殺! 半径4メートルNLCP(ノマカプ)スプラッシュ!!」
ルフレ「NL写真を周りに撒き散らしただけじゃねぇか!!」

 策がNL写真をばらまくだけという事にツッコミをいれるルフレ。しかし、効果は予想を上回る結果となった。ばらまかれたNL写真に恋罵女は反応し、トクマ達の捕獲からNL写真の回収に移った。

『NLだ! NLがあるぞ!』
『拾え! 早く拾うんだ!』
『ちょっと、それは私が狙ってた写真よ!』
『残念でした! 私が拾ったから私のモノデース!』
『おっと手が滑ったァァァァ!!』
『甘い! その程度でくらうと思ったか!!』

トクマ「争ってる今がチャンスだ!!」
ルフレ「なにが必殺だよ! そんなん誰でもできるわ!!」
トクマ「貴様に秘蔵のNL写真をなくなく消費するオレの心がわかるか!!」
ルフレ「わからねぇしわかりたくもねぇよ!!」
フォックス「お前ら! ケンカしてないで早く――」

 予想以上の成果に悪態つくルフレにトクマが涙を流しながらケンカを売ろうとする。フォックスが納めようとした瞬間、鋭い殺気が三人を襲った。

サムス「その首……置いてケェ!」

 鷹のように鋭い目の頬が赤いサムスが三人に襲いかかって来た……いや、酔ってんのかこれ?

 その姿を見たトクマが流れるような動きでスムーズに懐からある写真を取り出し、サムスに見せるように突きつけた。

トクマ「サムス限定奥義! ファルコン・フラッシュ!!」

 その写真には――裸エプロンで横たわるキャプテンファルコンが写っていた。

サムス「ブハァッ!?」

 刺激が強かったのか、見た瞬間にサムスは鼻から真っ赤な液状の情熱を噴出して後ろに倒れこむように気絶した。

トクマ「ふぅ……念のために撮っといて正解だった」
ルフレ「どこがだ! 刺激が強すぎて気絶してるだろ!! アイツもいい加減に慣れろよ!」
フォックス「しっかりしろサムス……なんか幸せそうな表情で気絶してる!?」
トクマ「今の内に走るぞ!」

 まるで名作劇場の『フランダースの犬』のラストシーンにて、名画を見て悔いなくこの世から去る少年のような安らかな表情で気絶しているサムス。

 いまだにトクマがばらまいたNL写真を奪い合う恋罵女をよそにトクマ達は静かにかつ迅速にその場から離れていった。

フォックス「距離も近くなってきた。気を引きしめろ」

 フォックスの言葉に首肯くトクマとルフレ。ふと、ルフレは肌寒さを感じた。

ルフレ「……なんか寒くないか?」
フォックス「そうか? オレはわからないけど……トクマはどうだ?」
トクマ「ハッキリ言うと寒いですね。秋だから多少の肌寒さはあるけど、これは少し……」

 曲がり角を曲がったトクマ達。そこで目を疑う光景を目にした。

ルフレ「ワタボーが凍ってる!?」

 地面や壁から生えるように氷塊が突き出て、その氷塊の中にワタボーが凍っていた。

トクマ「今の館の中で氷を使える人なんて一人しかいない……」
フォックス「ッ!! 散開!!」
???「どこまでも高く、高く降り積もれ!」

 フォックスの言葉に一斉に離れた瞬間、どこからか声が響き、トクマ達が立っていた場所が凍った。

トクマ「やっぱりこの技はお前か……」

 心当たりがあるトクマはある方向に目を向ける。

トクマ「深雪乃!」
深雪乃「……」

 そこには、静かに佇む深雪乃がいた。

フォックス「雪女なら納得だな……お前ら、さっきの攻撃は避けたか?」
トクマ「ギリギリです」
ルフレ「同じく」

 深雪乃の攻撃を避けたかを聴くフォックスにトクマとルフレは返事をするが、これには理由がある。

 “凍気とうき刻印こくいん

 深雪乃が持つ最大の特徴と言っても過言じゃない独自の能力。

 ゲーム内で一部のスキルを敵にヒットさせる度にわずかにその動きを鈍らせ、累計で3回当てると【凍結】状態となり、完全に凍り付かせて動きを封じる。

 一定以上のダメージの攻撃を受けると凍結状態は解除されるが、その際に追加ダメージを与える。この時小気味いい音を奏でる。

 一応凍結は時間経過でも解除されるのだが、必要な時間は約5秒であり、追撃はほぼ確定と言える。ちなみに凍気の刻印自体は150秒ほど続く。

 かつて、打たれ強さが売りのキャラでアイテムやスキルなどでHPや防御力をいくら上げようが凍結状態になったら問答無用で終わるその強さから、実装からわずか三日程で色々と下方修正を喰らう事となった話がある。

 プレイヤーを探して戦場をかけるその姿、まさしく、こんかつえたおばさん

フォックス「……妙だな……酒の臭いがしない」

 ふと、フォックスがワタボーにかかった人物特有の酒くささを感じない事に気付いた。

トクマ「え? じゃあ深雪乃さんは素で襲いかかったっていう事ですか? それとも早苗みたいに匂いを消したりは……」
フォックス「それはない……お前も知ってる通り深雪乃はそんな考えを起こさないハズなんだ……早苗の時は香水を使ったかもしれないが無臭なんておかしい……」

 首をかしげるフォックスとトクマ。酔ってるのに酔ってないという矛盾した状態に頭を悩ます。

ルフレ「……ん?」

 そんな二人を余所にルフレは深雪乃の腰に何かぶらさがっている事に気付いた。目を凝らしながらよく見る……

【ワタボーもKO(ノックアウト)!! 強炭酸コーラ】

 ……ワタボーより恐ろしいモノを見つけてしまったァァァァァァ!!

 “強炭酸コーラ”

 あまりの炭酸の強さに人が酔うという恐ろしいコーラ。そのコーラが深雪乃の腰に水筒のようにぶらさがっているのだ。

 ……いや、きっと気のせいだ……走りまくった疲労による錯覚なんだろう……もう一度見れ……

 自分に言い訳して精神を保とうとするルフレ。しかし、そんな彼に追い打ちをしかけるかのようなモノが深雪乃の懐から顔を出している事に気付いてしまった。

婚姻届こんいんとどけ

 ……もっと恐ろしいモノがあったァァァァァァ!?

 あまりの事態にルフレは自身の脳が恐怖で震えている事を自覚する。

トクマ「ともかく、ここを通らないと医務室には行けませんね」
フォックス「なら、ここは俺がやろう」

 そんな事実に気付いていないトクマとフォックスは対処法を待つ美猴達の為にフォックスが深雪乃と戦う事を提案してきた。

トクマ「正気ですかフォックスさん!」
フォックス「あと少しでクレイジーの医務室だ……オレが足止めしてる間に早く行くんだ!!」
ルフレ「下手したら不倫になるかもしれないんだぞ!」
フォックス「え、なんでこの状況で不倫の言葉が?」

 いくら初代スマブラファイターでも相手はあまりの強さに三日で修正が入ったゲームキャラ。下手すれば倒される事を心配するとくまとルフレだが、ルフレの言葉にフォックスが首をかしげる。

 そんな様子に深雪乃は静かに刀を抜いた。

フォックス「時間がない! 早く行け!!」

 深雪乃の戦闘体勢にフォックスは自身の武器であるビーム銃――ブラスターを構える。

トクマ「フォックスさん……絶対に戻ってきますから待っててください!」
ルフレ「絶対にサインなんてするんじゃないぞ!」
フォックス「わかったけどさっきからおかしくないかルフレ!? そして何故だかわからないけど別種の寒さが……!」

 その様子を見てトクマとルフレは一刻も早く対処法を持って戻ってくる事を伝え、急いでクレイジーハンドの医務室へと向かった。


 まだ続きます。コメントはまだ。

ワタボーハザード ( No.326 )
日時: 2017/10/26 20:24
名前: トクマ

 フォックスが深雪乃と戦闘中にトクマとルフレはクレイジーハンドの医務室へとたどり着いた。

トクマ「よし、着いた! ……他の感染者は?」
ルフレ「いないが、中にいる可能性は否定できないな」

 周りを見渡してワタボー感染者がいない事を確認するトクマとルフレ。

トクマ「鬼が出るやら蛇が出るやら……」

 意を決して医務室の扉に手を伸ばすトクマ。しかし、触れる前に扉が開いた。

クレイジー「<●><●>」

 トクマの視界に充血した眼で人間態のクレイジーハンドが至近距離で映し出された。

トクマ「●☆○■@%※!?」
クレイジー「落ち着けアーパー天パ」

 急な事に声にならない悲鳴をあげながら逃げようとするトクマの襟首を掴んで制止するクレイジーハンド。

ルフレ「様子を見るに無事そうだな」
クレイジー「当たり前だ。ワタボー程度に私が酔うわけないだろ……ふわぁ……」

 ルフレの言葉にクレイジーは眠そうな眼であくびをしながら答える。

 ふと、青いチャイナ服を着た女性が机に顔を埋めていた光景を目にした。

トクマ「……春麗さん?」

 青いチャイナ服を着た女性――春麗にトクマは心当たりがあるのか思わず声をかけた。

 格闘家にしてインターポールの麻薬捜査官の女性で性格はサムスに負けない芯のしっかりとした女性としてアリスやリン等の一部のメンバーからは憧れの視線を貰っていた女性。

トクマ「あの、大丈夫ですか?」

 その女性がまるで不幸の連続コンボをくらった当麻並に落ち込む光景を見てしまい、心配してしまう。

春麗「……その優しさが辛い……」
トクマ「え?」

 頬が赤い春麗がトクマを一目見て、愚痴のように一言こぼした。思わず目を点にしたトクマだが、春麗はトクマに溜め込んだ水を流すダムのように言葉をこぼしはじめた。

春麗「……私だってさ……その気になればいい男捕まえられるのにさ……強さ見せただけで怯えて別れる男が多いのよ……もうイヤになっちゃう……」

 ……絡み酒かぁ……

 心の中で心配した事を後悔しながら、トクマは春麗の愚痴に付き合うことにした。幸運にも途中で春麗は眠ったので長い時間をとることはなかった。

クレイジー「一応、医務室こっちに来たヤツは一部を除いて保護している」
ルフレ「……一部?」

 春麗を常設していたベッドの一つに寝かせ、クレイジーに現状を聞く。その中で気になった言葉に反応したルフレが詳しくクレイジーに質問した。

クレイジー「具体的に言うと……バイオハザードのリッカーみたいになったゲッコウガとかだな」
トクマ&ルフレ「なにそれ怖い」

 とあるゾンビを撃退するゲームにて登場するクリーチャー状態のゲッコウガを想像して震えるトクマとルフレ。道中に会わなかった事にホッとする。

クレイジー「……まぁ、襲いかかったヤツは返り討ちにしてそこら辺に寝かしてるがな」
ルフレ「道理で殆どのヤツの頭にたんこぶ作って気絶してるわけだ」
クレイジー「それで? お前達はなんの用でここに来たんだ?」
トクマ「そうだった! ワタボーの対処法が書かれた本はある?」

 クレイジーの対応に苦笑するとトクマは用件を思い出してクレイジーに事情を説明した。

クレイジー「ワタボー……なるほど。たしかにあるが――」
トクマ「お願いします! 少しの間だけでもいいので貸してください!」
クレイジー「いや、だから」
ルフレ「頼む! 早くフォックスの所に行かないと取り返しのつかない事になるんだ!!」

 強引に頼み込むトクマとルフレ。その二人の様子に何かを言おうとしたクレイジーは言葉を飲み込み、息を軽く吐いた。

クレイジー「わかった……無駄かもしれんが渡そう」
トクマ「ありがとうございます!」

 クレイジーの言葉に歓喜を示すトクマ。ルフレはクレイジーの言葉に一瞬だけ疑問を持ったが、些細な事だと判断して忘れる事にした。

クレイジー「気をつけて帰れ。道中に黒幕に会わないことを祈る」

 クレイジーの手からワタボーの対処法が書かれた本を持ってトクマとルフレは急いでフォックスの元へ走った。

トクマ「あとはフォックスに合流するだけだな」

 安心したのか呟くトクマ。しかし、それがフラグだと気付かなかった。

ルフレ「……誰かいるぞ」

 その言葉に固まるトクマ。廊下の先には二つの影があり、目を凝らす。

さやか「……」
カービィ「……」

 そこには、さやかとカービィが佇んでいた。その姿を見た瞬間、トクマとルフレの頭に電撃が走った。

 ……ヤバイ!!

 危機管理能力が働き、ヤバイと感じたトクマとルフレは回れ右をして全力で二人から逃げ出した。その選択は正しく、十数秒後にさやかとカービィが声をあげた。

さやか「VIOLIiiiiiN(ヴァイオリィィィィィィン)!!」
カービィ「ぶるあぁぁぁぁぁぁっ!!」(若本ボイス)

 …………うん………………………

トクマ&ルフレ「予想より数倍ヒデェェェェェ!?」

 二人の悲鳴を合図にさやかとカービィが二人に目掛けて駆け出した。

 世にも奇妙な鬼ごっこが始まった。


 まだ続きます。コメントはまだ。

ワタボーハザード ( No.327 )
日時: 2017/10/26 20:47
名前: トクマ

 追い付かれないように必死に走るトクマとルフレ。チラリ、と後ろが気になったトクマが後ろに視線を向ける。

さやか「Aaaaaa(ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ")!!」
カービィ「ぶるぁぁぁぁぁぁ!!」

 そこには、狂戦士になった女子高生と見た目とは遠く離れた野太い声で叫ぶ桃色の球体の形をした生物が自分達を追っていた。

トクマ「何がどうなってんだよ! なんでさやかが某聖杯戦争に参加したランスロットみたいになるんだよ! なんでカービィが見た目とは程遠い若本ボイスになるんだよ!!」
ルフレ「恐らくだが、ワタボーを大量に吸い込んだんだと思う……なるほど、予測だが見えてきたぞ」

 下手なホラーよりも恐ろしい光景に叫ぶトクマにルフレが仮説を組み立てた。

ルフレ「さやかとカービィは外で行動していたが偶然にもワタボーに出会ってしまい感染、暴走したさやかが館の壁を壊し、カービィがむやみやたらに吸い込みを行ってワタボーを引き寄せたんだ」
トクマ「だからと言って、普通はああなるのか?」
ルフレ「カービィはわからないが、さやかは大体わかった」

 ルフレの言葉にトクマは嫌々だが耳を傾けた。

ルフレ「ワタボーを取り込んだ拍子に自身の忌々いまいましい過去が再生され、バーサーカーになったんだ」
トクマ「なにそのる気スイッチ!?」

 予想より酷いスイッチにトクマは思わずツッコミをいれてしまった。一体、ここの世界の美樹さやかの過去に何があったんだと不安で心配する。

ルフレ「カービィについてだが……酒乱ということにしよう」
トクマ「妥当な判断だ」

 むしろ、深く考えたくない意思がこの短いやり取りで二人がどのように思ったのか出来るだけ察するようにしよう。

トクマ「それで、アイツらを倒す策はあるのか? はっきり言ってカービィは厄介だぞ?」
ルフレ「もちろんだ。この策が上手くいけばカービィは離脱する……作戦はこうだ」

 走りながらもルフレから策を聞くトクマ。策を理解し、あまりやりたくないが現状ではこれしかないと判断して覚悟を決めて止まった。

ルフレ「いくぞ」
トクマ「おう」

 ルフレはトクマの返事と共に魔導書から魔法陣が描かれたページを一枚破り、指を噛んでわざと出血させて魔法陣の中心に拇印ぼいんを押すと緑色の果物――メロンがルフレの手に現れた。

ルフレ「カービィ! メロンだ! 迷わず食ってこい!!」

 窓に目掛けてメロンを投げたルフレ。カービィは標的をトクマとルフレからメロンに代えて窓に向かって走った。

カービィ「ぶるぁぁぁぁぁぁ!!」

 ガシャァン、メロンが窓を破り、カービィもメロンの後を追って窓から跳びだし、そのまま地面へと落ちていった。

トクマ「こいよさやか! 武器なんて捨ててかかってこいよ!!」
さやか「VIOLIiiiiiN(ヴァイオリィィィィィィン)!!」
トクマ「すげぇ怖い!?」

 挑発すると雄叫びをあげながら接近するさやかに恐怖を抱いたトクマだが、落ち着いてタイミングを測る。

 剣を振り上げるさやかを見て、トクマが声をあげた。

トクマ「ハスター・マキシマム・カーテン……リバース!!」

 全力の防御魔法。しかし、発動したのは自身の周囲ではなく、さやかの周囲に厚い障壁の防御魔法を発動した。

さやか「Aaaa(ア"ァ"ァ"ァ")!!」

 一心不乱に剣を振るうさやか。しかし、その頑強さは伊達ではなく、目に見えない斬撃を繰り出すさやかの攻撃に傷一つ付いていなかった。

ルフレ「……上手くいったな」
トクマ「……だな……」

 ルフレの作戦が成功してホッとするトクマ。気が抜けたのか安心した表情を見せる。

トクマ「まさか、ハスターの防御技を相手を拘束する牢屋に利用するとはな」
ルフレ「頑強な防御魔法や結界は使いようによっては砕けない牢にもなるからな……さっさとフォックスの所に……」
さやか「……Aa(ア"ァ")……aaaa(ァァァァ)……」

 ルフレの言葉に賛成してフォックスの元へ行こうとした瞬間、異様な寒気に襲われた。振り向くと狂化したさやかの様子がおかしい。いままでは嵐のような剣戟を振るっていたのに関わらず、静かにフェッシングのような姿勢をとって集中していた。

トクマ「……まさか……!!」

 嫌な予感が頭を駆け巡る。そんなハズはないと自分に言い聞かせる。しかし、トクマの考えとは関係なくさやかが剣を突くように動いた。

さやか「……aa(ァァ)……LiiiiiN(リィィィィィン)!!」

 パリィン、障壁がまるでクッキーを砕くような小気味良い音を響かせながら壊れていく。その様子を見たトクマとルフレは呆然としていた。

トクマ「……悪い、冗談だろ」

 さやかの繰り出した技に心当たりがあるのかトクマが呟いた。

 “シールドブレイカー”

 マルスがスマブラで使う技の一つでその名の通りシールドを削りやすい特性を持っており、最大まで溜められれば一撃でシールドブレイクさせることが可能な必殺技。

 さやかはこのシールドブレイカーを使い、頑強な防御を誇るトクマのハスターカーテンを砕いたのだ。

トクマ「……狂化してるのにこの技術……まんまバサスロットじゃねぇかよ……」
さやか「VIO(ヴァイオ)……LIiiiiiN(リィィィィィィン)!!」

 唖然とするトクマに目掛けてさやかが叫びながら襲いかかる。反応が遅れてしまい、気付けば剣は最大まで振り上がっていた。

 さやかの凶刃が二人の首目掛けて振るわれ、そのまま……――


















































トレ子「敵は本能寺にありィィィィィィィイ!!」
アルパカ「フェェエェエェェェ!!」
さやか「VI(ヴィ)!?」
トクマ&ルフレ「えぇぇぇぇぇぇ!?」

 ――トレ子、乱入。

 さやかの凶刃が届く直前にどこからともなく白いアルパカに乗ったトレ子がさやかに激突した。

 あまりの事に叫ぶトクマとルフレ、アルパカに激突した拍子で気絶するさやか、そして白いアルパカに乗って日本風な甲冑に身を包んでガスマスクを着けたトレ子というカオスがそこにはあった。

トクマ「助かったけどなんでアルパカに乗ってんの!? なんで甲冑姿なのに頭部だけダース・ベイダーなの! 酔ってんのかトレ子!」
トレ子「トレ子ではありません……真田・エリザベート・幸村です」
ルフレ「なんだその名前!?」
トクマ「たしか信繁のぶしげ! エリザベートだったら忘れるか!」

 ツッコミをいれるも答えにならない答えに叫ぶトクマとルフレ。普段から予測不能な人物がさらに予測不能になっているなんて考えにも及ばなかった。

ルフレ「こいつワタボーに酔ってんのか? それとも通常運転なのか? 全然わからねぇんだけど!」
トレ子「落ち着いてください。多少の齟齬そごはあると思いますが画面の前の読者ならこう思いますよ……それがトレ子なんだなって!!」
トクマ「メタい!!」
トレ子「散れ! 大阪城ベルサイユの夏に!!」
ルフレ「怒られろ!」

 もはや、やりたい放題。フリーダムなトレ子に振り回されて乱闘よりも疲れるトクマとルフレ。

トレ子「レッツゴー!! 天下統一!! ヒーハー!!」

 そのままアルパカに指示を出して爆走するトレ子。その様子にトクマとルフレは何も言えなかった。

 しばらく放心状態の二人だったが、徐々に大勢の足音が近付いてくる。疲労状態に大勢を相手するのは厳しいと判断するも覚悟を決めると、足音の主が姿を表した。

美猴「お前ら無事か!」
フォックス「遅れてすまない!」

 足音の主は美猴とフォックスだった。二人の姿を確認し、ホッとして力が抜けてその場に座るトクマとルフレ。

トクマ「ナイスタイミングです!」
ルフレ「無事だったんだな」
フォックス「美猴に助けられてな」

 どうやら、深雪乃と戦闘中に美猴が加勢して勝利したようだ。自身が考える最悪な事態にならなかった事にルフレは気付かれずに安堵する。

トクマ「迎えに来てくれたのか?」
美猴「……あー……」

 トクマの言葉に歯切れの悪い反応をする美猴を見て首をかしげる。すると足音が聞こえ、こちらに近付いてくる。

サンドリヨン「いた!」
アシェンプテル「みつけたぞ!」
ルキナ「るふれしゃーん!!」
トクマ「え? え!?」
ルフレ「ルキナ!? なんで……」

 まさかの三人に面を食らうトクマとルフレ。その三人の後を追ってシュルクとシレネッタ、大聖も現れた。

シュルク「すみません。ルキナさん達がルフレさん達が危ないと言い出したんです」
美猴「最初は思い過ごしだろうと思ったんだが、念の為に調べたら何かに襲われてて驚いたぜ」
トクマ「そうだったんかぁ……愛されてんなぁルフレ?」
ルフレ「引きちぎるぞアホ……頼まれたワタボーの本だ」
大聖「感謝する」
シレネッタ「早く治さないとね!」

 ニヤニヤとルフレに笑いながら言うトクマを呆れた眼で見たルフレは大聖にワタボーの本を手渡した。

サンドリヨン「……ぶじでよかったぁ……」
アシェンプテル「なでろ!」
トクマ「わかったから手首を握るな……折られたら困るからな……」

 またもや頭をなでる事を強要する二人に苦笑し、心配してくれた感謝をこめて優しくなでる。

トクマ「ありがとうな、二人とも」
ルフレ「ルキナもありがとう」

 不器用ながらも優しくクシャクシャと撫でる手が嬉しくも恥ずかしい感情でこそばゆい表情を見せるルキナとサンドリヨン、照れているのかそっぽを向くアシェンプテル。その様子をシレネッタは暖かい眼で見る。

さやか「えぇ!? なにここ!?」

 その時、トレ子が乗ってたアルパカにかれて気絶してたさやかが目を覚ました。トクマとルフレはそれを見て武器を構える。

トクマ「なに言ってやがる諸悪の根源」
さやか「しょあ!? えぇ!?」
ルフレ「とぼけるのは無駄だぞ諸悪の根源」
さやか「こんげ!? 何か説明してくんない!!」

 トクマとルフレの言葉に驚いて困惑するさやか。その様子を見て二人は首をかしげる。

トクマ「……どうなってんだ?」
シュルク「ワタボーの感染が治まったんです」

 トクマの疑問をシュルクが横から答え、トクマとルフレにワタボーの本を見せた。

シュルク「この本によるとワタボーに感染した人は数時間経てば元に戻るって書いてあるんです……とはいえ、大量に吸った場合は酔ってる間の記憶はないんですが」

 ……だから幽香やクレイジーハンドが含みのある言葉で言ったのか……

 やっと理解したルフレ。覚えていない様子のさやかを見て自身の仮説が正しい事だとわかったが、そうなると危険をおかして医務室に行った意味はなかったことになる。

ルフレ「……つまり、無駄足だったわけか」
大聖「うむ」

 大聖の肯定にトクマとルフレはどっと疲れが増したように感じた。

ルフレ「はぁ、一気に疲れた」
トクマ「まったくだ」
ルフレ「たく、今までの苦労はなんだったんだよ……骨折り損じゃねぇか」
トクマ「まぁまぁ、おかげでちょっとした役得をた……い……」

 そこまで言って二人の表情が固まった。それは現在の状況を思い出し、心当たりがある方向へゆっくりと顔を動かす。

サンドリヨン「……」
アシェンプテル「……」
ルキナ「……」

 そこには、顔を赤くしながら手にあるスマッシュボールを割ろうとしている三人娘がいた。

トクマ「お、落ち着こう二人とも……今回はオレとルフレは悪いことしてないから多目に見て……」
ルフレ「ルキナ、ファルシオンとスマッシュボールを置くんだ。握力でスマッシュボールを砕くんじゃ……」

 なんとか説得するも無情にスマッシュボールは割れ、三人に虹色のオーラが揺らめく。なお、美猴達は静かにその場から避難している。

 三人が武器を構え始め、トクマとルフレは疲労で動かない身体を必死に動かそうとするもサンドリヨン達の方が早く動いた。

サンドリヨン「……お願いです」
アシェンプテル「お前達の頭から……」
ルキナ「私達に関する今日の記憶を――」
トクマ&ルフレ「まっ――」





































































































三人「――忘れろォォォォォォォォ!!」

 館に轟音が響いた。

 その夜、帰ってきたマリオ達が飲み会でトクマとルフレにワタボー酒を振る舞ったが、二人は難しい顔で何か忘れてるような気持ちになっていた。




 これにておしまい。感想やコメントOKです!!