二次創作小説(新・総合)

覚醒・ドルピック島編【一日目】 ( No.47 )
日時: 2016/09/12 17:50
名前: トクマ

 〜わかるようでわからない前回の話〜

 イカボードサンオイルからのドレディアさんにメンチをきられた。


―――――――――――――――――――――――――


 目の前にいるドレディアの恐ろしい眼力を受けながらもトクマは意を決して話しかけようと動いた。

トクマ「ピカチュウ」

 ピカチュウに。

ピカチュウ「どうシャクシャクたの?」
トクマ「リンゴ食うな」

 振り向いた先でピカチュウがのんきにリンゴを食べていた事を指摘すると口に含んでいたリンゴを呑み込む。

ピカチュウ「少し小腹が空いてね……心配なら大丈夫だって、その子は見た目は怖くても中身は優しいハズだから……気に入らなかったら殴るけど」
トクマ「この子殴るの!?」

 まさかの言葉に驚くトクマ。殴るとは思わなかったが、振り向くとそこには――

ドレディア「……………………ア"ァ"?」
トクマ「ッ!?」

 あ……ありのままに今、起こった事を話すぜ! “トクマにメンチをきっていたドレディアさんが8メートルぐらいの距離からいつのまにか目と鼻の先にいた”

 な……何を言っているのか、わからねーと思うがトクマも何をされたのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

 『ここで驚いたらダメだ』と内心で必死に言い聞かせながらトクマは決死の覚悟でドレディアに挨拶を行う。

トクマ「こ、こんにちは〜……」
ドレディア「………………………………ディ」

 長い間があったけど挨拶をしてくれたことにトクマは内心喜んだ。

 “この調子で会話をつづ――”

ピカチュウ「二人とも! うし――」
ゴーリキー「リキィガァッ!!」
ピカチュウ「――ろ……ぉふぅ……」

 瞬間、ピカチュウの言葉とともにトクマの顔の右側をドレディアさんの拳(?)が通過し、後ろから不意打ちしようとしたゴーリキーを殴り飛ばした。その際に肉を叩いて骨を折ったような音が間近で聴こえてしまったのは余談である。

ドレディア「……ア"ァ"……」

 心が折れそうになるがそれは無理もない。殴ってくるとは聞いたが、精々通常のドレディアより少し上だと思ったらゴーリキーを物理的にワンパンで倒せる程の力を持っている事を知ってしまったのだ。先程の挨拶できた喜びを帳消ししてしまったトクマは意気消沈し、それでも自分を奮い起たせる。

トクマ「えと、と、隣いいか?」
ドレディア「………………」

 ドレディアはコクン、と頷く。

トクマ「……………………」
ドレディア「……………………」

 気不味い空気が流れ、どうすればいいかトクマの脳内が混乱する。下手に動けばドレディアの拳が襲いかかることに震えながらズボンのポケット部分に手を置くと何かに触れ、取り出すと出発前にピットから貰ったキャラメルだった。

トクマ「キャラメルだけど……食べる?」
ドレディア「……ディ?」

 話すネタがないので食べて考えようと判断したトクマはドレディアにキャラメルを勧める。初めて見た物に警戒と好奇心を持ってドレディアはおそるおそる一粒貰う。

トクマ「包み紙を剥がして、食べると甘くて美味しいんだ……ほら」
ドレディア「……ディア」

 ドレディアはトクマのやり方をマネてキャラメルを口にいれる。しばらくしてドレディアの目が輝きはじめた。

ドレディア「……ディア!? ディ、ディディア!!」
トクマ「落ち着け。まだあるからな」

 キャラメルが美味しくて気に入ったのか、早くくれと催促するドレディアに苦笑しながらドレディアにキャメルをあげようとするトクマ。一人と一匹の姿はまるで親戚の集まりで親しくなった少女とおじさんのようだ。

 お巡りさん、こっちです。

トクマ「……?」

 ふと、何かの違和感に気付いた。それは見逃してしまう程の小さな違和感だが、彼はそれを見つけた。

トクマ「ドレディア……お前もしかして――」

 質問しようと口を開いた。緊張で鼓動がうるさい。

ゴーリキー「リ"ィ"イ"イ"ィィィキィィィィィ!!」
トクマ「――なっ!?」

 しかし、それは突如として遮られた。気絶したゴーリキーが目覚め、拳を振るおうとしていたのだ。気付くのが遅かったトクマは迎撃するために動くもゴーリキーの攻撃が早く、一撃をくらう覚悟で構える。

 瞬間、謎の浮遊感とともに宙にいた。

トクマ「……ふぁ?」

 追い付かない思考からなんとも間抜けな声が出てしまう。必死に考えてドレディアが自分を投げ飛ばした事を理解した直後に背中から木に強くぶつかった。

トクマ「ぶげら!?」
ピカチュウ「トクマ!!」

 心配そうな顔でトクマに近寄って話しかけ、背負ってどこかに運ぼうとするピカチュウ。

 運ばれるトクマが気を失う寸前に見えた光景は陥没した地面にめりこむゴーリキー、その衝撃で宙を踊るように舞う草花、そして……悲しそうな表情でこちらを見るドレディアだった。



       ―\……ディ……/―



 現在、諸事情により離れたガノンドロフを除いて集合したマリオ達は目的地である市場へと歩いている。気絶したトクマもピカチュウに運ばれている間に目覚めたが先程より表情が固い。その理由は――

 “マズイ……あの時聞けなかったなんて……いや、守ろうとしてくれた事は感謝するけど……とにかくあの子にもう一度会わないと……しかし! 彼女をギャグカオスである二人に知られたら――”

ピーター『おいおいクマの旦那ぁ? こんなおもしろい事隠すなんてヒデェじゃねぇかよ〜』(ニタニタ)
アリス『だよねぇ? ということでクマちゃん、私達も行くからねぇ〜』(ニタニタ)
ドレディア『ア"ァ"――ッ!!』(二人のニタニタした笑顔にぶちギレ特攻)
二人『ギャァァァァァァッ!?』

 ――“撲殺現場……待ったなしっ!!”

 どうでもよさそうで良くない事だった。

 ――“幸いドレディアさんの会うルートは覚えている。今日泊まる別荘から遠くに離れていない。問題は……いかに奴らにバレずに行動するかだ”

トクマ「潰すのは無理……拘束は場所が……」
ルフル「トクマさん?」

 静かに呟くトクマに気付くルフルだが、声をかけても反応しないトクマに怪訝な表情で耳をすます。

ルフル「?」
トクマ「気絶させる……いや……今は夕食時だから……



















        ……毒殺したらいいのか!」

ルフル「良い笑顔で何言ってるんですか」

 思わず反応したルフルは間違っていない。

トクマ「る、ルフル!? 盗み聞きとは趣味が悪いぞ!?」
ルフル「毒殺ほどじゃないと思います」

 ルフルに気付いたトクマは慌てながら誤魔化そうとするが的確な反論に返す刃で返された。

ルフル「それで、今度は何を企んでいるんですか?」
トクマ「なんでもない。別に何も隠してなんかいない」
ルフル「わかりました。とりあえず隠してる事全部話して下さい」
トクマ「隠してないと言ってるのに!?」

 もはや裁判で勝訴を勝ち取れるぐらいのスピードでトクマのウソを見破ったルフルがじりじりと近付き、トクマは内心で焦りながら後退する。あと少しで壁にぶつかる時に……

マリオ「おーい」
リンク「夕飯の買い出しに行くぞー」
トクマ「ほ、ほらルフル、呼ばれてるぞ!」
ルフル「あっ!? 話はまだ終わってな――」

 マリオとリンクの呼び声で気をそらしたルフルから猛スピードで走って離れるトクマ。ルフルが呼び止めようとするが一足遅く、トクマはマリオとリンクの側に移動しており、声をかけられないままルフルはマリオ達と一緒に市場へと向かった。

 感想まだ。

覚醒・ドルピック島編【一日目】 ( No.48 )
日時: 2016/09/11 23:12
名前: トクマ

 あらゆる意味でカオス注意報発令(笑)


 市場へと到着したマリオ達。市場にはモンテ族以外の民族もたくさん来ており、おおいに賑わっていた。

マリオ「それじゃ、各自食いたい食材を適当に選んで」
リンク「帰ったら皆で一品ずつ作ろうじゃないか」
ピーチ「いいわね。そういうの好きよ」
ルフル「何作ろうかな」
アリス「楽しみだよねー!!」
ルフレ「ところで、お前ら料理出来るのか?」
ピーター&マック&当麻「……少しだけ」(目そらし)
トクマ「……」(ブツブツ)

 マリオの一言に(一人除く)全員が賛同し、何を作るか話始める。

マリオ「では健闘を祈る!! 解散!!」
一人除く全員「おーっ!!」
トクマ「……」(ブツブツ)

 マリオの一言で全員が散らばる。グループで探す者もいれば単独で探す者もいるが、ほとんどのメンバーは初めて見るモノに興奮を隠さないで楽しんでいた。

美琴「珍しい物がいっぱいね」
ルフル「うん」
アリス「見て見てみこちゃん、ルフちゃん! 魚屋の前に豚の頭部が置いてあったよ!!」
ピーター「こっちは豚足が飾ってあったぜ!」
マック「元に戻してこい!!」
当麻「これは食材選びのセンスが試されるな」

 まるで修学旅行に来た学生のようにはしゃぐメンバーに周りの人達は暖かい視線で見守っている。

ルフレ「そういえば、マリオさん達は何を選ぶんだ?」
美琴「じゃあ私が聞いてくるよ。同じ物買ったら困るから」
アリス「私も行くよー!」

 ルフレの一言に美琴とアリスがマリオを探しにグループから離れ、歩くと髭を生やしたモンテ族の店を訪ねようとしたピーチ姫を見つけた。

アリス「あ、いたいた。いたよみこちゃん」
美琴「わかったけどその『みこちゃん』ていう呼び名はやめてくれないかしら……」

 アリスが呼んでる呼称に苦笑しながら二人はピーチ姫に近付いていき――

モンテ「へい、らっしゃい! 何にしやす?」

ピーチ「えっと、私は――


























        ――オジサンが食べたいわ」

美琴「」
アリス「」

 衝撃のファーストブリット。二人の心境を言葉で表すならこれ以上の言葉はない。そのまま二人は放心状態でルフレ達の所に戻る。

ピーター「どうしたアリス?」
当麻「何かあったのか?」

 帰ってきた二人の様子がおかしいと気付いた当麻とピーターは質問すると美琴とアリスは涙目で震えながら答える。

美琴「……ピ……ピーチさんが……」
アリス「魚屋のおじさんを食べようとしてた……」
ルフル「魚屋のおじさん?」
ルフレ「お前は何を見てきたんだ?」

 二人の答えに疑問を頭に浮かべるルフレとルフル。

美琴「ううん! 今のはきっと何かの聞き間違い!」
マック「そ、そうか」
ルフル「それならいいですけど」

 美琴の気迫に引きぎみになるマック。無理してる感じじゃないことにルフルは気にしない事にするとマリオが店に立ち寄る所を見かける。

美琴「次はマリオさんに聞いてくる」
ルフル「うん」
ルフレ「よくわからんが行ってこい」
当麻「……不安だし、ビリビリについていく」
ピーター「んじゃ、俺も」

 美琴とアリスが不安に感じた当麻はついてくるピーターと一緒に妙齢であるモンテ族の女性に話しかけてるマリオに近付き、声をかける。

当麻「あのーマリオさん――」

マリオ「あぁ、そうなんだ。俺は――
































       ――浜崎の奥さんが欲しい」

当麻「」
美琴「」
アリス「」
ピーター「」

 撃滅のセカンドブリット。マリオの言葉に度肝を抜かれる所か魂まで持っていかれたような感覚に陥り、それでもルフレ達に伝える為に重い足を引摺りながら戻った。

ルフル「四人とも?」
マック「さっきより落ち込んでるけど今度はなんだ?」
当麻「…………マリオさんが…………」
ルフレ「あの人がどうした?」

 まるで蚊の羽音並に小さな声に首を傾げながらもルフレが先を促すと顔を両手で覆った美琴が答えた。

美琴「人妻に……手を出そうと……」
ルフル「ちょっと待って」
ルフレ「お前らはさっきから何を聞いている」

 流石におかしい事に気付いたルフレとルフルは指摘する。

マック「何かの聞き間違いじゃないのか?」
アリス「でも、この耳でハッキリと!!」
ルフレ「幻聴じゃないのか?」
美琴「じゃあ皆で行って確認しようじゃない!!」
ルフル「別にいいですけど」
ルフレ「やれやれ……」

 ウソをついてるように見えない様子にルフレ達は四人と一緒にマリオを探すとリンクが食材を探しているのを見つける。

リンク「うーん、どれにするか」
モンテ「らっしゃい! 何をお探しで?」

 柱の影に隠れて様子を伺うも特に変わった事はない。

ルフル「普通の買い物ですね」
ルフレ「何もおかしな所はないな」
美琴「そ、そうかしら」
マック「やっぱり四人の勘違いじゃないのか?」
ルフレ「そもそもこんな場所で妙なマネをするとは思えないな」
アリス「う……確かに……」

 ルフレの正論に渋々自分たちの勘違いだと納得しようとした瞬間――

モンテ「ウチは何でも揃ってるよ! 遠慮なく言ってくれ!」

リンク「それじゃあ――

































        ――肉付きの良い高校生を」

マック&当麻((アウトぉ――っ!!))

 抹殺のラストブリット。まさかのどんでん返しに当麻とマックも驚きを隠せなかった。

「こんなところで……ウソだろ!?」
「だから言ったでしょ!」
「ここは通報するべきか……」
「その前に一応事情を聞いたほうが……」
「落ち着け! 落ち着いてタイムマシンを探すんだ!」
「お前が落ち着け!!」

 パニックなる六人だが無理もない。問題発言した三人は尊敬するスマブラファイターで彼氏彼女持ち……しかも人が賑わう中での発言だから慌てるのは仕方ないだろう。

ルフル「待って下さい皆さん」

 そんな中で唯一冷静であるルフルがパニックになってる六人に声をかけた。

ルフル「多分ですがそれ、勘違いだと思います」
六人「へ?」

 ルフルの言葉に目を点にした六人にルフルはスマホに出たモノを見せた。

ルフル「これ全部魚の名前です」
美琴「そうなの!?」
当麻「凄いネーミングセンスだな!?」

 そう。ルフルの言ったとおりピーチ、マリオ、リンクの三人が言った言葉は全て実在する魚の名前である。わかりやすく説明すると……

 オジサン:スズキ目ヒメジ科の魚で髭のある顔が特徴。

 浜崎の奥さん:キンメダイ目イットウダイ科の魚で煮付けが美味しい。

 コウコウセイ:スズキ目イトヨリダイ科の魚でキツネウオが本名。

 余談ではあるが、作者がこの名前を見た瞬間に二、三度見して笑った。何を思ってこんな名前をつけたんだろうか……

美琴「じゃあ、さっきのピーチさんもマリオさんも」
アリス「魚を買おうとしていたってこと?」
ルフル「はい」

 美琴とアリスの言葉にルフルが肯定として頷くと二人はホッとした顔になった。

ルフレ「よくよく冷静に考えたらそんなの買うわけないよな」
マック「たく、ヒヤヒヤしたぜ」
当麻「何事も常識で考えろってことでせうな」
マック「パニックでタイムマシンを探そうとしたヤツの台詞じゃないよな」

 和やかな空気になり、少し脱力するメンバーの視界にトクマが映った。

トクマ「すみません」
モンテ「あいよ! いらっしゃい!」

 余裕が出てきたのか、どんな名前の魚を注文するのか隠れて眺め――

トクマ「一口で成人が数時間麻痺するような毒魚を一匹」
モンテ「ねぇよンなモン」
七人「……………………………………」

 ――絶句した。


      〜マリオの別荘〜



トクマ「人の買い物を覗き見とは趣味が悪いぞ!!」
ルフレ「毒魚買おうとしたヤツに言われたくねぇよ!!」
美琴「何を企んでいるのよ!!」

 マリオの別荘に到着したメンバーだがトクマの行動についてルフレとトクマがケンカしている。マリオとリンクはその様子を猫がケンカするのと同じだと判断して傍観に徹した。

トクマ(毒殺は失敗……てか何で毒殺を考えたんだオレ……パニクってたのか……しかしこのままだと……ドレディアさんによる撲殺現場が……!!)

 冷静になったが事態は好転してないことに頭を悩ますトクマ。しかし、思わぬ所でチャンスがきた。

ピーチ「みんな、キッチンで料理を作るけど全員は無理だから二人一組のグループを今から引くクジで決めるわよ。順番はクジにかかれてる数字がその順番よ」

 ピーチがくじを差し出し、マリオとピーチは“一”とかかれたくじを見せる。

 ――“ん? 二人一組で調理……? つまりピーターとアリス以外のメンバーと組めば、計画を練って実行に移せることができる!!”

 この事に気付いたトクマは歓喜にするが、周りには呪詛を呟いてるように見え、メンバーに引かれている事を彼は知らない。

 その勢いのまま彼はくじを引き抜く。くじの番号は“二”そして“二”のペアとなったのは……――



















            ――ルフルだ。

トクマ「ぃぃぃよっしゃあー!!」

 見事引き当て、喜ぶがルフルはその様子に顔の色が青くなる程の寒気と鳥肌が立った。

ルフル「美琴さん、気持ち悪いから変わって下さい」
美琴「え"……」
トクマ「なぜそんな事を言うんだルフル!! 楽しく料理作ろうぜっ☆」
ルフレ「確かにキモいな」
美琴「どうするの?」
ルフル「調理中はずっと包丁握っています」
マリオ「それじゃあ料理を始めるとするか」
ピーチ「そうねマリオ」

 何はともあれ、料理が始まった。

 感想まだ。

覚醒・ドルピック島編【一日目】 ( No.49 )
日時: 2016/09/12 17:55
名前: トクマ

トクマ「さて、オレたちの料理の番だが……なぜそんなに距離を取る?」
ルフル「近寄らないで下さい」

 マリオとピーチ姫の料理が終わり、トクマとルフルの番になったがトクマを警戒して包丁を昼ドラに出てくる女性よろしくな構えでトクマから距離を取っている。トクマはルフルの様子を見て仕方なく料理を始める。

 ――“しかし会うにしても独力ではやっぱり厳しい。ルフルには事情を話して手伝ってもらうべきか……”

 警戒しながらもジリジリと近付くルフルにトクマは声をかけた。

トクマ「なぁ、ルフル」
ルフル「何ですか?」
トクマ「実は――」

 一方、自分の番まで待機してた美琴は喉が乾いたので冷蔵庫からお茶を取りに席を立ってトクマとルフルがいるキッチンへと移動する。

美琴「お茶でも飲もう」
トクマ「――というわけなんだ」
ルフル「……そういう事だったんですか」

 近付くにつれてトクマとルフルの声が聞こえてくる。美琴は二人に声をかけるが――

トクマ「だからさルフル――」
美琴「二人ともちょっと冷蔵庫に……」

































トクマ「(ドレディアさんに会うから)付き合ってくれないか」
美琴「」

 『ザ・ワールド! 時よ止まれ!!』

 思わずそんな声が聞こえるような感覚になった。意識を回復させた美琴は瞬時に近くにあった机の下に隠れる……パニックになってる事は言わないでおこう。

美琴(え!? え!? どういう事!? トクマがルフルさんに……!? どうして!?)
ルフル「事情はわかりました」
トクマ「わかってもらえたか」

 落ち着こうと必死に言い聞かせる美琴。その間に誤解だとわかるワードが流れるが、彼女の耳には入らない。

美琴(お、おおお落ち着くのよ御坂美琴! 私は学生都市第三位“超電磁砲”と呼ばれた女子中学生!! 買い物の時みたいに誤解かもしれないし……)
ルフル「本気なんですか?」
トクマ「あぁ、本気だ。オレも――(ドレディアさんが新しいスマブラのメンバーとして)好きになってるからな」
美琴(誤解じゃない――っ!!)

 思わず泣きそうになるが耐える。まだ誤解だと言える希望が美琴にはあるのだ。

美琴(で、でも、ルフルさんはトクマに対してそんな仕草を見せたことないから断るんじゃ……)
ルフル「そうですか……嬉しい」
美琴(イヤァアァァァ――ッ!?)

 希望、陥落。美琴の頭の上に【K.O!】の文字が見えたのは気のせいだろうか?

ルフル「でも(他のメンバーには伝えず私だけで)良いんでしょうか?」
トクマ「あぁ(情報が漏れたらいけないから)お前しかいないんだ」

 二人から離れる美琴だが、その姿にいつもの活発な姿はなく、弱々しく歩く姿に心配する人が出るだろう。

ルフレ「どうした御坂?」
美琴「ル……ルフルとトクマが……」
ルフレ「二人がどうした」
美琴「そんな仕草は今までなかったはずなのに……………!!」
ルフレ「何の話だ」

 美琴の様子を見てルフレが声をかけ――おい待て。何でよりによってルフルの兄であるルフレが出てくんだよ! 美琴の誤解が正確に伝わったらガチ乱闘が起こるぞ!!

 そんな事なんて知るよしもなく美琴は『私の口からは言えない……』とどこか遠い所を見るような目で黄昏始めた。


 BGM:ジョーズのメインテーマ


ルフレ「どうせまた下らない勘違いだろうに」

 美琴の様子に呆れ、ルフレはトクマとルフルに近付いてい――誰だ某サメが人を襲う事で有名な映画でおなじみの音楽を流しているやつは!

ルフル「ですが、それほどのパワーキャラなら倒されたら終わりですね」
トクマ「だったら、起きるまでオレを魔導書や剣の柄部分で――」


















トクマ「――殴ってくれないか」
ルフレ「」

 トクマの言葉に驚愕の表情を表し、すぐに近くの机の下に隠れる。

ルフレ(どういう事だ!? まさか御坂が言ってたのは……



























 “美琴『そんな仕草は今までなかったはずなのに…………!!』”




 ……特殊性癖の目覚めという意味か!!)

 ルフレからもまさかの誤解が発生した。その前にBGMを止めろ! 名曲の無駄遣いじゃねぇか!! 確かに自分の友人が知らない間にソッチになったのは恐怖するけど!!

ルフレ(いや、だがさっきの一言だけで断定は……)
ルフル「それはちょっと危ないかもしれません。下手をすれば止めをさす事になります」
トクマ「そうか……だったらせめて――」

ルフレ(もう一度事実の確認を……)
























トクマ「思い切りオレを踏んでくれ」
ルフレ「」

 最悪のタイミングだった。ルフレも美琴と同じようにワードを聞き逃してしまい、そのままルフレも弱々しく美琴の所に歩いていく。

美琴「ど、どうだった……?」
ルフレ「お前の言うとおりだった……まさか、アイツが(Mに)目覚めていたとは……!!」
美琴「そっか……やっぱり(恋に)目覚めてたんだ……」

 トクマの知らない間に誤解する人物が増えてしまった。彼らの悩みを解決できる人物は今の所いない。

 そして、数時間たった。ガノンドロフがマリオの別荘に帰宅し、リンクに謝る。

ガノンドロフ「遅くなってすまない」
リンク「おかえり、ちょうど俺たちの番だ」
ガノンドロフ「間に合って良かった」
リンク「ただ、そっちはいいんだが……」

 リンクが引き攣った表情で目線を向け、ガノンドロフも同じように向けるとそこには――

ルフル(なんとか方法を考えないと……)じっ
美琴(まさかトクマが恋するなんて……)じっ
ルフレ(まさかトクマがMになるなんて……)じぃっ

リンク「なぜかトクマたちが妙な空気になってんだよな」
マリオ「トクマ、お前何やったんだ?」
トクマ「特に何も」

 妙な空気になっている事に全員が首を傾げるが、真相は本人しか知らない。

 感想はまだ。次でラストです。

覚醒・ドルピック島編【一日目】 ( No.50 )
日時: 2016/09/11 23:42
名前: トクマ

 夜、全員が静かに寝静まる中で扉が閉まる音が小さく聞こえた。美琴がその音に反応して起きる。

美琴「……ルフルさん?」

 まだ眠気が残る身体を起こして隣を見ると、寝ているハズのルフルがいない。周りを起こさないように静かに移動すると、途中でルフレに会った。

ルフレ「美琴か?」
美琴「ルフレ、ルフルさんを見なかった?」

 美琴の質問に首を横に振り、どこにいるか頭を悩ますと不意に話し声が聞こえた。

「あの……大丈夫なんですか……」
ルフレ「この声は……」
美琴「ルフルさん!?」

 それはルフル本人の声だった。外から聴こえ、二人は近付こうとする。

トクマ「大丈夫だ」
ルフル「……でも……恥ずかしいですよ……」
トクマ「オレを信じてくれ……」
ルフレ&美琴「!?」

 しかし、トクマの声も聞こえたので二人の間に戦慄が走った……まぁ十中八九、あの誤解のせいだろう。

美琴(あの二人……つ、つつつ付き合ってすぐ!?)
ルフレ(こんなにも早く行動するだと……!!)
美琴(……止めるわよ)←不純異性交遊的な意味で
ルフレ(……止めるぞ)←SM的な意味で

ルフレ&美琴「お前ら! なにやっ――」

 アイコンタクトを行い、意を決して声の方向にいる二人がいる所へ飛び出す。そこにいたのは……

トクマ「よし! いくぞぉ!!」
ルフル「……はい」

 大きめの盾に十字ではりつけられたトクマとその盾を恥ずかしそうに持ったルフルがいた。

ルフレ&美琴「――本当になにやってんだぁあぁああぁぁぁぁ!?」

 予想だにしない事態にツッコンだ二人を責める人は誰もいなかった。

トクマ「な、ルフレ!? 美琴!? 何故ここにいるんだ!!」
美琴「それはこっちのセリフよ! 何か変な事してると思ったら予想より変だし!!」
ルフレ「つか、どんな状況だ!!」
ルフル「その……実は……」

 驚くトクマに美琴とルフレは指摘し、少しだけ騒ぎになる前にルフルが仕方なしに二人に事情を説明した。

ルフル「……という事でトクマさんと協力してたんです」
美琴「そうなんだ……良かったぁ……てっきり付き合い始めたと思った」
ルフレ「そんな事になったら、オレはルキナと駆け落ちして知らん国に亡命するぞ」
トクマ「否定はしない。だがテメェの考えを聞いて一発だけでもいいから本気で蹴らせろ」

 互いの誤解が解けて方や和気あいあい、方や殺伐と言った空気が流れる。

美琴「でも、そのドレディアに会いたいなら明日でもいいんじゃないかしら? 別に無理して今日中に行かなくても……」
トクマ「今日じゃないとダメだ。じゃないとオレは後悔するかもしれない……」

 美琴の言葉をトクマは即答で拒否する。しかも、その顔にはいつもとは違う真剣な眼をした表情である。その顔に美琴はもちろん、ルフレとルフルも驚いた表情になった。

トクマ「あの子はきっと――」
ルフレ「……誰だ!!」

 トクマが続けて言おうとしたらルフレの後ろにある茂みが風もないのに動いた。四人とも警戒して構えると、茂みから姿を現したのは――

ドレディア「……」
トクマ「ドレディアさん! どうしてここに?」

 ――ドレディアだった。

 何故、ここにいるのか疑問で溢れかえっていたが、ドレディアが近付いて来たトクマに右手を差し出した。右手には何かの箱が握られていた。それは中身がまだあるキャラメルの箱だった。

ルフル「それってキャラメルじゃないですか?」
美琴「え? これを届けにきたの?」
トクマ「あの時落としたのか……ありがとうドレディアさ――」

 ドレディアに礼を言おうとしたら、静かに離れようとするドレディアを見つけて止める。

トクマ「――ちょ、ちょっと待った! 何で行こうとするんだよ!!」
ドレディア「………………」

 『何、止めてんだよ』と言いたげな目と表情で見つめるドレディアをトクマはしばらく見つめ、後ろにいるルフレ達に声をかけた。

トクマ「……ルフレ、ルフル、美琴……悪いけど部屋に戻ってくれないか……」
美琴「……え!? 何でよ!!」
ルフル「ちゃんと理由を――」
ルフレ「わかった。俺達は部屋に戻るぞ」

 いきなり部屋に戻れと言われて納得がいかない美琴とルフルにルフレは早く部屋に戻ろうと二人の手を引いて、別荘の中に入っていった。

トクマ「……察しがよくて助かるけど、ルキナにも気付いてやれよな……」

 ルフレに対して感謝と皮肉を言い、トクマはいまだに険しい表情で見つめるドレディアの顔を見る。

 ……本音を言えば早く部屋に戻りたい。今日あったゴーリキーを文字通り沈めた力、間近で聴かされた肉を叩いて骨を折る鈍い音、現在進行形で浴びさられてるドレディアの威圧感、身体に襲う眠気と脱力感、美琴の言う通り明日でも聞くことはできる。

 だからこそ、彼女をこのままには出来ない。

トクマ「ねぇ、ドレディアさん」
ドレディア「…………」

 なんだ、と言いたげな感じで目線をトクマの顔に移してくる。

トクマ「何があったかオレにはわからない。同情はしないし勘ぐりも出来ればやりたくない」
ドレディア「…………」
トクマ「だからオレの質問にひとつひとつ、答えてくれないか? 嫌な事は答えなくていいし、オレもそういう質問の聴き方はしないから」
ドレディア「………ディ」

 そう言うとドレディアは渋々と言った表情で威圧感を納め、ドカッ、と座った。一応了承を取れた事にトクマはホッとする。


 BGM:六兆年と一夜物語


トクマ「そんじゃあ……人の事は嫌い?」
ドレディア「……」(コクン)
トクマ「今日あったばっかだけど、オレの事は嫌い?」
ドレディア「……」(フルフル)
トクマ「じゃあ……オレ達スマッシュブラザーズとは出来るだけ仲良くなりたい?」
ドレディア「……」(コクン)
トクマ「まぁそうだよな。じゃあ──
















     ──俺と一緒に歩くのは嫌かい?」


 そう言うとドレディアさんはトクマの顔を見上げる。

 トクマはドレディアを見た時に違和感を感じた。それは他人には分からない一瞬だったがトクマには気付く事が出来た根拠が三つある。

 一つ目にこの子は人ではないながらも人の機微に関して聡い。最初トクマが怖がっていた事をドレディアはしっかりわかっていた。それでもなお怖がっても触れようとしてきたトクマに彼女は出来るだけ怖がらせないようにしていた。

 二つ目に彼女は感情がよく顔にでる。本人にとっては隠してるつもりだったがトクマにはわかっていたのだ。その証拠として彼女の顔には怒りの象徴とも取れる険が現れていない。

 ──だからこそ、彼女の顔から言いたい事が見て取れる。

 『ワタシがこわくないのか?』と。

 ここで主人公なら格好いい事を言うのだが、彼は主人公ではなく一般人。だからこそ、本音でぶつかる事を選んだ。

トクマ「……言わなくても、わかってるんだよな? 怖いさ、あの時もどの時も……怖いに決まってる」
ドレディア「……ッ」
トクマ「でも、逆もなんだと思うんだよ、オレは」
ドレディア「……?」

 そして、これが三つ目である根拠――

トクマ「──君も“人間が怖い”んだろ、きっと」

ドレディア「───────」

 ――昔のトクマと今のドレディアは少しだけ似ているのだ。彼女の行動は正直な話、トクマから見たらだが昔の自分と同じ……具体的に言えば動物の威嚇行動と大差ないのだ。

 違いがあるとすれば、手を差し伸ばす人物が“いる”か“いないか”である。

トクマ「詭弁だけど、どっちも怖いなら、怖いってお互いに思ってるなら、立場だって同じなんだ。だったらここで互いに警戒しあうより、一緒に行動して、互いの気持ちも変わるかもしれない。どうかな?
















        ──一緒に歩かないか?」

 なんとも臭い事を言ったが、トクマの内面は羞恥心で死にそうである。まさか、自分が恩人に言われた事を似たような言葉で言うとは彼の人生で一度も思わなかった。今この場でなかったら布団に包まってバタバタしてしまいそうだ。

 だからこそ、その言葉はドレディアには――彼女にはしっかりと届いた。顔こそ伏せてしまったが……彼女は自分の手をおずおずとトクマに差し出してきた。

 トクマに、手を、差し出した。

 それが、きっと彼女の答えなのだろう。



























トクマ「これってお姫様願望? 私をどこかに連れ出して的な?」
ドレディア「〜〜〜〜〜ッ!! レーディーアァァァアッッ!!」
トクマ「え、ちょ待べふっ!?」

 最後にトクマは冗談を言い、見事に平手で顎を打ち抜かれた。

 余談だが、トクマが気を失う直前に見えたドレディアの表情は花のような笑顔だった気がしたそうだ。


 〜軽いあとがき的なモノ〜
 今回でドルピック島編【一日目】は終わり、次は二日目です! 新キャラ続々登場の上に個性が濃いですのでご注意を(笑)

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