二次創作小説(新・総合)

覚醒・ドルピック島編【二日目】 ( No.56 )
日時: 2016/10/16 21:30
名前: トクマ

 さぁ、ドルピック島編【二日目】が始まるよ! そして新キャラ登場と言いながら少ない……次回は、次回こそは……ッ!! 今回は少しだけ伏線のようなモノを張ります。これが無駄と言う名のブラフになるかちゃんとしたモノとして回収されるか……それではどうぞ!!

――――――――――――――――――――――――――


 ……いきなりだが、深い深い底にいた。

 周りを見渡そうにも暗くて何も見えず、身体を動かすと少しだけ違和感を感じた。

 移動しようにも困った事になった……歩こうにも前が見えない。しかし、ここで立ったまま時が過ぎるのは飽きている……どうすればいいか……

 何かいい案が浮かばないか考えていると何かが目の前を横切った。

 確認するとそれは――魚だった。

 ……一瞬だけ固まったが納得した。さっきの違和感は水だったのか……なら仕方ないか。

 そして、自分の中である案が閃いた。とはいえシンプルで誰でも思いつく案だ。ここが水の底なら上に行けば何かわかるかもしれない。

 脚にいつもより力を込めて底を蹴った。水をかき分ける感覚を感じながら上へ上へと昇っていく、暫くして水面が見え、跳んだ勢いのまま水面から飛び出すとソコにあったのは――






















































 ――星空に悠然と浮かぶ地球だった。


        ―???―


トクマ「ッ!?」

 地球を目にした瞬間、トクマは勢いよく飛び起き、呼吸を整えながら周りをゆっくりと見渡す。ふと、足元で鼻ちょうちんを膨らませながら呑気に寝ているドレディアが目にはいり、昨日の出来事を思い出す。

 昨日はドレディアさんと約束し、余計な一言で彼女の平手打ちをくらって気絶した事を思いだした。

トクマ「……夢……?」

 ふと呟いたが、トクマはさっきまで見てた夢をただの夢だと断言出来なかった。

 ……夢にしては違和感が多かった。落ち着くには夢だと自覚する所から始まるのにまるで当たり前かのように受けいれた自分もそうだけど出口がどこにあるかわかり、水の抵抗をリアルに感じられ、なにより、夢から覚める直後に見た地球が偽物ではないと自分の勘が告げている。

 まるで、自分が別の“何か”となって……

トクマ「……アホらし……何バカな事を思っているんだよ……所詮夢だろ……」
ドレディア「……ァア〜……」

 浮かんだ考えを一蹴し、トクマは起きたドレディアさんを連れて別荘の洗面所に向かう。

 しかし、彼は気付かなかった。向かう最中に窓ガラスに映った自分の後ろを親鳥の後を追う雛鳥の如くついて来る半透明の大蛸がいた事に……

 二日目となるドルピック島の朝がきた。


 感想はまだ。

覚醒・ドルピック島編【二日目】 ( No.57 )
日時: 2016/10/16 21:34
名前: トクマ

 ドルピック島二日目。島の中央部に位置するドルピックタウンにある勇ましく建っている“大王の像”の前でトクマとドレディアはいた。服装は『はやく人間になりたい』Tシャツと半ズボンで腰にいつもの赤ジャージを巻き、ドレディアは彼の足下で自販機で売ってたサイダーを飲んでいた。

 何故ここにいるかと言えば、今朝にマリオにとある一組を出迎えるメンバーが足りなくなったからヘルプとして呼ばれたのだ。なお、参戦決定したメンバーは判別の為に合言葉代わりとして事前に決められた二つ名を言う事になっている……しかし、ラフな格好をしているとはいえ、南国の島特有の暑さには敵わない。照りつく太陽が一人と一匹の体力を削っていく。

トクマ「しかし、いつ見てもバグってるとしか思えないステータスだな……」

 ふと、ピカチュウから貰ったドレディアに関する資料を待っている間に何回も目を通しているが初対面なら信じられないデータに呆れていた。

ドレディア「ディア?」

 トクマの一人言にドレディアが反応を示して見上げる。

トクマ「……あぁー……ようするにドレディアさんはスゴイって事だよ」
ドレディア「〜〜〜〜〜ッ!!」

 説明する為に考えるが思い浮かばず、自分の感想を答えるとドレディアは瞬時にトクマから顔背ける……若干顔が赤い所から照れてるのだが、トクマの視点からはその照れがみえないので、本人は『答えが気にくわなかった』のかと思って首を傾げていた。

 そんなドレディアから視線をそらして今朝見た夢について考えた。あの時は一蹴したがやはり気になる事があるのか考え始める。

ドレディア「ディーア!!」
トクマ「……そうだな……」

 考え中にドレディアが『私はそんなにもすごいのかよー!!』的なニュアンスで聞いてくるが、トクマは空返事で答える。

ドレディア「……ディーア?」
トクマ「……そうだな……」

 その返事に疑問の声をあげるとトクマはまた空返事で答える。

ドレディア「……ディーア」
トクマ「……そうだな……」

 ドレディアは試しに『バーカ』と言うとまた空返事でトクマは答えた。

ドレディア「…………」

 瞬間、ドレディアはトクマの足に近付き、ゆっくりと息を吐き、力強くトクマの脛を思いっきり叩いた。

 もし実況されたなら『きゅうしょ に あたった! こうか は ばつぐんだ!!』が表示されていただろう。

トクマ「なんだよ、なんなの? バカなの? 死ぬの?」
ドレディア「ドレディ、ディディ……」

 不意にきた衝撃と激痛が襲いくるが痛みによる断末魔を気合いで我慢し、ドレディアを親の敵を見るような目で睨み付ける。ドレディアはそんなトクマを指(葉の先?)指して『お前が悪い』と言いたげな顔をする。

トクマ「たく……ドレディアさん?」

 痛みがひき、周りを見渡すがドレディアがいない事に気付いた。どこにいるか探していると後ろから声が聞こえ、振り向くと――

???「随分と変わった子ね」
ドレディア「ディ、ディア?」

 ――緑色のショートカットに赤い瞳、白のブラウスと襟元に黄色いリボンを身につけ、赤いチェックの上着とスカートを着て、日傘を小脇に抱えてドレディアを興味深く観察している女性がいた。ドレディアも殴ろうにも純粋な興味本位で見てくる人物に珍しく戸惑っている。

トクマ「……」
ドレディア「デ、ディア! ディディーア!!」
???「ん?」

 トクマがこっちを見ている事に気付いたドレディアは素早くトクマの足下に移動して隠れる。ドレディアを目で追っていた女性もトクマに気付いて顔を見るが、少し驚いた表情をしてからこちらを見始めた。

???「あなた……ファイターなの?」
トクマ「あ、はい……えっと……」

 トクマの説明に少し頷き、小脇に抱えていた日傘を開いて微笑みながら答えた。

幽香「自己紹介が遅れたわね……私は【四季のフラワーマスター】の風見幽香よ」

トクマ「……ファ!?」

 その言葉にトクマは度肝を抜かれた。

トクマ(イメージと全然違う……オレの知ってる風見幽香って言ったら……なんかこう……SSC(スーパー・サディスティック・クリーチャー)で植物以外まったく興味がないハズ……何より、ドレディアさんが戸惑うぐらいの人柄の上に少なくともこんなおしとやかじゃないハズ……どこでメガシンカしてきたんだ!?)

幽香「フフ、意外かしら? 顔に驚いたと書いてあるわよ?」

 トクマの無意識に出た表情に笑いながら指摘する風見幽香にトクマは固まった。その様子にドレディアは首を傾げる。

幽香「無理もないわ。貴方の知る【風見幽香】とここにいる私は別人……世の中には私が変態の世界だってあるのよ?」

 その言葉にふと、トクマは自分が知る風見幽香を思い出す。目の前の風見幽香――仮名でゆうかりん、そのゆうかりんが自ら言った変態の風見幽香を頭に思い浮かべ……

トクマ(……うん。忘れよう)
ドレディア「……?」

 触らぬ神に祟りなし。それ以上はダメだと判断して考えるのをやめた。

トクマ「すみません。まさか待っていた新メンバーとは思わなかったから驚いてました……紹介が遅れましたが【一般人枠から参戦したファイター】のトクマです。こっちはドレディアさん」
ドレディア「ドレディッアー!」
幽香「よろしくね。実は私の他に三人いたんだけど少し離れて……仕方なく先に待ち合わせ場所に行ったらその娘がいたってことよ」

トクマ「それじゃ、その三人が来るまで待って――」
???「いました! もう会ってるじゃないですか!!」

 待ってる間に幽香に飲み物を買おうとしたら、向こうから三人の少女――その内の一人が大声をあげて近付いて来る。

???「やっぱり屋台を物色している場合じゃなかったんですよ!!」
???「珍しいモノを売っている屋台が悪いんだぜ」
???「お代を払わずに持っていこうとしたのは何処の誰ですか!!」
???「しょうがないでしょ? 久々のカロリー摂取なんだからどれを食べるか迷ったのよ」
???「常に食べるようして下さい!!」
???「それが出来たら苦労しないわ!!」
???「逆ギレ!?」

 一人は黒髪で胸元に黄色いリボン、赤と白で腋の部分が露出している特殊な巫女装束を着た頭にある大きな赤いリボンが目立つ気だるそうな目をした女性、

 一人は片側だけおさげが前に垂らしている金髪でリボンのついた黒い三角帽を着用し、黒系の服に白いエプロンという服装、手には箒を持っていかにも魔法使いを語るような身なりをしている。

 一人は胸の位置ほどまである緑のロングヘアーで頭に蛙のアクセサリーを着け、髪の左側を一房白蛇の髪留めでまとめて前に垂らしている。白地に青の縁取りがされた上着と水玉や御幣のような模様の書かれた青いスカートだが、先程説明した巫女の腋が露出している部分は同じである。

 性格も容姿もバラバラだが、昔からある『女三人よれば姦しい』と言うことわざができた理由が納得できる瞬間だった。

幽香「ほらほら、ケンカしないの。早く自己紹介をしなさい」
早苗「【守谷神社の風祝】の東風谷早苗です」
霊夢「【博霊神社の巫女】の博霊霊夢よ」
魔理沙「【普通の魔法使い】として名高い霧雨魔理沙さまだぜ!!」

 幽香が三人をたしなめ、赤と白の巫女服を着た少女――博霊冷静、黒系の服にエプロンという服装の少女――霧雨魔理沙、白地に青の縁取りがされた上着と水玉や御幣のような模様の書かれた青いスカートの少女――東風谷早苗が自己紹介をした。

トクマ「はい……確かに確認出来ました。あとはマリオさんに会うのですが夜18時のホテルになります……その間はピンナパークに向かいますがよろしいですか?」
ドレディア「……ディ」

 マリオに見せて貰った顔写真と二つ名を確認できたトクマは今後の予定を伝えると早苗を除く三人が首を傾げた。

幽香「ピンナパーク? それはどんな所かしら?」
早苗「それよりもソコにいるのはドレディアじゃないですか!! ちょっとこっちに来てください! カモォォォン!!」

 幽香の質問を遮るようにドレディアを見つけて興奮する早苗がムツゴロウさんもドン引きするようなテンションでアピールする――

ドレディア「……ア"ァ"?」
早苗「……え?」

 ――それが普通とは違うことに気付かずに……およそドレディアから出ない重低音の唸り声に早苗は言葉を失った。

霊夢「いつもは『常識に捕らわれてはいけません』って言ってるアンタがそんな顔するなんて珍しいじゃない」
早苗「いや、だって、わ、私のドレディア像が……緑のお姫様像が砕け散ったんですけど……」
トクマ「まぁ、ドレディアさんは他より違うけど根は優しい女の子だから変わらないと思うよ?」
ドレディア「……アァ」

 あまり見ない表情にほくそ笑む霊夢に早苗は若干驚きを隠せない早苗、その様子を見て苦笑するトクマとトクマの言葉に『余計なお世話だ』と少し不満を持った目で睨みながらドレディアは返事する。

 感想はまだ。

覚醒・ドルピック島編【二日目】 ( No.58 )
日時: 2016/10/17 04:04
名前: トクマ

 ※ついに見参します。軽いジャブなので皆様のマリアナ海溝より深い心で受け止めてやってください……色々と注意www




早苗「早く! 早く行きましょう皆さん!!」
魔理沙「霊夢遅れてるぜ!」
霊夢「待ちなさいよ二人とも!」

 しばらくして、ピンナパーク――遊園地の説明を終えた瞬間に早苗はまるで水を得た魚のように元気になり、魔理沙と霊夢を引っ張って行こうとしていた。

トクマ「随分と元気になったなぁ……」
幽香「あの子は元々現代に住んでて、幻想郷に入ってからそういう事に飢えてたのよ」
トクマ「……そういう風見さんもなんだか楽しそうですね」
ドレディア「ディーア」
幽香「能力なしで花と会話……それも私の好きな向日葵とできるなら喜ばないわけないでしょう?」

 幽香も見た目は落ち着いてるが、内心では能力なしで花と会話できる事を喜んでいた。その様子にトクマは女性らしさがあったようでホッとしたのは内緒である。

幽香「それじゃあ、案内を頼めるかしら?」
トクマ「あ、あぁ、わかっ……ん?」

 エスコートしようとした矢先になにやら、向こうが少しだけ向騒がしい事に気付いた。

トクマ「なんだ……ライブ?」

 目を凝らして見つめるトクマに一つの人影が見え、その人影をよく見ると――











































トレ子「皆さ〜ん! 裸大将軍でーす!!」
トクマ「」

 ――トレ子だった。

ドレディア「ディ?」
幽香「どうしたのかしら?」

 テレビの一時停止を押した映像の如く固まるトクマに疑問を覚えて安否を気遣うドレディアと幽香。

トクマ「……ごめん。少しだけ用事出来たから先に行ってくれ。場所はドレディアさんが覚えてる」
幽香「……え、えぇ?」
ドレディア「ディ、ディ……?」

 なにやら切羽詰まったような表情で言うトクマに困惑する二人を尻目にトクマは早歩きでトレ子がいるライブステージに向かう。向かう最中で舞台にワリオとスネークを見つけるが、トクマは足を止めることなく進む。

トレ子「今回はゲリラライブで来ましたが、こんなに多く集まって頂きありがとうございます!!」
ワリオ「お、俺様感激だぜぇぇぇぇ!!」
スネーク「おいおい、感極まるのは早いぞワリオ」
男性裸族「そうだぜ! ワリオさん!!」
女性裸族「私達はどんな状況だろうと必ず来ます!!」
ギャグカオス好き女性「なにこのwww熱意wwwガンバレーwww」
ギャグカオス好き男性「無駄にwww熱いwww」

 裸族ファン及びカオス好きな人達が声援を飛ばし、トクマはしばらく進んで近くに抜け道がある所で止まった。

トレ子「新曲の“SURPRISE−NAKED”と“裸の如く”を歌いましたが……アンコールとして! 私達、裸大将軍の始まりの曲とも言える曲を歌いたいと思います!!

 聞いて下さい……ベートーベン“第九”……


      ウェ――――ンヘン

      ヒョ―――ンフェン

      ヒョンロンペンチョン

      フェンチョンペンチャン

       ピョ〜〜〜〜〜〜ロフッ!」

 トクマは地面に手をつっこんで自分の武器である斧を取り出す。

トレ子「ウェ――ディンロンフォン
 
       パンチョンペンチャン

       ポイノイロンロン

        ピーペプ!」

 斧を大砲バズーカ形態に変えて狙いを定めながら、構える。

トレ子「ビーディルボーディル

      ヘェンディンフォンデン

      フォーデルマイデン

      ロンベルデン!」

 大砲にエネルギーが徐々に溜まる。

トレ子「ハーマイロンガン

      ビャービューローホー

       マーデルフォンデン」

 出力を時速30?のバレーボールの衝撃に調節し――

トレ子「ウィ――ベロー!!」

 ――トレ子の叫び声とともに引き金を引き――

トクマ「テメェはどこの魔物だァァァァ!!」
トレ子「マーベラスェ!?」

 ――ツッコミとともに放った。直後に近くの抜け道を利用してピンナパークまで逃げ……全力疾走したのは言うまでもない。

 結論――某魔界の王様を決める少年マンガの魔物が歌っていた曲をデスメタル風のリズムをギターとドラムで刻みながら、無駄に良い声で歌っていたら、誰だってツッコミをいれたくなる。


       ――\ベリーメロン!!/――


         “ピンナパーク”

 ドルピックタウンとの移動方法は船が一般的だが、マリオはとある諸事情で船に乗ることが出来ない代わりに大砲を使って訪れていた(危ないですので、良い子は絶対に真似をしないように)。

 ビーチエリアとパークエリアの二つに大きく分かれており、ビーチエリアには喋るヒマワリやキラーを飛ばしてくる危ない大砲などが観光スポットとなっている。たまにヨッシーの卵に似た変な奴がいるという目撃情報もある。

 パークエリアの見世物はなんといってもヒーローショウである。巨大なメカクッパを相手にジェットコースターに乗りこんで展開されるバトルは一見の価値アリ。

 アトラクションも豊富にそろっており、一回転する海賊船、目にもとまらぬ速さで回転する観覧車、一つ欠けているメリーゴーランド等、他では見られない個性さが売り。近頃、ジェットコースターの再稼働イベントが行われている。しかし、失敗するとジェットコースターの係員から死の宣告を受けるので注意を……

 ……パークエリアが少し物騒なのはこの際スルーしておこう……決して怖いからではない……

トクマ「はぁ……はぁ……なんか疲れた……」

 全力疾走でなんとか誰にも見つからずにピンナパークの出入り口前の門にたどり着いたトクマは呼吸を整えていた。

トクマ「……ん?」

 ふと、門の向こう側に見覚えのある黒い服の女性と白い服の少年の姿が見えた。

トクマ「……気のせいか」

 しかし、遠くにいるのでパッと見そう見えた事にしたトクマは気にする素振りもなく、門のすぐ側にある浜辺のヒマワリ畑に足を運んだ。

 ヒマワリ畑の中央にシートを敷いて、何処からか調達したビーチパラソルを開いて楽しそうにヒマワリと会話していた。歩いて来るトクマに気付いた幽香は声をかける。 

幽香「あら、お帰り」
トクマ「ただいまです……そっちは?」
幽香「とても楽しい時間だったわ……ね?」
ヒマワリ『たのしいー』
ヒマワリ『たのしいたのしいー』
ヒマワリ『デュフフ、そうでござるな』
ヒマワリ『多乃志畏たのしいぜヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 朗らかに笑いながら幽香が答えると周りのヒマワリも嬉しそうに答える……変なヒマワリがいたが、きっと気のせいだろう……

幽香「……大丈夫かしら?」
トクマ「心配しなくても大丈夫です……ドレディアさんと霊夢達はピンナパークですか?」
幽香「えぇ、三人とも年相応にはしゃいで行ったわ……巫女だのなんだの言われても根は少女よ」
ヒマワリ『しょうじょー』
ヒマワリ『しょうじょしょうじょー』
ヒマワリ『Yes Lolita! No Touch!!』
ヒマワリ『暑卯如しょうじょだヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

 幽香がトクマの様子を見て声をかけるが、大丈夫と答える……決してオタク系のヒマワリと世紀末にいそうなモヒカンのような喋り方をするヒマワリがいるわけではない……

幽香「こっちに来なさい」

 何かを思い付いたのか、幽香はトクマを手招きする。それに不思議な表情を浮かびながらトクマは幽香に近付く。

トクマ「いったいなん――」

 瞬間、トクマの視界に幽香の顔とビーチパラソルの裏側、が広がった。

トクマ「――へ?」

 疑問に頭が広がり、冷静に状況を把握したトクマは一つの答えにたどり着いた。

 風見幽香に“ひざ枕”されているのだ。

幽香「ふふ、驚いたかしら?」
ヒマワリ『おどろいたー』
ヒマワリ『おどろいたおどろいたー』
ヒマワリ『悔しいのうwww悔しいのうwww』
ヒマワリ『妃座枕ひざまくらだぜヒャッハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
ヒマワリ『『『エンダァァァァァァァ!!』』』
ヒマワリ『『『イヤァァァァァァァァ!!』』』
トクマ「増えた!?」

 まさかの増殖に驚きを隠せなかったが、現状に心臓の激しい鼓動と息苦しさを感じるトクマ……そして彼は理解した……!!

トクマ(そうか……この気持ちはもしかして――
































 ――命を握られているという事実に対する緊張なのか……!!)

 自身の状況の危うさに……彼の目と鼻の先には風見幽香がいる……それはつまり、変な行動を起こせば簡単に自分の身体をザクロもしくは潰れたトマトになるのは容易い……パラソルの日陰で涼しいハズが冷や汗で涼しくなることに苦笑していると幽香が呟いた。

幽香「それにしても……似てるわね」
トクマ「……似てる?」

 その呟きに首を傾げると幽香は何かを思い出すかの様に話始めた。

幽香「えぇ……貴方のような人物が幻想郷にもいたのよ」
トクマ「……随分と変わった人物なんですね」
幽香「自覚してるのね……その人は霊夢が生まれるより前の――先代巫女の時代にいたの」

 先代巫女……霊夢が巫女になる前に幻想郷を護った人物……ここで出るとはトクマは思いもしなかったが、話を聞き始める。

幽香「無邪気な子供がそのまま大きくなったかと思うような人でね……先代巫女のような強い物理的な力、私達妖怪が持つ言葉では表せない超常の力、多くの生物がまれに持つ固有の力すらない一般人なのに彼と出会うモノ達は人間妖怪神様関係なく交遊関係を持った……流石に鬼や軍神、妖怪の賢者と楽しく宴を開いてた時は目を疑ったわ」

 トクマはこれを聞いて驚いた。なんの力もない人物が鬼や軍神に会って無事だったのだ……普通なら殺されても不思議じゃない。余程のバカなのか、それとも胆が据わっているのか……

幽香「だからこそ、誰もがあの子を親しみ、受けいれ、困った時は力となった。当時は“力が全て”であり“力で解決”が普通だった幻想郷を“心で和解”する偉業を成し遂げた唯一の人物」

幽香「目を閉じても未だに色褪せずに浮かぶわ……赤い羽織をはためかせながら、あの子の後ろをついて行く数多くの巫女、妖怪、神様、魔法使いの百鬼夜行モドキ……敵対心なく笑いながら語る姿を忘れもしない……」

 時に嬉しそうな表情で、時に憂いの表情で、時に懐かしむかのようにどこか特別な感情を持って話す幽香をトクマは見て、その人物について気になった事を八つ裂きを覚悟して幽香に聞いた。

トクマ「……あの子の事が好きだったんですか?」
幽香「そうね。私はあの子の事が好きよ」

 即答。それほどまでに想っていた。そう、【想っていた】……過去形である。

幽香「……でも、できなかった……あの子は人間で私は妖怪、いつか別れが来る事にあの時は嘆いていたわ」

 そこにいたのは、幻想郷で恐れられた大妖怪の一角で【四季のフラワーマスター】と呼ばれた影はなく……一人の女性がいた。

幽香「だからこそ、良かったのかもしれない」

 その言葉を言った幽香にトクマは目を奪われた。何故なら、その時の幽香の顔は――

幽香「暗く血生臭い世界しか知らなかった私にあの子はお日様のような世界を教えてくれた……身体に触れあう風を、心に暖かな光を、感情に数えきれない嵐を起こしたあの子にこれ以上甘えてしまえば、耐えきれずあの子は倒れてしまう……私は充分に恵まれたわ」

 ――気高くも優しく微笑む女性だったからだ。

幽香「……随分と語ったわね」
トクマ「あぁ……その……少し眠っていいスか?」
幽香「えぇ……おやすみ」

 恥ずかしそうに言うトクマに幽香は笑いながら答え、トクマは眠りについた。周りのヒマワリも彼と彼女を優しく見守るかの様に微笑む。

 そしてトクマは微睡みの中で幽香と同じように自分を変えてくれた恩人を――自分が勝手に“センセイ”と呼んで敬愛する人物を思い馳せながら……


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