二次創作小説(新・総合)

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.83 )
日時: 2016/11/29 23:40
名前: 覚醒・ドルピック島編【三日目】

 日曜日更新予定だったのに、スマホ落として壊してもうた……

ルフレ「なにやってんだか」

 慣れないスマホの操作に苦戦しながら、更新始めまーす!


トクマ「希望……それってなんですか?」
マリオ「話す前にこれを渡しとく」

 マリオの口から言われた『希望』という言葉にトクマが質問すると、マリオが布袋を手渡してきた。

トクマ「これは……?」
マリオ「【ふしぎなふくろ】だ。オレのお古だが、結構な量がはいるぞ……あいつらが言った言葉を覚えているか?」

 マリオの言葉に疑いながら布袋を見つめるトクマとドレディア。

サンドリヨン「えっと、確か……」

 ――『……数日前から息を潜めていた甲斐がありますわね』

マリオ「そうだ。これを聞いて俺は一つの仮説を建てた……アイツらは何らかの手段で俺達がドルピック島に来ることを知ったけど、何処に行くのかは知らなかったんじゃないのか?」

 マリオの答えにトクマが首を傾げるとサンドリヨンが解説してくれた。

トクマ「……えと……どういう意味?」
サンドリヨン「つまり、私達の行き先は知っていましたがその島での行動はまったく知らないという事です」
マリオ「それに俺達を倒すなら、バラバラだった一日目を狙えば良かっただろ」
トクマ「……あぁ!!」

 その言葉を聞いてトクマはやっと理解した。マリオ、リンク、ピカチュウといったスマブラの頂点に位置する実力者がサンドリヨンとは別の位置で固まっていたのにも関わらず襲わなかった。

 二日目で合流するから最大にして最後のチャンスだというのに来なかったという事はマリオの言う通り、知らなかったことに納得できる。

マリオ「マンマビーチで仕掛けたことも俺達の目的である海水浴にあたりをつけたってわけだ」
サンドリヨン「でしたら、アドリエンヌお姉様とメリザンドお姉様がここに攻めてくるのも時間の問題なのでは?」

 サンドリヨンの質問にも納得できる。しらみ潰しで探され、ここのホテルにいることがバレてしまったら逃げ場がなくなってしまう。

マリオ「それこそあり得ない……恐らくだがアイツらは私怨で行動している。人が多くいる場所で暴れば自分達の幹部とタブーの耳に情報がはいる……そうすれば自分達は強制送還されるからな……」

 しかし、マリオはサンドリヨンの質問を否定で返した。どこか自信があるマリオの様子にトクマは質問する。

トクマ「根拠はあるんですか?」
マリオ「サンドリヨンを狙ってきた事だ」
サンドリヨン「私ですか?」

 その答えはサンドリヨンだと答えるマリオにサンドリヨンは首を傾げた。

マリオ「ああいうプライドの高いヤツは自分を負かした人物に逆恨みという名の執着を見せるんだ。本来の目的であるサンドリヨンの故郷を襲えばサンドリヨンに復讐できるが、上司が念入りに許さないと言われたら何処を狙う?」

 マリオの質問に考えるトクマ。

 ……サンドリヨンの故郷を滅茶苦茶して彼女を絶望させれば復讐は達成されるが上司――階級が高い人物が念入りに否定すれば恐らくだが、彼女達は怒る。怒った彼女達は行き場のない怒りを正当化する為に矛先を向けるのは――

トクマ「……サンドリヨン」

 トクマの言葉にマリオは無言で頷いた。

トクマ「じゃあどうします? このままホテルに立て籠りますか?」
マリオ「やけくそになって暴れられたら厄介だ……幸いにもマンマビーチからヤツらは動いていない、それに俺達にはまだ――」

 何か言おうとしたマリオは途中にも関わらず、突然黙り始めた。

トクマ「……マリオさん?」
マリオ「……出てこい。いるのは分かっている」

 マリオに言われて物陰から出てきたのはルフレ、マック、当麻、キリトの四人だ。

トクマ「ルフレ、マック、当麻、キリト……」
マック「悪いな。盗み聞きみたいなマネしてよ」
当麻「だけど、俺達もやられたままのワケにはいかないんだ」
キリト「大切なモノに手を出されて黙るわけにもいかないしな」
ルフレ「オレに作戦があります……やらせて下さい」

 ルフレがマリオに頭を下げて頼み込む。それに対してマリオは――

マリオ「ダメだ」

 ――否定で答えた。

マリオ「お前達は運良く無事だったんだ……これ以上被害を増やす訳にはいかない……サンドリヨン、特にお前は絶対に動くなよ。ヤツらの狙いはお前だ」
サンドリヨン「ですが――」

 マリオの答えにサンドリヨンが反論するが、その反論にマリオは目を細める。

マリオ除く全員「!?」

 瞬間、マリオの周りにいる七人は上から誰かに押さえつけられたかの様に動けなくなった。

マリオ「決定権はオレにある……それを忘れるな。サンドリヨンは部屋に戻って待機だ」

 身体が満足に動かせないにも関わらず威圧だけで動きを封じたマリオに七人は冷や汗をかいた。動けるようになったサンドリヨンは悔しそうな表情を浮かべながら部屋に戻っていった。

 サンドリヨンが去っていった事を確認したマリオは威圧を解き、サンドリヨンの後を歩いて追いかけるが途中でトクマ達に振り向く。

マリオ「……あ、オレの知らない所で動かれたらどうしようもないな……」

 それだけ言い残してマリオはトクマ達から離れていった。

当麻「……あれって遠回しに作戦を認めてることにならないか?」
キリト「わざわざ、あんな重圧をかけなくてもいいだろ……」
ルフレ「みんな集まってくれ、作戦を説明する」

 マリオの何気ない一言に宿る小さな優しさに当麻とキリトはため息を吐き、ルフレは切り替えて作戦を説明した。

ルフレ「――以上がこの作戦の内容だ。何か質問があるヤツはいるか?」
トクマ「持っておきたいアイテムがあるんだが大丈夫か?」
ルフレ「脚に明らかな影響を与えない限りなら大丈夫だ。この作戦はお前の脚と俺の技術、マック達の立ち回りが重要だからな……完了したら自動的にワープするように調整しておく……他はないか?」

 ルフレの問いに全員は無言で無いことを答える。

ルフレ「それじゃ、作戦かい――」

「ちょっと待ったぁぁぁ!!」

 ルフレの声が遮られ、振り向くとそこには颯爽さっそうと登場した人物――

































 ――頭にドロワーズ(俗に言うカボチャパンツ)を帽子のように被り、レースをあしらった黒のパンツを仮面のように着けたトレ子さんがジョジョ立ちしていた。

トレ子「Fooooooooo!!」
トクマ「テメェはどこの変態仮面だ!」
トレ子「ウープス!?」

 衝動のまま、トレ子にドロップキックをしたトクマに周りにいたルフレ達は誰も責めなかった。むしろ躊躇なく行動した彼に内心で賞賛した。

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.84 )
日時: 2016/12/25 00:18
名前: 覚醒・ドルピック島編【三日目】

トレ子「痛いじゃないですか〜」
当麻「今のお前の方が痛いよ!」
キリト「てか、そのパンツどうしたんだよ?」

 (見た目が別の意味で痛いのに)痛くない様子のトレ子を指摘する当麻。キリトはトレ子の身に付けてた二つの下着類について質問した。

トレ子「拾いました」
トクマ「拾ったって、そんなバカな話があるわけな――」

 トレ子の言葉にバカバカしいと思いながら否定しようとするがとあるワンシーンが頭に浮かんだ。

















 ――『あっぶな!! クビチョンパになるとこだったぁ!!』
















トクマ「あの時かぁぁぁぁぁぁ!!」

 おまわりさん。トレ子(この人)です。

 心からの叫びにトレ子以外トクマから一歩退くルフレ達にトクマはトレ子に詰め寄る。

トクマ「なにしてんの!? お前、本当になにしてんの!? バカか! バカなのか!!」
トレ子「安心してください。等価交換で私のパンツを置いてきました」
トクマ「改めてバカか!! 誰かトレ子さんの頭に身に付けてる下着類を回収して! あの二人は敵だけど全力で謝っとくから!!」
ドレディア「ディアァァ!!」
トレ子「らめぇぇぇぇ!! まだhshsもprprもしてないのにぃ!! せめて、せめてknkknkだけでもぉぉぉ!!」
トクマ「頼むからマジメにやれぇぇぇぇぇぇ!!」

 トレ子の行動に激しい頭痛を覚えるトクマ。何が悲しくて自分の相棒であるドレディアと変態系健康お姉さんによる敵である女性の下着の取り合いを見なきゃいけないんだろうか……

ルフレ「目的はなんだトレ子」
トレ子「手伝いに来ました」

 トクマがキリトから頭痛薬を貰って飲んでいる間にルフレがトレ子の目的を聞くと彼女は即答で答えた。

トレ子「あなた方の作戦はうまくハマればいけますが、成功前提ではダメです……よって、私が一肌脱ぎます」
当麻「今はふざけてる場合じゃ――」
ルフレ「待て当麻……聞いてからでも遅くはない……聞かせてくれないか? 今は1%でも確率をあげたいんだ」

 当麻を制止して、詳しく聞こうとするルフレの言葉にトレ子は不敵に笑い、作戦を説明する。



 


   












マック「……なぁトレ子さん、フザケてるんスか?」

 マックが怒りを通り越して呆れを抱きつつ、疲れた様に問い掛ける。周りも一部を除いて大体似た様なリアクションだ。

トレ子「私は至極大真面目です。これで度肝を抜かれない人はいません」

 トレ子はきっぱりと断言する。

トクマ「……トレ子! フザケている場合じゃないんだぞ! 大概にしろよ!!」

 珍しくトクマが怒りさえ口調に交えつつ、立ち上がって中村に猛抗議する。

トレ子「言いましたが、私は大真面目です!! 過去、数多の警察やジョーイさんから束の間行動不能にした私の秘技です! 信じろ、絶対に上手く行く!!」
当麻「いや無謀を通り越して無茶苦茶だろ!! ほら、他の皆も何か言ってくれよ!!」

ルフレ「……いや、それで行こう」
トクマ&当麻「WHY!?」

 真逆のルフレからのGOサインにトクマと当麻が絶叫する。

キリト「仮に失敗してもそこの変態がやられるからデメリットは何も無い」
ルフレ「一種の陽動と考えろ。囮は派手な方が敵も引っ掛かり易い」
マック「……本気で言ってんのかお前ら?」

トレ子「では三人に聞きます……私が説明した人物が出てきたらあなた達は即座に対応出来ますか?」
トクマ&当麻&マック「うぅ……それは……」

 トレ子の問い掛けに唸りながらも否定の言葉が出ない三人。

マック「……本当にやる気なんスか、トレ子さん……?」
トクマ「トレ子……変態だ変態だとは思ってたけど、そこまで変態だとは思わなかった」
トレ子「なんとでも言いなさい……この私の実力に平伏すがいいさ」
ルフレ「準備もあるから各自、十分後にここに集まってくれ……散開!!」

 ルフレの合図に一斉に散らばり、各々の準備を終え、ルフレ達はマンマビーチへと移動した。

























メリザンド「……どうやら来たようですわね」
アドリメンヌ「……待ち侘びタゾ。遅いっタラアリャしないワネ!!」

 遠方に微かに見えてきた、メリザンド達に向かって疾走してくるフードを深く被ったコートを羽織った人影に、侮蔑を含んだ笑みを見せながら臨戦態勢を取るメリザンド達。

 そして、戦況は動き始めた。

メリザンド「……一人か? 他の連中はどうした?」
アドリメンヌ「逃げたンジャナイ? ドンな策ダロウと通じナイワ!」
メリザンド「とはいえ、猪の様にただ突っ込んでくる訳ではないハズですわ。楽しみですね……どのような愚策を選んだのか」

 メリザンドの言う通り、メリザンド達目掛け突っ込んでくるのは一人を除いて姿が視認出来ない。その背格好からして長身らしい、フード付きのコートを着ているため表情さえ伺えない人物は、更に一段階加速すると同時にメリザンド達から残り400m程の位置で、着ていたコートを勢い良く脱ぎ捨て、その姿を露わにした。

 後にトクマはその時の凄まじい光景についてこう語る。






トクマ『いやもう何て言うか……一言で“ヤバい”だな。うん、 ホントそれしか言えない、うん。確かに敵であるメリザンド達が揃って呆気に取られてたんだから、確かに有効な手段だったと思うよ? でも普通あんな場面であんな事仕出かそうなんて誰も考えないでしょ頭おかしいんじゃないかと本気で思った……まぁ、だからこそ成功したから文句言うのは間違いだってわかってるんだけど……やっぱりなぁ……』










































































 その人物は先ずKO☆KA☆Nに相当する部分に白鳥ヘッドが自己主張激しくそびえ立つピッチピチの黒いパンツを履いていた。白鳥に持ち上げられてめくれ上がり、風に翻るのはシフォンミニスカート。

 丸見えになっていて意味の無い絶対領域を強調する様に濃いピンク色のニーソックスを身に付けた足元で一歩足を踏み出す毎にキュピキュピと愛らしい音を鳴らすのは、可愛らしくデフォルメされたひよこスリッパだ。

 上半身には『やらないか』の文字と共にツナギ姿のとある自動車修理工の姿が印刷されたTシャツを纏い、駄目押しにそのTシャツの上からモスグリーンのブラジャーを装着、剥き出しの首元には何故か金ラメの蝶ネクタイ、可愛らしい赤いリボンの付いた左右の手には左手に極太のズッキーニを逆手に、右手には獅子舞の頭を持って歯を絶えずカタカタと鳴らしながら暴れるかのように振り回す。

 顔には黒いパンティを仮面の様に、頭にはカボチャパンツを帽子のように被っている。七色の発光ダイオードが塗られたマントをたなびかせながら走るその人物は、鳴き声の様な奇声を発しつつ、一直線に突っ込んで来た。

「ミィィイィィプゥぅウゥウゥぅ!!」

 どう控えめに表現しても史上最大の変態が其処に居た。

アドリエンヌ&メリザンド「………………は? ……………………」

 メリザンド達は揃って間の抜けた声を上げ、近付いてくる怪人をポカンと見つめる。怪人がメリザンド達から残り100mを切った所で呆然としながら見入っていたアドリエンヌがハッと我に返り、叫ぶ。

アドリエンヌ「な、なんか来タァァァァァァァ!?」

 その叫び声にメリザンドが正気に戻り、すぐさま右手から黒いバレーボール程の大きさのエネルギー弾を射出する。

 得体の知れない悪寒に突き動かされ、メリザンドの放ったエネルギー弾の一撃が怪人目掛けて突き進む。

怪人「ちょわっ!!」

 しかし怪人はバネ時掛けのオモチャの如く、尻を横合いに突き出した反動で後ろ向きに跳躍、攻撃を紙一重で躱すと半回転してガニ股で着地、そのまま腰を左右に振りたくり、身体全体をくねらせた気持ちの悪い女の子走りで尚も接近する。

アドリエンヌ「……フザケタ真似ヲォォォォォ!! ツか、アノ頭に被ッテるアレッテ私の下着カ!?」

 何処までもフザケたその動きにアドリエンヌは激昂して大剣を振るって突進する。メリザンドは怪人を近付けさせまいと先程よりも小さな野球ボール程の大きさのエネルギー弾を連射し始める。

怪人「ふふふ……当たらないよ………!」

 怪人はクネクネした動きで器用にエネルギー弾を躱し、突っ込んでくるアドリエンヌに対して獅子舞の頭を盾のように構え、ズッキーニをナイフの様にチラつかせる。

アドリエンヌ「っ……!! 真っ二ツニシてやル!!」

 突然現れた怪人の登場に混乱しながらもアドリエンヌとメリザンドの息の合った連携は敵ながら実力の高さが目に見える。

 しかしメリザンド達は余りに予想外なナマモノが現れたからか、冷静に対処しているようで冷静では無かった。怪人の格好は確かに超絶的な衝撃インパクトで、何がしたいのかよく解らない動きは確かに混乱を誘う為、浮き足立つのも無理は無い事ではあるが、これ程派手な動きをする輩は、普通の精神状態ならば陽動だと看破して然るべきだったであろうからだ。

 襲いかかる驚異を前に、怪人ーー言うまでも無い事だがトレ子であるーーは不敵に笑い、叫んだ。

トレ子「今です!!」

 トレ子の叫び声に反応してアドリエンヌとメリザンドの背後からトクマがワープブロックを口に加えて二人の腕を掴んだ。

アドリエンヌ「ナッ……!!」
メリザンド「しまっ――」
ワープブロック『転移ヲ開始シマス』

 無機質な声とともに二人はどこかへ転移された。その様子を見てトレ子は高笑いする。

トレ子「ヒーハハハハハ!! ざまぁないですぇ!?」
ルフレ「いってる場合か……ここから正念場だ! 油断するな!!」

 魔導書の角をトレ子の頭にぶつけて自重するように言い、クロノダイルの方へ振り向いて武器を構える。

ルフレ「来いよ、トカゲ野郎――」
当麻「お前が俺達の大切なモノに手を出すってんなら――」
マック「何度でも戦ってやる――」
キリト「悪いな……ここは……――」






























ルフレ「お前のふざけた運命を変えて見せる!!」
当麻「いいぜ……まずはその幻想をぶち殺す!!」
マック「何度倒れても立ち上がるのがボクサーだ」
キリト「……通行止めだ」

クロノダイル「■■■■■■!!」

 クロノダイルの叫びを合図に構えたルフレ達は譲れぬ想いを自分の武器に宿して目の前の敵にぶつかった。

覚醒・ドルピック島編【三日目】 ( No.85 )
日時: 2016/11/29 23:36
名前: トクマ

 走る、走る。ドルピック島から離れた無人島といっても過言じゃない島でトクマは死物狂いで走っていた。

 ルフレから話された作戦は納得でき、問題はなかった。しかし、予想外なトラブルは起きた。

???「アッチニイッタゾ」
???「オエ! オエ!」
???「ムコウカライケ、オレタチハコッチニイク」

 全身が青い幼稚園ぐらいの大きさの兵隊がわらわらと大勢率いてトクマを追っていた。

 【兵隊召喚】……自身の魔力を媒介に小型兵士“ミニオン”を召喚する魔術。サンドリヨンや吉備津彦も使える魔術の一つであり、消費する魔力も少なく済む。一体の防御力と攻撃力は低いが集団による攻撃は当たれば痛い目を見ることになる。

 この魔術により、一対二の鬼ごっこは一対百二の鬼ごっこになったのだ。

 ……一気に不利になった? ……その答えは間違いである。

アドリメンヌ「聞いてナイわよ……あの男は一般人ノハズナノニ……あんなに足がハヤイナんて!!」

 トラブルが起きたのはトクマだけではない。スマッシユブラザーズとはいえ一般人であるトクマを簡単に捕まえられるとアドリエンヌとメリザンドは高を括っていた……それは間違いだと知らされるまでは……

 トクマは戦うことが苦手だ。それでも戦闘大好きのメンバーに引きずられて戦うことから逃れなかった場合は乱闘で必死に逃げる。自分は一般人で周りは英雄および反英雄。実力は天地の差があると理解している。

 理解しているからこそ、諦めが悪いからこそ、彼は逃げながら戦うことを選んだ。数多のファイターから必死に走り、息を潜め、武器で仕留める。例え格下の相手でも手を抜けばあっという間に負ける環境が彼に力を与えた。

 逃げ続けた彼の脚力は一般人の枠から離れ、本気の蹴りで太めの木を蹴り倒せる威力へと成長したのだ。それは始祖鳥が空を飛んだような成長で周りのファイター達に賞賛された。

 ……当の本人はあまりの事実にショックで三日間寝込んだのは余談である……

アドリエンヌ「ムカツク! 不意打ちサレタノニ一向に攻撃があたらナイ! ムカツクんだよ!!」
メリザンド「狙いが定まらない……まるでゴキ●リですわね……」
トクマ「好きで速くなったんじゃねぇんだよ! あと、誰がゴ●ブリだ!! わらわらと兵士こいつらを無尽蔵に召喚して襲ってくるお前らの方がゴキ●リだわコノヤロー!!」
メリザンド「くっ……ミニオン! あの男の進路を防げ!」
ミニオン「ピギー!」

 軽口を叩きながらミニオンを指示して逃げ場をなくそうとするメザリンド。トクマはミニオンが塞ごうとする進路にとある物体を投げた。

 それはミニオンが通路を塞いだ瞬間に投げた物体――センサー地雷が爆発し、慌てるミニオンにすかさずスマブラのアイテムの一つである【バンパー】を投げる。うっかり触ったミニオンはバンパーに勢いよく反発され、それによってがら空きになった進路を先程よりスピードをあげて通過した。

メリザンド「なにっ!?」
トクマ「はっはー! こちとら奇人変人超人集団と鬱になる程戦ったんだ! たかだか塞いだだけでどうにかなると思うなよ! オ・バ・サ・ン!!」

 驚くメザリンドとアドリエンヌに向かって町中で十人中十人がゲス顔と答えるような表情でバカにしながらトクマは森の奥深くへと逃げていった。

アドリエンヌ「アノガキ……!!」
メリザンド「落ち着きましょうアドリエンヌ」
アドリエンヌ「なに言ってルンダイ! あのバカにナメられたママジャムカツクンダヨ!!」

 一般人である彼にバカにされて怒りが一段と燃え上がるアドリエンヌにメリザンドは小さな子に話しかけるような口調で問いかける。

メリザンド「ですが、貴女もわかってるハズ。あの男は一般人でありながら短期間でスマッシユブラザーズの名に恥じない実力を持っている……一介の戦士と認めても充分ですわ」

 そして、見たら背筋が凍りそうな微笑みで言葉を口にした。

メリザンド「だからこそ、落ち着くのです。【戦闘】の経験があちらの方が上でも、【殺し合い】の経験ならこちらが上ですわ」
アドリエンヌ「……ソウね……アリがトう。落ち着イタワ」
メリザンド「いえいえ、それよりも貯まりましたか?」
アドリエンヌ「えぇ、充分に貯まッタゾ」

 今までの怒りが嘘のように収まり、しかし全て消えたわけでもないが獰猛な獣のような笑顔をアドリエンヌは嗤う。

アドリエンヌ「さぁ、狩りの時間ダ」
















――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
















 森の奥深くにあるとある洞窟。トクマはそこで大きく深呼吸しながらこれからの行動を考えていた。

トクマ「ふぅ……ふぅ……あぁ〜怖っ! 命がいくつあっても足りねぇっつーの!!」

 弱音を吐きながらも懐からマリオから貰った【ふしぎなふくろ】に入っているアイテムを確認する。

トクマ「えーと……残りはマキシムトマト二つ、センサー地雷三つ、バンパー二つにミドリこうら二つ、無敵キャンディー一つ……そして奥の手が四つ……回復アイテムが心許もとないのが痛いな……」

 苦虫を噛んだ表情で現状を呟くトクマ。

 ルフレから言われた作戦はこうだ……無人島に転移して離れる瞬間に二人の背中に小型のチューインボムを爆破させ、プライドの高い二人を煽り、マリオ達が回復するまで逃げてルフレ達からワープブロックを起動させて元に戻るという悪く言えば囮のような作戦である。

トクマ「……ぶっちゃけ奥の手は使いたくねぇけど文句は言えねぇ……相手はオレよりもはるかに格上なんだ」

 万が一の為にトクマは奥の手を考えてきたがそれは作戦とは言えない酷いものだから使いたくないのが本音である。

トクマ「……残り三十分……あれだけ動いて二十分しかたってないのか……」

 ……逆を言えば、三十分経てばこちらの勝ちなんだ……

トクマ「……やるしか……ないよな……」

 トクマはそう自分に言い聞かせて弱気になる自分を鼓舞して重い腰を持ち上げ、行動を再開した。

 ……なんだ……妙に静かだ……

 物陰や草場に隠れながら慎重に進んで行くと妙な胸騒ぎと異変に気付く。

 ……ミニオンがいない……なんでいないんだ……人海戦術を使えばこちらが見つかるのは時間の問題……わざわざ有利な部分を捨てるなんて何を考えてるんだ……?

 ミニオンは魔力消費が少ない上に数多く召喚できる。納得いかない事態に怪しく思いながら進んでいく。

 ……にしても暑い! 暑すぎる! ここが南国に位置するって言ってもこの暑さはまるで砂漠だ!

 木陰で若干涼しいとはいえ、気温が暑い南の島に息を吐きながらも慎重に進んで周りを見渡すトクマ。

 ……は?

 そして、その異変の正体に気付いた。

 ……水が……沸騰してる!? いくら暑くてもこれは以上だ! これではまるで――!?

 目の前の泉が鍋にいれて熱された水よろしく沸騰していた。気温が高いとはいえありえないモノを見たトクマは急いで上を見上げるとそこには――

トクマ「……そんなのアリかよ」

 ――全長30mもある大玉の火球を真上に掲げたアドリエンヌがいた。

アドリエンヌ「消えナサイ」

 島を燃やし尽くす火球にトクマは回避不可能と判断して武器である斧を大砲に変形させて火球めがけて引き金を引いた。

トクマ「名も無き咆哮ハウル・オブ・ゼロ!!」

 大砲から放たれた紫色の光線が火球を貫いて分散させた。

 ……軽い? ……まさか!!

 しかし、手応えがあまり無かったことにトクマは怪訝な表情になる。そして相手の策にハマった事に気付くも時すでに遅く、メリザンドが剣を降り下ろした直後だった。

トクマ「ぐぅ!!」
メリザンド「アドリエンヌ!!」

 辛うじて致命傷を避けることが出来たが反撃のチャンスを与えない猛攻に手も足も出ずに受け続け、服を掴まれて空高く投げ飛ばされた。

アドリエンヌ「お前ハアノ忌ま忌マシいオンなと同じグライ強クテ足がはやクテ背もたかクテ憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ憎イ憎イニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ憎ッ、憎ッ、憎ッ、憎ッ、憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎ッ!!」

 上空で待機していたアドリエンヌは狂気と思える程の憎悪とともにトクマの一回りも二回りも大きく紫色に燃える炎――【憤怒の炎】が形成され、放たれた。

 【憤怒の炎】がトクマに襲いかかる。

トクマ「……っ!!」

 咄嗟の判断でトクマは袋からセンサー地雷とミドリこうらを取りだし、センサー地雷を斧に設置してミドリこうらを力強くぶつけた。

 爆発の衝撃により憤怒の炎から逃れることは成功したが、完全にとはいかず袋の一部にかすってしまいそこから勢いよく炎が燃え始める。

 消火は無理だと判断したトクマは急いでアイテムをポケットに詰めるだけ詰めて袋を捨てる。その際に袋の中に入っていた地雷が反応して爆発し、トクマを吹き飛ばした。

 ……直撃は間逃れたけど道具の大半が燃やされた……残りは地雷一つと奥の手だけ……考えろ……かんがえっ!?

 爆発の余波と逃走の疲労、蓄積されたダメージであまり身体が動かない所をザクッ、行動を考えてる最中に腕と足に刃物が突き刺さった感覚と鋭い痛みが身体中を駆け抜けた。

トクマ「〜〜〜〜〜ッ!!」

 痛みに苦しむトクマをメリザンドはサッカーボールを蹴るかのように蹴った。蹴った先には壁があり、激突してしてトクマの肺の空気が押し出される。

アドリエンヌ「散々テコズラセテ、見せシメニ四肢を斬りオトスカ?」
メリザンド「それもいいですわね。私の考えは――」

 トクマの目の前にはまるで無邪気に遊びを決める子どものように話し合うメリザンドとアドリエンヌの姿が見え、自分の状況がイヤでも理解した。

 ……絶体絶命ってやつか……

 そう思ったトクマの頭に記憶がVTRの再生よろしく流れ始めた。

 ……走馬灯か……笑えないな……

 いつも一緒にバカばっかやった当麻とルフレとマック、相思相愛なのにテンパるルキナとルキナに手助けするルフル、気楽だがシメる時はシメるマリオ、苦労人のリンクとガノンドロフ、もふプニの事になると超人になるサムスとシュルク、恋人に関してドSなゼルダ、変態のトレ子、裸族、個性が大きすぎて胃もたれになる新メンバー……――

 ――……そして最後に一日目の夜に笑ったドレディアと悔しそうな表情を浮かべるサンドリヨンが見えた。

 ……だからだろうか……彼が……

アドリエンヌ「イイワね! アイツを燃ヤシツクシタ灰をムカツクあいつラにばらマクノハ最高よ! 早速燃や……シ……て…」

メリザンド「アドリエンヌ? どうしま――」

 アドリエンヌの様子に首を傾げて後ろを振り向く、そこにいたモノを言葉を失った……それは――



































 ボロボロになり、血も地面に滴り落ち、肉体はおろか精神も限界のハズのトクマがまるで『まだ戦える』と言いたげな感じで立っていた。そして幻覚なのか、今にも倒れそうな彼を半透明の大蛸が彼を支えながらアドリエンヌとメリザンドに威嚇している。

メリザンド「なんなの……アレは……」
アドリエンヌ「そんな……バカな……」
トクマ「…………」 

 一歩進む。いつの間にか大蛸は消えており、一歩、また一歩とトクマはアドリエンヌとメリザンドに近付く。

メリザンド「アドリエンヌ! ヤツを近付かせるな!!」
アドリエンヌ「倒れなさい! この死に損ないが!!」

 アドリエンヌの口から放たれた罵倒の言葉が刃に変わり、トクマの身体を傷付けるが進む。

 その様子が不気味に思えたアドリエンヌはさらに刃を鋭くかつ量を増やす。まるで吹雪といっても過言じゃない攻撃に反応せず、トクマは前に前にと進む。表情も見えず、得たいの知れない様子である目の前の男性に二人は畏怖する。

 ふと、蹴った石が蹴り飛ばされた際に落としたセンサー地雷に当たり、爆発して砂煙が広がり、視界が見えなくなる。

アドリエンヌ&メリザンド「なっ!?」

 まさかの出来事に驚くも、下手に動けば危ないと判断した二人は一ヶ所に固まって構える。やがて砂煙が晴れて二人が見たのは――























 ――トクマの奥の手である“スマートボム”を足下に集めた他のスマートボムにぶつけて起爆させようとする姿だった。

 まさかの考えに二人は止めようとするも彼の行動が一足早かった。カーン、と金属質な音が周囲一帯に響いた。

トクマ「一緒にイコウや?」























瞬間、眩い閃光とともに無人島の地面を揺らす震動と轟音が響いた。

 オマケあります。感想はまだ。