SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

第14回 SS小説大会 開催!〜 お題:争い、憎しみ 〜
日時: 2017/09/09 19:00
名前: 管理人 ◆cU6R.QLFmM

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【日程】

■ 第14回
(2017年9月2日(土)〜11月30日(木)23:59)

※ルールは随時修正追加予定です
※風死様によるスレッド「SS大会」を継続した企画となりますので、回数は第11回からとしました。風死様、ありがとうございます!
http://www.kakiko.info/bbs_talk/read.cgi?mode=view&no=10058&word=%e9%a2%a8


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【第14回 SS小説大会 参加ルール】

■目的
基本的には平日限定の企画です
(投稿は休日に行ってもOKです)
夏・冬の小説本大会の合間の息抜きイベントとしてご利用ください

■投稿場所
毎大会ごとに新スレッドを管理者が作成し、ご参加者方皆で共有使用していきます(※未定)
新スレッドは管理者がご用意しますので、ご利用者様方で作成する必要はありません

■投票方法
スレッド内の各レス(子記事)に投票用ボタンがありますのでそちらをクリックして押していただければOKです
⇒投票回数に特に制限は設けませんが、明らかに不当な投票行為があった場合にはカウント無効とし除外します

■投稿文字数
200文字以上〜1万字前後まで((スペース含む)1記事約4000文字上限×3記事以内)
⇒この規定外になりそうな場合はご相談ください(この掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」にて)

■投稿ジャンル
SS小説、詩、散文、いずれでもOKです。ノンジャンル。お題は当面ありません
⇒禁止ジャンル
R18系、(一般サイトとして通常許容できないレベルの)具体的な暴力グロ描写、実在人物・法人等を題材にしたもの、二次小説

■投稿ニックネーム、作品数
1大会中に10を超える、ほぼ差異のない投稿は禁止です。無効投稿とみなし作者様に予告なく管理者削除することがあります
ニックネームの複数使用は悪気のない限り自由です

■発表日時
2017年12月3日(日)12:00(予定)

■賞品等
1位入賞者には500円分のクオカードを郵便にてお送りします
(ただし、管理者宛てメールにて希望依頼される場合にのみ発送します。こちらから住所氏名などをお伺いすることはございませんので、不要な場合は入賞賞品発送依頼をしなければOKです。メールのあて先は mori.kanri@gmail.com あてに、■住所■氏名 をご記入の上小説カキコ管理人あてに送信してください)

■その他
ご不明な点はこの掲示板内「SS大会専用・連絡相談用スレッド」までお問い合わせください
http://www.kakiko.cc/novel/novel_ss/index.cgi?mode=view&no=10001

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平日電車やバスなどの移動時間や、ちょっとした待ち時間など。
お暇なひとときに短いショートストーリーを描いてみては。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

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神様なんて ( No.1 )
日時: 2017/09/09 22:24
名前: 流沢藍蓮

 ――この世に神様なんていない。


 傷つきすぎた少年は、言った。


 ――神様なんてものがいるとしたならば。僕は全力で、神を呪ってやる。


 神様は人を助ける存在だという。
 すべての人の平和を約束するという。

 だけど、そんなの、嘘だ。

 信じても、祈っても。平和なんて存在しない。
 幸せなんて、存在しない!

「……神様なんて、クソくらえ」

 焼き払われた町。死屍累々。
 その中で唯一死をまぬかれた少年は。
 死のまみれる町を見て、そう吐き捨てた。
 見上げた空は。涙の青をしていた。


  ◆


 生まれた時から憎まれていた。親に家族に周りの人に。
 彼は、生まれた時から。恐ろしい力を持っていたから。
 故に鬼子、故に忌み子。そう蔑まれて生きてきた。
 馬鹿みたいだよねと彼は思う。
 そんな自分だけが生き残ってしまったという事実に、どこか皮肉に笑ってみせた。

 時は戦乱。時代は戦国。
 様々な国々が互いに侵略し合い、多くの国が消え、国境線は毎日というもの書き変わる。
 その戦乱は。少年のいる小さな町にも。波及するまでに時間はかからなかった。
 しかし町の人は徴兵を嫌がった。
 だから焼き払われて、皆殺しにされたんだ。

 ――唯一、少年を除いては。

 少年には力があった。だからその力を恐れた人々によって、彼だけは殺されなかった。
 馬鹿みたいだと彼は思う。
 頼られれば。「化け物」と呼ばれたその力を使って。みんなを助けることだってできたのに。
 誰も彼を頼ろうとしなかった。誰も彼を、見ようとさえしなかった。
 だから彼だけが生き残って。
 今、虚ろに空を見上げている。

「……神様なんて、クソくらえ」

 もう一度、空を見上げて呟いた。
 もしもこの世に神様なんてものがいるとするなら。
 神様なんてものが、こんな悲劇を、こんな戦争を。振りまいているとするならば。
 そんな神様なんていらない。
 もしいたとしても、彼はそれを信じずに、言うのだろう。


「神様なんて、存在しない」


 と。

 まだ戦争は続いている。一向にやむ気配がない。
 少年はしばしその場にたたずんでいたが、やがてゆっくりと歩き出した。
 どこへ? それは、少年にだってわからない。
 でも、生き残った以上は。生き延びなければならない、そう思ったから。
 行くあてもなく、帰るあてもなく。「化け物」と呼ばれた少年は歩く。
 廃墟を出、見知った光景から離れ。ただ虚ろな、流浪の旅を。
 生き延びなければならないから。


 それは、その時代ならばどこにでもある、よく見られた光景の一つだった。

可愛い姫は姫を憎む ( No.2 )
日時: 2017/09/19 17:22
名前: 奈由

こんなことがあった。

「権力なんて無駄よねぇ」

気取った姫様そういった。

仕える従者見下して。

権力あるから従者がいる。

何もできない彼女のために。

母親にはたくさんの服を、

父親にはたくさんの物を、

姉にはたくさんの男を、

従者には甘やかしを、

与えてもらっているというのに。

従者はみーんな憎んだよ。

自分がどれだけ権力にお世話になっているかもわからない、

バカな姫様を。

殺そうとしたさ。

誰でも、

国民だってそうだ。

散々働いて尽くして、尽くして、

税金払って、払って、

空腹や貧乏に耐えて、耐えて、

散々権力に従ったのに、なのに、

奴は、

『無駄』

といった。

誰だって憎むさ。

私以外。

私はその光景を見て、

ただ、

ただ、

ただ、醜いものですねぇ。

妹様。

そう言った。

妹様は、

ええ、あの姉がね。

権力で暮らして、

権力で私を閉じ込めたくせに。

貴方だけよ。

あなただけが私と一緒。

あの憎々しい姉に使えない、

優しい、

優しい、

優しい貴方。

何百人の人を殺し、

戦争を貫いた、

貴方。

何千人と人を殺し、

戦争を作った、

私の可愛いパートナー。

と、言った。

私も、

人を殺して楽しんだ、

私の可愛いパートナー。

そう言った。

そして2人はこう言った。

『そう、貴方こそ。
貴方こそ私の可愛いパートナー』

妹様の顔は、

「あの姉が憎いわぁ」

と、書いてあった。

飾りの王様 ( No.3 )
日時: 2017/09/21 15:43
名前: 流沢藍蓮






 ――嫌いだったよ。





 姉さんは僕にそう言った。
 そうして。僕と姉さんは訣別した。
 別れたくはなかったのに。


  ◆


 違うんだ、違うんだ。
 姉さんは本当は僕のこと、好きなはずなのに。
 生まれと運命に翻弄されて。バラバラに引き裂かれた双子。
 僕は王の子。姉さんも王の子。
 なのに。
 僕に付いたのは王族派で。姉さんに付いたのは反王族派だった。

 今。姉さんを立てている反王族派は。国に反乱を起こすため、着々と準備を進めている。
 姉さんを、新たな時代の王と立てて。古き王政を打ち砕くため。
 今。僕を立てている王族派は。反王族派を倒すため、各地に連絡を飛ばし着々と準備を進めている。

 仲が良かった双子なのに。気がつけば立場は正反対で。
 殺しあわねばならなくなって。
 戦いたくはなかったのに。こちらの意見、無視されて。
 お飾りにしか過ぎぬ王は。政治に何の口出しもできないで。
 これからも。人形のようにして、生きていくのだろうか。

 憂いの溜め息をついた。僕はこれから、姉さんを倒す。
 姉さんがいなくなってから。すでに三年もの歳月が流れていた。
 あの日以来、会ってはいないけれど。次に会ったときは殺し合う時。
 ……悲しいよ。

「陛下、お時間でございます」
「わかった、すぐ行く」

 執務室の扉を叩いて。そんな声がした。
 ああ、いつも僕に命令ばかりする、宰相だね。
 僕はまだ16歳。成人の儀も終えていないから。
 父上が病で急逝した後。僕の後釜に収まって、いい感じに僕を操っているんだ。
 とはいえ。操り人形の王様に、逆らう方法なんてないんだ。
 僕は大人しく身支度を済ませ。そのまま扉の外に出る。

 こんなときだけ、侍従が身支度の手伝いをしてくれたけれど。
 僕は知っているから。侍従が僕に浮かべるのは、冷笑しかないんだってこと。
 だって、お飾りだからね。仕方ないのさ。心から慕ってくれる者なんていないのさ。
 半ば諦めながらも。僕は部屋を出、城を出て。
 馬に乗って、向かうは決戦場。
 僕は、姉さんを、討つ。


  ◆





 ――大好きだったよ。





 内心で。私は双子の弟に呟いた。
 今日はいよいよ決戦の日。腐りきった王政を正す日。
 向こうのトップには弟がいて。こっちのトップはお飾りの私。
 剣持ち戦う庶民の味方。戦場の戦女神と言って、みんな私を慕うけれど。
 でも、私は知っているんだ。私なんて、求められちゃいないってこと。
 みんなが欲しいのはあくまでも「理由」であって。頂点にいただく者は、誰でも良かった。

 ――私じゃなくても、良かったのに。

 あの狭い王宮で。
 私は剣が上手い戦う乙女で。弟は読書が好きな勉強家で。
 小さいときは。私が騎士のたしなみとして、あの子に剣を教えていたこともあったわ。
 あの子は大変な努力家で。身体が弱いのに、一生懸命練習していた。
 だからその剣の腕は、今や私と並び立つほど。
 とても仲の良い双子だったの。

 なのに。反王族派は私を「庶民的」として持ち上げて。王族派は弟を「貴族的」として持ち上げた。
 確かに。ここの王族の専横は認めるけれど。
 弟が王になれば。あの子ならきっと、それを変えられるって。私、信じてた。

 それなのに。勝手に持ち上げられた私は。今、あの子と戦うさだめ。
 しょっちゅう病気して泣いていたあの子は。今は一国の王となって。反逆者たる私に剣を向けるんだ。
 ……そして「お飾りのトップ」たる私は。この剣で、あの子の首を刈る。

 下らない憎しみからだった。いがみ合っていた上層部。
 それが。その二つの勢力が。「王」という大義名分を得て。戦へと発展した。
 そもそも。私たちは、双子に生まれてはならなかったのだろうか。
 
 私は白銀に輝く剣を掲げ。それでも願った。
 小さな体に秘めた叡智。優しく静かな弟に。


 ――私のことなんてどうでもいいから。お願い、生きて――。


 私みたいな馬鹿が王様になったって。どうせ操られるだけでしょう?
 ならば。そんなになるくらいならば。
 あの子が生きて、王様になった方が。
 よっぽどいいんだ。


  ◆


 開戦のラッパ。翻る旗印。
 王族の証の獅子の旗と。反王族派の血濡れた剣旗。
 嗚呼、戦わなければならないのか。
 僕らの間に、憎しみはないのに。
 ……悲しいよ、ああ。

「先鋒、前へ!」

 騎士団長が指示を飛ばす。彼の言うとおりに軍は動く。
 僕? 僕ならば、何もしない。ただ姉さんを探している。
 お飾りの僕なんて。作戦には不要なんだってさ。
 僕に課せられた使命はただ一つ。
 それは、姉さんを殺すこと。

「戦女神だ!」
「戦女神がいらっしゃるぞ!」
「王族派に未来はない!」

 声が、上がった。
 見れば。剣を持った姉さんが。
 兵士にまぎれて戦っていた。
 否、戦わされたという方が正しいのだろうか。

「陛下、あの戦女神を!」
「……わかってる」

 宰相に言われるまでも無く。
 三年ぶりに見た懐かしい姿に向かって。僕は一気に駆けだした。
 輝かんばかりの金色の髪、明るく光る青の瞳。
 嗚呼、姉さんだ。
 でも、再会の喜びはそのままに。僕は剣を構えたんだ。
 だって、仕方ない。ここで姉さんを殺さなければ。きっと僕こそ「反逆者」になって。上層部から殺されるんだから。
 僕は生きていたいんだ。まだ、死にたくないんだよ。
 やっとまた、会えたのに。王家の双子は、互いに剣を向けるだけ。
 望まぬ運命に翻弄されて。周囲の憎しみにあそばれて。

「……姉さん」
「……××」

 三年ぶりに相まみえた僕らは。
 そう、互いを呼んだ。

「……殺したく、なかったよ」
「あたしだって、そうよ! でも!」

 ゆがんだ愛の形。
 僕らはどこへ漂着するのか。
 悲しみが、言葉を作る。僕の発した言葉は、見事に姉さんのそれと重なった。







「「でも、周りがそれを許さなかったから!」」







 そうさ! だから僕は、あなたを殺すんだッ!
 姉さん、僕は強くなった。だから見てほしい。生まれ変わった僕の剣技をッ!
 生きたい生きたい死にたくないッ! だから許してッ!





「――僕の邪魔をしないでッッッ!」





 血を吐くような思いで振った剣は。
 流石姉さん、神速の剣技で防がれて反撃される。
 しかし。反撃を力に! 僕はそれを受け流して一撃。
 姉さんはすかさず距離を取る。

「……強くなったわね、××」
「姉さんだって。ずっと強いままだね」

 その言葉を聞いて。姉さんは悲しげに笑った。

「当然よ。だって私は……戦女神だもの」

 そう生きることを強いられた。
 僕が「王」として生きることを強いられたのと、同じように。
 でも、決着をつけなければならないから!

「来世でまた会おうよ! 運命を呪おうよ!」
「次に生まれ変わる時は、平凡な姉弟でいたいわねッ!」

 傷つき、血を流してもなお、傷の増え続ける心。
 想いの全てを託して。
 僕と姉さんは、突撃する!

「はぁぁぁぁぁあああああああああッ!」
「そりゃぁぁぁぁぁあああああああッ!」


 ――交差した。


 僕と姉さんの、剣が。










 ――勝負は、一瞬だった。










「…………ッ」
「姉さん!」

 姉さんの身体が、くずおれる。
 僕は慌てて、その身体を支えた。
 姉さんの腹には深い刺し傷があって。一目で致命傷と見て取れた。

 嘘だ。僕は見ていたのに。
 あのまま行けば。双方刺し違えて相討ちとなって死ぬだろうって。
 そうさ。あの太刀筋のままならば。どちらとも死ぬはずだったのに。
 腹に衝撃が来たのを、確かに覚えているのに。
 姉さんの手に目をやれば。

 ――剣が逆さに、なっていた。

 姉さんは剣を逆手に、握っていた。
 姉さんが僕にぶつけたのは。だから剣の刃じゃなくって。
 ……持ち手の、柄の方だったんだ。
 だから僕は、死ななかったんだ。

「……どうして」

 僕の両の眼から涙が溢れる。
 姉さんは僕を殺せたのに。どうして殺さなかったのだろう。
 死にかけの姉さんが言葉を紡ぐ。

「あなたは……いい王様になれるから……」

 生きていて、欲しかったのだ、と。
 あなたなら、きっと今を変えられるから、と。
 身勝手だよ、姉さん。そうやって、後をすべて僕に託して。姉さんは死んでいくんだね?

 死に逝く姉さんは。最高に綺麗な笑顔で、言ったんだ。





「――大好きだったよ」





「……大っ嫌いだ」

 その言葉に。
 僕はそう、返してやった。
 最後までひねくれている奴だよ。
 でも、姉さんは。僕が天邪鬼だって、知っているから。
 優しく笑って、死んでいったんだ。

「戦女神、討たれたり!」

 遠くでそんな声が聞こえた。
 僕にはどうでもいいことだ。
 好きだった、大好きだった。
 それでも僕らは争いあって。僕はその手で姉さんを殺した。
 それが事実、それが真実。
 運命と周囲に弄ばれた僕ら双子の、哀れな末路。
 そして僕は、王になる。

「陛下、ご命令を」

 早くも戦勝ムードに湧き上がる正規軍。
 そこで、軍のトップが僕に言ったんだ。
 だから僕は、命じた。
 この国の王の、権限で。





「じゃあ、死ね」





 あなたたち軍部には死んでもらう。
 そうして一から立て直すんだ。
 狂ってる? おかしいかい? でも。ここは腐りきってる。


 ――換えるなら、根っこから。


 だからあなたたちには、死んでもらうよ。

「軍部丸ごと。下っ端兵士以外は全員死ね。これは国王命令だ。逆らうことは許さない」
「……承知、致しました」

 逆らう権利なんて、ないからね。
 軍のトップは。表情をなくして。
 そのまま僕の前からいなくなった。

 僕はやがて歩き出す。
 さあ、戦勝処理の始まりだ。


  ◆


 ずっと昔、国があったよ。そこの王は姉を殺した。
 あまりにも悲しい運命に翻弄されて。少年はいつしか大人になった。
 彼はこれまでの歴史を変えた。彼は強く誓ったから。


 ――二度と。誰かの意思で、個人の意思が捻じ曲げられるような国を、作らせない。


 手始めに彼は国の上層部を処刑したけれど。
 その後の治世は、非常に優れたものだったらしい……。

生きる ( No.4 )
日時: 2017/09/22 15:52
名前: 雅

私は…生きる。
なにが、あっても…ぜったい
いじめられても。それが、ひどくなろうが。
暴言を、吐かれようが、暴力をふられようが。
私は…生きる。
ある時、決心した。私は。
訳はね、家族が…………
大好き…だから。
私は、その大好きな家族を、悲しませるような、まねは、しない。ぜったいに。
だから……………
私は、生きる。なにがあろうが。
ぜったい。

sky ( No.5 )
日時: 2017/09/29 16:15
名前: 鏡は歪むとどうなるか

神原鈴菜。
その名前はこの学園…いや。この世界のだれもが知っていた。

美しい容姿。
凛々しい態度。
優秀な成績。
驚異の身体能力。
ありあまるほどの財産。

そう。彼女は完璧だった。

行いも能力も見た目も世界の「鏡」だった。

そんな彼女を誰もが羨んだ。
半分の人が妬みや恨みを覚えた。
彼女の血を吸えば美しくなれると誰もが彼女を傷つけようと試みた。


だが、成功したものはだれ一人おらず、皆彼女の防人に追い払われて帰ってきたという。

私も女だから、美貌の血がとても羨ましく、飲みたくて堪らなかった。
そして、ある日彼女の自宅に乗り込んだ。

警備は驚くほど薄く、正直行けるのではないかと思うくらいだった。

喉の渇きが止まらない。


私の持っていないものを何でも持っている彼女。


この世の鏡の彼女。



彼女の…鏡の顔をぐちゃぐちゃに歪ませたい。



そして、私が鏡だと崇められたい。



私が世界の頂に立つ。彼女に変わって。


自然と早まる足。
自然と荒くなる息。
自然と吊り上る唇。

もうすぐ…もうすぐだ。

もうすぐ私が、彼女になる。



突然、私の前に大男が現れた。
奴だ、防人だ。彼女の優秀な唯一のボディーガード。
強靭な強さと肉体を誇る彼はとても美しかった。


けれど、私のために消えて。

振り下ろされた私の拳を手で受け止めた防人は目を丸くして飛び退く。
私の手には刃があった。

刃に映る私は、笑っていた。
倒せる。と実感した。

すると防人は声を立てて笑い出した。
カラカラと鈴の転がるような音で笑った。
これが、男の人の笑い声?

「貴女、面白いのね。」


防人が目を細めていった。




その声は、彼女だった。


この世の鏡鈴菜。

男…?



「鏡だって、簡単にわれるのよ。」

そう言って笑った彼女の拳は一瞬にして私の頬にあたった。











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