SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

名無し少女。 ( No.61 )

日時: 2016/11/23 11:14
名前: さくら


ねぇ、なんで。

なんでなの。


なんで君はいつも私を名前で呼ばないの?

ねぇなんで?


いつもいつも、君。

きみ、きみ、きみ。



「君はさ、」「おきてよ、ねぇ」「君ってさ、」



ねぇ、と君の2つの呼び方。


ソレ以外に呼ばれたことなんてあっただろうか。



私がさ、電車でさ、寝てたことあったよね。

君は起こそうとしたね。

そのときも君は、「ねぇ、ねぇ」って。


君は私の名前を呼ばなかった。

だからわざと寝たふり続けてたんだ、ごめんね(笑)

騙した訳じゃないよ、君をためしただけ。

まぁ、さすがにゴムパッチンされて起きたけど(笑)


それからも君はずっとずーっと君って私のことを読んだね。


本当に本当に最後まで、君は。



だからね、私も悔しくてここでは名前じゃなくて君、って誰かわからないように書いてあげた(笑)


今まで私のことを名前で呼ばなかった罰だよ、ざまあみろ(笑)




本当はね、何で名前をよばないの、って聞いてやろうかとも思った。

けどね、怖かった、答えを聞くのが。

えへへ、意外と弱虫なんだよ、私。



じゃあ、最後に私が君に伝えたいこと。


私はね、少し君のことが好きだったかもしれない。

今さら、ってかんじだよね。けど、今だからだよ。


楽しい時間をどうもありがとう。

あなたのお陰で私は、とてもとっても楽しい毎日を過ごせました。


ありがとう_____


*



それが書いてある紙は僕の涙でぐちゃぐちゃだった。


僕こそ。君のお陰で。


じゃあ、最後に教えてあげる。

僕が君の名前を呼ばなかった理由。



それはね、いずれ君がいなくなる気がしてたから。

そしたら、本当に君はいなくなるんだもん。


卑怯だよ、君は。


いずれいなくなる君を僕のなかで呼ぶのが怖かった。

僕の中の誰かにしたくなかった。

だから、だよ。

僕は君を嫌いなんかじゃないよ。

そうだね、僕も秘密を一つ教えてあげよう。







僕も君が少し好きだった。

この感情がすきって気持ちかはわからないけど、君に特別な感情をもっていたよ。

どうもありがとう。

君のお陰で僕も楽しかったです。




お墓の前で手をあわせ、そう祈る。

今はいない彼女のために。



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