SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

君が来るが、待ち遠しい ( No.62 )

日時: 2016/11/26 07:36
名前: はてなの子

運命を呪う何て言葉、使ったことなかったなぁ。

でもね、ひー君。私これからもそんな言葉使うつもりないの。

だから、君と出会えて、人生の疑似体験をして、とっても幸せ。

とっても幸せな気持ちのまま眠れるの。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

眩しいくらいに星が光っている。僕はそれを見ながら君に笑いかけた。

「ひー君はいつも笑ってるよね〜。私、ひー君の笑い方好き!」

ありがとう。そう思っても照れて口が回らない。

「簡単に……好きって言わないで……照れる」

僕が白旗を出すと君は屈託のない笑顔を見せた。

僕も君の笑い方が大好きだ。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

雨の日だ。傘をさして何気なく歩いてたら、君が飛び込んできた。

「やりぃ!傘ゲット!!」

「ちょ、ちょっと!」

彼女は雨に濡れた髪の毛を絞りながら僕を見た。

「どうしたの?」

文句の1つでも行ってやろうと思ったのに。君が可愛すぎるから。

「傘持ってこなかったの?ほ、ほらタオル!僕の使った後だけどそんなに汚れてないし。ちゃんと拭いて」

君は呆然と僕を見た。そして、少し赤く染まった笑顔を見せた。

「ありがとう、ひー君」

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

今日は晴れ。何もない休日だから、ゆっくり過ごすと決めた。

少しおしゃれなカフェで、読書をしながら過ごす。……おかしいな。

君が働いてると聞いてきたのに
君はどこにもいないじゃないか。

だんだん自分のしていることがストーカーじみてると思い込んで嫌になった。

君に逢えないなんて、こんなひどい1日はない。

君がひー君と、僕を呼ぶ幻聴がした。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

久しぶりに制服を出した。今日は新学期初日。始業日だ。

君とは学校であったことはないけど、同じ学校って言ってたから多分逢える。大丈夫。

お節介で甘え上手で笑顔が素敵な君を迎えに行くんだ。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

君は学校に現れない。探し方が下手なだけかも、と。僕は全クラスの出席簿を見た。

僕はあることに気がついた。僕は、僕は、君の名前を知らなかったんだ。あれだけ話していたのに。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

「やっと逢えた」

僕は肩を弾ませた。こんなに走ったのはいつぶりか。

空はオレンジと青が混ざって鮮やかだ。君は白いワンピースを着ていた。

「君が、ワンピースを着るなんて」

「……………しかも、白。そう思ってるんでしょ!私だって女の子だし!清楚な格好だってできるの!」

確かに活発な君が大人しい服を着るなんて考えてなかった。でも、それ以上に、、、

「君に似合ってる」

どんな格好の君も好きだ。

「最初っからそう言ってればいーの!」

君は屈託のない笑顔を見せた。

そうそう、君に逢ったら言おうと思ってたことがあるんだ。

「ねぇ、ひー君に伝えたいことがあるの」

僕は君を

「私は実は」

大好き

「死んでるんだ」

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

空気が凍りつく音が聞こえる。

そりゃそうだよ。私、重大なこと言っちゃったから。

ひー君、気持ち悪いっていうかな。怖いって、私から逃げ出すのかな。

……………私のこと、嫌いになるのかな。

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

嘘だ。君が死んでるなんて。
そう思った瞬間、僕は走り出していた。

もちろん、君のところへ。

君を抱きしめて言う。

「君にはまだ感触がある。僕は君をハグ出来る。キスもできる。君は……君は……」

君は驚いたような顔で僕を見つめて言う。

「ひー君、嫌いにならないでくれてありがとう」

「僕は、君が、本当に」

「ひー君、私は、ひー君が」

「「大好きだったよ」」

僕は、涙をこぼしながら言う。

「今日は、君に伝えたくってここまで来たんだ。あの、一緒に星を見た日みたいに」

君は悲しそうに笑う。

「さよならの時間だよ。この世界を恨まないでね」

☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

私は願いを込めて、メッセージを書いた。でも、ひー君には必要ないみたい。

これで、安心して登れる。

「さよなら、ひー君」

私はの指先が透ける。それはどんどん広がった。3分もあれば、完全にいなくなるだろう。

ひー君は涙だらけの顔で、私を見た。あぁもう。ひー君ってば、ちゃんと拭きなよ?

さぁ、そろそろ本格的にお別れだ。
私は、最後にひー君を傷つける。傷付いたら、あんなの思い出したくないって、私のこと忘れられるでしょ?

何を言お……


「好きだよ、みう。一度だけ、本名で呼びたかったんだ」


君は私を見て言った。聞き間違えじゃない、私の名前。知られてないかと思ってた。

泣いていた君は、いつの間にか泣き止んでいた。

「君……みうにも、本名で呼んで欲しいんだ。ひー君じゃなくて」

私はひー君の目を見て涙が溢れた。それでも、ちゃんと声は届けた


「大好き、ひろと」


☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*

「この手紙の最後に。ひー君にお願い事があるの。

私が消えたら、ひー君はまた、誰かに恋をして、幸せな家庭を持ってね。

ひー君の、好きになった人、私も見てみたいから。ひー君に子供ができたら、私はきっと、ひー君のところへいける気がするの。

今までありがとう、最後までお願い事でごめんね。

みうより」

君が、僕宛に書いた手紙の続き。

君が、幸せな気持ちで本当に眠れたのか、僕は知らない。

僕は君に勝手な期待を抱かせたのかもしれない。君の未練を残したのかもしれない。

でも、手紙が届いただけで、僕は安心するんだ。これが、君と一緒にいた証拠のような気がして。

「ひろと、それなぁに?」

「大好きで大切な人からの手紙」

「ちょっと〜浮気〜?」

「まぁね」

僕はふふっと笑って言った。

「昔も今も、みうのことが大好きだよ」

来年産まれてくる子供に、自由____みうって名付けたのは、まだ僕が、みうを忘れられないからかな。

みう、お節介で甘え上手で笑顔が素敵な君が僕達の子供になるのがどれだけ楽しみなことか。

「愛してるよ。みう」

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