SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

ゆき ( No.77 )

日時: 2017/04/15 23:59
名前: 白身さん

輝かしくもない少女時代を送ったあの頃の私と、
今どこかで、幸せに暮らしているだろう由紀へ。

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彼女のことが好きだ。
特に可愛くもない。愛想もない。運動神経は良いけど、気は強い。オマケにちょっと臆病でビビり。絵は上手いし、頭もいいからちょっと鼻につく。
「し〜ろっ!」
だけど、そんな風に読んでくれたら全て許してしまう。
彼女はたくさん泣くのに、全く笑わない。だから、彼女の笑った顔は、親友の私にしか見せない。

彼女を愛してることをバレてはいけない。

彼女のことが好きな男子と、私は友達だ。彼と彼女はセットで良く似合う。悔しい。独占したい。彼女は私と親友だから、彼女は私の隣に永遠と置いておかなくちゃ。
「嫉妬?」
「かなぁ?」
名前は出さずに、友達の赤身ちゃんに話した。私は嫉妬深く、執念深い………言うなれば、ネッチャネチャしたやなヤツらしい。
「誰だってそうでしょ?気にすることないよ」
赤身ちゃんは笑って言ってのけた。
「それでさ、相手って誰?」
「………言えないよ!」
「だよねー」
その場は笑って過ごせたのに。家に帰ると、罪悪感が襲ってきた。
私は同性愛者ということを、確認せざる負えなかった。家族にも友達にも言えなかった。ただ、泣きたかった。泣かせてくれる人もいなかった。
「……耐えられないよ」
彼女の名前を何回も何回も呼んだ。1人でハグとか、キスとか、その先とか、色んな事妄想した。
冬の終わりかけだった。春の始まりだった。巡る季節に頭が順応してなかったのかも知れない。とにかく混乱していたのかもしれない。

私は、ある日、彼女にキスをした。

30秒ぐらいはそのまま、舌を入れたりしていた。ずっと、彼女は抵抗し続けていた。
口を離した瞬間に、苦しそうに息を吸った彼女の顔は、今でも覚えてる。私は自分でも驚くぐらい、彼女のその表情が素敵に見えた。
「しろ?な、なんで……」
「早く部活行こう!」
話を一方的に切り上げて、そのまま部室へ向かう。朝の早い時間だったので、部室は誰も居なかった。彼女は着替えるのでさえ、私の前では恥ずかしそうにしていた。
そんな彼女もまた、美しい。
「…なんで、キスなんかしたの?」
私は、彼女に好きだと、だからキスをしたと伝えた。
「ごめん…しろのことは大好き。だけど、私、その……」
なんて言われるかは分かっていた。それでもいい。一番じゃなくても良いから、彼女に触れていたい。
……拒否、されるのは辛い。
「言わなくていいよ。私が一方的に好きなだけだから、私から距離取った方がいいかも」
「……っそんな!」
「今日みたいなことするよ?」
振られたくない。どうせ振られるならカッコつけたい。思春期の、そんなどうでもいいプライドが邪魔だった。本音は未来永劫一緒にいたい。

春になって、クラスが変わって、私と彼女は、違うクラスになった。
お互い別の友達が出来たし、部活で会うことはあるけど、新1年生も加わって人数もそれなりに多い。
話すことなんて無くなってしまった。
彼女の笑顔はもう見られないのかもしれない。彼女の笑顔は、今は違う誰かのものになった。

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あれから3年が経って、2人とも高校生だ。別の高校に入学して、着々とそれぞれの道を歩んでいる。それでいいんだ。
今日は文化祭。あの子も来るって言ってたけど……
「居た居たっ!あいっかわらず白いなー!ユキは」
「……しろって呼ばないの?」
「……思ったけどさ、由紀=ユキ=しろって、当時の私たち安直過ぎない?」
「白身ちゃんのそういうとこ好きだよ」
「ちょっと!!しろが言うとシャレにならないんだけど?」
少し談笑した後、あたし達は屋台を回った。しろとはいつも通り会話できてるみたい。良かった。
でも、最後までしろに伝える気は無いことがある。当時…しろがあたしに告って来た日、答えはOKだったんだよ。
しろが、本気で言ってるって分かったから。しろが、途中で止めちゃったんだよ?
まぁ、いっか。三年も前のことだし。それより今の願いは、

未来永劫、親友でいてよね。

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白身さんより。
「えっと……前半の主人公が【しろ】こと由紀ちゃんです。高校生からの主人公が【白身】ちゃんです(自分にちゃん付けって恥ずいですね)

当時の由紀の行動の意味が未だに理解できないままなので、由紀になりきって書きました。これを見た由紀は、どんな反応するんだか。(由紀は仮名です)

分かりにくいですが、白身さんの中学生少女時代の頃の話が元です。運動ができるクラスの中心人物(親友)から、廊下でキスされ部室で告られました。
当時の反応は、このSS中の白身ちゃんの反応みたいな薄いのじゃなく、うぇぇええええええ?!?!????!!!!??みたいな感じでした。割とトラウマです。
告られた件に関しては怖すぎて涙出ました。中学生に同性愛という概念は無かった………。
最後良いように脚色してますが、実際焦りすぎて、初対面の人に対する対応で、由紀から割と真面目に傷つくと言われました。ごめんなさい。」

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