SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

虚無 ( No.25 )

日時: 2018/02/16 18:51
名前: 流聖

「みすずさま!早く、いって!」

「な、何いってるんだよ!そしたら、お前が…」

「皆を助けるためです!」

ブチッ何かの切れる音がした。

「皆って誰だよ!私の皆はお前もはいってんだよ!」

もう嫌だ。この世界に生まれてきた以上戦争は避けられないことは知っている。それでも思わずにはいられない。

敵って本当に殺さなくちゃいけないの?

100人のためなら1人が死んでもいいの?

犠牲の上に成り立った生なんて嬉しい?

殺す。敵を消滅させていく。血飛沫があがる。

真面目な部下は言う。

「みすずさまはこの命に変えてでも守って見せます。」

何を?それは体だろう。部下は体を守るんじゃない。主の幸せを守れよ。体が無事なら幸せだと思ってるのか。残された側の気持ちも考えないで。

兄は言う。

「君に置いていかれるくらいなら、僕が君を置いていく!」

兄は知っている。置いていかれる側のきもちを。私も知っている。だからお兄ちゃんは味わわなくていいよ。

今日も人を殺す。

「みすずさま、何しているんです?」

ザクッザクッ同じ作業をずっと繰り返す。夜が明けて朝が来ても繰り返す。
私は土を掘る。墓を作る。自分で殺した者を埋めるために。
夜がくる。月が彼女を照らす。今日も土を掘る。

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