SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

人を呪わば穴二つ ( No.55 )

日時: 2019/07/21 22:44
名前: 千葉里絵

 はいはいはいはい。
 要するにご友人が憎いと。え?あぁ、友人ではないのですね。今は。
 ええ、ええ。憎い相手とは友人でいたくないですよね。わかりますよ。
 で、本日は依頼の相談でいらっしゃったということで良いですかね?
 ええ、当店は相談は無料で行っておりますよ。
 では、まずお相手の何がそんなに憎いのか聞いても良いでしょうか。
 ん?彼氏を盗られた?つい最近?それは酷い。
 ですが冷静になってくださいな。その彼氏さんそんなに優良物件でしたか?
 え?凄い良かった?例えばどこら辺が?顔ですか?性格ですか?
 え?どっちも?どれどれ、じゃあますお顔を見させて頂きたいのですが良いですか?
 どれどれ……こちらが彼氏さんですか。
 確かにイケメンではありますね。でも、少々鼻が潰れちゃいませんか?口も心なしか歪に見える。それに笑うのが下手ですね。
 笑うのが下手な男は駄目です。男は笑顔が良くてなんぼですから。
 あたし?あたしの笑顔は別格ですよ。それに笑顔を安売りしてませんからね。こんなのとは価値が違います。
 それにこちらの女性が憎いお相手でしょう?
 貴女、こんな女に嫉妬しているんですか?ちゃんと見てみなさい。貴女の方がずっと美人じゃないか。
 目は貴女の方が左右対称で綺麗だ。
 鼻は貴女の方が筋が綺麗に通っている。
 口は小さくて貴女の方が愛らしい。
 嫉妬するだけ無駄ですよ。この男性は貴女の価値に気付けてないだけです。
 命を張る価値もない。こんな男のために悲しむなんて時間の無駄だ。
 え?命?ああ、命が此処での謝礼ですよ。言ってませんでしたか?
 人を呪わば穴二つ、ってやつですよ。
 おや、帰るのかい?残念だ。貴女の命は綺麗で美味しそうなのに。
 ……冗談だよ。ええ、構いやしませんよ。
 帰って憎い相手をとことんやり込めてやりなさい。
 そしたら報告においで。お茶とお菓子を出してあげよう。
 
 ああ、では、またのお越しをお待ちしております。
 

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