SS小説(ショートストーリー) 大会【平日イベント】

城下町のトマト。 ( No.7 )

日時: 2017/10/09 02:52
名前: 広村伊智子

妹の 甘音 が産まれる1年前、わたしは見た。

目の前にトマトが存在していたのを。

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私は目の前のお嬢様を見据える。


私の名前はトマト。
葉月トマト。

このお嬢様がすむ城の城下町で暮らしてきた。


お嬢様は、毎日、城下町のものを食べる。

父も母も食べられた。
慕っていた桃さんも食べられた。

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トマトはつやつやとしていて食欲をそそられる。

わたしは、舌なめずりした。

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あぁ、いよいよ私は食べられてしまう。

家庭菜園という城下町。
そこともお別れ。

何もできなかった。



でも、せめて________

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トマトを食べると、血のような味が広がる。

でも・・・・酸っぱかった。



必死の抵抗、か_________






わたしは、次は甘くなってね、と
ーー
私は、次は人間になってあなたと仲良くなりたいな、と
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願った。

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