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フェアリーテイル ―雪国の氷―  完結
作者: ハヤチ  (総ページ数: 65ページ)
関連タグ: FAIRYTAIL グレイ・フルバスター 二次創作 微グロ 
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「もういいだろう、二人とも。それ以上続くのならば力づくで止めるぞ。」
「「あい!!」」

エルザの厳しい発言によりハッピー化した二人をみて、ルーシィは苦笑する。
真似されたハッピーは複雑な気分になっていた。

「ところで、グレイ。」
「?」

グレイはエルザのほうを振り向く。
エルザはグレイを見て、問いを投げかけた。

「敵が言っていた『護符』とは何だ。」
「!!!………。」

グレイは無言になる。
それをルーシィが気遣った。

「エルザ…。人には知られたくないことだって」
「もういい、ルーシィ。」

ルーシィを止めて、グレイはエルザへ向き直る。


「『護符』は、これだ。」

その護符は、グレイがいつも首にしている剣のネックレス。
エルザは疑問気味に見つめていた。

「これがか?」
「ああ、父さんに貰ったんだ。願いをこめたって言ってたよ。」

ルーシィがふいに優しい笑みを浮かべる。

「優しい両親だったの?」
「まぁ、な。」

一瞬だが、ルーシィの顔が曇る。
親を思い出しているのだろうか、少し俯いていた。

「何でこれを狙うんだよ…。」

グレイの声は震えている。
ナツは、グレイのネックレスを握った。

「お、おいナツ。」
「…じゃあ」

ナツの顔は無邪気な子供の顔だ。
なのに、大人びて見える。

「俺もコレに願いこめる!」
「あ、私もー!」
「おいらもやる!」
「仕方ないな、私もやってみよう。」

「えっ、ちょ、お前等……!」

いきなり全員がグレイのネックレスに集まりだす。
グレイは元から握っていた為、皆が手をつないでいるようだ。

「「「「「…………」」」」」

無言が続く。
グレイはチラリと上を向く。
青い空には揚羽蝶が舞う。
それを優しく、儚い目で眺めた。


皆が離れるまで、後1分。



一話・終

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