完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

続き書いた! カゲプロ【カノキド】欺かない気持ち
作者: ちゅけすけお  (総ページ数: 2ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

*1*


ーあのさ、キド。好きだよ
昔から、ずっと言えずに我慢していた言葉。言う勇気が、言うタイミングがなく溜め込んでたキドへの気持ち。
今、どうしてだかわからないけど、昔から言えずにいた言葉は案外すんなりと口から吐き出されていた。
「あ、ああああの、」
冷静な僕とは正反対の状態になっているキドは、さっきの僕と同じように顔を真っ赤に染め上げていた。なんだか顔から湯気が出てきそうな真っ赤ぶりだった。
「ねぇ…」
僕が声を少し出すだけでキドはビクッと肩を震わせた。
僕はひどい人間かもしれない…。さっきからびくびく怯えているキドの事が、何だかどうしようもないくらいいとおしく感じた。そしてもっと怯えてほしい、でも怯えないで僕に甘えてほしい。そんな色々な気持ちが僕の中で渦巻いて自分でもどうしたらいいかわからない。あぁ、僕もかなり切羽がつまっているんだと今気付かされた。
「ね、キド…返事、ちょうだい?」
キドの真っ赤な耳に顔を近付け、小さな声で呟く。だが、キドは何の反応もしない。聞こえなかったのだろうか。もう一度言った方がいいだろうか。そんな事を考えている時、キドの口が何かを伝えようと動いた。
「……から…………や…」
キドの口から発せられたその声は、近くにいる僕にさえ聞こえないほど小さい声だった。
「ごめん、もっかい言って?聞こえないや…」
僕が少々控えめにそう告げるとキドは手にぎゅっと力を込め、何か覚悟を入れたかのように背筋を伸ばしそして僕の顔をまっすぐ見つめた。
「わ、私も…私も…好きだから…修哉」
途切れ途切れで、少し小さい声ではあったがはっきり、そして素直に僕へ自分の気持ちをまっすぐ伝えてくれた。
それだけで僕の口元がにやけそうになる。
「…なんだ、我慢しなくてよかったんだね」
キドに聞こえないくらいの小ささで僕は呟いた。そしてまた、キドを僕のもとへ引き寄せる。
「おいで、キド」
僕がそう言うとキドは恥ずかしがりながらもゆっくり僕の元へ近づき、そして控えめではあったが ぎゅっとしてくれた。
それだけで 僕は泣きそうになる
本当にキドの事が…
「大好きだ、つぼみ」
そう言い、僕もキドの細い体をぎゅっと抱きしめた。
END

1 > 2