完結小説図書館
<< 小説一覧に戻る
君とあの時あの場所で〜3ヶ月の恋物語〜
作者: 秋桜 (総ページ数: 23ページ)
関連タグ:
>>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック
作者: 秋桜 (総ページ数: 23ページ)
関連タグ:
*1*
最期まで、彼女は綺麗だった――
日差しが降り注ぐ今、宮間湊谷(ミヤマソウヤ)は高校最後の夏を迎えていた。
「うぁっ、あっちい〜」
「今年の夏もキツイなぁ〜」
ここは、日本列島の南側に位置する小さな島だ。自然がかなり豊かだ。山も海もある。ここの島でしか見れない動植物がたくさんある。生活が困らない程度の施設はあるが、カラオケやコンビニ、ファーストフード店といったものは一軒もない。
「もう、受験だなぁ〜」
「うわ!やめろよ、その不吉な言葉!」
親友の神田源(カンダミナト)の言葉に文句をつけているのが湊谷だ。2人はサッカー部に所属していたが、もうすっかり終わってしまった。後は受験にまっしぐらだ。
「でもさ、この島に大学なんてないから、上京とかすんの?」
「俺は将来医者になりたいから、絶対大学に行く。父さんの病院も継ぎたいし。湊谷は親父さんの店継ぐのか?」
源の父はこの島にある病院の院長だ。そして、湊谷の父はラーメン屋さんを営んでいる。
「んー…俺あんまりラーメン好きじゃねえしなぁ…ここにいても結婚できるかもわからねぇし…大学に行ったほうがいいのかなぁ…」
「いや、お前の頭で入れる大学があればの話だけどな」
「うっせぇな!」
源はいつも学年で上位の成績だが、湊谷はとてもいいとは言えない。
「でもさ、向こうはもっとレベルが高くて、お前だって馬鹿なのかもよ?」
湊谷は半分笑いながら言った。
「…じゃあ、同じテストを受けているのにあんなに差があるって事は、お前は馬鹿の中でも最下位だな」
「うぐっ!」
自分で自分の首を絞めるとは、こういうことだ。
「おっ俺、海寄ってから帰る!じゃあな!」
「逃げたな…」
1 > 2
PR