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*紹介文/目次*
「やあ、人間の皆さん。ぼくはゲゲゲの鬼太郎です。
皆さんには、「一番の友達」がいますか?
今回の話は、ぼくの小学校六年生の時のことです。
ー一番の友達は、運動会で出来ました。」
「運動会は組体操か〜。腕の見せ所だな!」
ぼくは小学校の頃から身体能力がすごかったので、とても期待してました。
「ちょっと心配だなぁ」
隣の席の猫娘が言いました。
「大丈夫だよ。絶対成功させよう」
そういって慰めました。
「・・・そうよね!」
元気を取り戻した猫娘。
「よぉ〜鬼太ちゃん、ナンパ?」
「するわけないだろっ!」
そういって、ねずみ男に強烈なキックをくらわせたら、一撃でのびました。おかしかったんで、笑いました。
「ねずみ男こそ、なんか汚いことやってんだろ?」
ねずみ男も、小学校の頃からゴミあさりに金儲け。汚いことばっかやってました。
「べ・・・別になんもやってねーよ!」
「顔見りゃ一発で分かる。やったろ?」
「はいはい、認める認める」
「それでいいんだよ」
・・・と、まあこんな感じで過ごしてたわけです。
「せーのっ!」
校庭で、三段タワーの練習をしていました。
ぼく以外、軽い子がいないらしいので、ありとあらゆる技で上に上っていました。
三段タワーもそれなりの大技で、バランスを崩せばすぐ落ちるうえ、とても高くなるので、教師の補助が行き届きません。なかなか成功しなかったけど、なんとか完成しました。
それで、問題の技はクラスタワー。
これは、五段組なので、三段タワー同様補助が行き届きません。しかも非常に危険な技でした。何度も何度も失敗して、一度も出来ないまま本番に突入してしまいます。
いよいよ運動会本番です。組体操でクラス一の思い出を作ろうと誓ったばかりなのに、未だにクラスタワーが完成しません。このまま無念な気持ちで六年生が終わってしまうのでしょうか。
いよいよクラスタワー。6-1、6-2、5年生は全部完成しました。残るはぼくたちのクラス、6-3だけです。
「何度も失敗して溜め込んだ涙、今日全部流してやろうぜ!!!!!」
「オオォォーーーーッ!!!!!」
クラスタワーを組み始めました。三段目、四段目が上りきって、次はてっぺんに立つ僕の出番です。
上の二段が、とても不安定な状況が続き、乗るタイミングが掴めませんでした。
やっと上ったその時、一気にぐらっと揺れて、僕が落ちてしまいました。気がつくと、ねずみ男の腕の中でした。
「諦めんな、鬼太郎!諦めたら全部終わりだ!」
「ああ、絶対諦めない!」
必ず成功する。
希望をもてば、必ず成功する。
そう信じて、上った僕でした。
ーそしてついに。
「わー、上がったよぉーーー!!!」
大成功。
嬉しさで、泣いているクラスメートもたくさんいました。
組体操の後、僕はねずみ男のところに行きました。
「おい、ねずみ男」
「なんだよ鬼太郎」
「ねずみ男のあの言葉のおかげで、クラスタワーが立ったんだ。ありがとう」
「れ・・・礼にも及ばねえよ」
二人で握手しました。
「次回の話では、卒業式の大騒動を話します。」