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SOUL COLOR(消えない罪)
作者: 璃蘭  (総ページ数: 53ページ)
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プロローグ、消えた「掛橋」

A,D1995 天界の黒き森にて―???―

 綺麗な水色の翼を持つ少女は森を掻き分けて進み、あまりに不自然な場所にある祭壇で祈りを捧げていた。
「此処で合っているはず…。」
 その少女は呟くと、祭壇の前の地面に木の棒(杖?)で何かを描き始めた。それは魔法円だった。
 少女は魔法円の中心に立つと、祭壇に向けて何度も呪文を唱えた。
「我に眠る能力、眠れる能力は可能性、可能性は無限に、無限なる物は力、力は増幅の為に…。」
 すると祭壇は黒く輝き、黒い輝きは球になりあちこちに散った。少女はいつの間にか、翼のない人間の姿になっていた。それと同時に何処からか、声が聞こえてきた。
「そなたは間違った儀式を行った。位置に過ちがあったのだ。そなた自身が向かわなければ呪いは解けない。」
「呪い!?何故?」
「この儀式の失敗は、自らの呪いとこの世界の災いとなる。その姿が呪いの印だ。断ち切るには、善を尽くせ。この世界の災いは、『掛橋』の崩れを意味する。」
「善を尽くす…どうやって?」
 小女は問い掛けたが、ただ、風の音だけが響いていた…。

 その少女の名はグレイス。この後の世界に波乱と奇跡を与える者となる。
 そして、グレイスは水神の子であった。

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