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ヴァンパイアの恋と平凡女子の恋
作者: ゆりかもめ  (総ページ数: 2ページ)
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「はぁ~・・・。」
私、桜記 遊維(ユイ)は、今日も学校から帰ってきて、寝転がっていた。
今日は雲一つ無い、風も吹いていない全くもって晴天だったハズなのだが、私は不自然な胸騒ぎを感じとっていた。
胸騒ぎはピシャリ、と大当たりした。
マドががらっとこじ開けられ、ドット模様のカーテンも翻った。
「は、あぁっ?!」私は声にならない悲鳴をあげた。
「うるさい!黙ってよ。ワタシの計画がゴチャゴチャになっちゃう」どこからともなく、透き通った美しい声がした。
「誰・・・?不法侵入でしょ!」私は泥棒なのかなんなのかわからないその声に、脅しをかけた。
「人間の法律なんて知らない!アタシはアタシの生き方でいくの。」
すると、カーテンがザッと音を立てて開いた。
私の目の前に現れたのは、真っ黒衣装に赤いライン。ニッと開いた口にカピッと生え立つキバ。
私の想像していた「それ」と違って、女性だった。年齢も私と同じくらいだ。
「ヴ、ヴ、ヴ・・・」私は詰まった声を出した。
「ヴァンパイア?!」


そこで、私は気絶したらしい。
なぜか、ヴァンパイアが私の部屋にきて、それで―。
「目、覚めたのね?」
聞き覚えのある声がした。
「あのヴァンパイア!」私はハッとした。
女ヴァンパイアは、血ではなく「ミックスジュース」と飲んでいた。
寝ている私の血でなく、起きてから吸おうっての?!悪魔だわ、ヴァンパイア・・・。
「血、血、吸わないでぇ!!おいしくないから!帰ってよ!」私は必死で命乞いをシタ。
すると、ヴァンパイアはニヤっとシタ。
「アタシは、人間の血を吸ったりしないわ。むこうの法律で決まってるの。」
私は状況に慣れてきている。
こういう時、状況収集能力の高い、子供で良かったと思うモノだ。
「じゃ、じゃあ・・・。そのヴァンパイア様が人間の世界になんのご用事なの・・・?」
私は恐る恐る聞いた。
今考えてみれば、ヴァンパイアに雑談を申し出るなんて、全く狂ってる。
でも、それは雑談では無かった様なのだ。
彼女の真の目的を知ることができた。
「アタシ、この人間界に気になる輩がいるのよ!」

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