完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

ピエロ
作者: 朝霧  (総ページ数: 10ページ)
関連タグ:
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

*1*

第1話「ピエロ」

「大丈夫、大丈夫。」そう言って笑う。それが僕の癖になっていたんだ。

僕は小さな小さなサーカスの名前も無いただのピエロ。
真ん丸いお月様みたいなボールの上でバランスを取りながら、派手に転んだりして笑われるのが僕の仕事。
今日も派手に転んじゃってさ、笑われていたんだ。
僕もおどけて笑いながら客席を見ると、泣いている女の子が一人。
ねぇ、そんな悲しい顔しないでよ。
客席の君の涙に誰も気づかない。なら、
ぬぐってあげるのが、僕の仕事だろう?
                〜続く〜

1 > 2