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*紹介文/目次*
「私、屋西くんのこと… 好きです!」
あの日、勇気を出して告白したの… 私は、こんな自分が嫌だったから
「ごめんね~… 君の事、異性として見れないんだ。」
一瞬何を言われたか分からなかった、でも考えてみて、『自分振られたんだ』ってことに気付いた
「ちょ、それどういう意味なの?屋西くん」
思わず聞き返していた。納得がいかないのだ
「おまえ、可愛くないって意味だよ!! ブスは異性としてみれねぇよ。」
なにそれ…
気が付いたら涙が流れていた。
だって、勇気を出して告白したのに、それで振られるどころかブスとか異性として見れないとか…
「用事はそれだけか?ならおれは行くね?じゃーね」
…
そもそも私がなぜ屋西君のこと好きになったかっていうとね、小学生のころ運動会の練習で転んでしまったときに遠くにいたのに走って私のところまで来てくれた。こんな理由馬鹿らしいかもね。でも私はそのころから西屋君の優しさに惹かれていたんだ。
だから屋西君はクラスの人気者なんだ。
まあ、クラスの人気者に手を出そうなんて…
私には早かったかもしれないね。
私はあの日以来屋西っていう馬鹿男と一度も話していない。
話せないよ…あんなことがあったんだから
告白しない方がよかったかな、関係が崩れちゃうよ…
「雨宮さぁん? お話よろしい?」
「え、あ、はい。」
お決まりのパターン。告白する勇気のないやつは抜け駆けした人を裏で苛める。別に良いけどさ。
「で?何?考え事してたんだけど。あなた、隣のクラスの生天目(なばため)さんだよね?」
「知ってて下さったんですか、実は私あなたが気に入りませんの。この抜け駆け野郎!! 無礼者!!」
「じゃああなたも告白したらどうなの?」
「なっ」
「私は振られたよ。だから別にいいでしょ?」
『振られた』なんて言葉を使うのは正直つらい。でも自分も変わろうと思うんだ。振られた過去を無しにしようとは言わないけど、気持ち切り替えようって、そう思うんだ。
「振られた、振られなかったが大事なのじゃないのです!抜け駆けしたことが許せないのです!!」
こいつしつこいな…
「じゃあ自分も告白すれば? 勇気がないから裏でこそこそするんでしょ? 違う?」
ついつい本音が出てしまった。でも言ってることは間違ってないはず。
告白できる人なら告白できるはず。
「おーい、天奈、どうしたんだ~? って雨宮…」
屋西君だ、どうしよう… 気まずい…
「怜ちゃん!!雨宮美琴とこれ以上関わらないでくれませんか?」
生天目さん、きっと屋西君のこと好きなんだろうなぁ…
なんて返すんだろう、屋西君は…
「悪いが、それはできないな。」
…!!屋西君!!
「それと雨宮、このまえ、異性として見れないっていたのは、お前が女っぽくないからじゃなくて、その… 異性として意識すると… なんていうか…」
屋西君…? 照れてるの?
「怜ちゃん…」
「じゃ、俺は子子子子(すねこし)が待っているからいくなっ」
さっきの言葉はどういう意味だったのだろうか…?
「なんで、あなただけ… 私は、私じゃだめなのですか?」
生天目さんはいつの間にか泣き崩れていた。
気持ちは分からなくもない、だけれど努力だよね。
でも一つ引っかかる点が…
『ブス』
私はそう言われたのだ
なのに今更あんなこと言われても信じれない。
『ブス』
って言われてショックを受けたんだから
「生天目さん…」
「あなたのせいで… 私、あなたに嫉妬していたの… その嫉妬がひどくなって怜ちゃんにあんなこと言っちゃったの… あなたのせいよ!!」
その言いがかりは無茶すぎる気がするけれど…
「じゃあ、生天目さんも告白だね。」
「え…?」
「自分の想いを、相手に伝えて、振られたら振られたで私とファミレス行ったりして気分晴らそう?」
私は思ったことが口に出るタイプらしい。気が付かないうちにまた言ってる
「……嫌です。 告白もしませんし、ファミレスにも行きません!!」
「あ…」
走って行ってしまった
何が悪かったのだろう。
やっぱり上から目線に感じてしまったのだろうか…
そう思っても仕方ないよね……
「そうだ!!」
「ねぇねぇ!子子子子くん!屋西君について質問があるんだけど~?」
「で、どうした、雨宮」
「屋西君最近何か言ってないかなーって思って」
言い方にも気をつけなきゃ、子子子子って噂とか流したりするの好きだからね。
「雨宮まさか…屋西のことすきなのk」
「ちょっと、友達のためにね~」
ホントは自分のためだけどね。
「その友達って誰だ!?」
喰いつき早い!!
「言えるわけないでしょ? それより何か言ってなかった?」
「最近、『生天目が変~』とかなら言ってたけど…」
「他には!?」
生天目さんの事しか言って無いの!?私の事は!?あの時の言葉の意味は!?!?
「あとは、『言い方と言葉使いに気を付けないとな』って」
「そっか…」
言い方と言葉使い…ね…
私は学校の中庭に来ていた
「言い方と言葉使いに気を付けないとな、言い方と言葉使いに気を付けないとな気を付けないとな、言い方と言葉使いに気を付けないとな」
私は悩んでいた、先日、子子子子から聞いた「言い方と言葉使いに気を付けないとな」が私には意味深に聞こえたからだ
「分かんないよぉ~ ダレカタスケテー」
キーンコーンカーンコーン
「あ、授業始まっちゃう!!」
あ、生天目さん
「生天目さん。この前子子子子が屋西が最近生天目が変っていってるみたいなの、それなりに気にかけてくれてるの!」
「へぇ、誠さんが屋西くんがそう言ってると言ってたのですか」
それにしても生天目さんは言葉使い丁寧だな…
「だから元気出して! じゃあね!!」
「それは私と怜ちゃんが幼馴染だからですよ…」
その声は美琴には届かなかった
屋西君に告白してから私の学校生活が落ち着かない…
「あーーーーーーーーーーーー!!!」
私は思わず大声を出してしまった
まわりの生徒たちはビクッとして私を凝視している。
私は引き攣った顔でごめんなさい~と言った
まあ、校庭で叫んだらそうなるよね…
「生天目さん… 最後なにかボソッっと言ってたけど何だったんだろう…」
「雨宮ちゃんやっほ~」
「うぉあっ!! なんだ、三好先輩かぁ!!」
話しかけてきたのは私の1個上の三好友姫先輩、私の小学生のころからお世話になっている人だ。
「雨宮ちゃん何か悩んでいるねぇ?」
三好先輩は鋭いのだ
「い、いえ… なにも…」
私は咄嗟に誤魔化してしまった。ばれるのは確実なのに
「うそだぁ… 誰にも言わんから話してごらん? 相談のってあげるよ」
「う… じ、実は…」
「へぇ… そんなことがあったのか…」
私は三好先輩に言えることを全部話した。
三好先輩はほかの人に秘密をばらさないからだ。たぶん。
「それにしても雨宮ちゃんが告白ねぇ…」
「ぜ、絶対このことは内緒ですよ!!」
「分かってるよ、だって高校生だから恋愛したいもんね…」
さっきから三好先輩ニヤニヤしてる… 超恥ずかしい… 言わなきゃよかった…
「私、屋西君の事、小学生のころから好きで、勇気が…なくて… やっと勇気だして告白したら…ブスって言われて、そのあとあった時、照れたような感じで…」
「男って照れると暴言吐いちゃうのよ… まあ、そのあと照れたってことは言ったこと後悔してるんじゃないのかしらね?」
「そ…そうですか…」
すこし先輩に話したらすっきりした気がする…
恋愛って難しいんだな…
軽い気持ちで告白して、それがこんな想いになるなんて…
恋愛って難しいな。
「はぁ…疲れたぁ…」
ホント最近毎日疲れまくってヤヴァイよ…
ピローン
「メールだ」
誰からだろうと思い見てみるとそれはみこりんだった
みこりんは私の一番の友達、巫部巫女(かんなぎみこ)だ。
『件名:こんな噂が・・・
美琴って屋西に告白したのー?
うわさで聞いたんだけどホント?』
「なぬ?」
…ええええええええええええええええええええええええええええ!?!?
バレた!?てか生天目さん!?
いそいで私は生天目さん宛てのメールを作成する、実はメアドだけもらっといたのだ。
『件名:ちょっと…
私が屋西に告白したことばらした!?』
マジで、めっちゃ恥ずかしいよ…明日絶対学校行ったらからかわれる…
ピローン
『件名:なんですかそれは
私はばらしてないです…
ですがそういう噂は今日聞きましたね』
マジかああああああああああああああああああああああああ
次の日
「あ、屋西君おはよう」
「雨宮、俺、お前のこと好きだ!!」
ええええ!?
西屋君が私の事!?しかもみんなの前で!!
「だから、俺と付き合ってほしい。」
「うん…」