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-pendant-
作者: aya ◆jn0pAfc8mM  (総ページ数: 11ページ)
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10~

*1*

「これ、お守り」

それは、一体いつの時か。

あの頃は、幸せだった。

前のような幸せを掴みたくて、今ここにいる。

無理と分かっていても。

首にかかる鎖につり下がったペンダントを開けて、

誰だか分からない女性と、子供の時の僕の、輝く笑顔の写る写真を見た。

この笑顔を再び思い出す事が出来たら、或いはもしそれを見る事が出来たら、帰ろう。

出来なければ、その時は。

……ペンダントを閉じて、空を見上げる。

満点の星空の先、向かって来る黒雲。

目的地は未だ見えず、雨に降られる事は確実だ。

でも、朧げな記憶の中に生きる、「大丈夫」が口癖の優しいキミと一緒なら。

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