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名探偵コナン夢物語 過去編1
作者: らいち。  (総ページ数: 9ページ)
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*2*

3.大好きなこと…?

引っ越してきた次の日。
買い物の帰りに、出逢ってしまった。

「ママ、あれって帝丹小学校だよね。」
「そうだよ。」

フェンス越しに目を輝かす
その先には、
夢中でサッカーボールを追いかける子どもたち。

「確か、この学校のチームじゃなかったっけ…?」
「そうなの?」

奈都は更に目を輝かせる。

「えっと…。そうだ、さっきの店に紙が貼ってあった。」
「へぇ。」

適当に相槌をうち、
目線を少しずらすと、
隅の方でリフティングをしている男の子が目に入った。

上手だな。

素直にそう思った。

それと同時に、
ボールがフェンスを越えて飛んで行ってしまった。
あちゃ〜、と男の子が言っているのが聞こえてくる。

でも
ボールを目で追っていたら、

木に当たって、
歩道の縁石に当たって、
バウンドして、

私のところに転がってきた。

「おーい!ボール取ってくれる?」
男の子は私に向かって言った。
「いいよ。」
私も、ボールを持って彼のもとに走って行く。

「サンキュー!」
「どういたしまして。」

近くに門が見える。
そこから出てきたみたいだ。

じゃあ、と振り返って帰ろうとしたとき、

「君、サッカー好きなの?」

と彼が尋ねた。
私は正直に、

「ちょっと気になる。」

と答えた。

そして、
自分の名前と、5才であることを告げると、

「オレ、工藤新一!
 待ってっから、入学したら絶対来いよな!」

と言って、彼はグラウンドに戻っていってしまった。

うん。
心の中でそうつぶやいて、
奈都は母と共に、
夕焼けに染まる帝丹小学校を後にした。



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