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作者: さくら (総ページ数: 1ページ)
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*紹介文/目次*
いつだろうか。
私は、いつの間にか彼を好きになっていた。
「おはよう!」
いつもみたいに信号で友達と会う。
私は、さとみ。小学一年生。まだ少し緊張しているけど、毎日がすごく楽しい。
「ねぇねぇ、ゆな。最近、好きな人ができたんだ。」
「えー!だれだれ〜?」
「それは………」
ひそひそ声でユナに話す。
「俊介くんなんだ!」
キャラクター紹介
飯山さとみ
小学生。桜小学校に入ってる。
幼稚園の時友達かいなかったので、少し引きこもり体質。
俊介くんが気になってる。勉強はほどほどだが、絵を描くのが爆発的にうまい。
ところが運動神経は破壊寸前(?)でドッチボールなども一発であたる。
少し虐められている。
永江ゆな
小学生。さとみと同じ一年生で桜小学校に入ってる。
さとみと友達。とても明るい性格で、誰にも優しい。
少しのんびりしている。三智くんが気になっている。
運動神経抜群だが、勉強はダメダメ。絵も下手。
桜あかね
桜小学校の校長の娘。美人で基本優しくて勉強も運動も図工系も完璧の優等生。
俊介くんが嫌い。ゆなやさとみと友達。少し計算的。
悠人君が好き。
森川俊介
桜小学の男の子。勉強と運動だけがうまい。三智君と友達。強がりで、本当は
照れ屋。あかねが好き。
如月三智
桜小学校の男の子。勉強と運動が得意で、特に字がきれいでコンクールに入賞したりする。俊介くんと友達。ゆながすき。明るい性格。
永江悠人
ゆなと双子。さとみが好き。勉強ダメ、運動ok。人を笑わせるのが上手い。
「ふむふむ、俊介くんかーあのあかねちゃんの嫌いな?」
「うん、あれあれ!」
そうこう言ってると、学校に着く。
1時間目は苦手な算数だ。
「永江ゆな!」
「はい!」
「ええと、7+8=………12です!」
「違います!」
がーん………
「如月さん!」
「はい!7+8=15です!」
やっぱり三智くんはかっこいい〜
「では、ノートに写して下さい。」
こんなときも、隣の俊介くんを………
スラスラスラ………
ええと、6+6=12ね………
俊介くんに見られた。ひゃ!
キーンコーンカーンコーン
ふー次は体育だー!
体操服に着替えて………
「スタート!」
わたしはアンカー。
「ゆうちゃん!」
「はい!」
4位だった私が、どんどん抜いて、1位。
「やったー!」
やっと、休み時間だ!
ドッチボールだ!
「ねぇねぇさとちゃん、ドッチボールしない?」
「ううん、私は図書室行くよ、ゆな。」
私さとみは、最近、がっくりしている。
それはね………
実はゆなと交換ノートしているんだ。それをね、ある日、休み時間に、みんな外行ってる時、男子たちに見られちゃったんだ。そこに、俊介くんが好きって書いていて、それを見られたんだ。本人にはばれなかったけど………
キーンコーンカーンコーン
3時間目だ。
教室に入って、音楽の準備と教科書を出したら………
「!」
な、なにこれ!
「バカ」「消えろ」「死ね」「来るな」………
しかも教科書は破れている。
あかねとゆな以外の女の子が、こっちを見てクスクス笑っている。
私は、涙がこみ上げてきた。どうしよう………
「ふざけんな!」
クラス中の人が、驚いた。私も驚いた。
だって、言ったのはあのあかね。
優しくて、優等生でいつも無口なあかね。
「こんな事して、何が楽しいのよ!」
クラスがシーンとなる。
「先生に言っとくわ。あと、校長先生にも。」
そして、私の方を見て、
「さとみさん、この教科書を使いなさい。」
「え、でもあかねさんの教科書を?」
「遠慮はいらないわ。」
そんなこんなで1日が終わり、次の日。
学校に行くと、上靴がない。
そう思ったら………
「!」
なんで、消火用の水が入ったバケツに入ってるの?
そこには、しっかり飯山さとみと書いてあった。
しかも、裏にはまたバカとか死ねとか書いてある。
いったいどうして………
職員室に向かう。いつも入るはずの先生がいない。他のクラスの人も。
いるのは1年1組の生徒だけ。
どうして………
「さとみ、大変!」
「さとみさん、大丈夫!?」
ゆなとあかねが駆けつけてくれた。
「どうなってるの?」
ゆなが説明してくれた。
「あのね、ゆうちゃんが変な噂を流したの。さとみが廊下で走っていたとか、さとみがゆうを殴ったとか。」
「私は、さとみさんとずっと一緒にいるけど、そんなところ見たことないの。」
「フフフ」
誰!?
「変な噂ってなによ。貴方、休んだ事あるわよね?」
「あるわ。でも、そんな時はあかねが見てたもん。」
「そうよ。私は入学してから、ずっとさとみさんと一緒にいるわ。」
「でも、二人は喧嘩したことあるんでしょ?そしてその時ゆなが休みだった。
その間にやってた気がするわ。」
もう、嫌だ。死にたいわ………
「やめろよ!」
え!?
そういったのは、俊介くん。
「どっかいってしまえ!」
キラーン。
あまりの出来事に、クラスのみんながびっくりした。
だって俊介君は勉強の時と運動の時以外はダラダラしてるし、いつも三智君としか話さない。その俊介君が………
私は胸が熱くなった。
そして、周りを見ると、なぜかいつの間にか他の学年の人も、先生も来ている。良かった。俊介君が好きなゆうちゃんは、
「もうこれからいじめないから、許してくれる?」
それは元親友だったから、本当のことを言ってるって分かった。
そして、チラッと二人で俊介君の方を見た。
向こうを向いていたけど、顔が真っ赤なのが分かった。
「ゆう、これから親友だね!」
「うん!」
元親友と親友になれた。
そして、俊介君が、こっちを向いていた。
「もうすぐ、小学校に入って1年………」
今日は、3月10日。19日で春休みだ。私、さとみは嬉しいようで悲しかった。
だって、友達のおかげでドッチボールもなんとか当たらなくなったし、逆上がりも出来たし、後ろ跳びもできたんだけど………
だって、あかねが転校しちゃう。
「ごめんなさい、両親の都合で………」
別に悪くはない。けど、悲しい。
あかねはとても優しかった。また虐められたらどうしよう。
でも、私の力で頑張るか。
「おはよう!」
教室は、ざわざわしている。
黒板の前に、人が大量にいる。
ああまた、先生が描いた絵で笑っているんだろうと一瞬思った。
でも、笑い声が聞こえない。
「おはよう。おはよう!!」
「あ、さとみ………これ見て。」
ゆなが黒板を指差した。
『谷山ゆうさんが、道でトラックにはねられて死亡。』
そして、みんなの泣き声が聞こえた………
帰るとき、私はがっくりしていた。
そしたら、
「元気出せよ。」
俊介君が言ってくれた。
後は友達とおしゃべりしていた。私は、少し元気が出てきた。
春休みだ。私は、宿題を1日で済ませようと、気合い入れる。
工作以外終わった。
桜餅を食べながら、私は考える。
私はいつも、誰かに頼っているだけなのかも………
2年生は、自分の力で頑張った。成績は上位キープ。
でも、俊介くんに話しかけられると、ドキドキする。
俊介くんには大嫌いって言ってる(向こうもね)けど。
3年生になった。私が入学式で一番驚いたのは………
「3年生は、転校生が6人です。」
「えぇぇぇー!」
全校では14人だった。
でも、ゆなとも俊介くんとも、クラス別れちゃった………
もう親友はいない。どうしよう。
そうか、作ればいいんだ!
どんどん親友も出来てきた。
「あのさ、俊介君……」
反応なし。やっぱクール!でも、少し顔赤いよ。熱でもあるの?キャー移っちゃう!
いったん話切り上げます。
俊介君………
総合の授業で、私は俊介君のことを考えたまま。
クラスは別れたけど、
だいたい、授業ってつまらない。
先生はいらんことばっか言うし。
男子はふざけてるし。
ぼーっとしていると、
「このプリントに書いてください。」
先生に言われちゃった。
やだ、どうしよう。私、先生の話聞いてないから何もわからない。
隣に座っているのは、2組の不良、高尾。名前は忘れた。
どうしようかな。高尾に聞かないとダメ?でも、すぐバラすし………
隣の4組のゆなに聞いてみようと思った。けど、先生の話聞いていないってばれたら………
すると、後ろから背中を突かれた。
後ろを見ると、俊介君。
私は、俊介くんに言われて………
「ありがとう。」
私は、小さな声で言った。
俊介くんも、ニコッとした。
夏。
私の好きであり、嫌いな季節。
だってこの季節には、私の大好きなかき氷が食べられる。
けれど私の一番苦手な虫がうようよ〜
気持ち悪い!
秋は誕生日。今年のプレゼントは………
「さとみ、はいこれ、プレゼント。」
中身を開けると、なんじゃこりゃ。「恋愛アドバイスブック」だと?
それに書かれていることをやっていると、俊介くんの態度が変わった…気がする。
冬は男子によく雪投げられたりするんだよなぁ。
でも、「やめろ!」
私も強くなったもんね。
ふぁー、眠いな。おやすみ………
「さとみ!早くしなさい!遅刻よ!」
「ふぁぁぁー………って、えぇ?」
「はい、パン」
パンを食べながら、身支度。私もかなり下品だな。
「じゃあ、行ってきまーす!」
ああなんて運が悪い。今日は四年生初日なのに。
あ、俊介君。遅刻かな?私と同じだ〜
って、そんなこと考えない!
私はもう特急(これでも50m10秒………)で走った。
ふーギリギリセーフ!
好きな席を選んで、座る。ゆみ(ゆうの双子)の席に座る。話が合うな。
その日。
「今日の放課後、校庭に来て。」
俊介くんに言われた。
なんだろ。告白?きゃー!
ウキウキして行ったら………
「お前、係ちゃんとやれ。」
うう。
告白じゃなかったのね。
ところが8月。長期宿泊がある。(修学旅行ではない。)
そこで、
「ちょっと、海に来てくれないか。」
強引に手を引っ張られたので、逆らえない。
俊介くんは顔をもじもじさせながら、
「ええと、さとみのことが好きです。つ……きあいませんか?」
え?
「ストップ!今なんて言った?」
「付き合ってください…」
「夢?」
「違う!」
「じゃあ…いいよ。」
私はokを出す。恋の関係は、これで幸せだ………
でも、もっと大変なことがあるなんて知らなかった………
きゃー!
もう私の部屋でクルクル回っている。
俊介くんに告白されたら、ちょー嬉しいし!
でも、両思いってどういうこと?
恋人って、何するんだろー?
「おはよう」
机を見ると、手紙がはいっている。
「さとみさんへ。
あの日はありがとうございました。
都合が良ければ、来週の日曜日遊園地に行きませんか?
集合場所は近くのカフェです。
集合時刻は9時です。
来てくださいね。
2015.6.6
俊介より」
だって!
えぇぇぇー!
おっと、ここは教室!
日曜日。
おっ、今日はかなり早起きしたな。
まだ6時だし。
ゆとりをもって用意して………
「お母さん、今日はユナちゃんの家に行ってくるね。昼ごはんも食べてくる。」
「はい」
8時。
私は徒歩18分の遊園地に、のんびり歩く。
あ、雑貨屋さん。ここでアクセサリー買おうかな。
見ると、ティーカップ型のバレッタだ。
わーかわいい。これにしよう。
おい、さとみまだかよ。もう11時だぞ。12時まで待つか。
にしても、ひどいな。9時のくせに、11時なんて………
今は8時51分。そろそろ行くか。
遊園地が見えてきた。8時56分。着いたー!9時。
「あ、俊介くん、早いね。」
「早いって、今何時だと思っているんだよ!」
「え?9時でしょ?」
「11時だろ!」
って、遊園地の時計見たら11時!全く、こんな日に限って時計がずれるなんて!
結局近くのレストランで昼食を済まして、ジェットコースター。
だけど私、ジェットコースターのるの初めてで………
「出発!」
私は一瞬、鳥肌が立った。
でも、下を見たら………
え?レールがない?
一体、どういうこと………
あ…そうか、私死んだのか…
「おい、大丈夫か?」
って、生きてる!
「全く、困ったよな。レール壊れたんだって。」
「…………」
「俺たちだけだぞ、生き残ったの。」
「え?」
嘘、私たち以外、みんな死んでしまったの?どうして?
ジェットコースターのところに行くと…
「ゆな!ゆな!しっかりして!」
「息はあるな…大丈夫か?」
ゆながジェットコースターの下で倒れている。
私は泣けてきた。私は、ゆながいたから、俊介くんと付き合えた。
ゆながいたから、今の自分がいる。
私は、観覧車に乗って、気持ちを落ち着かせた。
聞いてみたけど、俊介くん、ジェットコースターから落ちて、観覧車のところまでひとっ飛びして、下に着て降りたんだって。
すごすぎでしょ…
「おはよう!」
「ゆな!」
ゆなが学校に来ている。私は4組を覗いている。
「よかったぁ、生きていて…」
「生きていてって、昨日のこと知ってるの?」
「うん。昨日、俊介くんとデートしてて。」
「え!いいな、好きな人とデートって。」
「でね、俊介くん落ちて観覧車にひとっ飛びして下に着て降りたんだよ!」
「え!すごすぎでしょ、その運動能力!完敗!」
よかったぁ。
まだまだ頑張るしね。
でも、最近俊介くん寂しそう。
聞いてみたら、
「おれな、実は中学生になったら北海道に行くんだ。」
え?嘘でしょ。それじゃあ、6年になったら別れちゃう…
北海道……
「そうだ!私も行く!」
「でも、いいのか?家族が心配するぞ。」
そうだ。私の大好きな家族。どうすれば……
「行く!」
「でも家族が心配するって。」
でも…
「私北海道に行く!」
「行きたいなら、いい。」
こうして私は、俊介くんとのドタバタ暮らしを始めようとしていた。
「やっほー、俊介く…」
ドン!
あれ?
ここは確か…
「学校の保健室?」
「あら飯山さん。さっき、森川さんとぶつかったのよ。」
唇がなんとなくあったかい。これって…
キス?
実は私秘密にしてたんだけど、何らかの理由で俊介君と間接キスした事あるんだ。
でも本当のキスなんて…
「ええと、大丈夫です。」
そう言って急いで教室に行った。
「おはよう!」
テキパキと授業の準備。なんとか問題に答えて…
休み時間だ。ゆなにこっそり、キスのことを打ち明けると、
「ええ、すごいね。キスって。」
「そうでしょ。」
ゆなはしばらくだまったあと
「今日は二重跳びしようね!」
だって。まったくもう。
私は二重跳びが苦手なんだよ、まったくもう。
でも、なんとかできるもんね。
「では、次の質問に答えなさい、飯山。あくまでもこれは復習です。」
「はい!15÷5=…??」
「3だ。」
後ろから声をかけられたので、
「3です!」
「何ですか、その間は!」
「…はい。…」
家に帰ってから、私、家族にとんでもないこと言っちゃった。
「私、中学生になったら北海道に行く!」
「は?桜中学に入るんじゃないの?」
「あたしはお母さんやお父さんが反対しても、絶対に行く!」
「いつの間に、強くなったの…」
『可愛い子には旅をさせよ。』
その通りかもしれないわ、さとみ。
「いいわ。頑張って来なさい。わたしたちは、いつまでも見守ってるわ。」
「やった!」
というと、ぽんと手にマフラーと手袋と帽子とコートとパーカーを置いた。
「重いよー暑いよー」
「北海道は寒い!」
そして半袖2枚と長袖10まいを渡された。
「下の服は自分で用意してね。まだまだ時間はあるけど。」
「うん!」
「あ と!」
ビクっ。
「バイトや仕事は、ちゃんとやるのよ?」
いつものきついお母さんに戻った。でも…
「ありがとう!」
俺は、その様子をこっそり見ていた。悪いことだと知っていながら。
5年生になったら、私のお得意な家庭科だ。
実は私、言ったことなかったけど家庭科の授業が大好きなんだ!
好きこそ物の上手なれってやつかな。さあ、頑張るぞ。
うふふ〜ん。今日は超ハッピー♪気分!
だって、『イケメン3』と呼ばれている三智くん、悠人くん、真希くんがいるんだもの!
ちなみに今日は料理ね。
男3人、女3人でグループは決められるんだ。女は、ゆみちゃん、れなちゃんなんだ。3人で、とても仲良いの。
「今日は、みんなが大好きなエビフライを作ります。注意は…」
先生の話をしっかり聞く私たち。早く作って、食べたいな。
「それでは、始めてください。」
私たちは、まず海老の殻をむく。
ここでは,三智くんが素早く丁寧に剥いているの!
そして次は…黄身を取り出すんだ。
ここでは悠人君が大活躍!
次に、衣の材料を混ぜるんだ。衣の材料は,卵と水。
そして、まきくんがやったらきれいにまざる!
次に衣をつけるんだけど、ゆみちゃんとれなちゃんが頑張ってるんだ。
最後に衣をさっくり美味しくあげたのは,私!
だけどやけどしちゃったんだ。そしたら、三智君が
「大丈夫か?」
って言ってきて、もう大変だった〜
でも、さっくり美味しいエビフライ。今まで食べたので一番美味しい!
「ありがとう!」
すっごく嬉しい。私は,幸せ者だな、と思った。
「私、転校生の沢井ゆずかです!飛び級で東京大学から来ました。」
「おおー!」
「東大の飛び級って、すごくね?」
「ああ。」
これがもうパニック!
「ねえ俊介くん、一緒にドッチボールしよう!」
「いや、いい。」
よかった。
「ねえ俊介さーん。今日一緒に帰りませんか〜?」
「いや、俺はいい。さとみと一緒に帰るから。」
じつはすでに、ゆずか以外のクラスメイトは私たちが付き合っていることを知っている。最近はいじめも陰口も邪魔も全くない。
「え?さとみさんってあんな人なんですよ?あんな人より、私のほうがいいでしょう♪」
とたんに、クラスからゆずかをにらむめ。
「だって運動神経は悪いし、不良なんですよ?夜にパチンコ屋に出かけててたのも見たし、俊介君を操って危険な目に合わそうと…」
「そんなことしてないわ!一体何を言っているの?」
「はいはーい!」
悠人が立ち上がった。
「二人は最近の夜はお泊まりしていますよ?だから出かけたりしない。そもそも親はいつも家にいて、外には1人で出かけないんだ。」
「あらそう。違ったかしら、ごめんね。」
あの子、私と俊介君の関係を引き裂こうとしている!絶対に許せない!
「おは…よう?」
みんな私の方をにらんでくる。なんで?
「ちょっとあんた!」
クラスで一番乱暴な玲奈に言われた。
「あんた、うちのクラスの斎藤先生殺したんでしょ?何やってんの?」
「何?そんなこと、やっていないって…」
「嘘つくんじゃ無いわよ!」
みんなわーわーいってくる。私は、ゆずかの口元が密かに微笑んでいるのを見逃さなかった。
「ゆずか!あんたが斎藤先生を殺したのでしょ?」
「さとみさん、あなたが殺したことは、誰にもわかっていますよ?」
「何よ!じゃあ私が殺したとして、あなたはもっと驚くでしょ?怒るでしょ?おかしいわ。なんで?」
がららっと急にドアが開いた。俊介くん?お願い、来ないで…
「やあ!お待たせ!」
クラス中が驚きの目…
「すまんすまん、出張でな。」
「じゃあ、この血は?」
「そりゃ、俺が絵を描いていてな。そしたら絵の具が落ちたんだな。気がつかなかったよ。言わなくてすまんな。」
さとみ以外一同「えー!!!!!!!」
俊介くんは、なんのことがわからないと見ていた。
「…おはよう。」
「あ、俊介く…」
「おはようございます俊介さん!今日の昼休みに、屋上に来てくれませんか?」
「やだ。ドッチボールやるし。」
「でも外は雨ですよ?」
もーそれ、私が一番言いたかったセリフ!
「別にいい。」
「俊介くん!校長先生に怒られるよ?」
「すまんさとみ、なら…」
「…………………………………………………………………………………………」
私は一瞬、気を失いそうになった…
「なんで?なんでさとみの言うことは聞くの?なんで私の言うことは聞いてくれないの?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?」「ゆずか?」
「おい大丈夫か、あいつ。」「どうしたんだよ…」「何あのこ?どうしてこんなことになっているの?」「ゆずかってああいう子?」
「あんなゆずか、お前の言うことを聞いていないんじゃなくてな…」
「俺はその方がいいからだ。別にさとみを特別扱いしているわけじゃねえ。」
ガラララッ
「よー、挨拶だー!」
今日は日直なんだよね。
「起立、礼、着席。」
「次は、先生の出席確認です。」
「青野。」
「はい。」
「飯山。」
「はい。」
……………………………
「森川。」
「…」
「お?今日は欠席みたいだな。矢野…」
「ちょっと!朝は教室にいたよ?」
「でも今日は雨だし、どこかに行っているわけないぞ?」
「もしかして……………………………」
ゆずかが急にいなくなっている。という事は……………………………
「沢井さんが森川さんをさらった?」
「おいゆずか……こんなところに呼び出してなんのつもりだよ………」
「覚えていない?保育園の事。」
「ねえちゅんちゃん、ぢゅっとぢゅといっちょだよね?(ねえしゅんちゃん、ずっとずっと一緒だよね?)」
「ちょう。ちんでもぢゅっとぢゅっといっちょ。こくはくしてけっこんちよう。(そう。死んでもずっとずっと一緒。こくはくして結婚しよう。)
「こくはくってなあに?結婚ってなあに?」
「こくはくは、ちゅきでちゅ。(好きです。)っていう事。結婚は、一緒のお家に住む事!」
「絶対結婚しようね。約束だよ。」
「うん。」
しかし、親の都合で引っ越してきたのだ。だから、ゆずかと一緒にいられなかった。そのうち、約束は忘れていた。
「もしかして…ゆずか?ゆずかか…」
「そうだよ。で、どうするの?もうやめるの?約束したよね?」
「………やめるよ、俺は。ゆずかも大事。けど。」
「どうして?」
「俺は、さとみと約束したから。北海道で、幸せになるって。」
「北海道?」
「ああ、中学になったら行くんだ………」
「こら!沢井、森川、すぐに教室へ帰れ!」
「うわ。」
「説教だね。」
ーーーーーーーーーーーーー
「グスン………グスン…」
放課後になって、みんなはいろいろ楽しそう。
だけど私は、裏庭で泣きじゃくっている。
あの会話の、最初の方は聞こえた。けど。
俊介くん、私と…別れるの?嫌だ。絶対嫌だ。
今までは、なんだったの?
「さとみ?ゆなだよ♪」
「ゆな?なんでここに?」
「さとみ、俊介くんはね、ゆずかとの付き合いを諦めてさとみといるらしいよ。」
「俊介くん…ゆな、ありがとう!」
「照れるよー(^O^☆♪)」
(オイオイ)
「さとみ?大丈夫だからな?」
私は今年、新しいクラブに入ったの。
それは「恋愛アニメ研究クラブ」。
私とゆなとゆみとれなが女の子クラブ。
俊介くんと三智くんと悠人くんと真希くんが男の子クラブ。
ネタを書き込むと………
『私はさくら。14歳。
男の子に全く興味なんてなくて、甘いものが苦手で、運動神経悪くて……』
「て、ほとんど自己紹介じゃん!」
「ダメダメ。もっと映像技術が進歩しているんだからね。だからこうして…」
「うわ!綺麗!それに細かい!ストーリーもいい!れな、すごい!」
「お父さんが、アニメの仕事しているから。」
ニコッと笑っているけど、これは凄いぞ。
6年生。受験勉強の悪魔と修学旅行の天使が囁いてます。
入学式が終わって校長先生の話を聞いた後、教室まで戻ります。
クラス替えがあったので、席はこんな配置になりました。
永江 斎藤 遠藤 青野
西川 白川 如月 青山
早川 須磨 小林 飯山
(これ以上言えない。)
ゆなと一緒のクラス〜!
イェーイ!ラッキー!ハッピー!
夏の修学旅行は東京へ!
うわあ!渋谷ってすごい!原宿ってすごい!新宿ってすごい!
パンケーキおいしい!
「さとみ、ちょっとあそこの湖にきて。」
「OKゆな!」
「キャハハッ!かけないでよー!私のかき氷、おちゃうー。」
「私もだよー、アイスが溶けるー。」
「アハハッ。」
秋の学習発表会では。
無事演じきれてなーい!
『おかしなシンデレラ』で、魔法をかける時にステッキを持つのを忘れちゃった!
3月。
もうすぐ小学校も終わりかー。なんか寂しいな。でもって受験勉強↓
「さとみ!」
「俊介!」
『あなたのことが、好きでした。付き合っても、いいですか?』
その後、2人でキスをしたー