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作者: 水沢麻莉衣 (総ページ数: 27ページ)
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カラン…
屋敷のドアが開いた音がした。
パパだ。
パパが話をし終わり、帰ってきたのだ。
謝らないと。わたしの、あすのせいなんだから。
パパは、話せば解ってくれる。
そう。
絶対解ってくれる。
「あしゅちゃん…?ふふ。お話終わったから、もう大丈夫だよ?」
「う、うん…ありがとう…」
「あしゅちゃんお話しよう?パパとお話しよう?」
「うん…」
パパはぎこちなく笑顔を見せる。
もう、限界だと言うふうに。
パパは紅茶を一口飲んだ。
そして、私をみて、ゆっくりと口を開く。
あすはただただ、パパがお話するのを待っているだけだった。
「あしゅちゃんは…自由が欲しいんだよね…」
そう。
私は自由が欲しい。監視のない日常を過ごしたいのだ。
パパはそれをわかってはくれているのだ。
ただ、そう簡単には監視は解けるはずもなく。
「うん、欲しいよ」
パパの方が私より監視は厳しい。
パパの方が自由が欲しいはずなのだ。
「みるに頼もうか?」
「え?」
「監視、解く方法はあるにはーーあるよ。その気になれば、ね」
「ど、どうするの?パパが大変になる事?」
パパにはただでさえ迷惑かけっぱなし。
これ以上、かけられないよ…
「ミルカに頼めばーー、少しの時間は監視が解けるかもしれない。特務部隊に属していた内の何十人かが、ルフェリの諜報部隊に派遣されてるんだ。
ーーーだから、元は、特務部隊。その人達はミルカの監視下にある。ミルカに言えば、簡単かもしれない。」
ーー特務部隊!!
お姉ちゃんなら。
監視を解けるかもしれない。
パパは言いづらそうにしていた。
「どうしたの?」
「…えとね…でも、男の子はそのね…避けて欲しいかな、って…ご、ごめんねっ…それは監視をしないとで…一応ルフェリの姫方だから…そこは簡単には解けないよ…?」
「うん、大丈夫だよ」
パパが傷つくかもなら、あすは彼氏はいらない。
パパが笑ってくれればいい。