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南総里見八犬伝 その後 【完結しました!!】
作者: もも  (総ページ数: 23ページ)
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10~ 20~

*1*

―稲村城―
八人の犬士たちは、義成公に、大切な話がある。と呼ばれて、稲村城へ集まった。八人とも、大切な役割をもらい、城までもらってしまった。だが、義成公が話したかった主な話は、これらではなかったらしい。

信乃「あの、義成公様。大切な話、とは、どのようなことでしょうか」

義成公「うむ。よく聞いてくれた。そのことなのだが…」

と、義成公が言い出した瞬間、奥に下がっていたすだれが、くるくるっと、巻き上がった。そして、すだれの後ろにいたのは…

八犬士「うわっ///」

と、八犬士たちが顔を赤らめてまで、言うくらいの、美人がずらぁっと並んでいたのだ。

義成公「大の男が、城に住んだのだから、浜路と、その姉、妹たちと、お前たちを、結び付けたい。と、考えている」

八犬士「…」

八犬士たちは、すっかり困り顔。ここで、断ってもいいのだが、なにしろ、大切な役割と、城までももらってしまったのだから、さすがにここで断ることもできない。

新兵衛「だけど、義成公様。俺は、まだ子供だし、兄ちゃんたちだって、まだまだ、旅に出たがってる」

子文吾「新兵衛…お前」

新兵衛「だからさ、仮に、結び付けたとしても、旅に出さしたりとか、させてくれるんなら、いいけどさ、それが無理なら、俺は、その話は呑めない。それだけは、覚えといてくれ」

現八「そうですね。そういうことを、考えてくれているのなら、話は別ですが、考えていなかった、ずっと城に居座らせておこうとした。という考えなのならば、私たちも、結び付ける、という話については呑めません」

壮介「あぁ。そうだな。俺もそう思う。だろ?兄弟」

「もちろん」

八犬士全員が、声を―心を―合わせていった。さすがに、義成公も、そこまで頑なに言われてしまうと、無理やり、とは思わない。

義成公「分かった。考えておこう。そのうちに、また、呼ぶからな。頼んだぞ」

八犬士「はい!」

―そして、八犬士は、しばらくの間、また旅を続けるのだった―

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