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*1*
〜プロローグ〜
日ノ本の国に今年もまたこの季節が巡り来た。
まばゆい光を放つ太陽、どこまでも生い茂る草木と澄みわたる青い空。
静かな空間に響く風鈴の涼しい音色。
日が沈み、闇が空を包んでも、月の光や蛍の淡い光が優しく照らす。
季節は夏。
君と出会い、過ごした夏。
君との時間、思い出、すべてが詰まっている大好きな夏。
今でも忘れない、君の笑顔、匂い、感触、温かい手のぬくもり。
これからもずっと、ずっと忘れない。
だって、きみがいたから、今の俺がいるんだ。
また、会えますか?
その質問に答えてくれる人はいない。
でももう、会えない。
愛する人との別れがこんなにも
悲しいなんて・・・。
苦しいなんて・・・。
俺は知らなかった。
こんなことになるなら、君とは出会うべきではなかった?
いいや、そんなことはない。
またいつかきっと会えるかな?
なぜかそんな気がするんだ。
俺はずっと待ってるよ。
君がどこかで幸せならね、それでもいいんだ。
そう思っているのに。
心に決めたのに。
俺はどうしようもなく、会いたい。
こんな俺は醜い欲張りな男だね。
でも、それでもいい。
今はただ、ただ・・・。
君に会いたい・・・。
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