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ポケモンストーリー ダイヤモンド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 123ページ)
関連タグ: ポケモン ダイヤモンド バトル 冒険 恋愛要素 
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*1*

「第1話始めてのポケモン」
 「結局のところ、捜索隊の努力も虚しく色違いの赤いギャラドスは姿はおろか形さえ見つからなかったのであります」
 テレビコトブキ番組で特番が放送されていた。赤いギャラドスを追った番組だったが残念な結末で特番は御終いとなった。
 「残念だな〜、見てみたかったけど仕方ないよね」
 ここに部屋であぐらをかいてテレビを見ている少女がいた。白いニットにピンクのミニスカート、そこから見えるむっちりとした太ももが眩しい彼女の名前はアイコ。ここフタバタウンに暮らす女の子である。テレビの電源を切るとアイコは1階へ下りた。
 「アイコ」
 彼女のママが声をかけた。
 「なあに、ママ?」
 「さっき、ソウスケくんが貴方のことを呼んでたわよ」
 「ソウスケくんが?」
 「うん、なんでも大忙しですって。仲良しさんだから行ってあげなさい」
 「はあい」
 ママから草むらには入っていけないことを聞いて、アイコはソウスケの家に向かった。
 「おじゃましま・・・きゃっ!!」
 彼の家に入ろうとした時、アイコは誰かとぶつかってしまった。
 「いてーっ、なんだってんだよーっ、てアイコか」
 今、彼女とぶつかった羽のような尖った髪の毛にオレンジと白の縞模様の半袖、いかにもせっかちそうなこの少年こそ、アイコの幼馴染でボーイフレンドのソウスケである。
 「痛ーっ、もう、なんだじゃないでしょ。君のせっかちは昔から変わらないね」
 「そ、そりゃいいだろ。それよりもアイコ、早くシンジ湖に行こうぜ。遅れたら罰金・・・・と待った!」
 「どうしたの?」
 「やば、忘れ物!」
 ソウスケは大急ぎで家に入っていった。アイコはクスッと笑った。彼の底知れた明るさと機転の速さ、幼馴染で一緒に遊んでいた経験があるアイコは彼の良さも悪さもよく知っていた。ようやくドアが開き、ソウスケが出てきた。
 「ようし、冒険ノートはバッチシ持った。早く来いよ。遅れたら罰金二倍だぜ!」
 そう言ってソウスケは猛ダッシュでシンジ湖へと走っていった。アイコもその後を追いかける。そして、201番道路。
 「ソウスケくん」
 「アイコ、相変わらず来るのが遅いぞ」
 「それは君が早すぎるからでしょ。それでシンジ湖に何をしに行くの?」
 シンジ湖とは、201番道路の先、左へ進んで上へ通った先にある伝説のポケモンがいるという噂がある湖でアイコとソウスケが小さかった頃、良く遊んだ思い出の場所である。
 「お前も特番で見たろ。赤いギャラドスのさ」
 「う、うん」
 「俺たちが小さい頃よく遊んだ湖にもいるかもしれないと思ってさ。俺とお前でそいつを捕まえるんだよ」
 「ええ、大丈夫なの?」
 アイコは不安そうな顔をしたが、ソウスケは平気そうな顔をして言った。
 「大丈夫だって。俺とお前がいればどうってこともないさ。さ、行こうぜ。念願のポケモントレーナーになるんだ」
 ソウスケにイケイケと押されてアイコは渋々ながらもついていくことにした。
 そして、ここシンジ湖二人が入ると湖で二人の人物が何かを語り合っていた。一人は厳かな雰囲気をたたえている博士。もう一人は、博士のボディーガードをしている少年だった。
 「博士、湖は何も変わったところがないですね」
 コウキと言う少年が湖の状況を言うと博士も返し言葉を言った。
 「ふむう、気のせいかもしれぬが、まあこの湖を見れただけでも良しとしよう。久しぶりのシンオウ地方だ。研究のしがいがあるものだ」
 コウキと博士は二人に道を開けてもらい、湖を後にした。
 「何なんだ、あいつら・・・。おっ!」
 ソウスケは草むらで何かが落ちていることに気が付いた。一緒に行こうぜ、と言うソウスケにアイコは首を横に振って言った。
 「ソウスケくん、草むらにはポケモンが出るかもしれないから・・・」
 「平気だって。ちょっと見に行くだけなら大丈夫さ」
 「でも、あ!」
 ソウスケはアイコの手を引っ張って草むらに入った。よく見るとそれはカバンだった。何のカバンだろうとソウスケが首をかしげていたその時、バサバサ、と音を立てて、むくどりポケモンのムックルが襲いかかってきた。
 「きゃあ、な、何?!」
 「ポ、ポケモン!なんだってんだよーっ!」
 突然の襲撃に慌てる二人。ソウスケ急いでカバンを開けた中には3つのモンスターボールが入っていた。
 「アイコ、こいつを使おう!」
 「え、でもそれ、人のだよ」
 「今は大ピンチなんだよ、責任は俺が取るからさ、行くぞ!」
 ソウスケは一つのボールを手にしてムックルに戦いを挑んだ。
 「私は・・・」
 アイコは落ち着いてボールを選んだ。そして、
 「私は、この子に決めた!」
 アイコは一つのボールを手にしてこれを投げた。
 「ヒコーッ!」
 出てきたのは、こざるポケモンのヒコザル。
 (か、可愛い・・・)
 ヒコザルの可愛さに、アイコは手を口に当てて頬を赤らめた。しかしすぐに戦闘に入る。
 「ポケモン勝負と、同じなんだよね、ヒコザル、ひのこ!」
 「ヒコ!」
 アイコの指示でヒコザルは、ひのこで攻撃。ムックルは大ダメージを受けて逃げていった。
 「よ、良かった〜っ・・・」
 始めてポケモンを使ったアイコは思わずペタリと座り込んでしまった。消沈している彼女にヒコザルが駆け寄ってアイコの足に頬ずりをした。
 「クスッ」
 アイコは微笑ましくなって両手でヒコザルを抱き寄せた。
 「勇気があるのね、ありがとう」
 アイコは優しくヒコザルの頬にキスをした。
 「お〜い、アイコ〜っ」
 そこへソウスケが近寄った。
 「ソウスケくん、あれ?」
 ソウスケを見ると、彼の肩にペンギンのポケモンが座っていた。
 「やるな、アイコ。けど、俺のポッチャマが一番だぜ」
 「ポッチャマ、その子のこと?」
 「そう、けど俺たち人のポケモン使っちゃったな・・・」
 「あ・・・」
 二人はどうしたらいいか考えた。
 「あ〜良かった。もう少しで博士に怒られるところだったよ」
 そこへ先ほどのコウキと言う少年がやってきてカバンを手に持った。だが二人がヒコザルとポッチャマを手に持っていることに気づく。
 「え、え、まさか君達、ポケモンを使った?!どうしよう・・、取り敢えずカバンは博士に返そう・・・」
 コウキはため息を吐いてその場を去っていった。
 「アイコ、俺たちも行こうか・・」
 「うん・・・」
 二人も、ポケモン傷ついていることを考えてシンジ湖を後にするのだった・・・。

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