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ポケモンストーリー ダイヤモンド編
作者: たくと七星  (総ページ数: 123ページ)
関連タグ: ポケモン ダイヤモンド バトル 冒険 恋愛要素 
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「第43話ナギサジム、VSデンジ」パート3

アイコ現在の手持ち
ゴウカザル、ルカリオ、ムクホーク、ストライク(ひんし)、ゴローン(ひんし)、エムリット(戦闘中)

 3対3によるポケモンバトルが始まり、大詰めを迎えようとしていた。ストライク、ゴローンが次々と倒されていき、アイコが望みを託したのはエムリットだった。
「エムリットちゃん、れいとうビームよ!」
「きょうううん」
 アイコの指示でエムリットはれいとうビームを放った。
「レントラー、こうそくいどうだ!」
「レーン!」
 デンジの指示でレントラーはこうそくいどうをしてれいとうビームをかわした。
「かみくだくだ!」
 レントラーはかみくだくでエムリットを攻撃した。エスパータイプのエムリットには効果抜群で大ダメージを受けた。ふたたびかみくだくに出ると、エムリットは両手でレントラーの顎を抑えた。
「甘いな、レントラー!」
 レントラーは一回転して自分のしっぽをエムリットに巻きつけた。そして飛び跳ねてエムリットを地面に叩きつけた。
「エムリットちゃん!」
「きょう、きょううう・・・」
「やれ!」
 エムリットは落とされた衝撃で起き上がれずにいた。レントラーが前足でレントラーの頭を押さえつけて、牙を光らせた。エムリットは精一杯睨んで見せたが、レントラーは相手にならんと薄笑いを浮かべてほうでんを放った。
「きょうううん!!」
 エムリットの体中に電気が走った。レントラーに押さえつけられ体が痺れ続けた。
(強い、今まで戦ったジムリーダーの人たちよりも。どうする、どうすればいいの・・。考えてアイコ、考えるのよ!)
 アイコは必死で作戦を考えた。しかし劣勢であることの焦りからかいい方法が思い浮かばない。レントラーはエムリットを蹴飛ばして解放した。
「は、エムリットちゃん、みらいよちよ!」
 アイコはチャンスだとエムリットにみらいよちをさせようとした。
「こわいかおをしろ、レントラー」
「レーン・・・!!」
 しかしデンジはレントラーにこわいかおを指示した。眼光を不気味に黄色く光らせるレントラーにエムリットは背筋が凍る恐怖を感じてしまい、みらいよちをすぐに飛ばしてしまった。みらいよちは方向を大きく外れて壁にぶつかった。
「エムリットちゃん、しっかりして、勝つのよ!」
 アイコが叫ぶと、エムリットは不安そうな顔で彼女を見つめた。勝つことに囚われているアイコを心配したのか、自分に期待を寄せすぎていることに重圧を感じているのか、アイコは気づけずにいた。
「そろそろ終わりにするよ・・・」
 デンジが言うと、レントラーはこうそくいどうで円を書くようにエムリットを囲んでほうでん攻撃を飛ばし続けた。立て続けの攻撃にエムリットは両目を激しくつぶって苦しい顔をした。
「どうする、このままだと、君の負けだぞ。君の強さはこんなものなのかい」
「違う、私は、私は、負けたりなんか、しない・・・!」
 アイコの目から涙が溢れ出した。追い詰められながらも叫ぶ。
「絶対に、勝つのよ・・・!!」
「君に何かを期待していた俺が間違っていたよ」
 デンジは冷めた目をした。レントラーはほうでんを止めると、アイアンテールを振るって、エムリットにとどめをさした。
「きゅ、きょうううううううん・・・・」
 今のが決め手となり、遂にエムリットはばたりと倒れた。アイコの三匹のポケモン全てが戦闘不能になった。
「これで俺の勝ちだ」
「そんな・・・」
 アイコは膝をついて倒れた。近くでエムリットがボロボロに横たわっていた。始めての敗北に、アイコは真っ暗な世界に飲まれてしまったように呆然とするしかなかった・・・。

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