完結小説図書館

<< 小説一覧に戻る

スマブラ セカンドストーリー 復活の亜空軍
作者: たくと七星  (総ページ数: 39ページ)
関連タグ: スマブラ オリジナル 他社キャラ 夢の共演 アドベンチャー 
 >>「紹介文/目次」の表示ON/OFFはこちらをクリック

10~ 20~ 30~

*1*

ステージ1「ヨッシーの村」

この話の主人公、毛利元就

 この世界を侵攻してきた亜空軍が倒されてから2年の月日が経った。平和だったこの世界だが、亜空軍が再び不穏な動きを見せていた。そして、新たなファイター達の戦いが始まろうとしていた・・・。
〜雲海〜
「う〜ん、困ったなあ・・・」
 天空界の近くの雲海、傾いた烏帽子を被った毛利元就は亜空軍の一味である董卓と呂布に押されていた。そしてプリム達もジワジワと迫ってきていた。
「ぐわはははは、地獄に突き落としてくれるわ!やれい、呂布!」
「ふん、豚が偉そうに、言われるまでもない!」
 呂布は方天戟を振るって無双乱舞に出ようとした。元就はこれを牽制するべく、矢手甲から矢飛ばして、ジャンプして後退した。ここまでは元就の計画通りだったが、
「あれ?」
 気付くとそこは雲の足場がない空地だった。悲鳴を上げるまもなく元就は空を落ちていった・・・。
 
 しばらくして、何かの声が聞こえてくるような感じがした。自分を心配しているかのようなそわそわした声だった。その声に導かれるように元就は静かに目を開けた。
「あ、気がついたよ!」
「本当だ、やっと起きた」
「よかったね、お兄さん」
「?、?」
 元就が見回してみると、そこにはどこもかしこも背中に鞍を付けてブーツを履いた赤、緑、青、紫、水色、ピンク、黄色、黒、白と様々な色をした恐竜のようなドラゴンのような生き物たちだった。
 彼等、ヨッシー達は元就が起きたのを見てワーオと声を上げて、ドタドタさせて喜んだ。
「いやあ、君達に歓迎されて嬉しいよ。でも、まさかトカゲくん達に助けられるとなね。所でここはどこだい?」
 元就は初めて見るヨッシーに少し微妙な顔をするが、助けてくれたことに礼を言った。
「それで、ここはどこなんだい」
「おいでよ、僕が案内するね」
 緑色のヨッシーが手を上げて、元就についてくるよう促した。元就はそのヨッシーについて行って外を出ると、
「うわあ・・・」
 そこには生い茂る草原の中で日々の営みをするヨッシー達の姿が映った。仲良くクッキーを作ったり、メロンを栽培しているヨッシーや、丘の上で昼寝をしている仲間がいたり、的当てゲームをしていたり、お花をプレゼントをしたりと、平穏な光景が目の前に広がっていた。
 元就はヨッシーに連れられて、他のヨッシーと挨拶して村の風景や営みなどを紙に書いていった。
「どうだった?」
「いや〜、とてもいいところだね、ここ」
 元就とヨッシーは草原で昼寝をしていた。
「村の民は中々温厚で良かったよ。安穏した老後を送る場所としては最適かな」
 元就は空を見上げて背伸びをした。
「所で元就さん?」
「何だい?」
 元就が振り向くと、ヨッシーは大事なことを離した。
「冒険の続きをしているんじゃなかったかな?」
「・・・・・・、ああ、そう言えば!」
 元就はやっと思い出したような顔をした。自分は亜空軍と戦うために旅をしていて、雲海で・・・。
「大変だ、大変だーっ!」
 そこへ、一匹のヨッシーがやって来た。
「あれえ、どうしたの?」
「それがね・・・」
 一匹のヨッシーが緑のヨッシーにヒソヒソと耳打ちをした。
「ええーっ、子供達が、豚さんみたいな人に?!」
「豚みたいな人・・?」
 元就はそれがすぐに董卓であると理解した。取り敢えず村の広場に行ってみると、ヨッシー達がどうしようと大慌てでパニックになっていた。
「うわーん、どうしようーっ!」
「子供達がーっ!」
「皆、落ち着くんだ!」
 緑のヨッシーが村の仲間を落ち着かせて、話を聞いた。それによると、村に豚、もとい董卓がやって来て、子供達を人質にしてしまったと言うのだ。そして返して欲しければ村の食料を全て出して来いと条件を出したのである。そして交換の場として崖が見える場所で待っていると言い残したのだ。
「どうしよっか?」
「交換するしかないよね・・・」
「でも、そうしたら村の食べ物が無くなっちゃうよ」
 ヨッシー達はどうするべきかあれこれと考えを思い浮かべた。しかし単純すぎたのかいい考えが思い浮かばない。
「ちょっと、いいかな?」
 元就が手を上げた。どうやらいい考えが思い浮かんだようである。ヨッシー達を集めると、自分の作戦を一言もらさずに説明した果たして、その作戦は何か・・・。
「ええい、あのトカゲ共め、ちっとも来ないではないか!」
 ここ、崖が一望できる場所。董卓がイライラした顔で足をドンドンと踏み鳴らしてヨッシー達が来るのを待っていた。
「ぐふふ、それならばこのチビどもを刻んで干し肉にしようかのう!」
 董卓が刀を持ってチビヨッシー達に舌なめずりをした。チビヨッシー達は怯えて泣きじゃくっていた。そこへ、
「待ってーっ!」
 ヨッシー達がやって来た。食料の入ったカゴを運んできたのだ。
「遅いぞ貴様等、どれだけわしを待たせるのじゃ!」
「ごめんなさ〜い、でもそのお詫びとしてこれをどうぞ〜」
 ヨッシーの台詞に董卓は何をくれるのかと、首をかしげた。ヨッシー達が誰かを山車に乗せて来た。何やら緑のドレスに顔を隠した花嫁っぽい人を運んでいた。
「ぐふふ、美女をよこすとは中々気が利くではないか。それなら遅れたのも許してやらんでもないぞ」
 美女に目がないこの男はすっかり花嫁に夢中になっていた。その間にヨッシー達が気づかれないように子供達を一匹ずつ助け出していった。董卓が顔を覗きこもうとしたとき、花嫁の腕から矢が飛んだ。
「おわ、何じゃ?!」
「やれやれ、こんな見え見えの罠にハマるとはね」
 花嫁の声がしたがそれは男のものだった。手には矢手甲を装備している。顔を隠した薄い布を取ると、それは毛利元就だった。女装して董卓を油断させている間に子供達を助け出す作戦だったのである。
「おのれ、小狡い手を使いおってーっ!!」
 董卓は激昂したが、子供達は救出されて後の祭りである。
「今だ!」
 元就が合図を出すと、崖の上にいたヨッシー達が動き出した。皆で協力して崖から次々と岩を転がしていった。岩は転がって董卓に向かってくる。
「ひえ〜、貴様等〜、覚えておれよ〜っ!」
 董卓は一目散に逃げていった。元就はヨッシー達に腕を上げると、ヨッシー達は両手を上げてジャンプして歓声を上げたのだった。
「じゃあ、私はこれで行くね」
 董卓を追い払ったあと、元就は旅に出ようとした。
「じゃあ、僕も行くよ。元就さん、仲間は多いほうがいいよね」
「君も一緒に来てくれるのかい?嬉しいな。じゃあ、これからよろしく頼むよ」
 ヨッシーを仲間に加えた元就は村のヨッシー達に見送られながら緑のヨッシーと歩いて行った・・・。

1 > 2