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夢の中の僕
作者: 佐々木俊  (総ページ数: 2ページ)
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*1*

僕たち兄妹はもう「あの夢」を見ることはなかった。
そして、3年近くの月日が流れた。
その間、僕たち兄妹はもちろん、家族ぐるみで親交を深めてきた。
僕の両親は娘ができたみたいと喜び、美咲の両親は息子ができたみたいと喜んでくれた。
そして、僕たちは来月、それぞれの高校で卒業式を迎える。
僕は都内の大学の理工学部に、美咲は都内の音大のピアノ科に進学が決まっている。
でも、予想していたことだけど、美咲のお父さんがまた転勤することになった。それも海外に。
美咲のお父さんは「一人娘を一人日本に置いていくわけには行かない。俺が単身赴任する」と言ったそうだが、美咲は「夫婦が遠く離れて暮らすのはよくない。私が一人暮らしするから大丈夫。」と言い張った。
この騒動に僕の両親も応援してくれて、不動産屋の父が僕たちの家のすぐ近くにグランドピアノを置ける貸し家を見つけてくれた。
そしていざという時には僕も僕の両親も面倒見るから大丈夫、安心して!ということで、美咲は一人暮らしをすることになったのだ。

ところで、美咲と海江田はいい関係が続いている。
一方、僕の方は、あの後、茜里ちゃんに告白したら、
あっさり「ごめんなさい...」
という結末だった。
まあ、いいさ。
もし「OK」だったら、話が出来すぎだから...

         おわり

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