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作者: Leru (総ページ数: 19ページ)
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No,5 オワリノハジマリ
『お兄ちゃんなんかいらない!大っ嫌い!』
その言葉を発した時のお兄ちゃんの顔は酷く苦しそうで、
気づいた時にはもう、遅かった。
私は家から飛び出した。
「~~~!!!」
何かを言っているようだが、もう何も聞こえない。
ずっと走った。もう何分走っているかもわからない。
私の心の中は罪悪感や話の理解が出来ずもうぐちゃぐちゃだった。
どこかわからない公園のベンチに座り込む。
頭の中から声が聞こえる。
「お兄ちゃん‘は’偉いわね~」「‘この年になっても’連れて行って‘あげる’ものね~。」
「お兄ちゃん‘大変ね’」
「もっと、頑張ったら?」
「なんで響君はできるのに、叶ちゃんはできないの?」
「こりゃ、天地の差だな。」
近所の人から言われた言葉。
「役立たずじゃん。」「こいつが響様の妹とかありえないんだけど。」
「響様とはホント違うよね。」
友達に言われた言葉。
私は頑張った。お兄ちゃんに憧れて頑張った。
褒められたくて、お兄ちゃんの横に胸を張って歩けるように。
私はつぶやく。
『お兄ちゃんのために頑張ってきた。って、、、嘘じゃん。』
今気づいた。‘お兄ちゃんのため’って言って、
『逃げてただけじゃん。だっさ。』
「それは違う!!!」
『お兄ちゃん、、?なんで、、』
「俺のかわいくて、俺の大好きな妹がいきなりどっか行ったら追いかけるわアホ!」
『、、、嘘だ。』
「嘘じゃない!俺だってこのことを知ったんは最近や!
俺はほんまに叶のこと大事な妹って思っとった!」
この時のお兄ちゃんの顔は真剣で、嘘を言ってるようには全く見えなかった。
『ほんと、?』
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めっちゃいいとこで切りました。
すいません。m(__)m
次の話めっちゃ楽しみに待っていてください。
by Leru