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*13*
その夜のことだ、朝とは打って変わって扉を叩く音が
「おかあさん、誰か来たよ」
「そうみたいだ...誰だ?宅配便が連続で来るはずもないし...」
「やあ」
「うわ」
扉を開けたら、この間の茶髪の...ダ・ヴィンチさんだ
うわぁ、今日も来たよ...正直ぐいぐい来る人苦手だな...
「何しに来たんですか?今日は休日ですけど?」
「仕事なんか頼まないさ...いや、ある意味仕事だけど、ほらおいで」
ダ・ヴィンチさんの後ろに引っ付いて現れたのは...えっ、なんで?
「マシュ!?」
...
「君の晩御飯がどうしても気になったようでね、引っ張り出してきた」
「私は別にいいとは言ったんですけどね...」
「ここあんまり広くないんだからそんな来られても困りますよ...」
「仕方ないんだよ、前にも言わなかった?カルデアで料理出来るのは君ぐらいなんだ」
「カルデアは日本に限らずアメリカや中国に、ヨーロッパ、アフリカやエジプトまで世界中に支部があって、私のような管理係も沢山いるじゃないですか!」
「言い方を変えよう、サーヴァント相手にここまで熱心になれるのは君だけなんだ」
「え?それって何の繋がりが...」
「まあそれに関しては話せるときに話すよ、ほら」
「お邪魔します...」
入れるとは言ってないような...そんなことも聞かず二人は部屋へと入っていく
「いや、無理です!ダメですって今日は!晩御飯揚げ物ですよ!?」
...そう、揚げ物。
今晩私が作ろうとしたのは『れんこんチップス』私の二番目くらいの大好物だ
料理を初めて分かったが、油を使う料理は想像以上に危険、まだハンバーグを作っただけのマシュにこれを手伝えというのはあんまりだろう
「へー、れんこんで揚げ物ねぇ、随分面白そうじゃない」
「いや面白いとか抜きに!油危険なので!」
「心配無用、こんなこともあろうかと」
ダ・ヴィンチさんが義手を叩くと、なんか給食の時に使ったようなビニールの軍手が飛び出す
「ダ・ヴィンチちゃん特製の火傷0%の特別な品だ」
「あの人いつもそんなの用意してるの?」
「大体変なもの作ってたりしてますね...」
うわぁ、本部って本当に...とんでもない英霊を出したな、マスターの顔を見てみたい