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*66*
「俺のマスターは日本に来てなんかするつもりだったらしいが...まあ、お前には関係のないことだ」
「凄いことをする予定だったのに、なんで見切ったんですか?」
「簡単だ、信用に値するマスターではなかったからだ...くだらねぇ計画考えて、サーヴァントをドレイみたいに扱う事を考えるような野郎だったからな」
「...!サーヴァントを奴隷のようにって、そういうことだったんですね」
「で、聞きたいが...お前は他のマスターが管理するサーヴァントを見たことがあるか?」
「はい、見たというか押し付けられたりもしましたが」
立香は黒ひげと清姫の事をクーに話す
「そうか、もうそこまで来ていやがったか...まあ日本にはドクター・ロマンとマシュ・キリエライトがいる...大事にはならねぇ」
「なんでそこでマシュとロマンさんが出てくるんだ?」
「さっきも言ったがこの件はお前には関係ないことだ、サーヴァントを尊重し信頼されているお前にはな。知らない方がいい、その方がお前の知り合い全てが不幸な目に合わずに済むからな」
誰かが不幸になることは何としても避けたい...そう思った立香はこれ以上深く詮索しないことにした、こうやって何気なく暮らすことで何か変わってくるのなら自分は何も聞かなかったことにしよう、そう信じて
「分かりました、彼らに任せてみるとします」
「ああ、お前は【消される】事は無いだろうしな、だが念のため死なないように警戒しろ」
「死なないように?」
「お前のサーヴァント...ジャック・ザ・リッパーは完全にお前に心を許している、もしお前に何かあってみろ、皆殺しにするぞ」
「...そっか、ジャックにもそれだけの力があるんですよね、私なんかのために」
「サーヴァントというのは、信頼した者を守り抜く奴の事だ、あんたみたいな奴をな」
「これまでを見てきたが、メイヴがお前を見切らずに居たのも頷けた」
クーは湯槽が揚がり、コーヒー牛乳を取り出しながら銭湯を抜ける
「じゃあな、お前はいつも通りでいい...揉め事は俺とロマンと本部が何とかする」
「は、はい...なんだったんだろう...?」
...
翌朝、メイヴは借りてきた『正義の味方』を一気に視聴するが...
「...何よ、これ...あいつは、こんな作品を見て育ったの?」
END